青い花・藍の花

天気予報では、今日は
この夏はじめての真夏日だとかなんとか云っていて
朝から気温がどんどんあがっていた。
西向きの部屋の窓にかけようとすだれを買いに
隣駅近くにある荒物屋さんまで買い物に行って
坂道をのぼって帰ってきたら、さっそく汗だくになってしまった。

こんな季節に袖を通したくなるのが藍木綿だ。
先日、世田谷にある妙壽寺でやっていた一衣舎さんの展示会へは
ゆみはま絣の単衣木綿に、紬地の染め帯という気軽な格好で出かけた。

青い花・藍の花_f0229926_13445651.jpg

とっても好きで春によく締める青い花の帯は、
かつて16年間も住んだ杉並区にあったアパートの大家さんが
染織の趣味で描いたローケツ染めの帯だ。
最初、これを買い求めたご婦人が
「何年も前のなんだけど、使わないうちにもう若くなっちゃって。
岡田さんになら似合いそうだし」と一度も締めないままのを
着物を着始めたばかりだった私に下さったものだ。
20年たった今でも締められ、まだこの先も締められる重宝な帯のひとつ。
好みとしては藍染めの縞紬や木綿絣によくあわせている。

さて、私のゆみはま絣は、いってみれば普及クラスではあるけれど、
着るほどにカラダによくなじみ、またあまりシワにもならず、
なんといっても汗を気にしないでいいから
実に気(着)やす〜い着物なんである。
自分で手入れをしながらおばあさんになるまで袖を通すつもりで
ずいぶんと地味なものを選んだものだが、
私のような太い「ボサ眉」の顔にはこーゆーのが映える気がしている。

青い花・藍の花_f0229926_13544892.jpg

先日、浦 令子さんが代表をつとめる「ぬぬぬパナパナ」の
リレー日記に、浦さんの紹介で村井弘昌さんとおっしゃる
藍作りをしておられる方の日記が紹介されていた。

専門的な知識はないが、ときおり藍を作る人というのは
なんだか神職に属しているかのような錯覚を覚えるときがある。
とても地道で地味な作業に、どことなく
崇高なものを感じるのは私だけではないだろう。
(およそ染めや織りにはそんな霊気に通じる部分があるような感じがする)
手塩にかけられた蓼藍すくもは、
やがてどんな染織家や職人さんの手元にいくのだろう?
そしてどんな糸や布に染められるのだろう?
労をいとわず藍を作る人々に、そして布を生む人々に、
幸多からんことを祈りたい。

ぬぬぬパナパナ「ぬぬパナ・リレー日記」
http://nunupana.com/diary/
Commented by ルリ子 at 2011-05-10 20:58 x
Tomokoさん、
とても着易そうな藍木綿ですね。 
私もこの季節、綿の着物を良く着ます。 藍の色、木綿の手触り、カジュアルにお出かけするときにはピッタリですね。

帯もポップな感じで可愛い! 赤い帯締めが効いてますね。
Commented by team-osubachi2 at 2011-05-10 21:06
ルリ子さん
大島の単衣もよいですが(笑)、木綿もいい季節です〜。絹ものもいいけれど、気温があがるにつれ、木綿だの麻さの、これからの季節はいろんな素材や織りがあって楽しいですよね。
しかしコンパクトカメラだけでは写真に限界ありますね。だんだん一眼デジが欲しいくなっておりますです〜(笑)。
Commented by すいれん at 2011-05-11 09:44 x
tomokoさま
tomokoさんのおっしゃる意味、良く分かります。 この間、BSで「藍」の特集やっていました。 藍の木綿の単衣、欲しいなぁ~と思っていたら、このブログ。 あ~、懐具合もよくないのに、なんでほしいものは次から次へと・・・。
Commented by team-osubachi2 at 2011-05-11 11:06
すいれんさま
>この間、BSで「藍」の特集やっていました。
ありゃ、見逃してました〜!見てみたかったです。藍って着物になってからも色が変化していきますですね。17年ほど前の久留米絣の藍色の変化、先日友だちにも「変わったね〜」って言われました。そゆとこも魅力的です〜。
しかし、着物世界の物欲には限界がありませんですね〜。お財布の大きさにはハッキリと限界があるのに(笑)。
Commented by はつき at 2011-05-11 12:02 x
私は絣をしゃりんと着こなしたいのに、なぜか私が着ると「町娘」になってしまいます。まだまだ大人になりきれていない?帯もさわやかな色合いで、この季節にぴったり。染色教室の宿題の参考とさせていだきます!
Commented by team-osubachi2 at 2011-05-11 13:03
はつきさん
私なんかは田んぼだらけのド田舎の出身ということもあり、変な例え方ですけども、木綿絣は野良仕事で長靴はいてあぜ道歩く覚悟で着ています〜(笑)。実際、私、似合うと思うんですよ、泥くさくて無骨で田舎っぽい模様が。私はだから、絣といっても、絹織の奥さま風の模様がまったく似合いませんのです。フェミニンな小紋も似合いません。
絣といってもいろいろなのがありますから、きっとはつきさんにお似合いのものがありますよ。いつか出会えるといいですね。
Commented by はつき at 2011-05-11 20:26 x
無性に木綿絣が着たくなって、ネットをうろうろしてます(^^)。
Commented by team-osubachi2 at 2011-05-11 20:55
はつきさん
お似合いの一枚がゲットできたら、またブログでご報告くださいねん。
Commented by 絣音 at 2011-05-29 23:30 x
はじめまして。弓浜絣を織っている絣音といいます。私も村井弘昌さんの播磨藍を使わせていただいています。。とても村井さんの誠実さが伝わってくる藍です。実は先日の一衣舎さん春展にわたしも初参加させてもらいまして。。なので、びっくり!!!です。お会いしてみたかったです!弓浜絣、たくさん着ていただいてうれしいです。頑張ろうと思います。
Commented by team-osubachi2 at 2011-05-30 00:07
絣音さん
コメントありがとうございます〜!あらま!でこちらもビックリです。どこどうやってこちらに辿りついたんでしょう?ブログやっててよかった〜。この春、一衣舎さんへはまったくはじめて行ってみたんですけども、作り手さんたちのこだわりの布がたくさんあって、ウワサに違わず見応えのある展示会ですね〜。
弓浜絣、私のものは地味ですけども、弓浜らしいおおらかな柄物も大好きです〜!
絣音さん、もしよろしければ、また東京神奈川方面で出品なさるときにご連絡いただけませんか?見るだけでも、もっと奥深い藍木綿の世界を見てみたいです。今後ともどうぞよろしくお願いいたします〜。
by team-osubachi2 | 2011-05-10 14:23 | 着物のこと | Comments(10)

イラストレーター岡田知子の、暮らしと、着物と、お絵描きの日々


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