ひと手間加えて

過日、着物仲間の方から黒い籠巾着をいただいた。
どう使おうかと思うまま、しばらくの間
仕舞いっぱなしにしていたところ、ふと、実家の母親が
「近所へお参りに行くのにも、お数珠とか入れるものがなくて困る」
とボヤいていたのを思い出したので、ちょうどいい大きさでもあるし
いただいたこの籠巾着を譲ることにした。
(北陸一帯は「真宗王国」とも言われるほど
浄土真宗が地場のお宗になっている)

ただ、紐結びのところの房が放っておくとほどけてくるので、
黒い絹の端切れを持ち出してきて、結び目に被い飾りをつけた。
実はこの黒い端切れは、母親が嫁いできた時の黒留袖をほどいて
友人のママにクッションカバーとして
リフォームしてもらったその残り裂である。

ひと手間加えて_f0229926_1346112.jpg

母親にしてみれば、自前の留袖の、いわば成れの果てではあるけれど、
ごく小さな部分でも、こんな風に姿をかえて手元に戻るとなれば
本人も嬉しかろう。

そういえば、友人のママは、ほどいたその留袖の家紋部分を活かして
お数珠入れの小さな巾着も縫ってくれたのだった。
そうだそうだ、これとセットで使ってもらおう♪
・・・と、ムスメは自分の思いつきに、一人で悦に入るのであった。
Commented by りら at 2011-12-10 06:57 x
針刺しに使われているのは青の蕎麦猪口ですか?
それとも、お湯飲み?
華やかな針山の色が映えて、素敵ですねぇ。

布を最後まで使う・・・・
着物を着る者の真骨頂とは思いながら、そういうことができないでいます。
こういうお話を伺うと、良いなぁと思いつつ、自分の不甲斐無さを思ったり・・・・えへへ
Commented by team-osubachi2 at 2011-12-10 11:58
りらさん
この針刺しは、加賀土産に買ってきたもので、骨董市などで売られていた小さなお猪口を活かしてちりめんのおサブを乗せてある針山だそうですよ。カワイイのでつい手込めにしてきました♪
加賀ものには、前田のお殿様の薫陶もあり、日常的に工芸品に関心が高いせいか、女の人の日用に加賀独特の指ぬきがあったり、手鞠の針山もあったりで、見るだけでも楽しくなります。
いや〜しかし、こんな日記を書いてると、いかにも普段からまめにやってそうですが、実のところは、思いついてから一ヶ月ほどもほったらかしてまして、暮れになってようよう針を持った次第です。出来ることしか出来ませんので、すごく活動的な友人ママに、ひと頃ずいぶんと甘えさせていただきました。ありがたいことでした。
by team-osubachi2 | 2011-12-09 13:54 | 日々いろいろ | Comments(2)

イラストレーター岡田知子の、暮らしと、着物と、お絵描きの日々


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