*この展示は終了しました
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青山・骨董通りわきにある「青山ゑり華」さんで、
思いつくままに描いたいろんな着物姿の人物画を
今年一年の間、月替わりで展示させていただいています。

今月は・・・あわわ、すっかり遅れてしまいましたが、
先月から気にかけていた樋口一葉さんをテーマにしてみました。
ムツカシイのは覚悟の上、勉強だ、勉強!と取りかかったまではよかったものの
最初に描いたものは見事に3枚とも失敗。
あらためて描き直そうとした矢先に父の訃報で実家へ帰省し中断。
丘の上に戻ってようよう描きあげるも月すでに半ばになってしまいました。(汗)

それでもこれで一年間描き続けてきた『和服女性』に
ひとまず区切りをつけることができました。やれやれといったところです。

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そもそも樋口一葉さんを気に留めるようになったキッカケは
秋口にNHKBSプレミアムのアーカイブスで放送していた
ドキュメンタリードラマ『恋する一葉』を見たからでした。

同じ20代前半でも、現代女性と一葉さんとでは、
時代も社会も精神もまるで違うワケですが、
今どき女子の視点で辿る一葉さんの肖像、なかなか興味深く拝見しました。

私自身、学生のころに触れた一葉さんの文章は相当にチンプンカンプンでしたが、
お芝居や古典芸能で昔の文語調に慣れたせいでしょうか、
この年齢になってようやく読めるようになったのでした。

ーーー我れはひとの世に 痛苦と失望とをなぐさめんために
生まれ来つる詩の神の子なり
おごれる者をおさえ なやめる者をすくうべきは わがつとめなり
されば四六時中 いづれのときか打ちやすみつつあらんや
我が血をもりし此ふくろの破れざる限り 我れはこの美を残すべく
しかしてこの世ほろびざる限り わが詩は人のいのちとなりぬべきなりーーー

読めば胸が痛くなるほどのこんな強い決意を
若い一葉さんが持っていたとは番組を見るまで知りませんでした。
あの貧苦の暮らしの中で、この誇り高い意志が
どれほど筆を持つ支えになったのだろう・・・と想像しています。

(*B4サイズでうちではスキャンできずに写真で掲載)

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一葉さんが書き残したものを全部読んだワケではありませんが、
ちょうど師走を舞台にしたお話がふたつあったので、
今月はそのお話からシーンを選んで描いてみました。

ひとつは『わかれ道』。
仕事(仕立)屋のお京と、姉弟のように親しくしている傘張り職人の吉三。
和裁で一本立ちして食べているお京も、明日の大晦日には
新しい人生を歩むべく長屋を越していくのですが、
明治という時代に一人ぽっちで生きてゆかねばならない二人を
そっとスケッチしたような人情話でした。

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そしてよく知られた『大つごもり』。
貧しい奉公人のお峯が、大晦日(大つごもり)に切羽詰まって
辛抱しぬいている奉公先で起こす出来事が描かれていますが、
今回あらためて作品を読んでみて、いったい樋口一葉という人は
どれほどの世間の苦労や辛酸を舐めもし眺めもして、
こういうお話や言葉が書けたのかしら?・・・と想像していたら
読むこちらまで心臓がキュウ〜となってしまいました。

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*イラストレーションの無断使用及び複製・転載をかたく禁じます

写真画像もスキャニングもあまりよくなくてすいません。
もしもお近くにいらっしゃることがありましたら、
ぜひ「ゑり華」さんの店頭で、額絵としてご覧いただけましたらさいわいです。

青山ゑり華(水曜定休)
http://www.erihana.co.jp

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*お知らせです。
年明けのことになりますが、来年1月23日(木)〜28日(火)まで
今年一年間「青山ゑり華」さんで展示していただいた絵を
全部一同に集めて展示(及び販売)会を開きます。

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designed by
Sakurako Hamamori

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また会期が近づきましたら、あらためてお知らせをさせていただきますので
この機会に、みなさまにご高覧いただけましたら嬉しく思います。
どうぞよろしくお願い申し上げます。

岡田知子
by team-osubachi2 | 2013-12-17 13:27 | 時代もの画 | Comments(8)

*この展示は終了しました
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青山・骨董通りわきにある「青山ゑり華」さんで、
思いつくままに描いたいろんな着物姿の人物画を
今年一年の間、月替わりで展示させていただいています。

