ドキュメンタリ『山本五十六の真実』より

あたり前かもしれないけれど、
近代以降の世界的な大戦のことは、知らないことばかりである。

いつもこの時期のテレビなどでわずかばかりの情報を得るだけなのだけど、
自分が年をとるにつれ、そのわずかに知る事柄だけでも
心にドシンと重さがのしかかってくるような気がする。

先夜NHK-BS1で放送していたドキュメンタリ『山本五十六の真実』を
録画しておき、昨夜それを見た。とても重くて、濃い内容だった。

ドキュメンタリ『山本五十六の真実』より_f0229926_11572386.jpg

見終わって、もしかしたら、平和とか和平というものの「形」を
一番冷静に視てとれる人というのは
山本五十六や堀悌吉といった渦中の(戦を前線で経験している)軍人でありながら
今の情勢を俯瞰できる人間なのかもしれないなあ〜と思った。

それでもあの戦争は、途中で止まることはなく、
いくところまでいってやっと終わったのだけれど・・・。

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「國雖大好戦必亡 天下雖安忘戦必危」 山本五十六

ーー国大なりといえども戦を好めば必ず亡び、
 天下安しといえども戦を忘れば必ず危うしーー
         長陵(山本五十六の雅号)書

ドキュメンタリ『山本五十六の真実』より_f0229926_11271319.jpg


「戦争善悪論」堀悌吉(第一次世界大戦を欧州で体験した後の論文)

ーー国家は其の正当なる目的の為に戦争を起し
又は之に応ずることあるべし 然れども其の目的を達するに 
戦争に依らずして他に平和的手段あらば 之に依るを可とすべきなり
あらゆる場合に於て 国家が行う戦争を是認して 善となすべからざるなり
戦争なる行為は 常に乱、凶、悪なりーー

ドキュメンタリ『山本五十六の真実』より_f0229926_11342667.jpg


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以上は、番組の中で紹介されていた山本の書、堀の論文からの写し。
自分への備忘録として。。。
Commented by いととて at 2014-08-16 11:02 x
6月にgaccoというMOOC(大規模オープンオンライン講座)で、国際安全保障論を学んだのですが、結局「人間は愚かな生き物」なんです。
正当な戦争などない。戦争ほどコストの大きいものは無い。学問はそう言っていますが、戦争はなくならない。いくら過去から学んで理論を組み立てても、一時の欲望や感情をコントロールすることができない。
どうしたらいいのでしょう。守るべきものの範囲を、家族や民族や国家ではなく、地球規模にまで広げることはできないのでしょうか。
Commented by team-osubachi2 at 2014-08-16 12:39
いととてさん
>結局「人間は愚かな生き物」なんです
はい。古代からどんなに文明が発達しようとも、人間のやるコトは何ひとつ変わっていないと言ったのは誰でしたっけね。
私は人生も学問も、最終的にはそれを知るために学ぶのだと思うようになりました。そして、その愚かさと同じだけの素晴らしさも人間は持ち合わせていると知るのも、人生経験や学問なのだと思います。
、、、なんてブってみたところでしょっちゅう忘れてしまいますので、せめて無関心でいないよう、自分を戒めております。
Commented by セージグリーン at 2014-08-18 14:23 x
映画もこの番組も観ました。
数々の書が印象的でしたね、、、。
ブーゲンビル島での山本の撃墜死ですが、ミッドウェーでの敗北の責任の取り方を探っていた彼が、死に場所を求めていたのではないかと思われてなりませんでした。
日本人はあの頃から責任を取る、物事を総括することが苦手で、今でもそれは変わらないなぁと、、、。私も改めて歴史に学びたいものと思います。

Commented by team-osubachi2 at 2014-08-18 15:15
セージグリーンさん
明治生まれくらいまでは、文人軍人を問わず、教養ある人は見事な書を書かれますし、やぱり漢文の素養があるなしだと文章の奥行きもずいぶん違うものだなあ、と。
>敗北の責任の取り方を探っていた彼が、死に場所を求めていたのではないかと思われてなりませんでした。
士族の出ですし、軍人としてはパーフェクトな最期ですよね。でもどうでしょうか、個人的な考えですが、もしも終戦まで生きておられたなら、きっと凛として東京裁判に臨まれていたに違いないですよね。歴史に「たられば」はありませんけども・・・。
by team-osubachi2 | 2014-08-15 11:46 | 日々いろいろ | Comments(4)

イラストレーター岡田知子の、暮らしと、着物と、お絵描きの日々


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