はがき絵を描くー9

若いころ京都へちょくちょく見物に出かけた時期がありました。
もちろんお金はろくにありませんから、現地のお友だちにお世話になったり、公共交通機関を利用し、
お寺さんや博物館や庭園などの間をたくさん歩いて見てまわりました。

街中のなんでもない路地小路や、緑ゆたかな山の裾野の家々をぬうように歩くのも楽しく、
そこここに見るものがたくさんありました。
冬、そういう小路を歩いていると、家々の軒先にそれは見事な実をたわわにつけた
南天の木々がたくさんあるのを見て驚いたものでした。

関東ではさほど実っている姿を見ないのに、なぜ京都の南天はこんなたわわに実をつけるのでしょう?
鳥たちはついばむことをしないのでしょうか?土と気候が違うからでしょうか?
いまもその理由がわからずにいます。

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有名な清少納言の『枕草子』。
「冬はつとめて 雪の降りたるはいふべきにもあらず 霜などのいとしろく
またさらでもいと寒きに 火などいそぎおこして 炭もて渡るもいとつきづきし
晝(昼)になりて ぬるくゆるびもてゆけば 炭櫃火桶の火も白き灰がちになりぬるはわるし」

先日平安時代の貴族の暮らしぶりを少し調べてみましたが、なかなかに面白く興味は尽きないものの
あの京都の寒さの中、(夏の涼しさ優先で)寒気抜けぬけの建家の中で
火桶なぞどれほどの温もりを得られたものか、絹の衣を幾重にも纏ったところで、
ジッとして動かずにいたらさぞ寒かったろうなあと想像してしまいます。

冬の季節に使っていただけるよう、そんな『枕草子』の冬の文章に
赤い実りの南天を組みあわせて描いてみました。


*イラストレーションの無断使用及び複製・転載をかたく禁じます

# by team-osubachi2 | 2017-11-02 15:13 | 仕事をする

たびたび日記に記している通り「無地の帯が好き♡」である。
着物に柄があって、その着物の方をメインにしたいな〜と思うときには
無地の帯をあわせるのが好きだ。

いつだか友だちんちからいただいたリバーシブルの無地帯(http://okakara.exblog.jp/24942128/)は
思案した末、半幅帯に直してもらった。

その無地の半幅帯に、着物は焦茶無地のざざんざ織りをあわせてみる。
ファッション用語でいえば「カラーブロック」ってとこね(実物とは色みがだいぶ違うけど)。

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で、↓こんな細っこい帯枕があるじゃない。

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それを使って、カラテア風に・・・。半幅帯だから前で結んでカタチを作る。

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おたいこ部分を結び目の上下じゃばらに畳んで帯揚げでおさえ
(帯揚げはそのままでもよし、折り畳んだ手ぬぐいを枕みたいに入れるもよし)
仮結びしてカタチを作っておいてから、エイッと後ろに回し、
あらためて(今回は細い帯枕の紐と)帯揚げ、帯締めを結んで整えれば完成♪

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(↑昨日出かけた先で撮っていらした写真に写ってた自分の後ろ姿)

サッと着替えて出かけ、戻ったらまたサッと着替えてそのあと仕事しなくちゃよ〜!
・・・なんていう日には半幅帯で出かけるのが楽チン♪

# by team-osubachi2 | 2017-11-01 13:04 | 着物のこと | Comments(6)

『木綿と絹の二人展』へ

*この展示は終了しました
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午前中家事をすませてからサッと着物に着替え、お昼間にひとっ走り成城学園前まで出かけてきた。
木綿織りの大熊眞智子さんと紬織りの吉倉ますみさんの二人展。
その初日にお邪魔して作品の数々を拝見♡

着尺や帯地を触らせてもらったり、着尺を着装してもらったりして、
もう脳ミソも心もとろけそうになってしまった。

知り合って少ししかたっていないので、お二人のキャリアのことはまだよく知らないのだけれど、
すでにプロフェッショナルとしていくつもの織物を生み出してこられたお二人の作品は、
なんとなく、だけど・・・たとえば、しっかりと地に足をつけて高い方へとのぼってゆくその道の途中に、
まあ!ここにこんな花が咲いてる♪、とか、こんな草木がいつの間にか育ってた♪、とか
地道な歩みの途中にそういうキラリと光っているものを発見をした!・・・みたいなイメージ。

・・・なんて、自分の個人的な例えをあれこれ記すより、写真をいくつかのせておきましょうかね。
(しょせんiPhoneの写真ではほのかな色みがぜんぜん出ないのだけど・・・)


