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カフェの人たちⅡ−4

ひと組の男女がカフェでお茶をする絵を描いていて、
自分が描いている絵であるのに、顔を色付けし、目を描いたら
最初にイメージしていたものとは違い
「おや〜?この二人の関係はいったいどんな・・・?」
という表情になってしまった。

・・・どうしようか。描き直し?
まあ、ひとまず仕上げてみよう、と背景を描いていたら、
何年か前に、自分が見かけた
とある男女の強烈なシーンを急に思い出した。


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以前、新宿副都心からもほど近い場所ながら
昔は職人町であったという通り沿いに住んでいたときのこと。
私の前を歩いていた女子にむかって、
その後ろから早歩きに追いついた男子が
いきなり女子のバッグを取り上げ、中から財布らしきものを抜き出した。

ひったくりか?と一瞬ビックリして見ていたが、
どうもそうではないらしい。
女子が男子に追いすがって喚いていた。
「やめて〜っ!お願い!なんで?なんでこんなコトするの〜っ?」
落ちたバッグはそのままに、女子は男子の腕にすがるのだが
男子は荒っぽくその腕を振り払って走り去ってしまった。

女子はその場でしゃがみ込んでワァーッとひと声泣いてから
その剣幕に驚いて出てきた商店街の人たちの視線の中、
(お肉屋のお姉ちゃんが「大丈夫?」って声かけてたっけ)
何事もなかったかのようにすぐにバッグを取りに戻り、
フツーに商店街を歩いて去っていったのだった。
夏の暑さがまだ残る季節で、細い素足にヒールの高いサンダルが
なんとなく痛々しかった。
あの二人はいったいどんな関係だったのだろう・・・?

描いている絵とは関係がないそんなシーンを思い出しながら、
いろんな男女がいるもんだなあ〜とあらためて思った。
カフェにいる男女がかならずしも仲がいいワケではないだろう。
一緒にいても、互いの思いが通じないカップルもいる。

・・・ま、この絵の二人もそんなところかな、と筆を置いた。


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by team-osubachi2 | 2012-01-31 13:21 | 人を描く | Comments(6)

半幅帯「カルタ」

まあ〜しかし寒いこと、寒いこと!
大寒にふさわしい寒さです。
こんだけ寒いと、昔は火鉢しか暖がなかったんですから、
そりゃあ綿入りの着物や羽織を着なくてはいられない
・・・というのもうなずけます。
(だから綿なしの「素袷」の季節ともなれば、もうそれだけで
軽やかなキモチだったのだろうなあ〜と想像できます)

さて、久しぶりにお団子ちゃんの着付けノートの更新です。
今回は「カルタ」結び。
「一文字」とも言われているようですが
助六などが結ぶ男結びの「一文字」もありますので
ここでは「カルタ」という呼び名でいきます。

折り畳む、くぐらせる、ただそれだけで
弛みがこない帯結びになるんですから
これを考え出したお人におおいに感謝です。

とにかく疲れません。
また、新幹線や飛行機の移動時や、劇場などで長く座る場合にも、
(ただし羽織下に結ぶか、または三階席などカジュアルなお席でどうぞ)
結び目がないので背中が痛くなりません。

折り返すポイントだけ間違えないようにすれば大丈夫。
普段着向きの帯結びです。
(あ、でも格が高すぎない柔らかモンに、
錦の半幅帯でこんな帯結びにしてもステキかも〜♬)

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*イラストの無断転載をかたく禁じます
*個人使用に限りプリントアウト可
by team-osubachi2 | 2012-01-30 08:08 | 着付けノート | Comments(10)

国立天文台へ

上空に雲さえかからなければ、
夜ごと見ることが出来る星の光に目を留めても、
実際に天体望遠鏡で遠く星団や星雲、銀河までをも
じかに見たことがある人はどれだけいるのだろう?

子供のときから宇宙に強い憧れと夢を持っていた私は、
高校合格のさい「自分への褒美」として
自分で新聞配達をしたりお年玉なんかを貯めたお金で
ビクセンのご大層な屈折式望遠鏡を買い、
実家にいる間、そのズシリと重い三脚と望遠鏡を玄関先に持ち出しては
専門知識は何もないまま、好きなだけ夜空に浮かぶ天体を観て楽しんだ。

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昨日のお昼間、仕事を中断して、相方とその友人のお誘いで、
三鷹市にある国立天文台へはじめて行き、
お目当ての「4D2Uドームシアター」(無料/予約制)という
4次元のプラネタリウムのようなものを見てきた。

特殊な偏光眼鏡で観る4D映像は、
自分が肉眼で見た天体の様子にも似て、とても面白い見物だった。
まだまだプレゼンテーションとしては
練り上げられる部分もあるのかもしれないが
ぜひまた違うプログラムを観に行きたいと思う。

残念ながら、広い森の中にある各施設をまわるような時間はなく、
ドームシアター以外は、すぐ隣にあった大赤道儀室を見学してきた。
大正15年に建てられ、すでに役割を終えた木製ドームがすこぶる素敵で
焦点距離10mという大きなカールツァイス製の
屈折望遠鏡が真ん中にドーン!と鎮座していた。
うう〜ん、この眺め、しびれるう〜♬

