映画『2001年宇宙の旅』70mmニュープリント版を鑑賞する

*10月11日(木)小雨のち曇り

朝8時過ぎ、京橋の「国立映画アーカイブ」に到着。
この春までは「国立近代美術館フィルムセンター」だったのが独立して
四月から「国立映画アーカイブ」になったらしい。へえ〜〜知らんかった。
個人的には「フィルムセンター」の方が馴染み深かったんだけど・・・。

ビルの入り口からはすでにかなりの行列がのびていた。
すごいね〜。一番目のシトっていったい何時に並び始めたんだ?
訊いて見たいキモチをこらえて、急いで最後尾の看板を持つおじさんのところへ向かう。
看板を持つおじさんが言った数字は150番代。やったー!なんとか間に合った!!
本日の上映2回分の当日券を手にできるのは200人までなんであ〜る。

なんのことかといえば、かの鬼才スタンリー・キューブリック監督の『2001年宇宙の旅』が
制作から50周年を迎えるんだって。そういう節目に合わせてか、
70mmサイズのニュープリントが作成され、そのフィルム上映会が今月あるというので、
この作品がSF映画の金字塔と仰ぐ我が家としては、
こりゃやっぱり見ておかねばならぬとばかりに出かけたのであった。

映画『2001年宇宙の旅』70mmニュープリント版を鑑賞する_f0229926_22213529.jpg

ニュープリントのフィルム上映は6日間で12回のみ。追加上映は一切ナシ。
ホールの客席数310席のうち、前売り分200席(それを12回分)は
開始2、3分で完売してしまった〜!オーマイガーーッ!!
かくなる上は、当日券狙いで行くしかない。

携帯椅子と補給食と水持参で、いざ列に並んで見たら思いのほか若い世代が多かった。
いいねえ、これ、お家のテレビ画面で見るよりやっぱり劇場で見てもらいたいもんね。
中には私ら世代より上の方もいらっしゃれば、一人で並んでる若い女性も多かった。

無事整理券を手にした後は、京橋のサラリーマンに混じってランチしたり、
日本橋三越まで歩いて行って、呉服売り場で出店中のペタコさんを陣中見舞いしたり、
三越のベンチで寸暇寝落ちしたり、隣の富山ショップをのぞいたり、
スタバでゆっくり読書して時間を潰し、本日の2回目夜6時半からの上映を鑑賞できた♪

映画『2001年宇宙の旅』70mmニュープリント版を鑑賞する_f0229926_08564624.jpeg

冒頭、この上映会の企画担当の女性のご挨拶によれば、今回の上映に当たって、
まずチケットの高額転売を避けるためにとった販売の対処法の説明とお詫びのこと、
制作した米ワーナー・ブラザーズの意向に添う形で上映すること、
フィルムの多少の傷はそのまま、音声はかくかくしかじかと説明されていた。

また、12回の上映でも多いということ(よその国に比べて最多)、
上映終了後は次の上映予定の国へ回されること、だから追加上映はできないのだということ、
そして、70mmのフィルムを上映できる映写機を持ってるのは、
ここ国立映画アーカイブだけなのだということ、等々のお話をされていた。

この作品を「封切り当時」の雰囲気で観られたことがファンとしてはなんとも嬉しく、
これを見るために集ったファンの皆さんきっと同じ気持ちになったんだと思う、
上映会の終了後、会場から拍手が起こった。うん、素晴らしかったもんね〜!!

先に挨拶なさった担当者の女性のお話によれば、
映写技師の人も今回の上映は毎回緊張して作業なさっているとのことだった。
上映終了後、何人もの人がスクリーンの側に行って、映写機の様子をスマホで撮っていた。

映画『2001年宇宙の旅』70mmニュープリント版を鑑賞する_f0229926_08565545.jpeg

映画館で観る映画がすべてデジタル上映になってしまった今、
映画のフィルムだの、映写機だの映写技師って言葉は、なんだかとても魅力的に響く。
50年前の作品よ?後世のためにも、やっぱりフィルムで残していただかないとね。

しかし、朝から並んで観終わるまでほぼ14時間。今日の1日は長かった〜〜〜!!
まあね、考えようによっては、Z*Z*の社長Mさんがお月さまへ向かう旅より
何億倍もお安く安全に月世界旅行(気分)を楽しめたワケだし、十分満足したってコトで、
今回のプロジェクトの製作から上映までに関わる世界中の人々に心から感謝♡

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製作50周年記念『2001年宇宙の旅』70mm版特別上映/国立映画アーカイブ

『2001年宇宙の旅』を70mmプリント、IMAXデジタル鑑賞する意義とは?/CINEMORE

*今月19日よりIMAXシアターでも2週間の限定上映あり
『2001年宇宙の旅』IMAX上映情報ほか/cinefil

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新しい予告編。
いかにも現代のSF映画の予告っぽくなってて、
個人的にはこのバックの効果音や音楽には違和感を覚えるんだけどね〜。
でも、これで若い人たちを呼び込めるならオッケー。
スタイリッシュで、哲学的で、宇宙への夢とロマンと謎に満ちた164分間。
ヘイSiriも、オッケーGoogleもない時代に HAL9000よ?!
若人らよ、是非観てくれたまえ!
CGなど一片もナシにすべてアナログで製作されたSF映画の傑作を!!





Commented by sogno-3080 at 2018-10-13 09:17
ちょっとした映画ツアー、お疲れ様でした。長い一日でしたね。
「CGなし」に逆に興味を覚えます。どんなんだったのかなあ、と。
映写室、映写技師・・・、ついつい「ニューシネマパラダイス」の
あの映写室のシーンを思い出したりしました。
Commented by セージグリーン at 2018-10-13 10:59 x
ちょうど社会人になった頃、この映画を観たことで、
所属していた制作会社では仕事そっちのけで、映像論を
喧々諤々、、、喧しかったのを懐かしく思い出します。
お猿さんが骨を振り上げるシーンやHALの物真似をしたり、
いろいろ遊びましたなぁ、、、。
哲学と科学のエッジをビンビン感じ取りましたねー。
現在のCGではさもないことなのでしょうが、全てアナログで作られた映像と言うから、驚異ですね。
待ち遠しかったぶん、感動ひとしおでしたでしょう。
Commented by team-osubachi2 at 2018-10-13 14:39
sogno さん
整理券を貰って、畳み椅子など入れたリュックを背負って、時間まで京橋や日本橋を歩いていると
なんだか観光客になったような気がして、日帰り旅行したかのような気分の一日でした。
フィルム映画って、やっぱりどこか郷愁ありますね。映写機を映写技師さんが操作する、
今回の上映も失敗は許されないというプレッシャーか、毎回緊張感でいっぱいで一所懸命にやっておりますと担当さんが話してました。
とてもいい上映会でした。参加出来て良かったです。
Commented by team-osubachi2 at 2018-10-13 14:50
セージグリーンさん
私も、上京した時代すでに伝説だったこの映画をスクリーンで観たのは成人になってからだったかも。
強烈でした。衝撃くらいますますよね、この作品は。
原作も読んで「2010年」も読んで、観て、ワケは分からずとも、やっぱり好きなSF映画の筆頭に。
気軽に映画を観たり買える時代になっても、スクリーンでの上映に敵わないものってありますですね。
頑張って観に行って正解でした♪
by team-osubachi2 | 2018-10-12 15:50 | 出かける・見る | Comments(4)

イラストレーター岡田知子の、暮らしと、着物と、お絵描きの日々


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