カテゴリ:着物のこと( 379 )

海はひろいよ〜

昨日から風が強くて、丘の上から見える青い空には
白い筋になってたなびく雲と、
夏らしいモクモクした雲が幾つもの層になって
海から陸にむかってどんどこ流れていく。
あぁ〜夏だなあ〜!!

夏向きに、帆船の帯留めがずっと欲しかったのだが、
手持ちの着物や帯に合いそうなもの(予算も)がなかなか見つけられずにいた。
昨年青山ゑり華さんで見つけた「電車」の帯留めが気に入ったので
思いつきで、ゑり華さんを通して作者の日野譲さんに
「帆船」をお願いしてみたら、ちっちゃくても立派な帆船が出来上がってきた。
わ〜い!持っていた三分組の紐にもピッタシ合うワ!

f0229926_19524918.jpg

う〜み〜はひろい〜な、おおき〜い〜なあ〜♩♫♪
ここんとこバタバタ続きで、なかなか着物の時間がとれずにいるが
早くこれをつけてお出かけしたいな〜!
梅雨明けはまだか〜?・・・・・・まだ、か。

青山ゑり華&chidori
http://www.erihana.co.jp/
http://chidori.in/
by team-osubachi2 | 2010-07-15 11:37 | 着物のこと | Comments(5)

雪花絞りの浴衣

先日のこと、思いがけず名古屋に住む義姉から浴衣の反物が届いた。
生まれも育ちもずっと名古屋の義姉は、
近くに住んでいながら、今回はじめて有松鳴海の絞り祭りに行ってきたのだとか。
着付けの先生でもある義姉は、自分のと娘のと、
そして私の分まで浴衣地を買ったそうで、
楽しい買い物をしたと嬉しそうなメールがきた後に
さっそく送ってくれたものだ。

やわらかくて薄手の真っ白いコーマ地に、夏の空色をした模様は
きっぱりとしていて、見ているだけで涼しくなっちゃいそうだ!
イヤ〜、イイネエ〜!コレッ!
柄は、今年中学3年になった姪っ子が私にと選んでくれたそうである。
よく好みがわかったね、サンキュ!

f0229926_17163724.jpg

残念ながら、いますぐ仕立てに出すのはちょと難しいので、
袖を通すのは早くても来年の夏になるだろうが、
もたもたしていると、あっという間にこちらの年齢がいってしまって、
この柄の勢いに負けて似合わなくなるんじゃないかと心配にもなる。

でもこの絞りの柄、古典なのに、かえってモダンな印象もあるから
浴衣以外に、ファブリックとしてもあれこれ使いまわして、
布の寿命を最後までまっとうさせることが出来るんじゃないかな〜
・・・という気もしている。

素晴らしい絞りの技術は数々あるけれど、
今回送ってくれたものは「雪花絞り」という板締めのもので、
ネットで調べてみたら、有松で板締めをなさっているのは
もう鵜飼良彦さんというおじいさんだけらしい。
職人魂、ここにあり!である。

有松・鳴海絞会館/有松絞りまつり(今年は終了)
http://www.shibori-kaikan.com/event.html
張正/鵜飼さんの板締め作業
http://www.youtube.com/watch?v=rKQg2H0qsMc
by team-osubachi2 | 2010-06-24 00:02 | 着物のこと | Comments(0)

紙布の着物

昨日の梅雨の晴れ間、ひさしぶりに着物で出かけた。
気温も30度を超えた暑い日だったけど、
でもまだ薄物には早いというようなときは、紙布の単衣に袖を通すのがいい。

エ?紙布ゥ?
そう。紙布はタテもヨコも和紙を「こより」にした糸で織られた布だ。
和紙という完成度の高い素材を、さらに手を加えて糸にし、
織りあげ、布にするなどというこの発想!
日本の染織はホント〜にスゴイんである。

