『エルメスの手しごと展』へ

昨日都心部へ出かけたついでに、
表参道ヒルズで開催中の『エルメスの手しごと展』をのぞいてきた ♪

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実演中の作業台には三重四重の人垣が出来てたけど、
平日の昼時だったせいか、まだ空いてる方だったかもしれない。

カメラとモニター、ミラーも使って人垣の後ろの人にも見えるよう、
職人さんの仕事ぶりをなんとか“伺い知る”程度には見られるよう工夫してあった。

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エルメスなんて高級ブランドはとてもじゃないけど手が出ない。
以前シルクロードや中東を旅したときに頭に巻くために買った
「カレ」ってゆースカーフが2枚あるだけ。

2週間ほどタクラマカン砂漠をぐるっと周りながら毎日使ってみて、
その使い心地の良さと絹の復元力の良さに高いだけのことはあるなあ〜!と実感。

だからね、今回スカーフへのシルクスクリーン製版やプリント職人さんの仕事も見たかったけど
このおねえさん職人がやってる「縁かがり」をぜひかぶりつきで見たかった〜!!

きけば、布端をまるめながらかがる巻き縫いに使う糸には
糸止めの玉を作らないんだそうだ。糸が終わるところでも玉にはしないで、
そのまま針を抜いて布端に一緒に巻き込むらしい。
新しい糸は三針分同じところを縫ってから先へと縫い進めるらしい。
だからスカーフの端はどこを触っても指にゴロっと糸があたらないんだって〜。ナルホド〜!

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ま、スカーフはこのあたりにして、さて、次はどこ見ようかな〜。

人気が少なかったところに手袋が飾ってあったので、
手袋もいいわよね〜♪と思っていたら、ちょうど休憩を終えた職人さんが作業台についたので
これさいわいと台の横に貼りついて見学できた。

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手袋の職人さんは、柔らかい革を引き伸ばして断つところまでを受け持っていて、
見どころはね、「デペサージュ」っていう引き伸ばし作業だった。

革をスポンジで濡らしたあと、台の丸みを活かし手とヘラを使って引き伸ばしてたけど
伸ばすほどに艶が出てしなやかになるらしい。ほおお〜。

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手袋の革は、タテ(手首から指先)方向は伸ばしきって、もうそれ以上伸びなくしておき、
手の幅方向はストレッチが効くように伸ばすんだそうな。
この伸ばし作業あればこそ、断ったあとや縫ったあとも狂いが出ないんだって。
へえ〜!ここでもナルホド〜!の連発だった。

革がみるみる間に伸びてゆく様子はなんだか魔法みたいだったな〜。
充分に必要な分だけ伸ばしたところで、受け板の上で裁断機を使って型を抜くとこんな感じ。
立体裁断ってよく考えられてるね〜。

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この型と同じように、絹やカシミアの裏地はまた別の職人さんが受け持ち、
それらを裁縫職人さんが引き受けて一針一針まっすぐに手縫いし、
最後に内側にエルメスのお印が捺されて出来上がり!・・・だそうな。

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実際は実演ごとに革を切ってはいられないので、ほとんどは工具や
工程途中のものを見せながら説明するだけだけど、それでも職人さんの仕事を見知るには充分。
だって、ここまで見ちゃうと、いったいどんなつけ心地なんだろう?・・・って
手袋欲しくなっちゃったもん。ショッピング魂にはすっごく刺激的!(笑)

もちろん買えないけどね〜。もとい、買わないけどね〜(笑)。
宝くじ買おうかしら。当てたら買いたいものいっぱいあるわあ〜♡
・・・誰?そこでナントカの皮算用って言ってるのは?!

