カテゴリ:着物のこと( 438 )

新しい帯枕

まだ二十代半ばの若かりしころに住んでいた杉並区で
無料の着付け教室(全十回)を区内数カ所の施設で開いてくれるとのことで
同じ沿線に住むお友だちに誘われて着付けを習いに行ったのが
私の着物人生の始まりだった。

実家に電話して、以前から用意してあった一式を送ってもらった中にあった帯枕は
厚紙に硬いふくらみがついたもので、いざ着付けてみると、
これがどうも自分には具合が悪く、自分でデパートへ出かけていって
はじめてウレタンの帯枕をひとつ買ってみたのだった。
(のちに袋帯用、へちまで自作した盛夏用など用意して使い分けてきた)

ガーゼをかけると背中で安定するとはどこで知ったのだろう?
着付けの先生に教えてもらったのだろうか。
自分で買ってきたその帯枕にさっそくガーゼをかけて、以来25年以上。
さすがに古びてきたので、この春、新しい帯枕を買った。

個人的には、このままではずりずり動いて使いにくいので、
まずはガーゼを用意して、

f0229926_13102320.jpeg

帯枕をくるむ。

f0229926_13103864.jpeg


私の好みは、まず下から巻きあげて

f0229926_13105083.jpeg

上から巻きおろして、
帯枕の下のラインで切り端を折り込んで待針で留めておき

f0229926_13110746.jpeg

ウレタン部分のへりを縫い込むようにして糸で縫いとめる。

f0229926_13114898.jpeg

ガーゼの耳のところはそのままにして

f0229926_13130465.jpeg

できあがり〜♪

f0229926_13133294.jpeg

古い帯枕というと、青木玉さんの『小石川の家』(だったかな?)で描かれた
あるエピソードを思い出す。
母幸田文さんの使い古しの帯枕を見て、まだ少女の玉さんが
黙って松坂屋だったか百貨店で出かけていって、
お年玉で新しい帯枕を母に買って贈るというお話。
女の子にもよるだろうけど、玉さんの感性はそういうところ、
よく見てるなあ〜って感心したっけ。

やりくり算段した着古しを着ていても、腰紐一本、帯枕ひとつ、
そういう外から見えない小物だけでも新しくなるって、
(たとえよその人にはわからなくても)着ている自分の中では
キモチがいいものなんだって、このお話から教えてもらった気がする。

さあ、これで秋から気分よく帯を背負えそうだわ♪

by team-osubachi2 | 2018-06-17 14:09 | 着物のこと | Comments(2)

紙布のぬくもり

今日はまた一段と肌寒いようなお天気だ。
昨日もちょっとヒンヤリした曇天のもと、週イチで通う挿画塾へ。
何を着ようかなと考えて、紙布の単衣を出して袖を通す。

和紙を切って紙縒りして糸を作り、それを織るだなんて
よくまあ考えついたものだと紙布を見るといつも感心するけれど、
着物として着ると、生紬のような張りがあって風通しもよく、
そのくせ梅雨寒むのようなお天気のもと着ていて体温を逃さない温もりを発揮する。

さらにはちょっとやそっとの汗や雨にも負けない強さがあって、
洗い張りもやったし、このごろは自分でそっと水洗いしてアイロンをかけても
まだ張りが保たれていることに感動する。

