竹の秋

これまでこの方、竹林とはご縁がなかったのが
この丘の上に越してきて以来、小さな竹林がそこここにあって、
朝な夕なに見ながら暮らすようになった。

4月にはいってから、竹筒の色は日に日に鮮やかになっていくのに、
逆に笹の葉は色あせていって、はらはらと盛んに葉を落とすようになった。
近くの公園などでは、わきの道筋いっぱいカサカサと降り積もっていたりする。
旧暦の3月ごろに使われる「竹の秋」という言葉は
本で見て知っていたけれど、体験したのはこれがはじめてだった。
・・・そうか、タケノコはこのやわらかく降り積もった落ち葉を
つきやぶるようにして出てくるんだなあ。

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半月ほど前のある日、ベランダの崖下からなにやら音がして
見れば竹林の地主さんだろう、朝のタケノコ掘りをやっていた。
思わず上から「私にも一本わけてくださ〜い!」
と言いそうになったのをグッと堪えた。

すでに店先には美味しそうな朝掘りのタケノコがでまわっていたけれど
食べたいくせに、ちょっとばかし値が張るうえ、
ぬかで処理するひと手間に買うのをためらってばかりいた。
そのくせ、せっかくのシーズンに
すでに皮をむかれて水とともにパックされたタケノコには
手を出す気にならないというわがままさだ。

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そこへ、週一回お願いしている野菜の宅配で、
今週はドカーン!と一本、見事なタケノコが入っていた。
ご丁寧に糠も添えられている。
こうなったら迷ってもいられず
すぐに下処理をして、さっそくタケノコご飯をこしらえた。
有無をいわさぬセレクトに深く感謝。
では、いた〜だきます!
by team-osubachi2 | 2010-04-30 01:16 | しみじみご飯 | Comments(0)

行者にんにく

友だちのY子さんが教えてくれた行者ニンニク醤油が
話を聞くだけで、とっても美味しそうだったので、
私もさっそく行者ニンニクを買ってきて作ってみた。

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Y子さんが新聞で見つけたというレシピによると、
行者ニンニクを刻んだものを
醤油50cc/酢大さじ1/ゴマ油大さじ1に漬けておくという
ごくシンプルで簡単なものだ。
私は千鳥酢の酸味も好きなのだが、今回はあえて黒酢で作ってみた。

手はじめにまず、豚とニラの炒めものに使ってみたらば
ニラの匂いと行者ニンニク醤油の香りが豚の臭みをとってくれて、
炒めものでも実にまろやかなおいしさで、ウマウマなおかずになった。
納豆とあわせてもいいとのことだ。へええ〜え、おいしそ〜お!
うん、じゃあ明日の朝はそれでいこう!
by team-osubachi2 | 2010-04-29 11:53 | しみじみご飯 | Comments(0)

さよなら歌舞伎座

昨夜、友人と久しぶりで歌舞伎座へいってきた。
本日ついに千秋楽となった歌舞伎座も
この四月でおしまいとなり建て替えられる。

ここ数年は、たまに観たいものだけを観る程度だったのだが、
20年前にはじめて歌舞伎座に足を踏み入れてから
長いこと毎月のように通っていた芝居小屋だった・・・。
三階席の後ろや幕見席など、若い自分に分相応の値段で
楽しませてもらったと思う。

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思えば、着物を着るきっかけとなったのが、
時おりここの三階席で見かける“いぶし銀”のような
洒脱なおばあさんたちの着物姿だった。
地味ながらちょっとばかし洒落ていて、意気ぶらず
ざっくりと自然に着物を着ているその姿が、
当時まだ20代半ばで馬鹿まるだしだった私には
ものすごくカッコイイものに見えた。
アンナオバアサンニナリタイ!・・・私は完全にしびれてしまった。

それからこの馬鹿たれムスメは、
一足飛びに「カッコイイおばあさん」を目指して
とんだ失敗をいくつも経験する羽目になるんだけれども、
そんな失敗だけでなく、人や書籍やものとのさまざまな出会いもあり
歌舞伎を通して、たくさんのことを学ばせていただいたと思う。

大きな芝居小屋がこれでひとつ無くなるけれど、
歌舞伎そのものはこれからも続く。
そして3年後には、同じ場所にまた新しい小屋がひとつ出来る。
by team-osubachi2 | 2010-04-28 10:51 | 出かける・見る | Comments(0)

電車でGo!