大熊さん作品の絵羽もの
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大熊さんの半幅帯など
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吉倉さんの格子着尺
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吉倉さんのずりだし糸で織られた無地(私物につき参考品)
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お二人のショール
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大熊さんの八寸帯
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繭や糸や和綿など・・・そうそう、ほかに木綿の半衿なども
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この二人展は11月4日(土)まで開催中。
「成城さくらさくギャラリー」さんは小田急線成城学園前・南口から徒歩4〜5分。
ご興味のある方はぜひお出かけいただき、じかにご覧いただければと思います ♪

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ああ〜、もう・・・夢心地よ♡
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# by team-osubachi2 | 2017-10-31 16:57 | 着物のこと | Comments(2)

先週末も台風22号の大雨に見舞われたため、家で大人しく過ごした。
土曜に出かけた箱根で、帰りがけに土産物店に寄り、
十何年ぶりかで箱根名物のひとつ「湯もち」を買った。嬉しいな♡

ふわふわのほたほた柔らかいお餅に、切り羊羹のアクセントと
ほんのり柚子の香りのハーモニーがたまらな〜〜い♡

湯もち本舗「ちもと」

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その「湯もち」でお茶をしながら、お家deシアターを愉しんだ♪

お題はいま話題の作家カズオ・イシグロさんの『日の名残り』。

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いま渋谷文化村で朝イチ限定(『日の名残り』を朝から・・・w)上映を観賞することはさっさと諦め、
相方におねだりして買ってもらったDVD版。

なんて大人の映画だろうか・・・。
たまたま気に入って英国テレビドラマ『刑事フォイル』と
『ダウントンアビー』シリーズを見ていたせいもあって、すんなりと時代背景はつかめた。
そういうおおきな時代の流れの中の、それこそ世界の、時代の片隅で生きている一人の男性のお話。

主演のアンソニー・ホプキンスさんとエマ・トンプソンさんの会話のシーンを見ていて、ふと、
「あ、文学だ、文学の香りがする、これ・・・」と、もろ世間の刷り込み的な感想を抱いたのだけど(^ ^;;
国語が大の苦手だった私には、文学はとっても難解なものというアタマがある。

原作を読んではいないし文学ってものがどういうものかはわからないまんまだけど、
しかし、こんな中晩年の人生が醸す世界を三十代半ばで書いたイシグロさんってば、
どんな大器の人かしらん?!って思っちゃった。
(再放送してた文学白熱教室も面白かった/http://www6.nhk.or.jp/nhkpr/post/original.html?i=11917

テレビの音量こそは多少大きくしたものの、台風による大雨の音がまったく耳に入らないくらい
静かに主人公の人生の物語に見入ったひとときだった。






# by team-osubachi2 | 2017-10-30 13:46 | これが好き | Comments(2)

昨日の午後、寸暇を得て相方に車を運転してもらい、
雨が降り出した中むかったのは箱根湯本からほど近い場所にある「箱根菜の花展示室」さん。

入る小径をひと筋間違えちゃったけど、すぐに修正して無事到着。
坂の小径をあがると、あら、なんだか雰囲気ある入り口。

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もちろん入り口だけでなく、三和土から奥へ導かれて入った中もすこぶる素晴らしい空間だった。

もとはとある企業の保養所だったのを「やまほん設計室」というところが
とっても素敵な展示空間になさったところだそうな。

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こちらで(本日29日まで)開催中の染織家津田千枝子さんの
クリエイティビティ溢れる型染めの作品が展示されているのを拝見してきた ♪

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空間とか、場の雰囲気によって作品も違って見えるんだ。

津田さんの、たとえば帯地なども、都会のど真ん中で拝見するよりも
どことなくのびやかに見えるのは気のせい?・・・じゃないよ、ネ?きっと。

この素晴らしい展示室の左官さんの仕事がまた素晴らしかった。
そこに居並ぶ作品の持ってるチカラをさらに引き出してるようにも感じられて・・・。

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津田さんに布と染め方のお話をうかがうも、
立ち話などで素人が染めの技術を理解出来るはずもないのだけど、
ただただ感嘆しながら見たり、触らせてもらったり、纏わせてもらったり ♪

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津田千枝子さんはとても格好いいハンサムウーマンでいらっしゃるけれど、
そんな津田さんから生まれる布たちは、たとえ優しい色合いや軽くて薄いものでもすごくパワフル。

そんなパワーのおすそ分けをたくさんいただけた気分 ♪

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ほかにもバッグやストールや古袱紗などもあって、
お客様方はじっくりと見て、触れて、最後までどれにしようかと迷われてから決断されていた。

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目には見えないけれど、会場にいっぱい落ちてたお客様方のため息に、
私のため息もたくさんこぼしてきちゃった。w

ちょっとした大人の遠足気分で楽しんだ小半日のドライブだった♡


# by team-osubachi2 | 2017-10-29 14:30 | 出かける・見る | Comments(2)