2014年 07月 11日
映画『みつばちの大地』
何年か前から、世界のあちらこちらでミツバチが大量に死んだり、
失踪したりしているという報道は見ていたけれど、
とにかくどういう現状なのか少しばかり関心があって
一昨日、ドキュメンタリー映画『みつばちの大地』を観にいってきた。
私個人は、ただ単に美味しいハチミツが口に出来ればそれでいいかなあ・・・と、
そんな程度に暢気に思っていたのだけど、
現実はとてもそんな甘いものではないらしい。
そもそもハチミツに関心を持つようになったのは
むかしタクラマカン砂漠やイエメンを旅して、
天山山脈やハドラマウト地方で美味しいハチミツが採れると聞きながら
実際には現地のスーパーで売られているのは
ひどい加糖のものばかりで失望したのがキッカケだった。
photos by S.Y.
でも、後になって知ったことは、高山地帯や沙漠地帯の
わずかなお花畑からミツバチが集める純正のハチミツなんて
量がものすごく限られていてとても高価だということ。
考えてみれば、そもそも私たちのような一般大衆が
デパートやスーパーで安く買えるほど大量のハチミツなんて採れるものだろうか?
養蜂業に関してまったく無知な私は、
今回この映画を見ていくつものことにビックリした。
広大な果樹園は巨大な養蜂家と契約して互いに生産依存しあっていること。
人間が働きバチを操作し(騙し)て女王バチを「生産」していること。
女王バチとその側近を養蜂家に「出荷」するというシステムがあること。
でもって、長距離の移動や、近親交配や同種の大量コピーで生まれるので
ストレスや病気にすこぶる弱いこと。
ミツバチに寄生するダニやバクテリアの増殖。
だから欧州や中国や米大陸のミツバチは
抗生物質まみれの躯であること・・・等々。
とてもひとクチで説明できることではないのだけど、
そうやって人間によって生み出されたミツバチというひとつの生きものが
どうやらそろそろ人間にしっぺ返しをしてもおかしくないという状況らしい。
そうか、知らなかった・・・。でも希望がないワケじゃない。
人には飼いならされない強力なミツバチ(キラービー)の出現と北米への進出や
そのミツバチと謙虚に向きあおうとする人間の存在、
そしてオーストラリアではまだ被害が起きていないことなどなど。
私はこの世からミツバチがすべていなくなるとは思っていない。
むしろ人類が滅びても、彼等はかならず生き残るとさえ思ってるのだけど、
本当に美味しいハチミツというのは、植物とミツバチ、
そしてミツバチと人間とのささやかで穏やかな
契約のようなものが成り立ってるから出来るものだと想像する。
でも、そういうのは、ごく小さく個人的な生業をしている
良心的な養蜂家でないと作れないかもしれない。そう思う。
映画『みつばちの大地』公式HP
http://www.cine.co.jp/mitsubachi_daichi/
失踪したりしているという報道は見ていたけれど、
とにかくどういう現状なのか少しばかり関心があって
一昨日、ドキュメンタリー映画『みつばちの大地』を観にいってきた。
私個人は、ただ単に美味しいハチミツが口に出来ればそれでいいかなあ・・・と、
そんな程度に暢気に思っていたのだけど、
現実はとてもそんな甘いものではないらしい。
そもそもハチミツに関心を持つようになったのは
むかしタクラマカン砂漠やイエメンを旅して、
天山山脈やハドラマウト地方で美味しいハチミツが採れると聞きながら
実際には現地のスーパーで売られているのは
ひどい加糖のものばかりで失望したのがキッカケだった。
photos by S.Y.
でも、後になって知ったことは、高山地帯や沙漠地帯の
わずかなお花畑からミツバチが集める純正のハチミツなんて
量がものすごく限られていてとても高価だということ。
考えてみれば、そもそも私たちのような一般大衆が
デパートやスーパーで安く買えるほど大量のハチミツなんて採れるものだろうか?
