カテゴリ:着物のこと( 404 )

今日は仕事のオフ日。友だちと待ち合わせて、
カメラマン女子・武藤奈緒美嬢の写真展「ハハニナル」を見に出かけた。

京成曳舟駅から明治通り沿いに歩いてゆくと「爬虫類館分館」という
不思議な名前のカフェにたどり着く。
(ちなみに爬虫類の類いはココにはいっさいいません)
居心地のいいテーブルやイス、懐かしいような雑貨に囲まれて、
昼間営業の珈琲店主が淹れる香ばしいコーヒーと、
小ぶりで美味しいベーグル(具は黒豆とクリームチーズのサンド)を
いただきながら、壁や棚にほどよく展示されている作品を拝見した。

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武藤嬢が写しだす妊娠中や出産後の女性たちはみんなキレイだ。
モデルさんたち自身の良さを引き出しつつも
彼女の目線は、ある一瞬を彼女なりの感性でもって
しっかりと捉えている気がした。

それは、もしかしたら、モデルである人それぞれが
(被写体であったそのときにはわからなかったとしても)
人生の山や海をいくつも越えて後に見てみたらば、
きっと、女として、“産む”という能力を持って生まれた身として、
「ああ、私にもこんなに美しいときがあったんだ〜」
・・・と思い出すであろう瞬間がここに写っているんじゃないのかな、と
そんなことを感じた作品だった。

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毎度のことながら、私よりも若い彼女とのおしゃべりは楽しく、
また、その仕事っぷりからは、いつもいい刺激をいただいている。
我が着付け道場の卒業生でもある武藤嬢は、現在
着物の「七緒」やフードの「うかたま」各誌などでも活躍中である。

その武藤嬢のこの日の装いは、清水の舞台からダイブして手込めにした(?)という
琉球は南風原(はえばる)花織の紬に、黄色い絞りの帯。
チャコールがかった灰紫のようなシックな色の紬にあわせた帯の
きっぱりとした黄色が、溌剌とした彼女によく映えていた。

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きっと今後も着物熱のために(もちろん、それだけじゃないけど〜)
精力的に動きまわることだろう。ますますの活躍を祈る!

武藤奈緒美写真展
1月26日(水)〜2月1日(火)/8時〜22時(最終日17時まで)
「爬虫類館分館」(京成曳舟駅下車)
墨田区京島3−17ー7
*カフェギャラリーにつき何か1品ご注文願います
TEL 050-3496-5108
http://www.bunkan.com/blog/
(1/29にイベントあり)

むーちょ写真日記
http://muucyo.exblog.jp/
by team-osubachi2 | 2011-01-27 18:54 | 着物のこと | Comments(6)

冬の間に

10日の成人の日、いつもの休日には大寝坊を決め込む私も
この日はちょこっと早めに起きて、軽く朝食をとった後
いそいそと着物に着替えて赤坂ACTシアターへと出かけた。

地下鉄溜池山王駅から地上に出ると、
寒風吹きすさぶ赤坂通りは閑散としていて、人も車もまばらだったが
TBSや赤坂サカスの一帯には人出もあり、
大振り袖の新成人の女のコたちが、定番の白いショールだけで
寒さを物ともせず、あちこちに色をふりまいていてにぎやかだった。

そんな中で、山王日枝神社の鳥居のあたりで、キリッと冴えた青空の下、
透明感のある水色の古典的な大振り袖を着たお嬢さんが
つき添いのお母さんと一緒に楚々と石段をあがってゆく姿を見たが、
ああ、こんな風景もいいものだなあ〜と思った。

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この日締めた帯については、
これももう15年ほども前の話になるだろうか。
友だちと一緒にとある呉服店の売り出しに出かけ
ちりめん地にポップでカワイイ鶴が並んで描かれた帯を見つけた。

地色がグレーのものとパステルグリーンのもの二反があったので
先に見つけた私は、迷わずグレーの方を買うことにしたものの、
一緒に見ていた友だちもこの柄を気に入って、買いたいという。
私は、同じ柄の帯を友だちも持つことにもちろん異存はなかった。
が、友だちとしては、残った方の地色のグリーンがどうも気に入らない。
そこで、その友だちは店主にお願いして
同じくグレーの地色のものを、一反メーカーに染めてもらうお願いをした。

