ヤブコウジの花

北陸はつい数日前に梅雨入りしたばかりで、
お天気がいいとまだ5月のような爽やかさだった。
帰省する列車の車窓から見る新潟や富山の水田には、
頂にまだ残雪がある山々の姿が映りこみ苗が健やかに育っていた。
ふと、仙台平野の田んぼや農家の人のことを想い、胸が少し痛んだ。
富山の実家で片付けやら掃除やら家事三昧(?)をやったあと、
所用で金沢に立ち寄ってから、金曜の夜遅くに帰宅したが、
さいわいこちらは梅雨ならではのお天気のおかげで
うちのちいさな草むら園の水やりの心配はまったく要らなかったようだ。

草むら園の鉢や種類を増やした今年は、
去年以上にたくさんの種類の虫や生きものを
このベランダで見られるようになった。
こないだはヤモリも登場していた!
ものすごく残念なコトに、なんと私がそれと知らず、
ちょこっと動かした煉瓦の下敷きになって
死んでしまっていたのだけれど・・・。ガビ~ン!

つい今朝も、どこから登場したのか、7cmくらいのミミズを発見した。
そっと塵取りですくって、先月着物友だちのすいれんさん宅からいただいてきた
美味しそうな土がそのままのススキのやや大きめの鉢へ移してあげたら、
ほどなくして土の中に潜りこんでいった。
そのススキと同時にヤブコウジも少し分けていただいたのだが、
それも今めきめきと育っているところだ。

ヤブコウジの花_f0229926_1041425.jpg

ちょっと前からたくさんつきはじめたヤブコウジのつぼみ。
・・・と、その花がひとつ開いていた。はじめて見る。
移植してから開いた葉っぱの下の、微小な斑が入った白っぽい花が、
やがていって寒い冬場に、パッチリくっきりとした真紅の実になって
まるでイヤリングみたいに可愛らしくぶらさがる。

むかしお茶のお稽古に通っていたころにはじめて知って以来、
秋から冬にかけて赤い実のなる植物の中で、
ヤブコウジを筆頭にあげるくらいファンになってしまった。
今年の冬は、このヤブコウジのカワイイ赤い実がうちで見られると思うと
もう今から夏をすっとばしてわくわくと楽しみである。
Commented by 神奈川絵美 at 2011-06-19 21:52 x
お帰りなさーい☆ 梅雨は私たちにとっては鬱陶しいものですが、小さな生き物にとっては命を育む時期でもあるのですよね(農作物もね)。
ヤモリ、死んじゃったのですかー! 下敷きにならないよう、ささっと動けそうなものですが、
あまり機敏な生き物ではないのですね。
Commented by team-osubachi2 at 2011-06-19 22:29
絵美さん
ただいまです〜。この時期は本当にジメジメしますが、この湿気がないと日本では困ることっていっぱいありますよね〜。生きものの世界もそうですけど、漆芸でもなくてはならないものですし。
ヤモリを死なせちゃったのはショックでした〜!すっごく残念で〜。うちのベランダ程度にやってくる生きものなんて、庭のあるお家では何でもないことだと思いますけど、ま、一種のビオトープみたいなものみたいに観察してて飽きないんです。
Commented by すいれん at 2011-06-20 11:14 x
tomokoさま
おかえりなさ~い。 ヤブコウジ、咲いたのですね、かわいい~。
うちのも咲いてるかしら? 本当に一度この可愛さに触れたら、ファンになりますよね。人知れず、ひっそり咲く小さい花や実って、いかにも日本的風情がありますよね。
Commented by team-osubachi2 at 2011-06-20 23:32
すいれんさん
おかげさまでヤブコウジ、元々の土である上に、半日陰の場所もよかったのか、とても元気に育っています。お花、いくつも開いていて、小さな羽虫もいっぱい飛んでますから、なんとか秋には実りが見れるんじゃないかって今から楽しみなんです。ホント、和の風がありますね、ヤブコウジ。株分けしていただき、感謝です〜!
by team-osubachi2 | 2011-06-19 11:08 | 日々いろいろ | Comments(4)

イラストレーター岡田知子の、暮らしと、着物と、お絵描きの日々


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