サラリと織られた紙布の着物は、適度な張りがあって
風通しもすこぶるいいせいか、見た目より涼しい。
また、想像以上にしなやかで丈夫なうえ、水にも強いそうだし、
汗もよく吸うので、汗っかきの私にはもってこいの単衣着物なんである。
そのくせクーラーの寒さからも身を守ってくれるとは、
う〜む、なんと賢い着物だろうか、と感心する。

f0229926_2231136.jpg

紙布というだけで高そうな代物だが、
元はいったいいくらで売られていたのかまったくわからない。
実はこれ、デパートの骨董売りの催事で
新古品だが、浴衣よりも安く手に入れたものだ。
しがない挿し絵職人には、身の丈にあうだけのお金しかまわせない。
少しでも良いものを手に入れるには、それなりの知恵と工夫、
そしてタイミングが必要だったりする。

f0229926_17384690.jpg

しかしこの着物、梅雨の時期にはまったくもって暑苦しそうな色だ・・・。
そこで、冨山麻由子さんという若い人が染めた麻の半幅帯をあわせてみる。
明るい藍色が涼しげで(写真にはその色がまったく出ていな〜い)、
のびのびと咲いた花の間をみつばちが飛んでいるという
素朴でかわいらしい雰囲気が気に入って愛用している帯だ。

夏の着物はまったくもって暑い!
でも、夏着物には夏でしか味わえない素材の良さや、組み合わせのおもしろさがある。
その魅力を知ってしまった着物好きの人たちは、
だから、ついつい着たくなるのだろう。
暑さは承知の上である。
by team-osubachi2 | 2010-06-18 11:45 | 着物のこと | Comments(0)

うちくい展

風は乾いてキモチはいいけれど、
寒気が入ってきて少し肌寒かった昨日。
所用で出かけたついでに、新宿の内藤町にある
ラ ミュゼdeケヤキというところで開催中の「うちくい展」へ
はじめて行ってみた。

新宿御苑に面した場所とはいえ、都心のど真ん中に
こんなに緑の豊かな場所があったとは!?である。
門をくぐると、庭には大きなケヤキの大樹が鎮座ましていて、
こちらの名前の由来は人に訊かなくても、このケヤキ自身が教えてくれた。

「ぬぬぬバナバナ」という団体主宰の
沖縄をはじめ、手で布を織る人たちによる布の展覧会。
ぬぬぬパナパナとは、布の端々という意味らしい。
建物の中には、丹精して生み出されたさまざまな布や
着尺や帯が展示されていて、見ていると
ドキドキわくわく、アドレナリンが放出されて
体温があがってくるようだった。

f0229926_15133926.jpg

会場には幾人か作家さんが来ていて、その布の制作話やエピソードなど、
いろんなお話をうかがうと、もちろん見る面白さは増すのだけれど、
ジッと見て感じとろうとすると、布そのものの存在感は、
パッと見ただけではわからない作家さん達ひとりひとりの、
目には見えないハートの部分というか、
なにか人物の奥底にあるものが布には現れているようだった。

f0229926_15135481.jpg

一枚の布が出来上がるまでというのは、
本当に根気のいるしんどい作業の連続なのだろう。
でも、その分だけ、布には美しいとかなんとか言葉で言い表す以上の
強い生命力が宿るのかもしれない。

自分の財布とよぉ〜く相談してから、白井 仁さんという人の
草木の色あいがとってもキレイな格子の風呂敷を一枚いただいてきた。
「うちくい」というのは、沖縄の言葉で「風呂敷」にあたる意味らしい。
大事に物だけを包もうとは思っていない。
旅にアウトドアに、いたるところへ同行させて
いろんな用途でガシガシ使うんだ。
でもって、布の寿命をまっとうさせるまでつきあいたいと思っている。

ぬぬぬパナパナ・うちくい展(17日まで)
http://nunupana.com/uchikui/future/#000223
by team-osubachi2 | 2010-05-15 15:50 | 着物のこと | Comments(0)