そして染め上がったものは、鶴の下段にならぶ花の色がボルドー色で、
同じ型の染め帯ながら、ほんのちょっとした色の違いで、
私のものとは異なる印象の帯に仕上がった。
私のものは赤茶色の花が並び、これは私向きだし、
ボルドー色の花の並ぶ方は、彼女のつややかな黒髪によく似合っていた。
後日、写真でその姿を見て、この鶴の染め帯は
どちらにもいい納まり方をしたと思った。

鶴の柄はめでたさの象徴として、祝いの席などで
季節を問わず身につけられるものだけれど、
ちりめん地のポップな印象の染め帯だし、気分としては
冬の間に、あえて白い小物を雪に見立てて締めるのが好きだ。
あわせる着物は、なぜか毎度毎度
黒地に細く白い格子のはいった駒結城を選んでしまう。
このひと揃いを着付けるとき、いつも頭のすみっこに
北海道の雪原にいる丹頂鶴の甲高い鳴き声がよぎるんである。
by team-osubachi2 | 2011-01-12 09:21 | 着物のこと | Comments(10)

着物 de 銀座さんぽ

5日はブログ仲間のすいれんさんと神奈川絵美さんと3人で
松屋銀座で開催中の「日本のおしゃれ」展を見てきた。

時代布コレクターでいらっしゃる池田重子さんのコレクションの数々は
着物好きにはすでに周知のもので、私もこれまで何度か足を運んではいても
初めて見るものも多く、今回はことに
見事な細工の帯留めをたっぷりと見学できたのがよかった。

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3人が待ち合わせたのはお昼前。
すいれんさんは、これが今年の着物はじめということで
グレーの付け下げに新しい袋帯をあわせた上品でシックな装いだった。
私もめずらしく洒落ものの付け下げを着ていき、
絵美さんもカワイイ黒地の小紋姿で登場した。

普段は紬をよく着る3人がみんなして柔らかもんを着て集まったこの日、
喫茶店に入って注文するときには楚々としてはいても
もとより「女三人集まれば・・・」なんとやらで、
着物熱というビョーキに取り憑かれた女子3人のおしゃべりは
すぐにヒートアップするのである。
おおざっぱにいえば、この日はランチをして、銀座松屋で展覧会を見て、
三越新館でお茶をして散会しただけの一日だったけれど、
とっても楽しいひとときだった。

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ところで、この日私が袖を通した着物は、
友だちの親戚の方からのいただきもので、身長の大きいその友だちよりも
私に似合いそうだからと譲り受けて仕立て直したお洒落着物なのだが、
最初の持ち主のお歳から考えても、もう50年以上も前の着物なのに
いまだ生地もすべすべとキレイでしっかりしている。

また、地味な色ながら、よ〜く見るとなかなか手の込んだ着物で、
いかにも昭和30年代風のデザインも、私にはむしろ斬新で
譲られた当初よりも、10年ほど歳をとった今の方が
以前よりもしっくりと似合うようになった気がしている。

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賢くも(?)この日はどのお店にも寄らずに帰宅したのだけれど、
こんなに着物のことでテンションが上がっている時は、
着物や小物のお店には近寄らないというのが正解なのよネ〜と
あらためて実感した一日だった。

松屋銀座/「日本のおしゃれ展」1月17日(月)まで
http://www.matsuya.com/ginza/topics/101229_osyare/index.html
by team-osubachi2 | 2011-01-06 14:35 | 着物のこと | Comments(10)

手放し時

「断捨離」という言葉や、その書籍が流行っているそうだ。
もともと「捨て魔」の人間には、その手の問題は少ないけれど
逆に「捨て魔」の落とし穴は、いろんなものを捨てすぎて、
キモチまで放ってしまうようなところがある点かもしれない・・・。

ま、それはともかく、この秋、
それ以前からうっすらと感じていたことだけれど、
ブログ仲間の方のお宅を訪問するさいに袖を通してみたらば、
やっぱりどうも、今の自分のハートにしっくりと添わなくなったなあ〜
・・・と感じた着物を、すっぱり手放すことにした。