養蜂業に関してまったく無知な私は、
今回この映画を見ていくつものことにビックリした。
広大な果樹園は巨大な養蜂家と契約して互いに生産依存しあっていること。
人間が働きバチを操作し(騙し)て女王バチを「生産」していること。
女王バチとその側近を養蜂家に「出荷」するというシステムがあること。
でもって、長距離の移動や、近親交配や同種の大量コピーで生まれるので
ストレスや病気にすこぶる弱いこと。
ミツバチに寄生するダニやバクテリアの増殖。
だから欧州や中国や米大陸のミツバチは
抗生物質まみれの躯であること・・・等々。
とてもひとクチで説明できることではないのだけど、
そうやって人間によって生み出されたミツバチというひとつの生きものが
どうやらそろそろ人間にしっぺ返しをしてもおかしくないという状況らしい。
そうか、知らなかった・・・。でも希望がないワケじゃない。
人には飼いならされない強力なミツバチ(キラービー)の出現と北米への進出や
そのミツバチと謙虚に向きあおうとする人間の存在、
そしてオーストラリアではまだ被害が起きていないことなどなど。
私はこの世からミツバチがすべていなくなるとは思っていない。
むしろ人類が滅びても、彼等はかならず生き残るとさえ思ってるのだけど、
本当に美味しいハチミツというのは、植物とミツバチ、
そしてミツバチと人間とのささやかで穏やかな
契約のようなものが成り立ってるから出来るものだと想像する。
でも、そういうのは、ごく小さく個人的な生業をしている
良心的な養蜂家でないと作れないかもしれない。そう思う。
映画『みつばちの大地』公式HP
http://www.cine.co.jp/mitsubachi_daichi/
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sogno
at 2014-07-11 19:15
x
今日までだったんですね!
でもTomokoさんが観に行ってくれてヨカッタ~
我が家の蜂蜜の瓶の表示、じっくり眺めたりして・・・
でもTomokoさんが観に行ってくれてヨカッタ~
我が家の蜂蜜の瓶の表示、じっくり眺めたりして・・・
0
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team-osubachi2 at 2014-07-12 09:56
sognoさん
時間のたつ早さについていくのがせい一杯で、うかうかと見逃すところでした。見ておいてよかったデス。世の中はまだまだ知らないこといっぱいありますね。
って、知ったところで一文にもならないコトなんですけど。笑
時間のたつ早さについていくのがせい一杯で、うかうかと見逃すところでした。見ておいてよかったデス。世の中はまだまだ知らないこといっぱいありますね。
って、知ったところで一文にもならないコトなんですけど。笑
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香子
at 2014-07-12 16:02
x
先日見たテレビ番組で蜜蜂が集める蜜についてやってましたが
不凍液(甘いらしい)を集めて来たり←ハチミツが蛍光色になってた
チョコレート工場で着色料を集めてたり←カラフルになってた
ペンキ(?)を集めてたり←毒々しい色(まさに毒)
人間と共存も難しいですよねえ。。。
不凍液(甘いらしい)を集めて来たり←ハチミツが蛍光色になってた
チョコレート工場で着色料を集めてたり←カラフルになってた
ペンキ(?)を集めてたり←毒々しい色(まさに毒)
人間と共存も難しいですよねえ。。。
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nageire-fushe at 2014-07-12 22:01
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team-osubachi2 at 2014-07-13 12:45
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team-osubachi2 at 2014-07-13 12:54
nageire-fusheさん
東京でも上映は終わってしまいましたが、今後全国巡回するみたいです。
虫の世界に興味がなくても、面白かったのでいろんな人たちが観てくれるといいなあ〜って思いました。
友人のお宅にニホンミツバチが巣くっていて(ハチミツは採らないことにしているそうです)、その友人から別のところで売られていたニホンミツバチのハチミツをいただきました。野趣ある風味で美味しかったです♡
東京でも上映は終わってしまいましたが、今後全国巡回するみたいです。
虫の世界に興味がなくても、面白かったのでいろんな人たちが観てくれるといいなあ〜って思いました。
友人のお宅にニホンミツバチが巣くっていて(ハチミツは採らないことにしているそうです)、その友人から別のところで売られていたニホンミツバチのハチミツをいただきました。野趣ある風味で美味しかったです♡
by team-osubachi2
| 2014-07-11 11:10
| 出かける・見る
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Comments(6)