丘の上から通信

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2014年 05月 29日

『かないくん展』を見に行った

春、死をテーマにした絵本を二冊買った。
そのうちの一冊が『かないくん』だった。

絵本の帯には
「谷川俊太郎が、一夜で綴り、松本大洋が、二年かけて描いた」とあった。

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その『かないくん』の原画展が渋谷のPARCOで開催中だったので、
昨日観に行ってきた。
(入場料500円というのがまたなんともありがたく)

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谷川俊太郎さんによる詩は、詩であっても、
人生の長さ以上のおおきな時間の流れを感じさせてくれる。

おおきな宇宙の、ほんのいっときを切り取って描かれた物語のようだなあ、と
いつもそんなことを感じさせてくれる詩だ。

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f0229926_8273156.jpg←決定稿

松本大洋さんを知ったのは、ほんの数年前。
漫画は一冊も読んだことはないのだけれど、見た瞬間に強く惹かれるものがあった。
なんて上手いんだろう・・・!と。

今回の原画展で、松本さんが谷川さんの詩を
どこで割って、どんな風に形にしていったか・・・
そのプロセスもよくわかる展示になっていて、
絵本や絵そのものを創作する側の人間にとても勉強になる展示になっていた。

撮影完全フリーの展示に最初は戸惑い、
この絵本のテーマにカメラのシャッター音はそぐわない・・・と
はじめのうちは気になっていたのだけれど、
撮る若い人たちは、それはそれでちゃんと他の人を意識してお行儀良く、
無茶な撮り方をする人はいなかった。

ひと通り観賞したあと、では・・・と、私も自分の勉強のために
二枚の絵のプロセスを撮らせてもらった。

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f0229926_8285364.jpg←決定稿

このお話のおしまい近く、転瞬、背景が雪景色に変わって
あざやかに時間がとぶところがある。そこからがとても好きなんだ。
涙がこぼれた。


『かないくん展』/PARCO MUSEUMにて6月2日(日)まで
http://www.parco-art.com/web/museum/exhibition.php?id=643

by team-osubachi2 | 2014-05-29 09:07 | 出かける・見る | Comments(8)
Commented by 香子 at 2014-05-29 09:47 x
同じ日、同じ入館料の明治神宮の方に行ってました (^-^;;
(昨日が最終日だったので)
こちらもやってたんですよね。
決定稿の透き通るような感じ…無に近づいているようです。
Commented by team-osubachi2 at 2014-05-29 10:38
香子さん
たとえば、この少年の絵は「スケッチになっていない」ということで
途中までの描いたところという画が決定稿になったようです。
ナルホドなあ。絵本を読んでいただければ納得の決定稿であります。
絵本ひとつに2年もかけられるなんて(他の仕事ももちろん同時進行でしょうが)絵本の分野でそういうペースって福音館ぐらいかもです。
締め切りの追われる仕事ばかりの中ではうらやましいような・・・って漫画も同様ですね。笑
宝物館ですか?・・・と検索してみました。礼服の裳裾が豪勢ですネ。
Commented by fuko346 at 2014-05-29 13:17
このお話は読んでいませんが、なんともいえない目線。
絵で このなにかが伝わってくるような目をどうして
表わせるのかなあ、と不思議です。

ある年齢になったら 自分なりの死の概念を持っていないと
生きにくいのじゃないかしら、と 思うけど、どうもその反対の
人も多いのだなあとか 思いますです。
Commented by team-osubachi2 at 2014-05-29 20:24
fukoさん
とても静かなんですが、とてもとても力のこもった絵です。
たましいがこめられた絵は、、、やっぱり心に響くものがありますね。
私も自分にかかわった大切だった人の死を通して、自分なりの死生観を持つようになってから、いろんなコトの感じ方が変わってきたように思います。
それを糧に、私も自分の表現力や技術をもっともっと磨いておかねばな、と展を身終えて思いました。
Commented by teamikiraku at 2014-05-30 11:43
私もこの本、買いました。
好きな本って大事にしたいので、まだ1回読んだきり・・・
行間に、文字がないページに思いが溢れていますね。
この文章には
私だったら、どんな絵を描くだろうと思ったりしました。
Commented by れいうさ at 2014-05-30 14:16 x
私もこの展示会、気になっていました。
大昔の多感なころ、谷川さんの詩集をよく読んでいたことがあって。
同じ作品でも、絵を書く人は絵のほうにより関心が行くのですね。
私はどちらかというと文章のほう…かな。
Commented by team-osubachi2 at 2014-05-30 20:49
teamikirakuさん
うちの相方も好きな本を大事に大事に見る性質なのですが、
私は何度でも見る、ボロボロになって構わない、
そこまで見たなら何も惜しくはない、という性質です。
だからといって乱暴に扱う訳ではありませんけども。笑
インスパイアされたものを本当にひとつの形にして残すには
それ相応の力がいりますね。
Commented by team-osubachi2 at 2014-05-30 20:56
れいうささん
はい、これは「絵本」ですし、私はイラストレーターゆえか、やっぱり画の方に意識がいきます。
子どものころから私にとって文章や言葉は、自分の中でビジュアルに変換されることがしばしばです。小説はだから映画を見ているのと同じ感覚になったりしますです。
詩集、画集、そしてそれが一体化した詩画集(絵本を含め)、それぞれの形態の違いですが、それぞれの良さ、ありますよね。
会場では、谷川サンご自身の朗読を聞きながら、松本さんが絵を仕上げる動画を見られるという小さなブースも設けられていました。そうそう、声に出してそれを観賞する朗読という形態もありますね。こういう場合は、音とリズムに反応してしまう私です。笑


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