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まだ20代最後だった当時、見るなりその色と縞の様子が気に入って買い、
単衣にしたり袷に直したりと、二度ほど洗い張りもして
今やしっとりと柔らか〜くなった生紬の着物だ。
15年以上着てもまだまだシャンとして着られる。
思い入れがないワケじゃない。ましてや、嫌いになったのでもない。
でも「もう着ないな」と感じたのである。

着ないとなったら、着てくれそうな人をあれこれ思い浮かべて
もらってくれるかどうかをすぐにあたってみる。
そうして決まった新しい着手は、私よりももっと若くて
シャキシャキ元気いっぱいのカメラマン女子だ。
もらってくれてありがとう!着継いでくれてありがとう!

もともとは新古品としてデパートの催事で売られていた着物だ。
布としての第三幕を、新しい着手と一緒に
おおいに活躍してくれるといいなあ〜・・・なんて思うのは、
手放す(捨てる)側の勝手な願いかもしれない。
by team-osubachi2 | 2010-12-25 15:52 | 着物のこと | Comments(6)

「和の國」に集う

「日本のおしゃれ 池田重子コレクション」シリーズなど、
着物関連の書籍や雑誌の取材・編集・文筆でご活躍されている
安達絵里子さんという着物ライターさんが熊本にいる。

ずっと以前、雑誌「美しいキモノ」のタイアップ頁のお仕事で
ご一緒させていただいたのをキッカケに、
その後も幾度となく「美しいキモノ」でお仕事をさせていただいているが、
いつだったか、その安達さんから「一度熊本にいらっしゃいませんか?」と
お誘いをいただきつつも、機会のないまま数年が過ぎていた。
(写真下:左にいる着物の女性が安達さん。
この日は、焦茶色の士乎路[しおじ]紬に、
今回参加の宮崎直美さんのぬくもり色の八寸帯をあわせた装い)

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今年の春ごろだったろうか、SOMEORIの吉田美保子さんとメールをしていて、
彼女がこの年暮れに、郷里の熊本で展示会をすると知り、
「日にちがわかったら報せて。熊本在住の着物ライターさんにも連絡するから」
と伝えたところ、はじかれたように吉田さんから返信がきた。
「ひょっとして、ひょっとしてそのライターさんて、安達絵里子さん?」
え〜っ?そうだよ!なんで知ってるの〜っ?きけば、なんのことはない、
その「熊本ゆかりの染織作家展」の発案者こそ安達さんご本人だったのだ。
うわあ、そっか〜!そうだったのか〜!

とはいえ、まさか熊本というところで
3人の点と線がつながるとは夢にも思わなかったけれど、
うん!これもご縁だ。いざ行こう!熊本へ!・・・と思い、
その時点でわずかばかりの虎の子を旅費にとよけておいた。

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18日の土曜の夕方、熊本城と細川刑部旧邸を散策したあと、
この旅の眼目である「熊本ゆかりの染織作家展」を拝見しに
熊本城の東側にある「染織工芸サロン 和の國」さんへとむかった。
お店に入ってすぐに安達さんと再会のあいさつを交わし、
また、安達さんには「和の國」のご主人をご紹介いただいたり
吉田さんとも熊本での再会を喜びあった。

ところで、ご主人のお仕事の関係で熊本に住むようになった安達さんは、
すぐに熊本が好きになり、いまや完全な熊本贔屓なんである。
彼女の美意識と、熊本の気候風土や人々の感性が響きあったのだろう、
安達さんの企画立案で、「和の國」さんという舞台に
6人の作家さんたちが集まり、各々の染めと織りの作品が展示されていた。
堀 絹子さん、岡村美和さん、溝口あけみさん、宮崎直美さん、
黒木千穂子さん、そして吉田美保子さん。

いずれもそれぞれの感性で生み出されたキレイなきれいな布ばかりで、
面白い織りや大胆な模様の染めなどを見ていると
ときどき自分の懐具合を忘れて、
ハートをグッと鷲掴みされそうな作品があったりして
ちょっとばかり身悶えしたりした。
はあ〜あ、煩悩だなあ〜。ふう・・・。