f0229926_09075622.jpeg

この単衣に、たいがい麻の手描き染めの半幅帯をついついあわせてしまうのは
自分が思ってる以上に好きなんだろうなあ、この組み合わせが。

昨日は帯揚げをちょいと挟み込んで、カルタ結びに。

f0229926_09080617.jpeg

半幅帯の青にあわせて、下には群青の麻襦袢。

さらしを巻いて、麻の長襦袢を着て、その上に紙布の単衣。
歩けば風をはらむのに、冷えすぎない温もりもあって着心地はすこぶる快適♪
六月と九月には本当に重宝な一枚。

f0229926_09102013.jpeg

さて、ところで。
ギョーカイ内では「フムフムおじさん」の愛称で知られる装丁家さんの教室。

私の着物好きをご存知なので、事前に「着物着ておいでよ」と言っていただいたけど、
言われるまでもなく私はこういうお教室には着物を着ていくのである♪

f0229926_13210929.jpeg

今期の生徒は三人だけ(云うまでもなく最年長は私)。
先生の各人の作品へのご指摘は非常に厳しい。
自分のでないのに、クラスメイトへのご指摘を聴くだけでイタイ気がしてくる。
けれども、その中で、その人の光る部分や良いところをグイとひっぱりあげる。
ベストセラーをいくつも生んできたプロフェッショナルの視点にはうなずく事多く、
何よりイラストレーターとイラストレーションへの愛情が根底にあるその授業は
むちゃくちゃ面白くて、2時間、ときには3時間近くでも
みんなずっと集中して聴いていて、時間がたつのを忘れるくらい夢中になる。

着物を着ていくのは、我が身をシャンとさせる効果も
無意識に狙ってのことかもしれないなあと思う。
来週は私の作品へのチェック。
ビビリそうになりながらも、ご指導ご鞭撻をいただくのが今から楽しみだ。

by team-osubachi2 | 2018-06-15 13:28 | 着物のこと | Comments(4)

はじめて護国寺へ

六月のお茶会に誘っていただいた。

五月の茶会と違って、袷にすべきか単衣にすべきか迷う必要もなく、堂々と単衣に袖を通せるね♡
そう思って前日にうきうきと紬地の付下げを箪笥から出しておいた。

f0229926_15194353.jpeg

夜、大雨が降りだした。えっ!・・・雨なの?・・・もしかして明日も雨なの?

じゃあ、単衣無地にしておこうかな。
まだお茶を習っていたころ、縞の地紋が気に入って自分で誂えたもの。
私にはめずらしく明るめに染めてもらい、繍いの一つ紋を入れてもらったもの。

f0229926_16331616.jpeg

朝起きてみたら、なんのことはなく、前の晩から一転して晴れて蒸し蒸し状態。

もう今さら元に戻すのも面倒になって、そのまま無地単衣に袖を通す。
まあね、これならガード加工してあるから汗もへっちゃら〜♪
帯は今回このお茶会に誘ってくださった方からいただいた絽綴れをあわせた。

f0229926_16333511.jpeg

が、残念ながらお誘いくださった方はご都合でいらっしゃれないとのことで、
急遽別のお友だちにピンチヒッターで一緒してもらい、
待ち合わせて向かった先は音羽の護国寺。

むかし友だちのCちゃんがこの近くに住んでたから、入り口の立派な門は何度も見てたけど
素通りするばかりで境内に足を踏み入れたのはこれがはじめて。
なんてまあ、立派なお寺さん?!へえ〜、へええ〜、知らなかったなあ〜。
(ちょうど骨董市も開かれてた。毎月第二土曜が骨董市の日なんだそう)

f0229926_16340765.jpeg

若かりしころ、私が最初に茶道の手ほどきを受けたのは江戸千家だった。
でも、先生はすでにご高齢で除籍(って言い方でいいのかな?)されていて、
後から入門した私はお茶会というものにご縁がなく、
よく老先生と姉弟子さんらが護国寺でのお茶会の思い出話をされていたっけ。
とにかく芋の子を洗うみたいにすごい人数なんだと聞かされていたせいもあり、
待ち時間の長さを覚悟して行ったら案に相違して、お客様はさほど大勢ではなく、
どのお席もちょっと待って次の回におするすると席入り出来たというスムーズさ。

ゆったりと座っていただいた点心もとっても美味しかったし、
どのお席のお菓子も美味しかったなあ〜♡三席ともペロリと食べちゃった♪

f0229926_16342142.jpeg

お家元のお席もよかったし、飄々とした男性宗匠のお席もよかったけど、
最後にまわったお席の先生は、偶然ながら私が住まいする丘の上の同じ地縁で
今日この帯をくださった方を通してつながったご縁だった。
お話すると、なんとも気さくて優しい先生でいらっしゃった。