去年のこと、仕事などでもお世話になっている青山ゑり華さんで
面白い帯留めをみつけた。
イチイやシタンなどの木をつかって精巧に彫られた電車の帯留めだ。
日野譲さんとおっしゃる方の作品らしい。

私はいわゆる“ 鉄子 ”ではないけれど
でも、小さいときから電車が、いや、田舎風にいえば「汽車」が
線路を行き来するのを見るのが好きで、
今でも品川や日暮里あたりで、何本もの線路上を
たくさんの電車が並走するのを見たりすると、
ワクワクして数時間はその場にいられるような気がする。

まだ郷里の富山にいたころ、
家からすこし離れた場所にある北陸線を
列車や貨物列車の走るガタンゴトンという音が、
ときどき、かすかに風にのって、
あるときは夜中に目をとじたまま、耳だけが起きて聞こえてきたり、
またあるときは、お風呂でしずかに湯船につかっているときや、
あたたかい春の昼間に、開け放した窓から聞こえてきたりすると、
子供心にも、どこか遠くへいきたいような、
小さなケシ粒ほどのボヘミアン魂がゆさぶられるような
そんな心地になったように思う。

当時の客車は、まだまだ木の造りでドッシリしたものが多く、
今思い出してもノスタルジー感たっぷりで、
旅への誘いにはもってこいな乗り物だった。

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日野さんの彫刻はレーザーを使うので、ここまで精巧に出来るんだそうだ。
この帯留めにあわせて、線路に見えるような真田ひもをネットで探した。
これでこの電車もやっと走れることだろう。

青山 ゑり華
http://www.erihana.co.jp/
ゑり華/オンラインショップ・チドリ
http://chidori.in/
by team-osubachi2 | 2010-04-27 10:42 | 着物のこと | Comments(0)

夜はゆったりとジャズを

ちゃんとした音楽プレーヤーを持っていない私は、
愛用のMacBookで音楽を聴く。
夜も更けてくると、ゆったりとしたジャズをかけることが多い。
小さなスピーカーから聞こえてくる音は、
自分の中では学生時代に深夜ラジオを聴いていたときの気分に似ていて、
ちょっとばかりなつかしいキモチになる。
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by team-osubachi2 | 2010-04-25 01:26 | 人を描く | Comments(0)

日本茶 茜や

いったい今は何月だっけか???
水曜は初夏で、木曜はまたしても真冬のような寒さだ。
あ〜あぁ、いいかげん寒いのには飽きちゃった。
自律神経がよく保ってくれているワ〜と思う。

その寒い雨のなか、友人がやっている神楽坂の日本茶カフェを
ひさしぶりでたずねた。
グラフィックデザイナーのあかねサンが、デザインワークのかたわら
彼女の出身地である浜松のお茶の紹介をかねて、好きではじめたお店だ。
名まえを「日本茶 茜や」という。

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神楽坂のちょいと奥まったところにある昭和の民家の
名無しの白いのれんがかかった玄関を入る。
あかねサンの気に入ったように作られた空間は、
昭和のなつかしさと平成のなごみ感がミックスして居心地がいい。
行儀が悪い私は、じき正座からあぐらになってしまい
お尻が座布団と一緒に琉球畳にへばりついて
つい長居してしまう。あ〜あぁ・・・。

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隠れ家のようなお店が多い神楽坂の紹介ページなどで
「茜や」を見ることもこのごろ多くなった。
神楽坂界わいへ出かけることがあれば、ぜひ一度立ち寄って、
あかねサンが煎れる一煎めの、
とろりと甘みのある日本茶をぜひ味わってみていただきたい。
いただくたびに、卑下するのではないけれど、
自分はお茶を煎れるのが下手だなあ〜と、つくづく感じ入ってしまう。

日本茶 茜や
http://www.akane-ya.net/

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by team-osubachi2 | 2010-04-23 00:43 | らくがき帖 | Comments(0)

ちょいと強面の新堂冬樹さんが書かれた純恋小説のひとつで
'06年に出た「あなたに逢えてよかった」が文庫になりました。
単行本で描いたイラストをひき続き
文庫でもカバーに使用していただきました。
どうもありがとうございました。

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新堂冬樹「あなたに逢えてよかった」
Amazon.co.jp/あなたに逢えてよかった

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by team-osubachi2 | 2010-04-21 11:53 | 仕事をする | Comments(2)

