丘の上から通信

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カテゴリ:人を描く( 55 )


2019年 03月 19日

新学期

学校はそろそろ春休み。
一年間を学び終えて、春、どんな気持ちだったかなと思い返してみると、
仲良くなった友達と次の学年も一緒のクラスになれるかどうか、
このことがとても気がかりだったように思います。
そして、どんな先生が担任になるんだろう?といったことでしょうか。

思えば、学生だったころの、わずか一時間、たった一日のなんと長かったことでしょう。
週に五日(当時は六日)も学校で半日を過ごすのですから、
好きな友だちがいるかいないか、気のあう仲間がいるかどうか、
相性がいい先生に当たるかどうか、はとても大きなことだったのだなあ〜と
今ごろになって気づくのでした。

そこここで田んぼの土や、土手の早緑と、まだほのかに冷たい風の匂いが
思い出とともに鼻先をくすぐってゆきます。


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「新学期」(c)Tomoko Okada

*イラストレーションの無断使用及び複製・転載をかたく禁じます


by team-osubachi2 | 2019-03-19 15:55 | 人を描く
2019年 03月 13日

卒業

三月になって、どこからともなく漂ってくる沈丁花の香り。
この花の香に鼻をくすぐられると、学年の終わりの頃に抱いていた
言葉には言い表せないような漠然とした不安感や、
じき一学年分だけ先輩になる期待感や、卒業という大きな節目を迎えて、
自分が少しだけ年をとって立派になったシニア感などなど、
(もちろんそんな感触は、四月には一番下っ端になってすぐに掻き消されてしまうのですが)
いろんな感情が入り交じった頃の記憶が鮮やかによみがえってくるのでした。

この春卒業を迎える若い人たち。ご卒業おめでとうございます。
喜びも、不安も、期待も諸々、今しか持ち得ない瑞々しい感性をいっぱいに抱いて、
次のステージへとどうか元気に羽ばたいていってください。


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「卒業」(c)Tomoko Okada

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by team-osubachi2 | 2019-03-13 16:09 | 人を描く
2019年 02月 21日

本番中

おぼろげな記憶ですが、あれは何年生の時でしたか、
おそらく小学校の秋の学芸会ででしょうか、クラスで劇の発表会をしたときに、
講堂のステージに一度だけ立ったことがありました。

脇ながら役をあてがわれて半纏を着るように言われましたから、
日本の民話ものだったかもしれません。
端役も端役、一言だけ台詞もあったのか、なかったのか。
お芝居の中身よりも、また、緊張したであろう出番よりも、
記憶の大半を占めているのはなぜだか薄暗いステージ裏の、
例えばそれは跳び箱やマットといった体育用具の独特な匂いなのでした。

大人になって、お芝居を観ていても、
表舞台以上にバックステージに興味が湧くのは今も変わりありません。


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「本番中」©Tomoko Okada

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by team-osubachi2 | 2019-02-21 16:23 | 人を描く
2019年 02月 13日

そうは思ってない

大人に叱られたとき、たいがいは素直にシュンとなってました。
でも、内心、どこかで「ホントにそうかな?」と思うことも
たくさんあったかもしれません。

叱られて、本当に身に沁みたことって、
たぶん片手で数えられるくらいしかないのかもしれません。

もっとも、こちらは叱られた経験ばかりで、
自分が子供を叱った経験がないので、実のところよくはわかりませんが。


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「そうは思ってない」©Tomoko Okada

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by team-osubachi2 | 2019-02-13 11:58 | 人を描く
2018年 12月 02日

小雪の日

師走に入っても、関東地方はまだ暖かい空気に覆われているようです。
こういう陽気で何が助かっているかというと、野菜のお値段と光熱費でしょうか。
それでも、北国からは雪の便りがちらほらと聞かれるようになりました。

小学生のころ、映画『八甲田山』よろしく集団登下校で
学校まで約3キロほどの道のりを歩いて通ったものでしたが、
そんな日本海側の豪雪地帯から一転、高校卒業後に空っ風の吹く東京にやってきた当初は
真っ青な青空が広がる真冬にかなり面食らった覚えがあります。
それでも、関東に雪が降りそうな日に「雪の匂い」が感じられたときには
やはり懐かしさを覚えたものでした。
さすがに太平洋側での暮らしも長くなり、いまではその感覚も鈍ってきたように思います。

これから本格的な冬を迎えますが、日照りや雨と同じように、
雪もどうか大層に暴れることがありませんようにと祈るばかりです。

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「小雪の日」©Tomoko Okada

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by team-osubachi2 | 2018-12-02 10:28 | 人を描く
2018年 11月 22日

柔らかい時間・2

しばらく暖かい日が続いていましたが、昨日今日は寒気が入り込んで、
この時期には少し早いような寒い朝をむかえました。
(調べてみたら本日「小雪」だそうで、ごく真っ当な寒さでありました)
草むら園(ベランダ)の片付けをしないと、と思いつつ、
外の寒さにやる気が失せてしまいました。

じっとしていると冷えてきます。
ウールの着物を自分で手直ししたうわっぱりを出してきて羽織ると、
ホカホカと温もりが布下で膨らんでくるような感じがします。
そういうところはやっぱり毛織物だなあと感心します。
(そのくせ着物として着ると、サラリとしたウールの単衣はなぜか
そうあったかいとも思えないので、洋服にも羽織れるうわっぱりに直したのですが)

