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高野豆腐

うろ覚えの話。
谷崎潤一郎の『細雪』で読んだのだったと思うが、
仕込みさん(店出し前の舞妓)だか、若い舞妓さんや芸妓は、
高野豆腐で紅を落とさぬよう食べる練習をするとかなんとかいう・・・。

若かりし頃、京都へよく遊びに出かけ、面白いおじさんたちや、
「おかあさん」と呼ぶ花街育ちのおでん屋の女将さんらに
なんやかや可愛がっていただき、そのおじさんたちのお花で
いく度か舞妓ちゃん芸子ちゃん連れだったコトもあった。

「高野豆腐の話ってホント?今もそうなの?」と知りたかったのに
大人の遊びの最中は、もうそんなコトはすっかり忘れて、
初めて触れるいろ〜んなものを見たり聞いたりするだけで精一杯。
結局高野豆腐のコトは訊かず仕舞いにおわってしまった。

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秋も深まってくると、煮ものや炊きものが
急においしく感じられるようになる。
棚にあった高野豆腐を炊く気になり、冷蔵庫を見たら
少々の豚肉と筍の水煮としめじがあったので、それらも一緒に炊いた。
(豚はいっぺん湯通ししなくちゃだけど)

小皿にとって、箸先で切って口に持っていく。
思わず「オ」の字に口をあけて、唇に触れないよう食べてみた。
・・・そういえば、市川崑監督の映画『細雪』でも
そんな場面があったかな?
お出汁しみ染みが、しみ滋味おいしい高野豆腐であ〜る♬
by team-osubachi2 | 2012-10-31 12:26 | しみじみご飯 | Comments(2)

お気に入りの針箱

着物を着るようになって、かれこれもう20年以上になりますが、
それまでとれたボタンをつける程度にしか針と糸を持たなかった私も
これだけはなんとしてもやらなければいけないと知った半襟のつけ替え。

着物は着て嬉しい楽しい♬
けれども、次も、その次も気持ちよく着物を着るためには
それなりに手をかけないといけないと知った事柄のひとつが
やっぱりこの半襟のつけ替えなのでした。

面倒くさいと思う作業を、どうすれば少しでも楽しいコトに出来るか。
そこで思いついたのが、気に入った針箱を持つということでした。

下は、もう何年前のものかわからなくなりましたが、
むかしいただいた『きものサロン』さんのお仕事から。

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*イラストレーションの無断使用及び複製・転載をかたく禁じます
*画面をクリックしていただくと、ちょっぴり大きく表示されます

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千代紙を張ったこの段違い箱を針箱にした効果でしょうか、
その後、自分で襦袢袖や裾除けを手縫いしたり、
綿ちりめんの反物から割烹着を縫ってみたり、ちいさな袋物も作ってみたり、と
すっかり針と糸に馴染む暮らしになっていきました。
長い間ちょいちょい出しては使うということが続いたせいで
去年だったか、とうとうお釈迦になりました。

今はお菓子の空き箱に仮入れしているお針の道具。
そろそろ新しい針箱が欲しいところです。
by team-osubachi2 | 2012-10-30 08:24 | 着物エッセイ | Comments(6)

泪ものの笑い

歌舞伎などの芝居で、おかしな場面で笑うことはあっても
泪がでるほど笑った覚えがないのに、
寄席漫才や落語では、なんでだろう、
それこそ腹がよじれるほど、泪がでるほど笑うことがある。

昨日は我らが(?)小三治師匠の一門会へ出かけた。
ひさしぶりに泪をだしながら笑った。

開口一番はろべえさんの「初天神」、続いて三三師匠の「錦の袈裟」。
ずっと以前、扇遊さんでだったか、この「錦の袈裟」をはじめて聴いたとき、
あの与太におかみさんがいる(所帯を持ってる)というだけで
ビックリしたものだけど、それもよく出来たおかみさんぶりに感動(?)し、
当時まだ独身だった私や友だちは、所帯持ちであるこの与太に
にわかに自分の未来への希望すら覚えた(?)のだった。
以来、好きな話のひとつになった。
三三さんの話も(また違うおかみさんぶりだけど)、
いやあ〜、泪がでました。