今月は、この間取材させていただいた笛、箏、小鼓の
お稽古の様子をスケッチしたものから想像をふくらませて
音を奏でる三人の女性を描いてみました。

すでに嫁した青眉の人、年増、そして娘。
自分勝手に、まつ、たけ、うめ、とそれぞれ名前をつけて
どんな時代の人にしようか、どんな着物を着せようか、
奏でる曲は何がいいだろうか・・・と
ひとりで想像をめぐらす時間は愉しいものでした。

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明治、大正のころまでさかんに結われてきた日本髪で
好きな髪型がいくつかあるのですが、ことに好きな型のひとつが、
前髪はあまりたてず、後ろ首の髱(つと)を長くせり出す形の型で
鶺鴒髱(せきれいづと)と云う型です。
(主に西で髱のことを「つと」、東で「たぼ」と云っていたようですね)

それから、古の既婚女性の眉を落として鉄漿(かね)をつける風習も
いったい本当にあれを美しいと思っていたんだろうか?・・・と
不思議に思いつつも、いつか青眉の人を描いてみたいと思っていたのでした。

『黒塚』 まつ女

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おまつさんを西方の女性に仕立てたので、
おたけさんはスッキリと江戸の年増にしようと思いました。
それにはちょうど先日スケッチさせていただいた
プロの囃子方としてご活躍されているSさんの姿がとても美しかったので、
そのままモデルになっていただきました。

髪はつぶし島田に、青竹の着物、帯には江戸紫・・・かなあ〜と
自分好みに着付けして遊んでみました。

『井筒』 たけ女

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おそらく映画や時代劇の見過ぎのせいと思いますが
まだ嫁入り前も娘さんが箏を奏でる姿というのは、
なんとなく華やぎのある絵になるように思います。

以前、向田邦子さんの作品でひとり挿し絵ごっこで描いた
「あ・うん」のさと子もお箏の前に座らせてみたのですが、
さすがに知らないことだらけで
(取材してみて、はじめて描いた絵の間違いも発見したりして)
絵とはいえ、奏でている姿を描くことが出来ませんでしたが、
先日、K先生のお稽古場に伺いいくつもの事柄を教えていただいたおかげで、
今回ようやくお箏を弾く姿を描くことができました。

『小督』 うめ女

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11月の展示なのに、紅葉がひとつも出てきませんが
三人が奏でる曲に秋を忍ばせてみました。

もしかしたら、絵やタイトルにどこか間違いやそぐわないものがあるかもしれません。
日本の事は奥が深くて、やってみるほどに
まだまだ勉強不足を思い知るばかりです。いやはや・・・。

*イラストレーションの無断使用及び複製・転載をかたく禁じます

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スキャニングがあまりよくなくてすいません。
もしもお近くにいらっしゃることがありましたら、
ぜひ「ゑり華」さんの店頭で、額絵としてご覧いただけましたらさいわいです。

青山ゑり華(水曜定休)
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by team-osubachi2 | 2013-11-07 16:53 | 時代もの画 | Comments(14)

*この展示は終了しました
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青山・骨董通りわきにある「青山ゑり華」さんで、
思いつくままに描いたいろんな着物姿の人物画を
今年一年の間、月替わりで展示させていただいています。

今月は「体育の日」・・・というワケでもないのですが、
女性が高等教育を受けるようになって、
そのうち学校で身体を動かすということを習うようになったり、
昔は高価だった自転車に女性が乗るようになったり・・・
そんな頃の女子たちの姿を、ちょっとお遊び気分で描いてみました。

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『体操女子』
女学校などで最初に体操を教えるようになったのは
いつ頃のことかよくは知らないのですが、
大正時代、お天気がいい日などは校庭に出て
こんな様子でやっていたのではないでしょうか。
最初は気恥ずかしかったり、よく分かんなかったでしょうが
そのうちなにやらキモチいい!って思うようになった女子も
きっといただろうな〜と想像しています。

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『自転車女子』
むか〜しは自転車が買えたお家はだいたいお金持ちか
お商売のお家が多かったのだろうと思います。
そんな頃に自転車に乗ろうという女子は、どちらかといえばお転婆さんや
じゃじゃ馬と見られた時代があったように聞きますが、
本当のところはどうだったのでしょう?
*御売約済み