絵は、春に描いた『柔らかい時間』を、あったかバージョンで描き直してみたものです。
どなた様も風邪などお引きになりませんよう、暖かくしてお過ごしください。

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「柔らかい時間・2」©Tomoko Okada

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by team-osubachi2 | 2018-11-22 10:18 | 人を描く
2018年 10月 16日

浜の午後

郷里の家は日本海に面したちいさな漁村にありますが、
私がうんと幼かったころ、村の端に港が造られる以前、
荒波に丸められたゴロゴロの丸石が多くて、ハマヒルガオやハマエンドウが咲く浜辺には
網小屋や船小屋がいくつもあり、野良猫たちの住処にもなっていたのではないかと思います。
滅多には人になつかない野良猫にも例外はいて、猫好きな人から餌をもらううちに
(実際には野良猫たちが家に近づくのを嫌がって、餌をあげない人が大半ですが)
人なつっこくなる猫と仲良くなり、秋寒の午後など膝に抱く温もりも、
家で飼えない子供には嬉しいことでした。

中学生になったある時、野良猫と遊んで、その後突然くしゃみと鼻水を連発するようになりましたが、
猫アレルギーなどというものがあるということを後になって知りました。
大人になってからは、もう子供のころのように一緒に戯れることはなくなりましたが、
それでも稀になつっこい猫がいると嬉しくてそっと撫でてあげたくなります。

まだときおり蒸し暑い日があったりもしますが、それでも季節はもう秋。
日によって朝晩冷え込むこともあります。
うちの近くの公園付近をうろうろしている野良猫たちにも、
どこか暖かい寝床が見つけられるといいなと思います。


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「浜の午後」©Tomoko Okada

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by team-osubachi2 | 2018-10-16 14:07 | 人を描く
2018年 10月 13日

薔薇のシャツ

洋服で好きなアイテムといえばシャツでしょうか。
ブラウスではなくシャツ。

これも万年好きで履くデニムに合わせて着るのはだいたい白いコットンやリネンのシャツ。
もちろん柄もののシャツも好きなのですが、
どういうワケか、可愛かったり面白い柄はなぜかメンズものに多く、
こちらが着たいと思うような綺麗なものや面白い柄ものは
レディースもののシャツにはとても少ないという不思議。
(いろいろな柄ものはシャツではなくブラウスに多いように思います)

そんな中で、かれこれ20年ほども大切に着ているのが
ピンクの薔薇の花模様のコットンシャツです。
さすがに買った当時より色が褪せて着てはいるものの、処分するにはまだ早く、
ゆくゆくはよそゆきでなくても、家着として大切に長く着たいと思います。


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「薔薇のシャツ」(c)Tomoko Okada

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by team-osubachi2 | 2018-10-13 16:51 | 人を描く
2018年 10月 06日

一年目、五十年目

私は自分の結婚がとても遅かったので、結婚一年目にして
自分たち夫婦はすでに中年の顏をした新婚カップルでした。

若いときには結婚したいとは露ほども思いませんでしたが、寄る年波でしょうか
四十代も半ばになって結婚すると決めたそのころに思ったことは、
人間余計なことは何も考えず、ただ好きで一緒になるというというのは、
生命循環のうえでも案外大事なことかもしれないなあということでした。

良くも悪くも結婚後の暮らし方は夫婦の数だけそれぞれあるのでしょうが、
(たとえ馬には乗れずとも)人に添うてみるのは人生面白いのではないかと思うようになりました。


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結婚して五十年が大きな節目かもしれませんが、今年五十年どころか
結婚六十周年を迎えるはずだった舅殿と姑どのが最初に知り合ったのはさらに古くて
互いが高校生くらいの年ごろだったんだとか。
戦後の東京で出会い、青春時代から人生の終わりまでの連れ合いを一人の人に決めて
苦楽をともに生きて来たというのは、想像するとこれはなかなか大した事だと思うのでした。

今年の二月に先に旅立った姑どのの、なんやかや後の手続きを
今もゆっくりとこなしている舅どのです。


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上段「一年目」 下段「五十年目」(c)Tomoko Okada

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by team-osubachi2 | 2018-10-06 16:44 | 人を描く
2018年 09月 21日

秋の珈琲

“暑さ寒さも彼岸まで”とはよく聞くことですが、
こうも急に寒さがくると体調管理も難しくなりますね。

急に冷え込んだ秋の朝など、窓を開けると、または玄関を一歩外に出た瞬間、
まず頬のあたりに、次に手の甲から指先にかけて
ひんやりと冷たい空気を感じるのが大好きな子どもでした。

年齢とともにそういう喜びはちいさくなって、
いまではこんな肌寒い日には、うっかり風邪をひかないよう、
暖かい服やショールなどをかき集めて
身に纏うことを優先するようになってしまいましたが・・・。

暖かい飲みものもひときわ美味しさが勝るのも、
こんな急に肌寒い日かもしれません。
どなたさまもどうぞお風邪などひかれませぬよう、暖かくしてお過ごしください。


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「秋の珈琲」©Tomoko Okada

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by team-osubachi2 | 2018-09-21 09:28 | 人を描く