2012年 08月 09日
モノクロームの楽しみー1
今年7月にやった個展では、向田邦子さんの小説やエッセイに
自分の好き勝手にカラーで絵を描いてみたけれど、
現実的な挿し絵仕事は圧倒的にモノクロームで描く世界だ。
私の場合、もっぱら鉛筆と透明水彩のブラックを使って描くのだが、
なかなか黒の濃淡の幅を出すのはムツカシイ。
コントロールしているつもりでも、乾いてみれば
思ったよりも薄かったり、濃かったり・・・。
Water Colour という透明水彩は、薄い透明な色を重ねてゆける絵の具だ。
同じ色をかさねて深みをだしたり、
違う色をかさねてAという色をBという色に見せたりすることは出来るけれど、
乾いてしまったあとは薄くすることができないし、
厚く上塗りして元の色を消したり変えたりすることが出来ない。
でも、濡れている間になら、水の加減で
どのようにでも絵の具に表情を出せる画材でもある。
淡くのばしたり、滲ませたり、ぼかしたり、とブラック一色を使うにしても、
私の場合はなるべく一発で濃度を決めて
エイヤ!で一気に塗って、無地場に暈かしなどの表情をつける。
それでもしも納得がいかないところが出来ても、
あとで無理に塗り重ねれば
不思議と絵の新鮮さはどんどん失われていく。
ちょっとくらいの失敗(コントロール出来なかった部分)も
絵全体の中で「味」になってくれればしめたものだ。
透明水彩という画材にはじめて触れてから20数年たった今でも
乾いてみなければ最終的な色や濃度の判断が出来なかったりして、
なかなかムツカシイ画材なのだけれど、
そのコントロールしきれない部分が
ときどき思っても見ない効果を出してくれることもあって、
そんなところもこの画材に惹かれる(飽きない)理由かもしれない。
*イラストレーションの無断使用及び複製・転載をかたく禁じます
自分の好き勝手にカラーで絵を描いてみたけれど、
現実的な挿し絵仕事は圧倒的にモノクロームで描く世界だ。
私の場合、もっぱら鉛筆と透明水彩のブラックを使って描くのだが、
なかなか黒の濃淡の幅を出すのはムツカシイ。
コントロールしているつもりでも、乾いてみれば
思ったよりも薄かったり、濃かったり・・・。
Water Colour という透明水彩は、薄い透明な色を重ねてゆける絵の具だ。
同じ色をかさねて深みをだしたり、
違う色をかさねてAという色をBという色に見せたりすることは出来るけれど、
乾いてしまったあとは薄くすることができないし、
厚く上塗りして元の色を消したり変えたりすることが出来ない。
でも、濡れている間になら、水の加減で
どのようにでも絵の具に表情を出せる画材でもある。
淡くのばしたり、滲ませたり、ぼかしたり、とブラック一色を使うにしても、
私の場合はなるべく一発で濃度を決めて
エイヤ!で一気に塗って、無地場に暈かしなどの表情をつける。
それでもしも納得がいかないところが出来ても、
あとで無理に塗り重ねれば
不思議と絵の新鮮さはどんどん失われていく。
ちょっとくらいの失敗(コントロール出来なかった部分)も
絵全体の中で「味」になってくれればしめたものだ。
透明水彩という画材にはじめて触れてから20数年たった今でも
乾いてみなければ最終的な色や濃度の判断が出来なかったりして、
なかなかムツカシイ画材なのだけれど、
そのコントロールしきれない部分が
ときどき思っても見ない効果を出してくれることもあって、
そんなところもこの画材に惹かれる(飽きない)理由かもしれない。
*イラストレーションの無断使用及び複製・転載をかたく禁じます
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abe-mayu at 2012-08-09 16:28
コントロールできないから同じ水彩を使っても、人それぞれ違った絵になりますね。そこが面白いなって私も思います。
それに手入れが簡単で道具が少なくていいところも好き。
それに手入れが簡単で道具が少なくていいところも好き。
0
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team-osubachi2 at 2012-08-09 23:53
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香子
at 2012-08-10 01:39
x
短大に入って初めて透明水彩を知りました。
(インクも耐水と水性で用途が違うのも)
田舎には無かったんです(知らなかっただけ?)。
高校時代、美術部にも入ってなかったのもあり
材料を使いこなせないまま卒業しちゃって後悔しきりです (^-^;;
(インクも耐水と水性で用途が違うのも)
田舎には無かったんです(知らなかっただけ?)。
高校時代、美術部にも入ってなかったのもあり
材料を使いこなせないまま卒業しちゃって後悔しきりです (^-^;;
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りら
at 2012-08-10 03:43
x
水彩絵の具・・・最後に使ってからもはや40年近くたっているんじゃなかろうか・・・と気がつきました。
うひゃー!
アップされている絵、モノクロなのに色が見えるようですねぇ。
最後の一枚(もしかしてこれは・・・)、「祇園囃子」の一場面のように思いました。
うひゃー!
アップされている絵、モノクロなのに色が見えるようですねぇ。
最後の一枚(もしかしてこれは・・・)、「祇園囃子」の一場面のように思いました。
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team-osubachi2 at 2012-08-10 13:33
香子さん
私もド田舎にいましたし、美術部にいてもデッサンと油彩ばかりに血道をあげてましたから、インクや透明水彩は専門学校に入ってからでした。
いかがですか?もしもまだヤル気があるなら、子育ても終わった今からでも十分楽しめますよ~ ♪( ´θ`)ノ
私もド田舎にいましたし、美術部にいてもデッサンと油彩ばかりに血道をあげてましたから、インクや透明水彩は専門学校に入ってからでした。
いかがですか?もしもまだヤル気があるなら、子育ても終わった今からでも十分楽しめますよ~ ♪( ´θ`)ノ
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team-osubachi2 at 2012-08-10 13:55
りらさん
あ、溝口監督の「祇園囃子」ですよねえ~!
木暮実千代さんと若尾文子さんの、ね?まだプリンプリンした若尾文子さんが可愛くってね~。お茶屋の女将の浪花千栄子はんがまたよろしぃて、ねぇ、はぁ (笑)。
あの映画、宮川一夫さんのカメラがまた遺憾なく発揮されてて、何気ないようでいて映像もとても素晴らしいですよね。
むか~しBSで放送してたのをビデオに撮って、それこそ百万遍、腐るほど見ましたよお~!私が言うのも変かもですが、なんか懐かしいです。
この絵は「糸の目」というエッセイを読んで描いてみました。ご存知のように、Sさんのもとへと嫁に貰われていきましたが、気に入って身請け(?)してくださるとは有難いことです。ふふ。
あ、溝口監督の「祇園囃子」ですよねえ~!
木暮実千代さんと若尾文子さんの、ね?まだプリンプリンした若尾文子さんが可愛くってね~。お茶屋の女将の浪花千栄子はんがまたよろしぃて、ねぇ、はぁ (笑)。
あの映画、宮川一夫さんのカメラがまた遺憾なく発揮されてて、何気ないようでいて映像もとても素晴らしいですよね。
むか~しBSで放送してたのをビデオに撮って、それこそ百万遍、腐るほど見ましたよお~!私が言うのも変かもですが、なんか懐かしいです。
この絵は「糸の目」というエッセイを読んで描いてみました。ご存知のように、Sさんのもとへと嫁に貰われていきましたが、気に入って身請け(?)してくださるとは有難いことです。ふふ。
by team-osubachi2
| 2012-08-09 07:37
| 人を描く
|
Comments(6)