面白いことに、そのお席で、これも偶然隣り合わせに座った美しい女性は
(モデル時代には雑誌やTVCFでご活躍されたのを拝見してもいたけれど、
清野恵里子さんのきもの本でも美しいグレイヘアでちょこっと登場されていらっしゃる)
これまた私が以前恩師と仰いだ方にお世話になったというご縁で繋がった方で、
私からお声をかけてちょこっと恩師の思い出話をさせていただいた。

f0229926_16334953.jpeg

なんだろう、自分に繋がるいくつもの見えない糸を
あらためてたぐるような感じで、ほのかなご縁を感じさせてくれる人たちと
「さあ、ここでご一緒に一椀のお茶をいただきましょう♪」
そういざなわれた、とでも言おうか、私にはとても面白くて
興味深いお茶を味わわせていただいた。こういう一期一会もあるんだなあ・・・。

お誘いくださった方、ご一緒してくださったお友だち、ご同席の方々、
このご縁につながるみなさまに、感謝♡

by team-osubachi2 | 2018-06-09 19:34 | 着物のこと | Comments(10)

単衣の小紋を愉しむ

先日手に入れておいた単衣の縮緬の更紗小紋。
はて、いざ着てでかけるとなるとどの帯があうかしらん?と
いまどき締めるのに良さそうなのをふたつみっつ置いてみる。

f0229926_22092260.jpeg

母譲りの博多三本独鈷。
そうね〜、ソツなくいける感じかしらん。

f0229926_22100719.jpeg

栗梅色の縞の八寸。
ふう〜む、ちょっと重いかなあ〜。秋ならいいかもだけど。

f0229926_22094888.jpeg

麻の染め帯、琉球紅型。
いけなくもないけど、どうも今ひとつ気分じゃない、かな。

昨日は友だちに誘われて、久しぶりの歌舞伎見物へ。
団菊祭の夜の部。座席は毎度気楽な天上界、もとい、天井階だし、
この小紋のデビューにはちょうどいい機会ね♪
今回あわせたのは博多帯。来月以降は無地の絽綴れもいいかもネ。
いただきものの玉虫の帯留は七宝焼き。

無地っぽいのやシックなのも好きだけど、
たまにはこんなどこか昭和チックな小紋に袖を通すのも
気分があがって愉しいわあ〜♡

f0229926_00292775.jpeg

歌舞伎もいまは年に一回行けばいい方ってくらいにしか見物しなくなったけど、
もう本当にしみじみとゆったり、ある意味、めったに行かなくなったからこそ
程よい距離感で楽しめるようになった気がする。

「この人は六十代からが大化けするんじゃないか」って
自分勝手に思ってる松緑さんが変化してて嬉しく思ったり、
顔ぶれを見ると、ちゃんと次世代、次々世代が育っていってるんだなあって思ったり、
去年だか一度聴いただけの長唄の杵屋巳津也さん
(お父様はかの山口崇さん)の声が忘れられずにいたら、
今日は『喜撰』の二番手で唄ってる声を聴いて、
やっぱりこの人の唄はいいなあ〜、今後が楽しみだなあ〜♪・・・な〜んて
めったに行きやしないくせに、そんなこと思ったりね。
でも、そんな風にしてのんびり見物できる今がとっても愉しい♡

昔よりも終演時間が早くなったのかしら?
芝居がはねて友だちと少しだけお茶をしてから帰宅。
今宵もまんぞくまんぞく。お誘いどうもありがとうございました。

by team-osubachi2 | 2018-05-26 01:31 | 着物のこと | Comments(4)

夏の出番に備えて

昨日はいいお天気だった。
風はさわやかに乾いていて、真っ青な空にポンポンとちぎった綿毛のような雲が浮かび
これぞ待ちかねていた五月晴れがやっときた!といいたくなるような晴天だった。

せっかくなので、春の「マイ小紋祭り」でゲットした
駒絽の小紋(ようやく袖丈のお直し完了)と、縮緬小紋の単衣を虫干しした。

f0229926_14440994.jpeg

縮緬の単衣は、昭和のころの印判の瀬戸物の小皿を思い出させてくれるような柄で、
紗綾型や亀甲や七宝、草木の花模様などの裂取りに、
チープな文人画や山水、それから魚鱗に鳥獣といったモチーフが染めてあって、
ジャンルでいえば和更紗だの江戸更紗にこういう感じのものも含まれるのかしら?

