楽艸さんのこっぽり

この数年、着物や帯を手に入れるだけで精一杯だったせいか
小物の新調にまで手がまわらず、ことに履き物は消耗するばかりだった。
新しい履き物が課題だったにもかかわらず
なかなかゆっくりと買い物へ出かけることもなく、時間ばかりが過ぎていく。

履き物はもっぱら浅草で調達している。
なんといっても京の着倒れ、大阪の食い倒れ、
そして江戸の履き倒れ(神戸も?)である。

今はどうかわからないけれど、むかし私が着物を着始めたころ、
京都の粋筋のおかあさんやお商売のおにいさん(?)方は
スッキリと細みの台は「やっぱり江戸もんにええのがあるなあ」と言っていたっけ。

ことに下駄。桐の柾目はかつて一足だけ経験した。
履くときに意気がったりもした。胸の内でキモチよかった。
が、そこで二本歯の下駄は打ち止めにした。
現代の街を二本歯で歩くのは、やっぱり少々キツいんである。
以来、下駄の類いは、舟形やこっぽりといった
歩きやすいカタチのものばかり履くようになった。

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浅草の「高橋慶造商店」という和装履き物バッグ卸のお店から独立した
「楽艸」さんは、オリジナルの商品を小売りもする。

プロデューサーの由貴子さんとは
たまたま「楽艸」立ち上げ以前からの個人的なつきあいで、
いまや私の人生にも大きくかかわることになったお人だが、
個展のときに履くこっぽりを、はじめて電話で相談してみたところ、
私の好みをすでによく知っていることもあり、
ポンポンとテンポよく決めてすぐに送ってくれた。・・・素早いのう。

台のふちは黒塗り、天だけ深い朱に黒い縞模様が入ったデザインのこっぽりに
生成りのインドシルクの鼻緒がすげてある。う〜ン、好きっ!
赤いツボにするのがいつもは好むところなのだが、
今回あえて生成りの白ツボにしてスッキリさせてある。

な〜んて、個展のときに履く物の準備は出来ても、
肝心の作品の方はまだまだこれからなんである。
あ、汗がドッとでてきた・・・。冷や汗、かも。

楽艸
http://www.rakusou.co.jp/index.html
by team-osubachi2 | 2010-08-31 10:57 | 着物のこと | Comments(0)

トマト

野菜を描くときは、実物よりも若干鮮やかな色みにすると
絵の野菜も元気でみずみずしく見えるような気がします。

トマトの赤は、ことににごりのないキレイな赤で描くようにします。
切り口もみずみずしく見えるように心がけつつ。

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上は、以前、雑誌広告のお仕事で描いたものから。
by team-osubachi2 | 2010-08-30 23:35 | 仕事をする | Comments(0)

履き物

お仕事で、いろんな雑貨小物を描きますが、
個人的にも好きな和装の世界で、履き物はことに好きなモチーフです。

草履や下駄は、基本的にどれも同じ構造ですが、
台と鼻緒、それぞれの色や素材の組み合わせは実にさまざま。
どんな台にどんな鼻緒をあわせるか、自分で楽しみながら描いています。

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上は以前いただいたお仕事から。
by team-osubachi2 | 2010-08-28 00:24 | 仕事をする | Comments(2)

映画『めがね』

ヨロン島でとった短い夏休みから、もうひと月が過ぎた。
遅ればせながら、ようやく映画「めがね」のDVDを買い、見てみた。

あ〜、お天気がよくて晴れた日のヨロン島って、こんな海の色なんだ〜。
存分に楽しんだ三泊四日だったけれど、
でも、やっぱりお日さまの下の海も見たかったなあ〜!

映画の中のたそがれる人たちではないけれど、
島の人に聞いたところによれば、
最初は素潜りやダイビングで来る人も、この島が気に入ると
そのうち海の遊びよりも、ここで馴染みになった人たちと飲んだり食べたり、
のんびりダラダラしに来る方が、たまらなくよろしくなるらしい。

ヨロン島に限らないのだろうが、南の島の空気には
人を自然とそんなキモチにさせる働きがあるんだろうと思う。
・・・なんて、ヨロン島での様子を思い出しながら映画を見ていたら、
またプロペラ機に乗って、島へ遊びに行きたくなってきた。