三年寝太郎

丘をかこむ木々は、とても美味しそうな緑いろになった。
吹く風がちがう。青葉の風もまたすこぶる美味しい。
着物の季節としてはまだ袷なのだが、
個人的には、いま時分に着るなら紺絣、それも木綿・・・かな。

f0229926_10133573.jpg


立派な工芸品の類は、しがない挿し絵職人には分不相応で縁がないけれど、
40代に入ったころ、性根のある紺絣が一枚欲しくなった。
そして見つけたのが、地味ながらしっかりした顔つきの弓浜絣だった。
良心的な値段に悩んだ末に買いに行った後、三年にわたって寝かせておいた。

去年の夏、自分のところで散々に水洗いをしてから仕立てに出し、
秋になって袖を通してみたが、どっこい三年寝太郎は
こんな年月程度ではまだまだ「青い」んである。
袖を通せば藍が香り、着つけた指先はうっすらと染まる。
また、特にどうということもない絣もようは地味で
(でも、これが好みだからしょうがない)
正直いって40代の自分にはまだ早かった・・・。

ま、15年もたてば、もっと似合うようになるだろうから
それまでせいぜい袖を通し、自分で洗いもし、手をかけてあげようと思う。
そうしたら、この紺絣は風合いも色あいも今よりうんと良くなるだろう。
まだまだ先は長いから、時間をかけてじっくりいこう、着物も人も。
by team-osubachi2 | 2010-05-09 12:50 | 着物のこと | Comments(2)

電車でGo!

去年のこと、仕事などでもお世話になっている青山ゑり華さんで
面白い帯留めをみつけた。
イチイやシタンなどの木をつかって精巧に彫られた電車の帯留めだ。
日野譲さんとおっしゃる方の作品らしい。

私はいわゆる“ 鉄子 ”ではないけれど
でも、小さいときから電車が、いや、田舎風にいえば「汽車」が
線路を行き来するのを見るのが好きで、
今でも品川や日暮里あたりで、何本もの線路上を
たくさんの電車が並走するのを見たりすると、
ワクワクして数時間はその場にいられるような気がする。

まだ郷里の富山にいたころ、
家からすこし離れた場所にある北陸線を
列車や貨物列車の走るガタンゴトンという音が、
ときどき、かすかに風にのって、
あるときは夜中に目をとじたまま、耳だけが起きて聞こえてきたり、
またあるときは、お風呂でしずかに湯船につかっているときや、
あたたかい春の昼間に、開け放した窓から聞こえてきたりすると、
子供心にも、どこか遠くへいきたいような、
小さなケシ粒ほどのボヘミアン魂がゆさぶられるような
そんな心地になったように思う。

当時の客車は、まだまだ木の造りでドッシリしたものが多く、
今思い出してもノスタルジー感たっぷりで、
旅への誘いにはもってこいな乗り物だった。

f0229926_1945815.jpg


日野さんの彫刻はレーザーを使うので、ここまで精巧に出来るんだそうだ。
この帯留めにあわせて、線路に見えるような真田ひもをネットで探した。
これでこの電車もやっと走れることだろう。

青山 ゑり華
http://www.erihana.co.jp/
ゑり華/オンラインショップ・チドリ
http://chidori.in/
by team-osubachi2 | 2010-04-27 10:42 | 着物のこと | Comments(0)

職人の仕事

寒いさむいと言っているうちに
今年の桜ももうおしまいになってしまった。
そして、日ごとに色あせていく淡いピンク色に取って代わって、
今度は初々しい緑色が目につくようになってきている。

以前ネットで買った新古品の紬は、絣の様子が気に入ったものの、
ついている裾まわしの色がどうにも気に入らなかった。地味すぎ・・・。
で、いつもお世話になっている青山ゑり華さんへ洗い張りに出すついでに、
裾まわしの色を染め替えてもらうことにした。

着物の絣糸の色を参考に、今の自分の年齢や気分にマッチする色を
あらかじめ私なりに水彩絵の具で紙の上に描いて
その紙片のいくつかを添えて、ゑり華さんへ出張に来ていた
悉皆の専門である橋村幸商店の若旦那にお伝えしてみた。
紙と絹では素材も発色もまったく違うものなのに、
若旦那はふたつみっつ私の云うことをきいて
すぐにのみ込んでくださったようだ。

f0229926_15222172.jpg


その仕上がりは私の想像以上で、
思わず「おいしそ〜な色!」と言ってしまうほどの出来だった。
これからの新緑の季節、これを着て颯爽と出かけてみたいゾ〜!