いまどき流行りじゃないかもしれないけど、いかにも小紋らしい柄もの、
実は案外好きで、二十代の頃によく着てたっけ。
無地っぽいのや江戸小紋なんかもイイけどね、こういう小紋を見てると、
はじめて自分で着物を着た頃のワクワク感が内側からよみがえってくる気がする♪

f0229926_14442916.jpeg

風を通し、さっぱりしたところでアイロン掛けして、
ついでにしつけ糸もとっておく。
近いうちに里子に出す予定の着物や帯を取り出して、
それと入れ替わりに夏の“やわもん”が一枚ずつ箪笥に収まった。

さあ!これでいつでも出動オッケーよ!ルン♪

by team-osubachi2 | 2018-05-21 15:31 | 着物のこと | Comments(6)

袖の円み

この春某所からちょっとしたお小遣い(のような報酬)をいただいて、
それを思い切って全部着物に投入した。

とはいえ、新品一反買うには程遠い額なので、もちろんリサイクル品。
ネットショップでときどき見て少々気にかけておいた小紋が
春のバーゲンで半額や三割引きになったので『マイ小紋祭り♪』を決行。

二度にわたってゲットした小紋は
袷二枚、単衣一枚、駒絽一枚という充実ぶり。
紬縮緬、上代紬、縮緬に駒絽という生地にしっかりと染められていて、
いずれもほぼ未着用か新古品のものばかり。

考えてしまう。
キミたちはいったいどうしてこんな値段にされてしまったの?と
問いかけたくなるほどにそれらは廉価な値札で大放出され、
小紋にとって受難(?)な時代を思わないでもない。

でも、そのおかげで私が救い上げることが出来たワケで、
買う側から言えばこんなにありがたいことはないから、
悦び勇んで手に入れたのだった。

一枚あたりの値段の安さとコンディションの良さから
なるべく直さずに着られるものを選んだのだけど、
一枚だけ駒絽の袖が短かったので丈出しをすることにした。

七分長くするのに充分な折り上げはある。
盛夏の着物だから裏もないし生地も薄い。
まっすぐ縫えれば大丈夫だから、私にもなんとか直せそうだ。
だけど、難所がある。それは袖の円みのところ。

なので、近場で和裁が出来るお友だちの予定を訊いておいて、
先日ひとっ走り行って助けてもらってきた。

自分で出来るところはやって、円みのところはお友だちの手を借りて
ちょこちょこ直して正味一時間ちょっとって感じ?
お友だちがやってくれたこの円みのところ・・・なんてきれい♡
あらためて思うけど、和裁にしろ洋裁にしろ、
布を裁って縫う技術ってすごいわ!素晴らしい!
あらかた出来たところで帰宅し、
あとは振りの始末だけすれば出来上がりであ〜る。
(・・・まだやってないけど(^ ^;; 今週末には仕上げる予定)

f0229926_17244334.jpeg

もっぱら織り好きの私の絽小紋はこれ一枚きり。
でも物良し、柄ゆき好し、お仕立ても良しで、これ一枚あれば充分♪
さすがに今から絽を着るようなことはしないけど、
あとひと月もすればぼちぼち出番かしら?

おかげさまで、これで着られます。
教えていただき、どうもありがとうございました♪

by team-osubachi2 | 2018-05-17 16:59 | 着物のこと | Comments(4)

もう先月のことになるのだけれど、
昨年の暮れからお手伝いしていた仕事が
この春一冊の本『あたらしい着物の教科書』という形に納まり、
それを上梓なさった木下着物研究所の木下勝博さん・紅子さんご夫妻が
(紅子さんが「紅衣(KURENAI)」というブランドの立ち上げも兼ねて)
四月のとある大安の日に銀座でお披露目の会を開かれた。