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『庭球女子』
日本に庭球が入ってきたのがいつ頃なのかは、これもよくは知らないのですが、
資料を見ていると大正時代、まだまだ着物に袴といったいでたちに
靴でコートに立っている女子たちの姿がありました。
江戸時代など、一般庶民は「走る」という行為が
どうすればいいのかわからなかったと聞いたことがあるのですが、
女性がコートを駆け回るようになった時代って
すごい意識の変化があったのでは?と思うことがあります。
ま、小ムツカシイ事でなくても、ボールを追いかけ
ラケットの真で打った球がピューッと飛んでいく快感は
さぞキモチよかったに違いないですね。(羽子板の比じゃありませんもん)

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*イラストレーションの無断使用及び複製・転載をかたく禁じます

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スキャニングがあまりよくなくてすいません。
もしもお近くにいらっしゃることがありましたら、
ぜひ「ゑり華」さんの店頭で、額絵としてご覧いただけましたらさいわいです。

青山ゑり華(水曜定休)
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by team-osubachi2 | 2013-10-07 00:17 | 時代もの画 | Comments(8)

*この展示は終了しました
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青山・骨董通りわきにある「青山ゑり華」さんで、
思いつくままに描いたいろんな着物姿の人物画を
今年一年の間、月替わりで展示させていただいています。

昨年の異常に厳しかった残暑に比べて、
今年は朝晩に秋の気配が漂う初秋らしい九月のように思います。
(というか、本来の九月はこうでしたよね?)
今月19日は仲秋の名月なので、今回は月に詠める歌を題材に描いてみました。

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くらきより くらき道にぞ 入りぬべき はるかに照らせ 山の端の月


和泉式部の歌です。
持って生まれた女性ならではの性の闇を言い表しているようで
どこか普遍性があるように感じられる歌です。
一昨年に描いたものですが、今回一緒に展示させていただくことにしました。

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闇の夜は 苦しきものを いつしかと 我が待つ月も 早も照らぬか


誰が詠んだものか、詠み人知らずの一首です。
これも月になぞらえて詠んだ心象風景と感じますが、
これを詠んだ人は、どんな闇をかかえて、
待つ月はいったい何(誰)だったのかなあ〜?と想像してみています。

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嘆けとて 月やはものを 思はする かこち顔なる わが涙かな


西行法師の詠んだ恋の歌だそうです。
西行さんがいつごろ詠んだ歌なのか知りませんけれども、
あの源平の栄枯盛衰の時代を、はじめから終わりまでを見はるかすように
野の鳥のように生きた人の思いがどれくらい深いものだったのか・・・。
自分の想像力にも限界があるなあ〜と感じるばかりです。

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*イラストレーションの無断使用及び複製・転載をかたく禁じます

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スキャニングがあまりよくなくてすいません。
もしもお近くにいらっしゃることがありましたら、
ぜひ「ゑり華」さんの店頭で、額絵としてご覧いただけましたらさいわいです。

青山ゑり華(水曜定休)
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石川県金沢市に大元のお店があるえり華さん。
私の好きな牛首紬も、織元2社それぞれ違いのある牛首紬も置いてあります♪

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もしも機会がありましたら、ぜひお手にとって
この紬の良さをじかに見ていただければな〜と思います。
by team-osubachi2 | 2013-09-06 09:02 | 時代もの画 | Comments(4)

*この展示は終了しました
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青山・骨董通りわきにある「青山ゑり華」さんで、
思いつくままに描いたいろんな着物姿の人物画を
今年一年の間、月替わりで展示させていただいています。

今月は夏の句から題材をいただきつつ、
過ぎゆく季節の名残りに、浴衣姿の女性たちを描いてみました。

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祭来る町に こんなに 子供たち
               菅谷たけし

昭和40年代に子供時代を過ごした自分には
ことのほか楽しみだった村のお祭りや盆踊り。

それが社会人になって帰省するころには、
片田舎の祭りはものすごい勢いで規模がちいさくなって、
人も集まらなくなっていきました。

いまでは遠くに住み暮らして、
そういった村のお祭りに行けなくなった身でも
祭りの灯が消えていくのは寂しく残念に思ってしまいます。

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真処女(まおとめ)や すいかを食めば はがねの香
                 津田清子

これは若い頃に知った夏の句で、いまもずっと好きな俳句のひとつです。
俳句をよむことのない私には、
この句をどう解釈するのが正しいのかはわかりませんが、
研ぎ立ての菜切り包丁でパンッと切り割りしたすいかを口にしたとたん
あの鉄の香りがほんのり鼻にきたようなシーンが浮かんでしまいます。