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荻上監督の作品は、予告で見て気になってはいたものの、
結局映画館での上映は見のがしてきた。
この「めがね」と同時に「かもめ食堂」も買ってある。
実用的に「LIFE」を愛読する者としては、
フードスタイリストの飯島奈美さんの手がけるご飯にも
おおいに惹かれる二本の映画である。

しかし、登場人物のたそがれぶりと対比して、
マクロビオ系?の薬師丸ひろ子の妙味がまたなんとも・・・。
いわゆる “おいしい役” というのは、
ああいうのを言うのかもしれない。
by team-osubachi2 | 2010-08-26 00:19 | 買う | Comments(6)

先日、日頃の家事のご褒美にと、相方が新しいジーンズを買ってくれた。
知ってる人は知っている岡山県児島のDANIA JAPAN のデニムだ。
きゃっほ〜!で、ネットで選んだのは、
ウォッシュ加工のないレディースタイトストレートDJL139OW。
インディゴの色が深くて、生地もやや軽めなのか
ゴワつき感もなくてはきやすい。

どちらかといえばオトコ前な印象のデニムだ。
でも、だからこそ逆に女っぽくはけるジーンズともいえる。
足を細く長く見せるお洒落系デニムも悪くはないのだが、
ときどき、ちょっぴり “武骨シック” なジーンズもはきたくなる。

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こんな濃い色のデニムに、洗いざらしのコットンシャツと
スポーツ系のスニーカーをあわせるのもいいけれど、
たまには、小さな淡水の真珠玉のネックレスをつけて、
それに少しだけヒールのある靴でおでかけするのも好きだ。
持つなら、バッグは黒いコム・デ・ギャルソンのボックス形で・・・。

レディースのラインナップは少ないのだが、
DANIA JAPAN は今日8月25日から新宿伊勢丹でも展開するそうだ。
厳しい暑さがまだまだ続くものの、
そろそろ秋に着たいものを考える時期になった。

DANIA JAPAN
http://www.daniajapan.com/
by team-osubachi2 | 2010-08-25 00:15 | これが好き | Comments(0)

夏野菜の炒めもの

昨日は処暑だったらしい。
ホントに〜?と訊きたくなるような厳しい残暑だ。
さらに先週末、めずらしく喉にくる夏風邪をひいた。
なんとか悪化は避けられているものの
いつもならすぐに治まるような対策も、いまひとつ効きが弱くて
今回はちょこっと長引いている。

が、この暑さと夏風邪でも食欲は落ちない。
考えてみると、結局はこの食欲のおかげで
夏バテもせず夏風邪も悪化しないで済んでいるのかもしれない。

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毎日ご飯を炊いて、お味噌汁をこさえて、冷や奴やナムルの簡単おかずと、
新鮮な夏野菜を甘酢タレや中華味噌なんかで
ジャジャッ!と炒めるだけのおかずがあれば、
しみじみするご飯の出来上がり〜。

まだまだ一所懸命に働かなくちゃいけない夏だ。
なんとか乗り切れるよう、しっかり食べて頑張るゾ〜!
by team-osubachi2 | 2010-08-24 09:36 | しみじみご飯 | Comments(0)

白玉のおやつ

とある休日に、久しぶりで白玉だんごのおやつをこしらえた。
ころんとした球形のだんごもいいのだが、
自分の好みはやっぱり「赤血球」形かな。

白玉粉をこね、ちいさくちぎり、
まあるく整えた球形に指でちょこんと押して
真ん中あたりにくぼみを作る瞬間がたまらなく好きだ。

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白玉だんごが出来たところで、戸棚にあったゆであずきの缶をあけ、
冷蔵庫にあった紀ノ国屋のみかん缶もあけて、生パイナップルも切って、
それぞれに盛りつけて出来上がり〜!

ひんやりつるるんとおいしい夏のおやつ。
口福なひとときだった。
by team-osubachi2 | 2010-08-20 07:43 | 食べる | Comments(0)

熊田千佳慕さんの目線

つい数日前までセミたちの合唱はもの凄くやかましかったのに、
このごろは一時より少し静かになったような・・・。
やや出遅れたセミたちが、いま懸命にお相手探しをしているようだ。

子供のころ、夢中になって読んだ絵本があった。
毛並みがつやつやしたライオンやキツネといった動物たちが、
表情ゆたかに物語の中で動いていて、飽きもせず、
くり返しくり返し読んだものだった。