あいにくとその日は都合で欠席したのだけれど、
後日思いがけず夫人の紅子さんからわざわざお礼のお手紙をちょうだいした。

f0229926_12485814.jpeg

出版界での仕事をいくつもいただいてきたけれど、
挿し絵担当のこちらにまで、わざわざお手紙をくださる著者さんは
そうそういらっしゃるものではない。

そのお手紙に添えて、パーティーでも引菓子になさったという
かわいらしいお菓子が添えられてあった♡

f0229926_09153917.jpeg

(いただいたのはまだ春だったからか)桐箱に小さく並んだ
花見団子のような州浜団子は、きな粉の風味が香ばしく美味しかった。

ビギナーからベテランまで、たくさんの着物好きさんが
このご本を手にして下さいますように♪
そして、木下ご夫妻の今後益々のご活躍をお祈りしています。
お気遣をいいただき、どうもありがとうございました。

by team-osubachi2 | 2018-05-09 00:06 | 着物のこと | Comments(6)

ラピスラズリの羽織紐

なんかもう梅雨ですか?へ?・・・って気分になるような朝の雨降り。
暦をみたら、そうだよ、まだ四月ぢゃん!なんだかね〜、せわしない春だなあ。

そんなせわしない春先に決めた今年の目標のひとつは、
洗い張り済みの反物を「頑張って仕立てに出すぞーっ!」ってこと。

押入れに突っ込んである洗い張り済みの反物を仕舞った箱を見ると、
記憶から失念したままの反物たちが、まるで巣穴でジッと待ち続けて、
親鳥と見るなり黄色い口を大きくあける雛鳥よろしく「まだですか〜?」って云う。

・・・云うワケない、か。
いや、たとえ口はくかなくても、いい加減待ちくたびれてきてるかも。

中に一反、かちん色(黒っぽい濃紺というか藍色というか)の
平織りと紗織りとが段になった薄物を羽織に仕立てようと思いつつはや数年。
まずは羽織紐を手に入れれば、きっと仕立ての順番がくりあがるに違いないと考え、
ラピスラズリを使った羽織紐 by 白洲千代子・・・買っちゃった♪

f0229926_08065039.jpeg

浅はかねえ〜。
ついこの間、ようやっと紬の袷を一枚お仕立てに出したばかりじゃない。
次は秋に着たい縮緬の小紋を出すんでしょ?
じゃあ、この薄物は二の次ってことね?・・・ね?

これからの日本の春は(とくに関東から以西)、
単衣着物に薄物の羽織ものを着合わせて調整する時代だって思うもん。
ま、来年の春に向かって心積もりしておきましょか。

だけど、そう、悩みの種は、お仕立て代をどう工面するかってこと。
いまだ、相変わらず、そこなのよ、問題は〜。

でも、いざお仕立てに出すまでに、ああしようかな、こうしようかなと
あれこれ考える時間も着物時間の愉しみってものよ。
かちん色の薄物さん(写真の色、ラピスの蒼に負けてぜんぜん出てないね)、
もうちょっとの間、待っててちょうだいよ!

by team-osubachi2 | 2018-04-25 09:48 | 着物のこと | Comments(4)

単衣考

日本の夏は長くなっている・・・と、
今では大人の大半の人たちはそう感じているに違いない。

先週末、関東は真夏になった。
気温28度とも30度とも予報ででていた午前中、着物に着替えた。
本当は着たい袷の小紋があったのだけれど、かわりに着たのは細縞の単衣の結城縮。

去年の春、やはり急激な暑さが続いたとき、軽い熱中症にでもかかったのか
普段は感じたこともない頭痛がして、目眩がしているようなキモチ悪さで
一日中具合が悪かったのを経験したせいか(途中で水分摂取が足りなかったと反省)、
まだ身体が暑さに慣れていないことに用心して無理に袷を着るのは止めた。

f0229926_09423127.jpeg

襦袢は着古したお気に入りの小千谷縮を自分で二部式襦袢に直したもの。
肌襦袢はやめて、素肌に巻いた晒の上にその二部式襦袢、そして単衣の着物を着る。

帯も予定のものはやめて、軽くて通気のよい紙布の染め帯に変更。
午後の日差しを考慮して早々と日傘をさして出かけた。

f0229926_09460763.jpeg

この日訪問した先での気軽な稽古茶会で、
友だちが一服点ててくれたお茶を喫してきた。

f0229926_09430641.jpeg

着物好きの友だちがお招きしたご連客のみなさんはいずれも着物好きの方ばかり。
なので、服装は「平服で」とあった稽古茶会ではあっても、
薄暗さが心地よい小間の茶室の中は本式の茶会とかわりない華やぎがあった。