『エルメスの手しごと展』は表参道ヒルズにて、明日19日まで。
(*このイベントは終了しました)


Commented by ベル at 2017-03-19 10:04 x
「おあとがよろしいようで」という言葉が聞こえてきましたw
とても興味深いレポですね。
昨日TVで観た、出雲大社の宮大工に関心するフランス人の心境です。
私のパソコンの壁紙はエルメスの馬場鞍です(はあと)
ベージュの革と縫い目がとても綺麗で惚れ惚れ。
Commented by 神奈川絵美 at 2017-03-19 14:32 x
こんにちは! わぁー見たかったなあ。
こういう職人ワザを見せてくれる展示って貴重ですよね。
まして天下のエルメスとなるとなおさら。
手袋もすごいですが、私、バッグの頑丈そうな皮を
どうやって縫うのか、とても興味があります。
Commented by team-osubachi2 at 2017-03-19 18:55
ベルさん
職人さん方のいるブースに入って正面にたしか鞍の作業台があったかと思いました。
お馬さんに親しみのある方にはことのほか見ものだろうなあと思いました。
ベルさん、羨ましい。乗馬のお話、いつか聞いてみたいものです。
これらの職人さんを三つ四つだけでも見ようものなら一日がかりと思います。
若くて体力があったらもっと見たかったですが、でも、若い時にはまだ理解力が乏しかったですし、
今回見られただけでも充分ですね、きっと。笑
Commented by team-osubachi2 at 2017-03-19 20:07
絵美さん
そりゃあやっぱりバッグも見たいですよねえ〜♪
でも、バッグの作業台の人垣が一番すごかったので、早々に断念しました。
で、その先の手袋に辿りついたという訳ですが、革製品のさすがな扱いを見る事が出来て良かったです。
タクラマカン砂漠の旅のメンバーに、エルメスの店舗設計担当のおじさんがいて、
帰国後に銀座のメゾンを地下から屋上(あのスカーフの旗を掲げる彫像が見える)まで見学させて貰ったことがありましたが
館内にバッグの修理工房があって現地からの職人さんがいたことと
階段の手すりにきっちりと革製のカバーが巻いてあったことに感心しました。
私自身は、でも、ギャラリーのフロア以外、お客として入ったことは一度もありませんが(^^;;
鞍やバッグにしろ、手袋や靴、洋服、、、縫製の手わざ、いつか見てみたいですよね。
Commented by 香子 at 2017-03-20 09:30 x
スカーフの縁かがりに目が行きました。
単衣の袖口がやはり巻き絎けなんです。
上手い方はホントに細〜くするのです。
Commented by きなこ at 2017-03-20 15:07 x
新聞の告知を見て「へぇ~」と思っていました。素敵な企画ですよね。フランスに行っても製造工程などみる事はできないでしょうから、その技を間近で見られたなんて羨ましい限りです。お値段も納得!かな・・・・

Commented by きなこ at 2017-03-20 15:33 x
こちらに書くにはふさわしくなけれお許し下さい
「手しごと」繋がりでお知らせしたいイベントがあります。
日本刺繍の会「紅会」の作品展です。東京は3月29日(水)~4月2日(日)東京銀座画廊にて。入場無料。
ちなみに私は以前に偶然知って感心して眺めているだけですので何の関係もありません。これが趣味の作品!?というような素敵な刺繍の帯や着物などが並んでいます(何と言っても無料だし、セールスされないし)
お時間があれば是非ご覧下さい。
突然に失礼しました          きなこ
Commented by team-osubachi2 at 2017-03-20 16:18
香子さん
そうですね!単衣の袖口の巻き絎け。
ずーっと前にテレビでエルメスのスカーフの縁かがりを見たことがあるんですけど、糸を何センチとってこう縫いますなんて細かい話ははじめて認識できて、唯一手元にあるスカーフ、これからも大事に使おうって思いました。
しかし湿度の高い日本でより、乾燥はげしい砂漠の方がガシガシ使える〜(^ ^;;
Commented by team-osubachi2 at 2017-03-20 16:29
きなこさん
この展示を見て、そうそう、あのお値段も納得〜って思っちゃったら、もうエルメスの思うツボでございますね。笑
でも買える人はどんどん買ってくださいって思っちゃいます。
材料の材料を作るすべての職人さんの賃金につながりますもんねえ。

「紅会」の展示会のお知らせもありがとうございました。いまFBなどでもお知らせがあがっています。
以前から紅会さんは雑誌などで拝見する程度で(実はいまだ会を見に行ったことはないのですが)日本刺繍の会としては、いくつかある中でもプロ並みだなあ〜と思っていて、いつか拝見したいと思っています。今回行けるといいな〜♪
by team-osubachi2 | 2017-03-18 19:14 | 出かける・見る | Comments(9)

イラストレーター岡田知子の、暮らしと、着物と、お絵描きの日々


by team-osubachi2
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