人参しりしり

うちの「しみじみご飯」は基本的に一汁二菜。
二つ目のおかずをどうしようかな〜というときに、便利な一品がある。
人参しりしり・・・、これ、沖縄のお総菜のひとつ。

沖縄本島へ旅行したときに、那覇市の牧志公設市場そばで
買って帰った人参しりしり用のおろし金。
(市販のなます用おろし金とおなじ?)
これで人参一本をジャッジャッとおろして、
少し油をひいたフライパンにいれ、かならず弱火でじっくり炒めて、
卵をひとつポンと落として人参にからめ、炒り卵状になったら
少々の塩で味付けしておしまい。ちょ〜カンタン!
ひと口食べると、人参のやさし〜い甘みが口いっぱいに広がる。

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検索すると、ツナを入れるのもあったりして
どれが本場なのかわからないが、たくさん紹介されている。
ご飯によくあうし、トーストともあいそうだ。
お金も手間もかからないけど、頼りになるおかずである。
by team-osubachi2 | 2010-04-20 09:05 | しみじみご飯 | Comments(0)

ゲゲゲのゲ・・・♪

あの隻腕の大漫画家・水木しげるセンセは、
いったいどんな風にして仕事をしてきたんだ?
・・・ということに興味があり、しょっぱなから見だしたら、
これが思っていたより面白くて、ついつい毎日見るようになってしまった
NHK毎朝8時の連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』。

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いまも不思議だなあ〜と思うのは
水木センセの絵は、全体が暗い上に、重たい湿気が
べっとりと画面にはりついてる感じで、不気味で恐かったりするのに
鬼太郎一家はいまや老若男女から
ひろく明るく愛されるキャラになっている。

妖怪どもは、ある時期までは、そこいらにあたりまえにいたのだろうけど、
今では水木センセの筆のチカラを借りて、ほそぼそと現れては
かろうじて世の中から忘れ去られずにいる・・・ようなイメージがある。
でも、きっとベール1枚の向こう側には、
ホント〜はい〜っぱいうごめいているんだろうなあ〜。
目に見える世界と目に見えない世界、どちらが欠けても世界は面白くない。

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「墓場の鬼太郎」から「ゲゲゲの鬼太郎」へ。
ついこの間はじめて知って、私の気に入ったことは
「ゲゲゲ」のオノマトペーは、毒ガマやゲジゲジ虫やオケラたちが
鬼太郎をたたえて歌うゲゲゲのゲの唄・・・♪からきたということ。

雑誌 Penでは、水木センセが10数年前に描かれた絵本
「妖精をたずねて」が紹介されていた。
柔らかくて透明な色使いで描かれた、少年とやさしい虫たちのおはなし。
きっとセンセのキモチの根っこはこんなところにあるのだろう。
あったかいおはなしだった。
by team-osubachi2 | 2010-04-19 16:06 | 日々いろいろ | Comments(0)

河東節ご連中

ひょんなご縁で知り合った、ある老婦人に着付けを頼まれ、
多摩川沿いにある眺めのいいマンションのお宅へとうかがう。
この老婦人は、ご趣味で三味線と長唄を習っていらっしゃるのだが、
今月の歌舞伎座へお出になるという。

東銀座にある歌舞伎座も、ついに建て替えのため、
この四月でおしまいになるのだが、
今月キリの演し物は『助六由縁江戸桜(すけろくゆかりのえどざくら)』。
吉原を舞台に、桜の花がいっぱい飾られてにぎにぎしい中、
団十郎丈演じる助六が花道から登場するまでを、舞台上の御簾内で
河東節十寸見(かとうぶしますみ)会のご連中、いわば富裕の旦那衆が、
たっぷりと『出端の唄』を披露する。
老婦人はそのご連中に混じって三度、三味線をひきなさるそうで、
紋付(黒留)を着付けてさしあげる。

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お見受けしたところ70代後半と思われる老婦人だが(イラストとは別人です)、
きけば長唄と河東節をなさるお師匠さんは
なんと90歳をとうに越えて今なお達者なご様子で、
初日、中日はおろか、千秋楽までの最後数日間を毎日お出になるそうだ。
ひょ〜え〜、どエライお元気!・・・芸は元気の秘訣だろうか。
私が行く27日は、老婦人の三味線は聴けないが、
そのお師匠さんの姿が見れるかもしれないと思うと
(実際にはわかんないかもだけど)なんだか楽しみになってきた。

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by team-osubachi2 | 2010-04-17 02:20 | らくがき帖 | Comments(0)