カテゴリ:生きものの世界( 107 )

アタシはサチ、17才

アタシ、サチ。アタシの年って、たしか17だったと思うのよ。
人間でいうと、80代半ばぐらいらしいんだけど、どうかしら?
自分でもこんなに長生きするなんて思ってもみなかったわ。

思えば、生まれてちょっとして、富山の片田舎にあるスーパーの駐車場の片隅で
箱に入れられて里親探しをしてたのよね。
4匹兄弟のうち、2匹がすぐに決まって
アタシと真っ白い兄弟の2匹が残ってたんだけど、
「このみっともない子が残っちゃいそうだから、この子にしよう」って
この岡田の家のおやじさんとおふくろさんに貰われてきて、
それからあっという間に17年たっちゃったってワケ。

これまでの恩義も感じてるし、アタシなりにこの家を守ったり
家族みんなのこともけっこう心配してきたつもり。

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岡田の家のワンコはアタシで4匹目なんだけど、
初めてのメスだったんだって。
で、避妊しちゃってから、なんだかすっかり太っちゃってもう大変よ。
いつだったかここん家の長女のトモちゃんに
「デブねえ、アンタ、ほんとデブだわよ」って言われて、
思わず「デブ、デブって言わなくったっていいじゃないのよ〜!
好きでこんなになったんじゃないんだから!」って
はっきり抗議したこともあったっけ。
それ以来、誰もアタシのことデブって言わなくなったけど・・・。

このごろは白内障がすすんで夜目がきかなくなっちゃったし、
散歩に行くのでも、カラダがすっかり重くなっちゃって、
細い足が思うように動かないんだけど、トイレだけは、やっぱりね。
アタシにも犬のプライドってものがあるから。

岡田のおやじさんもおふくろさんもだいぶガタがきてて、
この家にいる次男のヒデちゃんが、いろいろと
アタシの面倒みてくれるようになったからちょっと嬉しいのよね。
ま、体調が今イチの日もあるけど、食欲だけはあんの、アタシ。
(ドッグフードよけて、混ぜてあるお肉とかだけ食べるんじゃないわよ!)
あとはウットリと寝るだけの毎日よ。
ま、これはこれで楽しい犬人生だったと思うわ。

え?なに、トモちゃん、もう帰るの?
あ、そう、じゃあまたね。

・・・って、見送りもなく素っ気なかったけど、来年、また顔見れるかな?
どうか元気にしていてほしい実家のチョー老婆犬のおはなし。
by team-osubachi2 | 2010-11-19 00:02 | 生きものの世界 | Comments(2)

トックリバチの陶芸

生きものの世界は本当に驚異的だと思う。
去年の暮れ、新宿副都心のあたりから、横浜のはずれにある丘の上に越してきて、
日々、身近なところでさまざまな小さき生きものを見られるようになった。

ハチの一種で、トックリバチというのがいる。
彼らは集団化はせずに、一匹ずつそれぞれに巣を作るのだが
草の茎や壁面に、唾液と土をこねたもので
それはそれは見事な「徳利」型の巣を作るんである。
(テレビで見たのだけど、これをそっと外して釜で焼いてみた人がいて、
焼き上げてみたら、ちゃんと立派な素焼き徳利が出来ていた!)

その徳利の内部に卵を一つ二つほど生みつけ、卵が孵ったあとの食料として
蛾の幼虫を狩って仮死状態にしたものをその徳利にたっぷりと仕込んでおく。
むかしテレビでこういうハチがいることを知って以来、
いつの日か見てみた〜い!とずっと願っていた。

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まだ残暑が残っていた9月下旬のことだ。
洗濯ものを干していたら、目のはしに何かが映ったので
ハッ!として見てみたら、なんと物干し棹のホルダーに、
なんと私が夢見ていたトックリバチが、
知らない間にこしらえた半徳利の巣にとまっているではないか?!
きゃ〜!嬉し〜っ!!

見事な徳利の口に開いた穴の口径は約1.5ミリ。
よく見ると、徳利の中に生みつけた卵のために、麻痺状態にした芋虫を、
親バチは鋏状のおおきなアゴを使い、全身をふるわせながら、
ちょっとづつ押し込んでいく・・・。
私が見ていた1時間ほどの間に、親バチは3度幼虫を運び入れた。

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この後、不注意にも私は穴の寸法を計ろうとして
徳利の縁をわずかに欠いてしまったのだが、
その直後、今度は泥団子を抱えてきた親バチは、
なんと欠けた縁をいったんキレイに溶かし、それを再利用して穴をふさいでいった。

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親バチは、この場所がどうも度々揺れるところ・・・とでも思ったのか、
それからセッセと二日間にわたり、半徳利と物干し棹ホルダーとを
強固に泥で固めて、見た目は唯の土塊にして仕上げたのだった。
(最終的にはホルダーと同じ銀色に仕上げた!!)