ところで「結婚したらこの望遠鏡を嫁入り道具に持って行く!」
と宣言して、それまで大事にしていた私の天体望遠鏡は、
社会人になってからは他の趣味や関心も増えたせいか、
帰省してもあまり構わなくなり、結局長い間放置され、
ついには嫁入り前に処分されるコトになってしまったのだった。
あ〜あ、宇宙好き?・・・何をかいわんや、である。

4D2U/国立天文台4次元デジタル宇宙プロジェクト
http://4d2u.nao.ac.jp/
by team-osubachi2 | 2012-01-29 07:54 | 出かける・見る | Comments(4)

カフェの人たちⅡ−3

十数年前の秋、一週間ほどポルトガルを旅した。

リスボンの街中は急勾配の坂道が多いが、
入り組んでガタガタとした煉瓦路を歩くのは楽しかった。


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ある町の一角で、ウードみたいな楽器を弾くおじさんを見かけた。
盲いた路上芸人だろうか。誰も立ち止まってはいなかった。
足元に広げられた楽器のケースにお金は入っていたのだろうか。
こっそりと少し離れたところからスケッチをとり、
その場をあとにした。

今思い返すと、スケッチをとらせてもらったのだから
いくばくかのお金を入れてきてもよかったのに・・・。
時すでに遅し・・・である。

*イラストレーションの無断使用及び複製・転載をかたく禁じます
by team-osubachi2 | 2012-01-27 00:25 | 人を描く | Comments(6)

たたきゴボウ親善

明日の夜は在日イエメン人の若い友だちRちゃんのおうちで
新年の「女子会」をやる。

毎度いろんな国籍の女子が集まってワイワイと
ガールズトークに花を咲かせるのであるが、
今年のおせちの写真を、二児のママでもあるRちゃんに見せたら
「Tomoko、今度食べてみた〜い」と(英語で)言うので
普段使いのちいさな重箱に、たたきゴボウやレンコンの甘酢煮、
伊達巻き、煮豆なんかを少しずつ詰めていくつもりでいる。

ムスリムの女子留学生も多いので、
「ハラール(許されたもの)」のお総菜にしなくはいけないのだが、
和食はその点、肉ものでなければほとんど問題ない。
ただ、この味が彼女たちの口に合うかどうかはわからないけれど
日本の一般家庭の味体験もあっていい。

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しかし、毎回Rちゃんのおうちパーティーでは
相変わらず私がダントツに年上なのだが、
(ちなみに私はRちゃんのママよりひとつ年上である)
ガールズトークに年齢はまったくカンケーないのであ〜る。

もちろん国境も宗教も習慣の違いもあるにはある。
それぞれ個人的な意見もある。
でも、おうちの中でやる女子会のぶっちゃけ話は
そんなものを軽々と超えてしまう。
女子の悩みはいつだって世界共通である。
ムズカシイ単語は要らない。
下手くそな英語でも、いっぱいおしゃべりするその向こうに
同じ悩みや悦びがちゃんと伝わってくる。

でも、食べるものに関してはどうだろうか?
私のしみじみご飯、今回はベタなお総菜だ。
味見程度だけど、みんなの口にあうといいなあ〜。
by team-osubachi2 | 2012-01-26 11:54 | しみじみご飯 | Comments(6)

雪持ち笹

昨日の午後、所用で坂の下まで下りようと道を歩いていたら、
公園のわきの茂みに目がいった・・・。

一昨日の晩の雪のなごりが綺麗だった。

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こんなちいさな景色をとらえて
そこから美しいものを生み出す、この国の感性が好きだ。
by team-osubachi2 | 2012-01-25 07:47 | 日々いろいろ | Comments(6)

榛原の千代紙

手すき和紙が大好きで(洋の水彩紙も大好きだが)、
ひと頃さまざまな種類の和紙をふんだんに買いだめしておいて
いろいろ遊んだ時期があった。

和菓子の空き箱に張って小物入れにしたり、
笊に一閑張りするやらして日用に使ったり、
廉価なスナップ写真アルバムや、旅のアルバムの表紙にしたり、
愛用している漆紙の乱れ箱の角が破れたら、そこを補修したり、
奉書の祝儀袋を用意したり、
巻き紙のお手紙をしたためたり・・・。
また、名刺はずっと手すき和紙に手書きと決めている。

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先週末の朝、先日「モーニングサービス」が上梓されたばかりの
作家の三田完さんから四角い荷物が届いた。
はて?と思って包みをあけてみたらば、御礼ののし紙がかけられて
日本橋の和紙舗「榛原(はいばら)」の立派な手文庫が登場した。
その蓋をとってみたらば、中にはキレイな江戸千代紙!?
ひゃあ〜!!・・・望外のことである。

後にいただいたメールによると、
三田さんのお祖母さんは日本橋高島屋の裏で育った方だそうで
この榛原の千代紙がお好きだったとのこと。
三田さんご自身も榛原のファンでいらっしゃるようだ。