(写真下:もしも私が今宝くじを当てたなら即買いしたい〜!と思った作品。
黒木千穂子さんの藍色の階調ある格子に花織りの紬と、吉田美保子さんの帯。
写真では色がぜ〜んぜん出てなくて残念だけれど、
この着物と帯の組み合わせは、それぞれの色がリズムを刻んで
互いに響きあっているように見えて素晴らしかった!好みだなあ〜♡)

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さて、吉田美保子さんの新作である。
この作品のテーマは朝焼けなんだとか。
私が寄りで写真を撮らせてもらおうとしていると、
「和の國」のご主人が照明に変化をつけてくださった。
・・・さしずめ、夜明け直前の様子はこんなカンジかしらん。

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そして、夜が明けた・・・。

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タイトルは「Good Morning Koh 」。
この作品の着手になるお人には息子さんが一人いらっしゃる。
その子供さんへの愛情もこめて名付けられたタイトルだ。
毎日を着物で暮らすそのお人の優しさ、芯の強さ、愛情の細やかさに
この着物はきっとよく似合うことだろう。
いいお方のもとにお嫁入りが決まってヨカッタよかった。

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余談だけど、この日の吉田さんのお着物は
吉田さんが個人的に研究している青田五良(ごろう)という染織家の資料から
以前、彼女自身が自分の染織りで研究模した着物で、
帯もまた、かつての彼女の手織りの布で出来ているものなのだが
今の作風もどんどん研ぎすまされ洗練されてきて素敵だけれど、
(あくまで私勝手な言い方をすれば)
こういう土の匂いがするカンジの着物や帯もとっても素敵なのだった。

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「熊本ゆかりの染織作家展」は23日金曜まで開催中。
その会場である「染織工芸サロン 和の國」さんは
ご主人である茨木國夫さんの、地元熊本と着物に対する熱い想いが
しっかりと伝わってくるお店だった。
また今回は嬉しいことに、以前お仕事でお世話になった
田崎染工のご主人にも、やっとお会いすることができたりして、
私なりの「熊本ゆかりの人たち」との交歓がかなった訪問となった。

金沢でも感じたことだけれど、この熊本でも同じように、
人の縁、地の縁をたくさん感じた旅だった。
いろんな出会いに深くふか〜く感謝した。

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染織工芸サロン 和の國
http://wanokuni.com/

(番外)まぼろしの染織家「青田五良」を追って
http://chikyu-no-cocolo.cocolog-nifty.com/blog/2010/06/post-81a9.html
by team-osubachi2 | 2010-12-21 18:45 | 着物のこと | Comments(8)

浜松に、ざざんざ織りという着物がある。
20年ほど前に買った講談社の「美しい朝夕」という本の着物編の一冊の中に、
時代裂のコレクターの方が着ている着物に見入ったことがあった。
すばらしい光沢感で、ところどころネップのような
節がでているこの着物はいったいなに?と思っていた。
(当時の私は、この節糸が布の傷みだと勘違いしてたけど)
写真で見ても、ものすごい存在感がある。
なんだかすごく素敵!と思ってしまう。
コレクターの方も、見るなり着てみたくなったという
その着物がざざんざ織りだった。

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実際にそのざざんざ織りを手にしたのはほんの数年前のことだ。
伊兵衛織りとざざんざ織りを見てみたくて訪れた銀座の灯屋さんで
店長のSさんに「これがあなたに似合うと思います」と薦められたのが
深緑色を中心としたやたら縞のざざんざ織りだった。
え〜?これ、アタシに似合いますか〜?
それまでの私では手を出さないような色みだったけれど、
でも、羽織ってみると、オトコ顔の私の顔が柔らかにたつ。へえぇ〜!