研ぎ立ての包丁の刃の切れ味とはがねの香り・・・
まだ人生こなれていない若い女子(真処女/まおとめ)の感性と
重なるところがあるように感じるのでした。


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夕顔や 女子の肌の 見ゆる時
              加賀千代女

この句は、もしかしたら一人の女性がたそがれ時に縁側に佇み、
浴衣の衿をゆるめて団扇で風を入れている情景かもしれません。
でも、私の頭に浮かんだのは、盥で行水をつかったあとに
こざっぱりとした浴衣に袖を通しているところでした。

夏、着物を着る醍醐味のひとつは、昼間着ていた着物(浴衣も)を脱ぎ捨て、
シャワーで汗を流す瞬間だと思っています。
何ものにも代え難いほどの解放感があります。

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by team-osubachi2 | 2013-08-04 18:58 | 時代もの画 | Comments(12)

*この展示は終了しました
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青山・骨董通りわきにある「青山ゑり華」さんで、
思いつくままに描いたいろんな着物姿の人物画を
今年一年の間、月替わりで展示させていただいています。

だいたい月のあたまには更新していたのが、今日はもう7月10日。
あたふたあたふた、更新がすっかり遅くなってしまいました。

今月は「おはなし」を三つ、題材に選んで描いてみましたが、
いざ取りかかってみると、物語の絵を一枚にするのって
こんなに難しいことだったのか?!・・・と四苦八苦。
下図で悩んでみたり、描き直してみたり、まだまだ消化不良もいいところですが、
ともかくいったん仕上げてみました。

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まずは、『鉢かづき』というおはなし。
鎌倉・室町時代から編纂された『お伽草子』の中にある物語のひとつ。

亡き母によって被された鉢がなぜか取れなくなってしまったある娘が
最後にしあわせをつかむまでをたどるサクセス(?)ストーリー。
無事、ハッピーエンドに終わるのですが、
被っていた鉢から宝物がいっぱい出てきます。んな阿呆な・・・(笑)

いえいえ、こういう類いのおはなしは和洋問わずありますが
宝物がどうやって登場するのかが不思議で、
子供時代に何度も何度も想像して遊んだものでした。

鉢かづき
http://ja.wikipedia.org/wiki/鉢かづき

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先月、無事ダイビングのライセンスを取得しましたが、
昨年の夏、はじめて体験ダイビングをした越前の海に潜って以来、
乙姫さまの居るところってこういうところかも、
海の中には別の世界があるのだなあ〜・・・という思いがありました。
(テレビや映画で見るのとはまるで異なる、リアルな海の中の世界です)

乙姫さまを描いてみたかったので、トライしてみました。
まだまだ納得がいかないのですが、
もっと上手に潜れるようになって、いつかまた再挑戦してみたいと思っています。

浦島太郎
http://ja.wikipedia.org/wiki/浦島太郎

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アニメーション『風の谷のナウシカ』の作者・宮崎駿さんは
この『虫めづる姫君』に着想を得たらしい・・・?!
ということで、つとに知られるようになった平安時代後期のおはなしです。

侍女らはもちろん、両親や家の者にも呆れられつつも
虫が大好きで愛でて観察するお姫さまのおはなし。

今読み返してみますと
「さはありとも、音聞きあやしや。人は、みめをかしきことをこそ好むなれ」
「苦しからず。よろづのことどもをたづねて、末を見ればこそ、事はゆゑあれ」
など、ナルホドなあ〜と思ったりします。
(そういう私も、いま、アゲハチョウの幼虫が蛹になる様子を
毎日観察して愉しんでいますので ♪)

まあ、まだまだ世間知らずなところもあるお姫さまですが、
虫一匹(男子)寄りつかない、いえ、寄せつけないような
堅物女学者みたいになっちゃうよりは、
恋のひとつふたつ経験するくらいの虫好き女子になるといいなあ〜。
・・・などと、ありもしないおはなしの先をつい想ってしまいます。

虫めづる姫君
http://www1.plala.or.jp/yossie/words/020501.htm

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青山ゑり華(水曜定休)
http://www.erihana.co.jp
by team-osubachi2 | 2013-07-10 09:44 | 時代もの画 | Comments(6)

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青山・骨董通りわきにある「青山ゑり華」さんで、
思いつくままに描いたいろんな着物姿の人物画を
今年一年の間、月替わりで展示させていただいています。