その絵を熊田千佳慕(くまだ ちかぼ)さんという人が描いたものだと知ったのは、
いまから12年ほど前のことだ。
それから千佳慕さんの展覧会を見に行くようになったのだが、
大好きだった絵本の原画をはじめて見たときの嬉しさは、
何にたとえたらいいのかわからないくらいだ。

先週も、横浜高島屋で開かれていた展覧会へ見に行ってきたが、
細密な点描で描かれた絵は、退色を感じないほどに色鮮やかで、
綺麗に保存されてきた数々の作品は、
とても何十年も前のものとは思えない。

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千佳慕さんの目線はとても低い。
毎日の日課で、地面や道路に腹這いになって虫や花を観察するために、
時には“行き倒れの老人”と間違われたことも度々あったというくらいだ。
その目線で描かれた虫たちや花は、紙の上でイキイキと生きている。

いまは地球規模で、環境や生物のことがさかんに語られ、
かしましく伝えられるようになったけれど、
自分のすぐ足元にある自然に目をむける人は、案外少ないかもしれない。
千佳慕さんの絵は、自分のまわりのちいさな生きものの姿にも、
宇宙とつながる大自然を感じることが出来るということを
教えてくれているような気がする。

行き倒れどころか、千佳慕さんはかぞえ99の歳まで長命を保ち
去年8月、銀座での展覧会の会期中に亡くなられた。
映像で見ると、お元気だったころ、展覧会に来る子供たちに
ていねいに、嬉しそうに虫の話をなさっている。
清潔感のある、横浜生まれのお洒落な紳士の姿だった。
by team-osubachi2 | 2010-08-19 08:38 | 生きものの世界 | Comments(2)

イエメンの石鍋

アラビア半島の西南端に、イエメンという共和国がある。
私がイエメンを旅したのは6年ほど前のことになるが、
「アラブの最貧国」という不名誉な格付け(?)にもかかわらず、
今も大好きな旅先のひとつだ。

イエメンを訪れたその年に知り合って、
以来仲良くしている在日イエメン人の若い夫婦がいるのだが、
イエメンに残る古き良きアラブのホスピタリティを
この若い夫婦もしっかり受け継いでいる。

私よりうんと若い20代の妻のラニャは、
知り合ったばかりの頃は、まだ初々しい新妻だったのが
今では二児の母となり、オラオラな新米兼業主婦の私なんかよりも
はるかに心頼もしい専業主婦なんである。

その彼女が作るイエメンのしみじみご飯がとてもおいしくて、
口が恋しくなると、ついついこの夫婦のもとへ行って食べさせてもらう。
若いイエメン人夫婦に甘える私はただの「いやしんぼ」だ。

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そんなイエメンご飯の調理道具のひとつに石鍋があるのだが、
出会ってほどなく、この若い夫婦から
ちいさな石鍋をひとつ分けてもらい愛用している。

教えたもらったイエメン料理のひとつ。
油をひいて熱したこの石鍋に、
みじん切りにしたタマネギとニンニクを入れて炒め、
さらに粗みじんに切ったトマト、塩、スパイスやハーブを入れて炒め、
最後に溶き卵を流し入れて、くしゅくしゅとかき混ぜただけのものだが、
石鍋のまま熱々の出来たてを食卓に出すので、
時間がたってもあったか〜くておいしい。

他にも教えてもらった料理は、作ることなく忘れてしまった。
いま弟の結婚式に参列するため、
子供と一緒に帰国しているラニャが、秋になって東京に戻ったら、
またイエメンのしみじみご飯を食べさせてもらいに行こう。
・・・ホントに、私はただの「いやしんぼ」なんである。
by team-osubachi2 | 2010-08-18 08:39 | しみじみご飯 | Comments(0)

言葉をひろう

あいかわらず溶けそうな暑さの中、
前進しているのか後退しているのかわからないままに
個展にむけて絵を描いていたある日、
ふと、ラジオからこんな言葉が聞こえてきた。

「失敗を怖れてはいけない。
 それよりも、怖がって自分の力を出せないことを怖れなさい」

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話の前後はほとんど聞いていなかったので
よくはわからないけれど、ある先生が弟子に言った言葉だと
ラジオのパーソナリティは話していたっけ。

聞いた瞬間、今の自分に必要なのは、それかもしれないなあと思った。
耳がひろった言葉に感謝して、また少し前進する。
by team-osubachi2 | 2010-08-17 08:49 | 日々いろいろ | Comments(2)