テオドール・クルレンツィス指揮のチャイコフスキー

*2月11日(月・祝)曇り(地域によって雪のち曇り)

去年、相方が「聴きたいとずっと思ってた」と言ってチャイコフスキーの交響曲第4番と、
ヴァイオリン協奏曲を演奏するコンサートを見つけて切符を取ってくれた。

曲目以外は、どなたが指揮して、どちらの演奏か調べることないまま
いたって呑気にすみだトリフォニーホールへ出かけたのだけど、
コンサートの数日前になって、今回の東京公演、オーチャードホールも、
トリフォニーホールも、サントリーホールも東京公演の切符がすべて「SOLD OUT」と知った。
この日のトリフォニーで「若干名の立ち見席を販売いたします」というご案内があって
「へ〜、めずらしいね〜」なんて知ったかぶりしても、
クラシック音楽業界にとんと無知・無頓着な人間にはなんのことやらだ。

普段とは違う活気は、ホールに向かう人々の多さにすでに感じられた。
会場入り口の宣伝ボードを撮る人も多い。
入場の時に後ろにいた女子が「チケット取るの大変だったんだから」という声が聞こえた。
・・・そうなの?そんなに話題の人なの?

テオドール・クルレンツィス指揮のチャイコフスキー_f0229926_10314971.jpg

指揮:テオドール・クルレンツィスさん
ヴァイオリン:パトリツィア・コパチンスカヤさん
演奏:ムジカエテルナ(ペルミ オペラ座)

今回初来日なんだそうな。

聴いてびっくりした。鳥肌がぼぼぼぼぼーーっとたった。

最初の『ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品35』。
気がつけば、コパチンスカヤさんは靴を脱いで、裸足でこの名曲を弾いていた。
野趣あふれる音色はすごいエネルギッシュで、なんと演奏最後の音色が消える瞬間、
客席全体からドッとステージに向かって大きな息をつくのをはじめて聞いた。
そしてその直後、ブラボーの声と拍手の大喝采。
コケティッシュなコパチンスカヤさんのアンコールだけで3曲もあって聴衆は大喜び。

後半は『交響曲第4番 へ短調 作品36』。
まず「へえ〜」と思ったのは、ムジカエテルナのメンバーが
(立って演奏出来る楽器の演奏者は)みんな立って演奏してたこと。
クルレンツィスさんの指揮は、さっきのヴァイオリン協奏曲以上にものすごいパワフル。
これも鳥肌ぼぼぼぼぼっときて、演奏後の大喝采のあと、アンコール演奏が始まった。
これもチャイコフスキーの『ロミオとジュリエット』。
しっかりと演奏してくれたアンコールで、またまた会場を湧かせていた。

ツアーパンフレットかCDお買い上げの人にサインをしてくれるというので、
終演後の行列も凄まじく、階段から廊下を大勢の人がぐるぐると三階、四階まで並んでいた。
(相方も開演前にしっかり買い物してこの列に並んでサインをもらっていた。w)
そんな様子を見て、この初来日の期待がどれほどだったかをようやく理解したのだった。
大勢のファンの人たちすべてにサインをするこのタフで精悍な指揮者は、
いま世界中の公演でSOLD OUT旋風を捲き起こしてるらしい。・・・知らなかったなあ。
そんな指揮者と演奏家たちの音楽を聴けて本当によかった。

それにしても、バレエ音楽以外ではじめてチャイコフスキーをナマで聴いたけど、
やっぱりチャイコフスキーは天才だ!
調べて見たら、今の自分と同い年で亡くなってると知ってびっくり。
あのヒゲをたくわえた肖像画のイメージから、もっとお爺さんだとばかり思ってた。
この天才の人生もまた苦悩に満ちていたようだけど、
素晴らしい音楽を残してくれて本当にありがとう♡・・・どうぞ安らかに眠りたまえ。


(今回の顔合わせで録音されたアルバムより『交響曲第4番 へ短調 作品36』第二楽章)




by team-osubachi2 | 2019-02-12 12:08 | 出かける・見る | Comments(0)

イラストレーター岡田知子の、暮らしと、着物と、お絵描きの日々


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