今月は、物語やお話の“女主人公”をテーマにしてみました。

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20年ほど前、幸田文さんの『きもの』が出版されました。
すでに着物の世界にハマっていましたから、
紅い絹布張りの単行本を、それこそ夢中になって読んだものでした。

当時の東京下町の人びとの暮らしの中の着物の描写が興味深く、
着るものがこうも人の性分と深くつながるものかと思ったことと、
主人公るつ子のおばあさんの、るつ子への仕込み方がすこぶる良くて、
本を読みながら、このおばあさんの情も道理もある知恵に教えられることが
私自身とても多かったのでした。
今もときどき読みたくなる小説のひとつです。

お話の中で、女学校にあがったるつ子が
新しく木綿絣の単衣を誂えてもらう場面があります。
市松の紺絣にところどころ赤を配色してある着物・・・。
いったいどんな着物かしら?と、想像しながら描くのは愉しいです。


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「好きな女優は?」と訊かれたら、筆頭にあげるのが杉村春子さん。
もっぱら昔の映画でばかり観ていて、残念ながら舞台のほうは
最晩年の二舞台しか観ずに終わってしまったのですが(もったいないコトした〜)、
有吉佐和子さんが杉村さんのために書いたという舞台
『ふるあめりかに袖はぬらさじ』は以前テレビで見ました。

吉原から横浜の遊郭へ流れてきた主人公お園。
情もあって茶目っ気もあって、
御酒が過ぎてつい調子に乗り過ぎてしまうところもあって・・・。
舞台の最後の幕は、七月の雨の日。
それで今月のネタに描いてみたくなりました。

今年の年明けに、坂東玉三郎さんが演じていらっしゃるお園も
テレビで見ましたが(キャラとして美しすぎて・・・)、
私はやっぱり杉村さんの方が好ましく思ってしまいます。
それにしても、有吉佐和子さんはスゴイ!今もそう思う作家さんです。


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六月のテーマに何を描こうかなあ〜と思っていたら、
紫陽花の花から「オタクサ」を思い出したので、
シーボルトの日本人妻だったお滝さんのことを知りたくなりました。

吉村昭さんの『ふぉん・しいほるとの娘』は
最近買ったばかりでまだ読んでいないのですが、ざっと調べてみただけでも、
お滝さんの娘のお稲さんもまた、時代や世間や身の上の縛りがからんで
波瀾万丈な人生だったようです。

彼女らの実像は、私などには知るよしもありませんが、
彼女らが何を想い、どんな暮らしぶりだったのか興味が湧きます。
読書の方はこれからですが、吉村さんの視点で
これからゆっくりと追ってみたいと思います。


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青山ゑり華
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by team-osubachi2 | 2013-06-07 13:04 | 時代もの画 | Comments(10)

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青山・骨董通りわきにある「青山ゑり華」さんで、
思いつくままに描いたいろんな着物姿の人物画を
今年一年の間、月替わりで展示させていただいています。

さて、絵の勉強のひとつに「模写」という方法があります。
好きな画家や題材の絵を模写して絵のことを学び覚えるやり方ですね。
これまでちゃんと模写の勉強をしてこなかった私ですが、
たまにはいいかも・・・と、今回は模写の真似事をやってみました。
そのまんま模写して学ぶというよりは、
自分なりに模写しながら遊ぶ「模写ごっこ」です。

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先日、浜松の茶畑で地割れから崖崩れを起こして
地域住民に避難勧告が出た場所でも、
様子を見ながら茶摘みがはじまったという報道がありました。
いまどきはもう新茶の茶摘みの季節なのですね。

江戸時代の着物に、その茶摘みの様子が描かれた振袖があるようでして、
その文様の絵を模写してみました。


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お日さまの下の茶摘みは煎茶、よしずの下の茶摘みは玉露だそうですから
これはだからきっと高級な玉露の茶摘み・・・かもしれませんね。
立派な五つ紋の入った振袖、生地は苧麻の平織りのように見えるのですが、
本物を見たことがないので詳しくはわかりません。
いずれにしても富裕な家の女子のお振袖には違いないですよね。
現代だったら夏の訪問着なんかに描かれてもよさそうな模様に思いました。

f0229926_0435954.jpg「茶摘み風景文様振袖」
国立博物館所蔵



日本列島は南北に長いので、ひと口に何月は是々とは言えないのですが
五月は田植えの季節といえるのではないでしょうか。
まだ幼かったころ、この大型連休かその後くらいに
富山の母方の実家では田植えをしていました。
まだ田植機を導入する以前の田植えは、水を張った田んぼに
木枠で方眼の目安をつけておいて、目の交差しているところに苗を植えていました。
ご近所や親戚一同総出でする田植えの日は
早朝から賑やかなお祭りのような雰囲気がありました。
(って、それは今もですかね?)