一見無骨で、ものすごくクセのある着物なのに、見れば見るほど、
絹ならでは光沢と、人を惹きつける不思議なチカラ強さがあって、
すっかり頭の中がグルグルしてしまった。
プロパーで買うのはとうてい無理な代物でも、
リサイクルでならどうにかこうにか可能だ!
・・・というコトで、エイやっ!で手込めにすることにした。

(蛇足:この縞とまったく同じ縞の伊兵衛織りも市場には出回っている。
ざざんざ織りと伊兵衛織り、どこでどう枝別れしてしまったのか、
私などにはよくわからない・・・)

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新宿二丁目の路地の一角に、品のいいカウンターだけの小さなバーがあり、
独身時代、たいして飲めもしないのに、どこかガス抜きしたい気分もあってか、
よく一人で飲みに立ち寄った。
お店には、二丁目のほがらかな人々(?)の中でも
ひときわ強烈なピーコさんもよく寛ぎにいらしていて、
もちろん女の私はピーコさんの視界にはまったく入らないのだけれど、
あるとき、この着物を着て出かけた帰りにバーへ寄ったところ、
ピーコさんが私のなりを見て「あら、いい縞着てるわね」と言ったのだ。

うわっ!めずらしいコトもあるもんだ!
思わず「ありがとうゴザイマス!」と返事したものの、
褒められたのは私ではない。この縞だ。
妻がピーコに褒めら〜れた♫♪・・・という某着付け学校のCFがあったけれど
縞がピーコに褒めら〜れた♫♪・・・というざざんざ織りである。
by team-osubachi2 | 2010-12-07 09:53 | 着物のこと | Comments(6)

青山で紅葉狩り

昨日2日の朝のこと。それまでお天気とのにらみ合いが続き、
予定を二転三転させたあと、どうやら日中はお天気が保ちそうだというので
「今日行きましょうか?」ということになり、
それからエイヤッと着物に着替えて、
ブログ仲間のすいれんさんと、青山の根津美術館へ行ってきた。

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表参道で愉しいおしゃべりとランチをしたあと、根津美術館へ移動し、
いま開催中のコレクション展「絵のなかに生きる」を見た。
ことに好きな屏風「曽我物語図屏風」と「犬追物図屏風」を
細部にまでわたってよ〜〜〜く見ると
本当に隅々の人物から草一本にいたるまでていねいに
神経がゆきとどいて描かれているコトに頭が下がる思いがした。
ああ、物語などの挿し絵を描くのに、
自分はずいぶんと勉強が足りないなあ〜。ううう〜む・・・。

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そのあと、この美術館の名物庭園を散歩した。
秋口にぐっと冷え込んだのがさいわいしたのだろうか、
今年の紅葉はひさしぶりのあたり年だったようだ。
茶色でなく真っ赤に染まったモミジを見たのは何年ぶりだろう?
まあ〜そのキレイなこと!あでやかなこと!しばしウットリ・・・。

ところで、この日のすいれんさんの装いは、焦茶色の無地紬に、
タペストリーを織る作家さんのものだというぬくもり色の八寸帯。
そしてシックな小紋の長羽織を、細い肩にしっとりと羽織っていらした。
私の方は、ざざんざ織りのやたら縞に、草木染めのざっくりとした無地八寸帯。
そして、この春、友だち主宰の「たんすの肥やし交換会」でいただいてきた
引田絞りの羽織という格好。

着物の裾を揺らしながら、紅葉が散り敷く小径を歩いてまわるなんて、
ガサツな私でも、うふふ、おほほで、なんだかとってもいい心持ちだった。
しかし、何度訪れてみても、この庭は
都会のド真ん中にあるとは思えないほど木々の緑が深い。

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青山での紅葉狩りをたっぷりと満喫したあと、
骨董通りにある「古民藝もりた」さんへ向かった。
すいれんさんも布好きだけあって、二人であれがいいのこれがいいのと
しばらくの間アドレナリンを放出しながら、古裂を見て楽しんだ。

結果、すいれんさんは、ご自分によく似合いそうな
大人色の深くて赤いインド更紗の布を、帯にするためお買い上げ。
ひとの買い物ながら、仕上がりがとても楽しみだ。

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最後に所用があって、ちょこっと「青山ゑり華」さんに立ち寄ってから
暮れゆく青山をあとにして家路についた。
おだやかな初冬の一日を、のんびりと楽しんだ一日だった。

根津美術館
http://www.nezu-muse.or.jp/
by team-osubachi2 | 2010-12-03 00:09 | 着物のこと | Comments(6)

