寝んねの星

火星が近づいています。
夕方南東の空を見ると、赤くて大きな光がひときわ輝いているのが見えます。
今回地球に一番接近するのは来週の7月31日だとか。

火星大接近/Astro Arts

これも子どもの頃の思い出ですが、小学校にあがるとき、
二階の東向きの一室が私の部屋として与えられました。

最初のころは心細かったように記憶していますが、それがいつごろからでしょうか
次第に夜空の星々に心奪われるようになったころ、
夏になると、布団を窓際まで寄せて敷き、
電気を消してから寝そべって窓を仰ぎ見ますと
隣家の庭の大きな杏の木の向こうに夜空を眺められることを覚え、
星をお供に思う存分想像をめぐらせながら寝入ったこともあったように思います。

ことに素晴らしかったのは、夏休みのころに見た夜明け前の星空でした。
真夜中の色ではなく、次第に薄く透明になってゆく空にいくつか一等星の光りが見えました。
魅了される、とはこういうことを言うのでしょうか
子どもなりになんて美しい世界かと感動して見入ったものでした。

そんな思い出のせいか、たまに旅やドライブで出かけるときなど、
夕暮れ時よりも夜明け前の星空を見るのがいまでも大好きです。

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夜、寝床に横になって目をつむると、
一日を無事に過ごせた感謝とともに星空を一瞬思い描きます。
そしてあっと言う間に眠りに落ちてゆくのでした。


「寝んねの星」©Tomoko Okada

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by team-osubachi2 | 2018-07-26 08:19 | 人を描く