お客の勝手を聞きつつも、長年の技術と勘どころで
職人の仕事がきっちりとなされていると思う。
見ていて、とても気持ちがいい。
そういう職人さんの仕事が、私は大好きだ。

橋村幸商店
http://www.hashimurakou.com/company/
by team-osubachi2 | 2010-04-12 08:33 | 着物のこと | Comments(0)

箪笥の肥やしの会

先日、カメラマンK氏とカメラマン女子の武藤奈緒美嬢とが
シェアして新しく構えたスタジオで、
着物好き女子の「箪笥の肥やしの会」が開かれた。
カメラマン女子の呼びかけに10人くらいが参加して、
各自着ない着物や帯を持ち寄っての交換会。
わいわいガヤガヤと、にぎにぎしい午後だった。

f0229926_19473819.jpg

同じ着物でも、着る人によって、こんなにも似合い方が違ってくるのかと、
見ているとこれが楽しくて面白くて。
ついつい「コレ着てみませんか?」「その着物にこの帯どうですか?」と
初対面の人にすすめてみたり・・・。

私の荷はいっとう少なくて、羽織一枚だけと小物を少し持っていって、
そして別の絞りの羽織を一枚いただいてきた。
結局、自分の箪笥の中の枚数に変わりはなく、すき間は出来ないままだ。
by team-osubachi2 | 2010-04-07 20:21 | 着物のこと | Comments(0)

これも記念の一枚

毎年、まだ寒さが残るような春先から袖を通したくなる着物がある。
石川県白山市で織られている牛首紬という織物で、
サラッとしてても大島紬より地がしっかりしていて強靭そうな手触り。
そのくせしなやかで控えめな艶が、
日ごとに強くなってくる春の光をやわらかく反射する。

f0229926_17152100.jpg

10年くらい前の師走のこと、
仕事でもお世話になっている呉服屋さんへ、暮れのご挨拶に行った。
お店の中は、おりから歳末の売り出し中で、
めずらしく牛首紬が何反もたくさん置いてあった。
値札をチラ見してもプロパーで買えるはずがなく、
「見るだけならタダだし」と、
さもしい根性であれやこれやを広げて冷やかすうち
藍染めの縞を何の気なしに鏡の前であててみると、
アラ?なんか似合う?

このときの私は、ほんの数日前に失恋したばかりで、
まだ頭の中がぐちゃぐちゃしていたのだが、
その縞が自分に似合うと思った瞬間、頭の中で何かがブチッと切れたようで、
「これ、買いますっ!」と口走っていた。
人生、コンナコト、アッテモイイノヨッ!?

それから数日後、(古い例え方だけど)
ピンクのブタ貯金箱を決心してたたき壊す子供となんら変わらないキモチで、
わずかな定期貯金を壊して現金を手に、お店へ反物を引き取りに行った。
・・・この、清水の舞台から飛び降りた後遺症は
その後も私の経済にそうとう長く響いて大変だったけど、
あのときの恋愛のキラキラ感や、アイタタタ〜なドン底感、
今ではちょっとばかりまぶしいような、懐かしいような、そんなこそばゆいものが
これを着ると、ときどき頭の中をかすめていったりする。

とんだ失恋記念だったけど、こんな買い物は二度とないだろう。
あのとき思い切って買っておいて良かった!と今では思っている。
by team-osubachi2 | 2010-04-05 08:40 | 着物のこと | Comments(4)