友だちが心入れの主茶碗で、胸がスーッとするよな美味しいお茶をいただいたあと、
それぞれ着ている着物や帯の話題でしばし着物談義を愉しみながら、
こういう陽気の日に着る着物の今後の参考にさせていただこうと思った。

f0229926_09462121.jpeg

亭主方となる友だちや社中の方々は袷、客方は袷の人あり、単衣の人あり、だ。
事前に問い合わせて、断りは入れておいたものの、私だけかたものの単衣だった。
もちろん正式な茶会には着られないとされる類いの着物であるのだが、
着物のルールは充分に知ったうえで、けれども
この日の自分の体調と相談して決めた、これが我が意に沿った装いなのだった。
とかく人の着るものに意見する人もいるらしいとウワサに聞くが、
その日その時の自分の体調が他人さまにわかるはずもないのだから。

これからの日本は、式服でもない限りは
今までの衣更えのルールに無理にこだわらない方がいいと思う。
もちろんそこは自由だから、こだわりたい人はこだわってもいいけれど、
(南北に長い日本列島だもの、従来の衣更えにふさわしい気候になる地域もあるわけで)
自分のこだわりを他に強いるのはやめていただきたい。
万が一のことで倒れてしまっては元も子もない。

もしも教えや参考になる以外のキツいご指摘を受けてしまったら、こう思えばいい。
自分は今日一日を着物を着て心地よく楽しく過ごせたのだから、この装いで正解だったのだ、と。
嫌なキモチになるのは避けられないかもしれないけれど、
倒れるほど難渋な目に遭うことに比べたら、人の視線や陰口など何ほどのこともないではないか。

とはいえ、親しくおつきあいをしている先達のアドバイスやTPOについては
自分なりにちょっとは考慮したいものだが、考慮を愉しみに変えることが出来たら上々である。

f0229926_09421145.jpeg

今回の着物思案でひとつ気がついたことがある。
紬好きの自分の箪笥にはなんと単衣の小紋が一枚もない?!
(無地ならあるんだけど)
一枚か二枚、普段着っぽいのと、よそゆき感のある単衣小紋は
今後ますます必要になる・・・というより、着る機会がグンと増えるだろう。

それを理由にして、ちょっと探してみようか?
「買ってもいい・・・?」
結局そこにたどり着くのである。w

by team-osubachi2 | 2018-04-23 22:37 | 着物のこと | Comments(13)

三枚の産着

春先、お姑さんに、若い潜り友だちに、大杉蓮さんと
自分の好きな人たちが軒並みこの世からサヨウナラとなったころ、
入れ違いのように、若い着物友だちのYちゃんのおめでたを知った。

ある時期からドクターのもとへときおり通っているのをSNSで知って
ちょっと気になっていたのだけど、
そっかあ〜!おめでただったんだね〜♡

と、SNSでの彼女の言葉の中で、目に留まったのは、
「ひとつの体に心臓が四つ」といった意味のことが記されていた。
え?・・・・・・あら!なんと、三つ子?!
まあ〜!ひとつの体に心臓が四つだなんて!!
胸がキューーン♪ってなった。

そして、人間という生きものひとつだけでみても
とってもおおきな「生命の循環」があるんだってことを
彼女のおめでたを通して感じることが出来た気がした。

回遊魚のように(?)活発で、いろんなイベントはもとより
着物は着付けも日本髪の結髪も和裁も出来ちゃうYちゃんはいま
生まれてくる三つ子ちゃんたちのために勢力的にチクチクちう♪

f0229926_15004679.jpeg

Photo by Y.O.

そして縫い上がった真っ白い産着は三枚。

まあ〜!な〜〜んて綺麗♡

f0229926_15003282.jpeg

Photo by Y.O.

さらにはネルウールの一つ身も現在進行ちうみたい。
今からもうちいさな一つ身を着たところを想像しちゃう。
かわいいだろうなあ〜♡

遠からず三人のベビーさんのおかあさんになるYちゃん。
みーんなで、無事「身四つ」になるよう祈ってるネ!!

by team-osubachi2 | 2018-04-21 15:33 | 着物のこと | Comments(4)