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お仲のあとは、出囃子のそのじさんがいい喉を聴かせてくれたところへ
仕舞いに思いがけず小三治さんが高座に並んで座り、
そのじさんの三味線でなんと都々逸をひとつ聴かせてくれたのには驚いた。

とおくはなれて きれるとみせて
たぐりゃまたくる たこのいと ♬

ちなみに、小三治さんは
ピアニストの岡田知子さん(私じゃありません)のもとで
歌を習うほどの歌好きである。

切りはその小三治師匠の「禁酒番屋」で会場中が大笑い。
でてくる泪を手ぬぐいでふきふき話を聴かせてもらい、
ゆうべは布団に入るまで、一晩中い〜い心持ちだった。

肚の底から笑うって、なんだろう、
何かいいものが体中をめぐるカンジがする。


*イラストレーションの無断使用及び複製・転載をかたく禁じます
by team-osubachi2 | 2012-10-29 07:48 | らくがき帖 | Comments(8)

*このイベントは終了しました。

映画『ひとにぎりの塩』は、日本で唯一、
奥能登に今も残る揚げ浜式製塩の様子を描いたドキュメンタリー映画です。

先月、この映画を制作した石井かほり監督とともに
その揚げ浜式製塩の土地を訪ねてきましたが、
http://okakara.exblog.jp/17951951/
行ってみると、奥能登は海も山もゆかたな自然が残っていて
また、半島ならではの独特の習俗が残っている面白いところでした。

本日その能登から、杜氏と浜士、お二人のプロフェッショナルが
渋谷の「たばこと塩の博物館」で講演をなさいます。
映画『ひとにぎりの塩』も夕方に上映されますので、
もしもご興味のある方はぜひお出かけください!参加費は無料です。

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『ひとにぎりの塩』公式HP
http://hitonigiri-movie.com

たばこと塩の博物館(詳細はイベント欄をご参照ください)
http://www.jti.co.jp/Culture/museum/index.html
by team-osubachi2 | 2012-10-28 09:05 | お知らせ | Comments(2)

昨日はいいお天気の中、谷中界わいを取材ロケ。
ぐるぐる歩き回って、はじめて入り込む路地を抜けると、
「な〜んだ、ここに出るんだ〜!」って場所がちょいちょい。

ひさしぶりに『いせ辰』さんに寄ったあと、
その並びに靴屋さんがあったので、ひょいと中を覗いてみたら、
テレビか雑誌で見たことがある靴屋さんだった。
オーダーメイドで木型から靴を作ってくれるお店『SONOMITSU』さん。
「な〜んだ、ここにあったんだ〜!」

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ロケ取材で同行していたデザイナーさんが、
途中から合流する代理店の担当者を近くの駅まで迎えに行っている間、
二階のショールームを見せてもらった。
お店の女のコが「よかったら試し履きしてみませんか?」と・・・。
え?そうですか?じゃあ、せっかくだし♬

私の足は、残念ながら(?)母方の遺伝で、
段広肉厚のぼったりした農耕型の足である。
そんな自分の足を入れてみたらば・・・うわ〜〜!履き心地い〜〜い!!
皮の種類にもよるんだろうけれど、足のあたりがとてもやわらかい。
おおお〜〜、なんか具合いいなあ〜♬

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既製靴によるちょっとした痛みが年々イヤになってきている。
気に入った靴もホントに見つけにくくなってきている。
安物買いの銭失い・・・。

だったら数足分の買いものを我慢して、ここで一足オーダーした方がいいのかも。
「いいな、いいな〜♪」と唸っていたら、戻ってきたデザイナーさんが呼びにきた。
おっと、仕事に戻らなくっちゃ!