一介のイラストレーターにこの心遣い。
恐縮しつつも、頂戴したものはありがたく遠慮なく使わせていただく。
すでにいくつものちいさな菓子箱が
押し入れにひかえて出番を待っているのだが、
ま、しばらくはこのまま眺めて楽しんでからにしよう♬

日本橋・榛原
http://www.haibara.co.jp/
by team-osubachi2 | 2012-01-24 12:46 | これが好き | Comments(8)

カフェの人たちⅡ−2

                            
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シャンソン歌手で俳優のイブ・モンタンの往年の作品に
「ギャルソン!」という映画があった。
製作年を見ると、まだ私が高校生のころの作品なのだが、
都内のどこかちいさな映画館で上映された時にでも見に行ったのだろうか、
いつどこで見たのかまったく思い出せないのだが、
パリの匂いがプンプンと漂ってくるようなシーンの数々に
見入った記憶の断片だけがある。

当時の自分から見てう〜んとはるかに大人だったイブ・モンタン。
パリのレストランを舞台に、
仕事仲間らといろいろありながらも一所懸命に働き、
そして、当然のことのように女のヒトと恋もするのである。
「こんな年齢でも恋をするんだなあ〜!」
・・・いまだったらそんなコトもよ〜くわかるんだけど、
当時の私の目線の高さは子供並みだ。



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物語に出てくるなんでもないレストランも、
ショボくてちいさな遊園地も絵になっていた。
もちろん60を越えていた主演のモンタンもサマになっていた。
パリの大人たちがとても洒脱に見えた映画だった。

もしかしたら、はじめてパリという街を体験し、
帰ってきた後に見に行った映画だったかもしれない。
中古DVD、やっぱり買おう・・・かな?

*イラストレーションの無断使用及び複製・転載をかたく禁じます
by team-osubachi2 | 2012-01-23 13:54 | 人を描く | Comments(2)

チクチクしたくて

ああ〜、しかし毎日忙しない。
でもって、こんな忙しないときほど
無性に針仕事をやりたくなったりする。
決して得意というのではないが、
コットンやシルクといった布を触りながら
シンプルに手を動かしていると
不思議とキモチが落ち着いてくるところがある。

あれも縫いたい、これも縫おう!と用意してある布はいろいろあるのだが
ここ3年ばかりオラオラな日々だったこともあり、形になっていない。
おかげで縫いたいキモチはくすぶる一方である。

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窓際に制作机を置いていることもあり、
ジッと座って仕事をしているとシンシンと冷えてくる。
セーターの上に何かかさばらずに着られるものが欲しくなり、
ネットでまだしつけの付いたままのウール着物を2枚買ってみた。
(セールということもあり、千円札2枚でおつりがくるという安さ♬)
これにちょいちょいと手を入れて上っ張りを縫うつもりなんである。

家の中では赤いセーターをよく着ているので、
これもどうせならと、あえて赤やだいだい色のものにした。
袖丈は短くして身八つ口とくっつけてしまい、
裾は少し丈長にひざ上くらいで切ってつめて、
それで紐を縫い、身頃と衿先につければ出来上がり〜!

・・・と言いたいところだが、
どうも今月いっぱいそんな時間は取れそうにない。
寒いうちに縫い上げたいものだが、二人暮らしを2年やっても
まだまだ時間のやりくりは下手っぴーなままである。
by team-osubachi2 | 2012-01-22 00:14 | 着物のこと | Comments(10)

年齢を重ねるほどに感じるようになったことのひとつが
人と人との出会いが、いかに魅力的で
意味深いものであるか、ということでしょうか。

すばらしく大きなインパクトを伴った出会いもあれば、
日常の中に溶け込んで、さりげなく
けれども深い意味を伴った出会いもあります。

このたび新潮社さんからブックカバーのお仕事をいただきました。
この本の、浅草の観音裏を舞台に繰り広げられる
人びとの出会いやつながり方もまた
私たちの日常にたくさんあることのひとつであると思います。

三田 完著『モーニングサービス』
新潮社より本日発売です。


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今回、私自身にとりましても、
以前から身近なものであった浅草という土地と、
この本の著者である三田 完さんと、この装幀担当のKさんと、
そして私の絵と三田さんとの縁結びをしてくださったK氏や、
私の友だちのSさんとが、実に不思議なご縁で
あっちこっちつながった面白いお仕事となりました。

ブックカバー以外に、各章扉にちいさなカットも
楽しく描かせていただきました。
書店店頭などで、もしもお目にとまるようなことがありましたら
お手にとって見ていただけると嬉しく思います。

このたびのお仕事、
本当にどうもありがとうございました。
人とのご縁に深くふか〜く感謝。

*イラストレーションの無断使用及び複製・転載を禁じます

三田 完著『モーニングサービス』/新潮社
http://www.shinchosha.co.jp/book/331831/
by team-osubachi2 | 2012-01-20 07:43 | 仕事をする | Comments(14)