映画『博士と彼女のセオリー』

昨夜は夕方からうちでカレーライスを食べて、珈琲を飲んでから
いつものように映画のレイトショーを観にいってきた。
今回のお題は『博士と彼女のセオリー』。

科学や物理、宇宙にも興味がない人でも知っている
スティーヴン・ホーキング博士と最初の夫人との、なんていうか、
恋愛映画でもあり人生ドラマの映画。

映画『博士と彼女のセオリー』_f0229926_108139.jpg

自分がホーキング博士を知ったときには、博士はすでに車イスの人で
彼の著書を読んだこともない私などには、どうしてこの人が天才なのかもわからず、
20年ほど前に博士が結婚したというニュースにビックリして
(私は初婚だとばかり思っていたら再婚だった!?)
心通う愛ってあるものだなあ〜とは思ったものの、
博士のプライベートにはことさらな関心もなかった。

でも、この天才学者にももちろん等身大の人生があって、
若かりし頃はどうだったのか、最初の夫人との出会いから恋愛もし結婚もして
どういう経過をたどって今の博士と元夫人になっていったのかを
この映画でおおよそながらに見せてもらった気がした。

映画『博士と彼女のセオリー』_f0229926_10351142.jpg

ご本人がまだ生きているうちに、
まれにその人生が映画やドラマになる人というのはいるけれど、
こういう超越した頭脳と肉体のカリスマ的存在は
それ自体がもう宇宙の不思議と生命の奇跡のように思われて
“この人物がいま生きているという現実”以上のドラマは
描けないのではと思ったりする。

でも、数学者のジョン・ナッシュ氏を描いた
『ビューティフル・マインド』でも思ったことだけれど、
夫人の献身ぶりは大変なもので、
子育ても介護もしんどくてたまらなくなったりしても
これらの夫人には博士への変わらない尊敬というのか、
博士の誇りを護っている部分が底辺にあって、
人間愛というのかなあ〜、それがおはなしの最後にひとつの実を結んで
爽やかなキモチで見終えることができた映画だった。

映画『博士と彼女のセオリー』_f0229926_180287.jpg←そういえば、2012年のロンドン・パラリンピック開会式にもご登場!でしたね

まあ、現実はそんな単純なものではないのかもしれないけどネ。
パンフレットには、ホーキング博士のために特別に催された試写会で、
博士が涙を流した瞬間があり「だいたいにおいて事実だ」と言われた、と
製作者のインタビューに書いてあったけど、
どのシーンが博士の胸を打ったのだろう?
でも、そう、それは当の本人とご家族のみがわかればいいコトよね、うん。

科学や数学のドキュメンタリーなどで知った
有名な人の名前やエピソードがでてきたり、
(『インターステラ』の原案者であるキップ・ソーン博士との賭け事とか)
『2001年宇宙の旅』のファンにとっては、
クスッ♪となるようなシーンもあったりして、
そこここにこの博士のユーモアも盛り込んであって面白かった。

主演のエディ・レッドメインさん(ケンブリッジ出身ですか〜?!)の
骨身を削っての演技もよかったし、
夫人役のフェリシティ・ジョーンズさんの
愛情と苦渋とがせめぎあう表情もとてもよかったな。

いつかもう一度、テレビなんかでじっくりと見てみたい映画だ。

『博士と彼女のセオリー』
http://hakase.link


by team-osubachi2 | 2015-03-22 11:57 | 出かける・見る | Comments(0)

イラストレーター岡田知子の、暮らしと、着物と、お絵描きの日々


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