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採寸して木型から作ってもらう自分の足の靴。
おされなカタチも好みだし、
メンズとレディース共通のデザインがあるというのがまたいい ♬
お値段、決して安くはないし、
いま現在オーダーしても納品はなんと一年先になるそうだ。
その手間のかけ方、時間のかかり方を受け容れられる人になら
賢い買いものになる・・・かも。
う〜ん、がんばって稼ぎたいゾ ♪


*11/11まで春夏もののオーダー会やっています
(下記HPよりブログ記事に詳細)
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そのみつ(HP)
http://www.sonomitsu.com

そのみつ/SONOMITSU(お店紹介)
http://www.iwaoono.com/omise/newpage2.html
by team-osubachi2 | 2012-10-27 00:05 | 日々いろいろ | Comments(6)

「江戸の判じ絵」展

一昨日は気のおけない友だち三人と渋谷で合流し、
公園通りの一本裏にあるカフェで
遅いランチとおしゃべりを楽しんでから、たばこと塩の博物館へ行った。
予告を見たときから行こうと思っていた「江戸の判じ絵」展。

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歌舞伎芝居や落語からも想像されるように
江戸の町人文化は言葉のシャレが効いた文化なんであ〜る。

ーーーこれを判じてごろうじろーーーー

いやあ〜、ごろうじたね。ごろうじて恐れ入っちゃった!!
こゆときはやっぱり「おそれいりやの」なんとやら・・・と云うべきかしらん?
あるわあるわの判じもの。おかしなシャレが効いた判じ絵が
これほど日常にたくさん出回っていたとは知らなかった。

ひねり方も実にさまざまな上に、判じ方も独特で、
現代人とはいえ、研究者でさえも、
ものによっては判読出来ていないものがあった。
でも、一般人である私たちでも分かるような判じ絵なんかは
脱力してしまいそうなくらい実にバカバカしくて、
まじめにふざけた(?)絵も非常に巧みに上手に描かれていて
会場でいったい何回「プッ!」と笑ってしまったコトだろうか。

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江戸時代、きっと庶民の暮らしぶりは現代よりもはるかに貧しくて
生きていくのにしんどいコトの方が圧倒的に多かっただろうと思うのだけど、
こんなシャレが各町内すみずみにまでゆきわたっていたコトを思うと、
苦労や貧乏も笑ってやりすごす庶民の知恵とか賢さとかが
いまの私たちよりもはるかに豊かに備わっていたのかもしれない。
(つまりはそうでもしなくちゃいられない、というくらいに
つらい暮らしぶりだったことの裏返しかもしれないのだけど・・・)

いまの現代人の頭は、知識こそは増えたかもしれないけど
その分だけ頭でっかちになっちゃって、
知恵も少なく賢くもならず、ひょっとして頭の回転は
昔よりもうんと鈍ってしまっているかもしれないなあ〜・・・と、
そんなコトを思った展覧会だった。

ご興味のある人はぜひ!
11月4日(日)まで。入場料なんと100円!!

「江戸の判じ絵」展/たばこと塩の博物館/11月4日(日)まで
http://www.jti.co.jp/Culture/museum/exhibition/2012/1209sep/index.html
by team-osubachi2 | 2012-10-26 00:12 | 出かける・見る | Comments(6)

栃尾のあぶらげ

昨日出かけた帰りにデパートでやっていた新潟の物産展へ寄った。
「今晩のおかずは何にしようかなあ〜〜?」
・・・と、栃尾のデカイ油揚げがあったので、2枚買って帰った。

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見た目はゴツいんだけど、中はふんわりと軽〜いの。
半分に切り目を入れておいて、
赤味噌にみりんとゴマときざみネギを混ぜたものをはさんで
(ネギでなく大葉でもよかったかな)
フライパンで両面カリッと熱くして出来上がり〜!
簡単おかずは大助かりよネ〜♪

栃尾のあぶらげ(油揚げ)
http://tochiokankou.jp/page168.html
by team-osubachi2 | 2012-10-25 17:26 | しみじみご飯 | Comments(6)

足袋からはじまって、肌着、長襦袢と着付けたあと
いよいよ着物(長着)の着付けになります。

着物を着付けるときのポイントはいくつもあると思いますが
一番の要は、裾を決めてから腰ひもをしっかりと結ぶことでしょうか。
この腰ひもさえしっかりと結んであれば、裾が崩れることはありません。

その裾の長さも、初心者のうちはつい短くなりがちですが、
短くてもせいぜいくるぶしくらいまでのところでキープ出来るよう
自分なりに工夫しながら練習してみてください。
(たとえばですが、腰ひもを締める前に、
ちりめんなど柔らかい着物は、裾線をやや床ぎりぎりあたりに、
紬や木綿など硬い着物は、やや足袋の白が見える程度に
裾を長くしておいてから腰ひもを締めてみてください)