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室町時代に描かれた「月次風俗図」という絵を見ると、
(秀吉による太閤検地以前の)まだおおらかな田植えの風景が描かれていて
田植えというのは、現代よりもはるかに
「祝祭」の意味が大きかったんだなあ〜と想像されるのでした。

平安時代ころに発生した田楽って、こういう日のために起こったんだな、と
あらためてそんなことも気づかされる絵です。
それから、早乙女の笠の下、みんな白布をさげているのは
日焼けを防ぐため?な〜んて、つい下世話を想像してしまいます。

f0229926_0453959.jpg「月次風俗図」
(室町時代)
国立博物館所蔵



浮世絵はついつい着物の文様や着こなしに目がいってしまいます。
隅々まで見ていると、江戸の人たちの暮らしぶりもが見てとれて
いろんな発見があって面白いですよね。

むかしの人は、何月ごろから薄い木綿の単衣(浴衣など)に
袖を通すようになったのかな?と思います。
いまどきの五月の祭礼は、浴衣だけではまだ肌寒い日もありますが
旧暦でならもう素袷では暑いくらいでしょうから、
その頃までには浴衣などの心積もりをしていたのかな?と想像します。

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手元の資料にある一松斎芳宗(歌川芳宗)の仕立物をする娘の絵。
いかにも江戸好みな縞の着物に黒繻子の帯をしめて、
縫っているのは藍の絞りの薄木綿でしょうか?
タイトルから想像するに、自分の着るものではないかもしれませんね。
お針子として一人立ちした女子かな?・・・なんて、
フリーランスという自分と同じ立場を想像してしまうのでした。

f0229926_048356.jpg「栄草当世娘仕立て」
一松斎芳宗画

人さまに見ていただくにはいかにも消化不良な絵かもしれませんが、
ふと思いついてやってみた「模写ごっこ」。
たまにはこんな遊びも楽しいものですね ♪

*イラストレーションの無断使用及び複製・転載をかたく禁じます

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もしもお近くにいらっしゃることがありましたら、
ぜひ「ゑり華」さんの店頭で、額絵としてご覧いただけましたらさいわいです。

青山ゑり華
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by team-osubachi2 | 2013-05-02 14:02 | 時代もの画 | Comments(4)

*この展示は終了しました
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今年から、青山・骨董通りわきにある「青山ゑり華」さんで、
思いつくままに描いたいろんな着物姿の人物画を
月替わりで展示させていただいています。

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毎年四月になると、京都祇園甲部歌舞練場で
朔日から末まで一ヶ月間催される『都をどり』。今年もすでに始まっていますね。

「み〜や〜こ〜を〜ど〜り〜はァ・・・ヨ〜イヤサァ〜〜〜」
幕開け、あのおなじみの節まわしが響くと
両脇から揃いの衣装に身を包んだ芸妓らが登場するところは
何回観てもワクワクします♪

若いころ、祇園甲部だけでなく、他の花街の踊りも観てまわりました。
芸妓らの踊りはもとより、花街それぞれにある歌舞練場の古い建物そのものが
なかなかに味わい深くて、それを見てまわるのも好きでしたし、
またお茶席でいただくお饅頭がのっかったお皿をいただいて帰るのも
楽しみのひとつでした。

もう何年も観てはいませんが、こう書いていると、またひさしぶりに
観に行きたいなあ〜とウズウズしてきます。


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今年の首都圏の桜は勇み足で、もうすっかり終わってしまいましたが、
これから咲くのは、以前であれば五月ごろという印象があった藤の花。

学生のころ、調布界わいにあるちいさなお寺を通りかかったとき、
その境内にあった見事な藤棚に吸い寄せられ、
棚の下に立ったときの感動が今も忘れられません。
誰もいないフサフサとした藤の花の下は、紫色の光のかけらがこぼれ落ちてきて
ほんのり甘い香りがして・・・夢のようなひとときでした。

