2018年 07月 04日 ( 1 )

真鶴の海

田舎から上京してデザイン学校に入りたての夏、
まだつきあいもぎこちない新しい友だちに誘われ、湘南の海へ泳ぎに行きました。

日本海育ちの私には生まれてはじめて体験する「太平洋」です。
富山湾のごろごろと石だらけの深い冷たい海しかしらなかった私は、
海岸にびっしりといる人の多さにすごくビックリしましたが、
イモの子を洗うかのように人でごった返し、ローションの油が浮く海の中
関東ロームの黒い砂が舞い上がるのにもとても驚きました。
「もう太平洋はいいや」と思いました。

それから三十年たってふたたび神奈川の海とご縁が出来たのは
ダイビングというものにチャレンジしたときからです。
横浜にあるダイビングスクールの練習は
主に神奈川の海のはしっこ真鶴半島界わいのポイントででした。

ダイビング歴の長い、南洋の美しい海を知る人たちから見れば
なんとも地味でちいさなポイントかもしれませんが、
地味だろうとなんだろうと、近海の生物たちの暮らしぶりを
(水槽でではなく)この目で直かに見る面白さは
生きものを観察するのが大好きな人間にはたまらないものがあります。
私は真鶴の海が大好きになりました。

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残念ながらわずか24本潜ったところで体調を大きく崩してから
ずっと潜れない日々が続いていますが、真鶴の海は私には潜りのお稽古場です。
いずれ再開するときは、またこの海できちんと復習をしてからになるでしょう。

七月に入って神奈川県内の海水浴場はすでに其処此処で海開きしましたが
いま日本海の沖を台風七号が北上しているため、太平洋側も風が強く波立ち、
おそらくどこの海も遊泳禁止になっていることでしょう。
当然ながら、海にうねりがあり波だっていると、潜水も出来ません。
漁師さんや釣り人をはじめ、潜る人らにも海岸で遊ぶ人らにも
夏の間、どうか穏やかな海面でありますよう。
海よ、鎮まりたまえ・・・そう祈りたくなる盛夏のはじまりです。


「真鶴の海」©Tomoko Okada

*イラストレーションの無断使用及び複製・転載をかたく禁じます


by team-osubachi2 | 2018-07-04 09:31 | 人を描く