衿あわせですが、せっかく長襦袢で抜いた衣紋を、
グイグイと引っ張っるように衿あわせをしてしまうと、
衿のうしろがつまってしまい、胸元もダブついてしまいます。
程よく半襟が見えるよう、衿のあわせ方にも気をつけましょう。

それから、もたつかないおはしょりの処理もポイントです。
これについては、下記に別記事のURLを張りつけておきましたので
参考にしていただければと思います。


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着物の着付けが終わったら、裾の長さや衿のうしろの抜き加減、
背中のシワがないかなど、一度全身をチェックしてみてください。
OKならば、帯結びにすすみましょう。

おたいこの帯結びについては、以下をご参照ください。
また、半幅帯については、カテゴリ「着付けノート」から入って
やってみたい帯結びを選んでトライしてみてください。

着付けの基本がわかったら、あとは実践あるのみです。
ほんのわずかでも、着物初心者さんや着物ライフ再開組の方々の
ヒントにしていただけましたらさいわいです。

どうぞドキドキわくわくする楽しい着物ライフをお送りください ♬

おはしょりの始末
http://okakara.exblog.jp/17418152/

名古屋帯の結び方
http://okakara.exblog.jp/15930738/

袋帯の結び方
http://okakara.exblog.jp/16028384/


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by team-osubachi2 | 2012-10-24 00:06 | 着付けノート | Comments(14)

和装下着をつけたら、次は長襦袢を着ます。
長襦袢にはあらかじめ半襟をつけて、
その半襟のついている内側に衿芯を通しておきましょう。
(半襟のかけ方はいずれ描きおこす予定です)

長襦袢を着る前に、
肌じゅばんの衿のうしろ(背中側)を抜いておきましょう。

長襦袢の着付けのコツは、よく「こぶしひとつ分」といわれる
衿のうしろ(衣紋)の抜き加減と、衿のあわせ加減でしょうか。
ついつい引っ張り気味に衿あわせをすると、せっかく抜いた衿のうしろが
どんどん首に沿って詰まってきてしまいます。
衿あわせは、衿元を横へスライドさせて胸元を覆う・・・
そんな心持ちであわせてみましょう。


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はじめのうちはなかなかコツをつかめないかもしれませんが
何度も練習して経験を積んでゆくごとに、
自分なりの着付けが出来るようになります。
衿の抜き方や、衿あわせの加減を工夫しながら練習してみてください。


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by team-osubachi2 | 2012-10-23 00:11 | 着付けノート | Comments(2)

*六月にあげたものを再編集してアップしています。

これまで着物と無縁だった人が、何かをキッカケに着物に興味を持ち、
はじめて自分で着付けをするにあたって、
足袋のはき方からすそよけのつけ方、肌じゅばんのあわせ方など、
のっけから知らないコトがいっぱいです。

着物デビューを目指すビギナーさんが
ひと通り着物の着付けに必要なものが揃えたら、
まずは和装下着のつけ方を覚えましょう。
まったくの初心者さんの注意点は、
上前(左身頃)と下前(右身頃)を間違えないことでしょうか。

*ちなみに、基本的に浴衣のときは足袋をはきません。
お茶や踊りなど、お稽古場や他所様のお宅の畳の上にあがるときは、
足袋をはいてゆくか持参しましょう。

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一般的な着付け本で紹介されているのは、上のようなやり方です。
私はすそよけについている細いひもがイヤになり、
自分でペチコートタイプのスカートに直しました。
お腹にタオル補正もしていませんが
おはしょりの後ろに入れる腰布団だけ補正しています。

あらためてここでも(ご参考までに)
すそよけをペチコートに直す記事もアップしておきます。

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ことさらオススメはしませんが、
こんな風に、自分で使いやすいように直して着てもいいんです。
自分が着て楽であること、快適であること。
それが長く着続けるポイントのひとつだろうと思います。

次回は長襦袢の着付けにいきます。


*イラスト画面をクリックすると大きく表示されます
(拡大表示にバラつきがあってすいません)
*個人使用に限りプリントアウト可
*イラストの無断転載をかたく禁じます
by team-osubachi2 | 2012-10-22 00:05 | 着付けノート | Comments(12)