喪服の点検

今日から師走だ。今年も残すところあと一ヶ月。
せわしない毎日はいまにはじまったことではないけれど、
これからますますバタバタだ。

そんな中、実家から移した喪服の箱を開けて点検した。
予想はしていたけれど、20年以上も前に仕立てられて以来、
一度も袖を通さないまま仕舞いっぱなしだった喪服一式は、
かなり手入れが必要な状態になっていた。

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母親は先を見越して、着物や羽織はあらかじめガード加工をし、
シミになりやすい白の長襦袢は、あえて化繊にしたそうだけれど
それでもところどころ怪しい気配・・・。

しかし、着物より悲惨なことになっているのが帯だった。
なんとか助けたいうるし箔の袋帯
(喪に二重太鼓はいかがなものかという説もあるけど)は
ほどいて洗って、芯を新しくして仕立て直すしかなさそうだ。
絽の名古屋も手入れして活かそう。
でも、法事用のグレーの帯はさらに悲惨な状況だったので、
これは思い切って処分することにした。

そして、どれも仕舞いもの特有の匂いが染みついてしまっている。
ここはやっぱりプロにお手入れをお願いするしかなさそうだ。
やれやれ、ちょっぴり頭の痛い出費になりそうだ〜・・・。

現代の葬儀では、喪服なんて無ければないで、
一式借りれば済む話なのだろうけれど、
せっかく用意してくれたものを無にするのは
やっぱり親に対して申し訳がない気がする。
いずれにしても、この先喪服の出番はやってくる。
しようがない、これも運とあきらめて、手入れに出そうかな。うん。
by team-osubachi2 | 2010-12-01 00:52 | 着物のこと | Comments(2)

ちょこっと新しく

先だって実家に帰省して、着物の片づけをしたときに
ずっと以前母親からもらったままで使わずにいた
白珊瑚の羽織紐も横浜に持って帰った。

いかにも昭和の雰囲気を感じさせる白珊瑚の羽織紐は
やっぱりどこかレトロちっくな印象だ。
まあ、それはそれで、そのまんま使ってももちろんいいのだけれど
どこか新しくしたいキモチが働いて、
ジュエリークラフトをやっている友だちのCちゃんに相談した。

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もともとは、真ん中にひとつ、
薔薇に見立てた円形の中途半端な飾りがついていたのを、
(あ、オリジナルの写真撮り忘れてた・・・)
二千年前のものだという朱色の石と取り替えて、
さらには両サイドに少しアクセントをつけるために
水色の新しい石をはさんでもらうことにした。

そして一昨日、レトロちっくだった羽織紐は
ちょこっとだけ新しく生まれ変わって手元に帰ってきた。
Cちゃん、ありがとう。
なんだかうれすぃ〜いっ!うふ!

手持ちの昭和ちっくな羽織も、これでほんのちょこっと
新しげな装いになる・・・かな〜?
by team-osubachi2 | 2010-11-30 08:58 | 着物のこと | Comments(0)

日本海の色

沖縄は八重山のミンサー帯が大好きだ。
ことに半幅帯は夏だけでなく、紬や木綿の着物にも締めて
年がら年中愛用している。

東京駅から富山へ列車で帰省するとき、
新潟県の糸魚川から少しいくと、日本海の海岸沿いにでる。
私の実家が海沿いにあるせいか、
車窓の横幅いっぱいに広がる日本海の空と海を見ると、
ああ、帰ってきたんだなあ〜と感じるところだ。

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この夏、ネット上の某呉服売り場で、これまでの買い物のポイントを活かして
「青海」という名まえがついていたミンサーを買ってみた。
やや抑えのきいた青い色が、私には春や秋のやさしい海の色に見える。

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一方、冬場になると締めたくなるミンサーは、
まさに冬の日本海の色といった趣きだろうか。
空はず〜っと重い雲がたれこめた鉛色で、海の青も深く沈みこんでしまう。
雪まじりの横っ風が強く波は荒れ、かもめは空中に浮かんだまま・・・。
真冬の日本海岸は、まるで演歌の風景そのものだ。

帆掛け船の帯留めも、季節としては
夏がもっともふさわしいのだろうけれど、
自分が想う日本海の風景として、このミンサー帯に
あわせてみてもいいかもしれないな〜、と思っている。
by team-osubachi2 | 2010-11-23 09:19 | 着物のこと | Comments(6)