「瓶にさす 藤の花ぶさみじかければ たたみの上に とどかざりけり」
                            正岡子規


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江戸城築城の基礎となった太田道灌の名前を知ったのは、
もちろん東京に出てきてからのことでしたが、
その太田道灌についてまわる山吹の花の伝説を知ったのは
もうちょっと後になってからでした。

徳川以前の古い江戸や武蔵野のあたりの草深い様子は
さすがに想像のほかですが、この伝説が人びとに親しまれてきたのには
きっと素直にわかりやすい優しみと、ほんのりした哀しみとが
感じられるからかもしれないと思っています。

「七重八重 花は咲けども山吹の みのひとつだに なきぞかなしき」
                        中務卿兼明親王


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春の万葉歌を探していたら、こんな恋歌に出会いました。

「風吹けば 峰にわかるる 白雲の 絶えてつれなき 君が心か」
                         壬生忠岑

九世紀もおしまいの人だったらしい壬生忠岑(みぶのただみね)。
万葉の時代も、現代も、相手からの連絡がぷっつり途絶えると深く落ち込んで
ああだろうか、こうだろうかと思い悩むのはまったく同じ。
どんなに文明が進もうとも、太古から現代まで
人間の悩みは何も変わっていない・・・と、何かで読んだことを思い出しました。
そんなものかもしれないなあと思います。


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*イラストレーションの無断使用及び複製・転載をかたく禁じます

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スキャニングがあまりよくなくてすいません。
もしもお近くにいらっしゃることがありましたら、
ぜひ「ゑり華」さんの店頭で、額絵としてご覧いただけましたらさいわいです。

青山ゑり華
http://www.erihana.co.jp
by team-osubachi2 | 2013-04-05 14:19 | 時代もの画 | Comments(6)

*この展示は終了しました
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今年から、青山・骨董通りわきにある「青山ゑり華」さんで、
思いつくままに描いたいろんな着物姿の人物画を
月替わりで展示させていただいています。

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今月は弥生(なんだかいかにも春めく響きですよね)。
上巳の節句に欠かせないのはやっぱりお雛さま。
いくつか頭に浮かんだ中で、手が最後まで動いたのは流し雛の情景でした。

「ゆび先も ほっぺも赤く 流し雛   紅春」

・・・お粗末。若いころ、元いた会社の同僚の人たちや
そのお仲間らの句会によく参加していました。
(句さえ読まなければ愉しい飲み会・・・といった句会でしたが)
「紅春」はそのころにつけた自分の俳号です。


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何年も前になりますが、某女性誌で
美輪明宏さんがレギュラーで若い女子たちの悩み相談にのるページがありました。
いつもはイラストなど使わないそのページに、その年の春にだけ、
唱歌『朧月夜』の歌詞について日本の美しい景色や心模様について
美輪さんのお話が綴られることになり、
私が挿絵を担当させていただいたことがありました。

なぜかちょっと前からこの『朧月夜』の唄が何度も浮かんでくるので
今回また一枚描いてみました。
春の夕暮れの空の色や、遠く汽車が通りすぎてゆく音が
遠くからもったりと聞こえてくるのが好きでした。



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江戸初期から中期にかけての風俗画を見るのが好きで、
また、その当時の小袖の意匠も大好きなので、
そんな展覧会があるとよく観に出かけます。
たとえば京の都なんかには、こんな男とも女ともつかないような洒落者や傾き者が
うろうろしていたのかなあ〜と想像しながら、
こんな小袖の模様が好き、あんな小袖を着てみたい、とか
自分だったらどんな小袖を着せようか、
いつか機会があったら描いてみたいと思っていたら、この芭蕉の句に出会いました。

「艶なる奴 今様花に 弄斎す   芭蕉」

弄斎(ろうさい)節とは、ある時期に流行った歌謡のひとつらしいです。
実際芭蕉が見た「艶なる奴(やっこ)」はこの絵よりも
もう少し後の時代かもしれませんね。
はたしてどんな色男が謳っていたのやら・・・。
(こちらは男性になってしまったので、和服女性の番外編というコトで)



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*イラストレーションの無断使用及び複製・転載をかたく禁じます

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スキャニングがあまりよくなくてすいません。
もしもお近くにいらっしゃることがありましたら、
ぜひ「ゑり華」さんの店頭で、額絵としてご覧いただけましたらさいわいです。

青山ゑり華
http://www.erihana.co.jp
by team-osubachi2 | 2013-03-02 08:19 | 時代もの画 | Comments(6)