しばらく様子を見てみたけれど、10月中に孵る様子はなかった。
どうやら卵はこのまま越冬するみたいだ。
年が明けて、あたたかくなった頃になれば、
この土塊から新しい成虫のトックリバチが巣立つだろう。
その場に立ち会いたいものだと願っている。
by team-osubachi2 | 2010-11-03 22:07 | 生きものの世界 | Comments(2)

熊田千佳慕さんの目線

つい数日前までセミたちの合唱はもの凄くやかましかったのに、
このごろは一時より少し静かになったような・・・。
やや出遅れたセミたちが、いま懸命にお相手探しをしているようだ。

子供のころ、夢中になって読んだ絵本があった。
毛並みがつやつやしたライオンやキツネといった動物たちが、
表情ゆたかに物語の中で動いていて、飽きもせず、
くり返しくり返し読んだものだった。

その絵を熊田千佳慕(くまだ ちかぼ)さんという人が描いたものだと知ったのは、
いまから12年ほど前のことだ。
それから千佳慕さんの展覧会を見に行くようになったのだが、
大好きだった絵本の原画をはじめて見たときの嬉しさは、
何にたとえたらいいのかわからないくらいだ。

先週も、横浜高島屋で開かれていた展覧会へ見に行ってきたが、
細密な点描で描かれた絵は、退色を感じないほどに色鮮やかで、
綺麗に保存されてきた数々の作品は、
とても何十年も前のものとは思えない。

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千佳慕さんの目線はとても低い。
毎日の日課で、地面や道路に腹這いになって虫や花を観察するために、
時には“行き倒れの老人”と間違われたことも度々あったというくらいだ。
その目線で描かれた虫たちや花は、紙の上でイキイキと生きている。

いまは地球規模で、環境や生物のことがさかんに語られ、
かしましく伝えられるようになったけれど、
自分のすぐ足元にある自然に目をむける人は、案外少ないかもしれない。
千佳慕さんの絵は、自分のまわりのちいさな生きものの姿にも、
宇宙とつながる大自然を感じることが出来るということを
教えてくれているような気がする。

行き倒れどころか、千佳慕さんはかぞえ99の歳まで長命を保ち
去年8月、銀座での展覧会の会期中に亡くなられた。
映像で見ると、お元気だったころ、展覧会に来る子供たちに
ていねいに、嬉しそうに虫の話をなさっている。
清潔感のある、横浜生まれのお洒落な紳士の姿だった。
by team-osubachi2 | 2010-08-19 08:38 | 生きものの世界 | Comments(2)

元気なカブトムシ

先日、相方の友人Yさん宅を訪問したさい、
こちらも相方の友人で無農薬の畑をやっているDさんが、
ご自分の畑で獲ってきたカブトムシ7匹を、
虫ケースにおがくずやら餌やらをセットして、
Yさん宅の子供たちにプレゼントしていた。

私は子供のころ、クワガタムシなどは獲った経験はあったけれど
残念ながらカブトムシは獲ったことがなかった。
よそのお宅のカブトムシだけど
いっぱい見せてもらい、触らせてもらった。

オスは、大体はそれぞれのんびりしているのだが、
突然ケースの中でガタガタと一斉に動き出したりもする。
ずっとおがくずの中にいたメスは、時間を計ったかのように、
宵の口にモソモソと出てきて活動をはじめた。
へえ〜、へえ〜、面白いなあ〜!

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オスの角を指先で刺激すると、グイッと押し返してくる。
手のひらに乗せると、指の間にグッと頭を押しつけてくる。
肌で感じる生きものの感触に、すっかり忘れてしまっていた子供心が
ゾクゾクと呼び覚まされるカンジがした。

何十年ぶりに接したせいか、見ていてあきなかった。
けれども、飼いたいかと問われれば、答えは No である。
自然に育まれた虫は、やっぱり自然のまんま、
野にあるまんまが一番いい。
by team-osubachi2 | 2010-08-16 00:56 | 生きものの世界 | Comments(0)

セミの一生

明日は立秋。「暦の上では秋です」と云われても、
この暑さじゃあね。秋はまだまだ遠いなあ・・・。

駅向こうのスーパーへ汗だくになって買い物に行った帰りみち、
目の前でポロリ・・・とセミが一匹、電柱から落ちてひっくりかえった。
足をピクピクと縮こませて、もう虫の息だった。
そうか、セミはこんな風に死んでゆくのか・・・。

どんなに科学が発達しても、
人間はこういう虫一匹生き返らせることは出来ないんだなあ〜。
そんなコトを考えながら歩いていると、さらにまた一匹
道路の上でお腹を見せてピクついていた。

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前に、相方が面白いことを言っていた。
セミの幼虫は土の中の時間が圧倒的に長い。
「だからきっと、土の中では楽しいんだと思う」と・・・。

人は、つい、羽化して成虫になってからの
恋と生殖の刹那的な時間ばかりに目がいきがちだけど、
きっとセミはセミなりに、充分に生ききったんだ。
命をまっとうする。
虫といえども、尊いことだと思った。
by team-osubachi2 | 2010-08-06 01:08 | 生きものの世界 | Comments(0)

まるでエイリアン!!

昼前、駅向こうのスーパーへ汗だくになって行ってきた。
その帰りみち、いつも通っている公園の脇で
ものスゴイ異様なカタチの幼虫を発見してしまった!!
そのあまりに衝撃的な姿に、思わず
ギャ〜ッ!!と胸の内で叫びつつも、つい
持っていたiPhoneで写真を撮ってしまった。

極力そばまでレンズを近づけていくと、気配を察したようで
奇妙なくらいに長い脚を、いまにも襲ってきそうなくらい諸手にひろげ、
おおきく海老反りして構えるんである。
ヒ〜ッ!コワ〜〜ッ!
写真を撮り終えたとたん、汗がドド〜ッ!と吹き出してきた。

でも・・・きっと本当は幼虫の方もこちらが怖くて
威嚇するつもりでそんなポーズをとったんだろうな。
(撮った写真はここでは披露しないでおきます)
帰宅して速攻でネットで探してみたら、エイリアンの正体はすぐにわかった。
「シャチホコガ」という蛾の幼虫だった。
なるほど、あの海老反りはシャチホコに似てるというワケか。

横浜のはずれでさえ、こんな虫が生きているなんて
なんて素晴らしいコトだろう!素敵っ!
・・・でも、こんな天然エイリアンとのつきあいは、
ほどほどの距離で観察するだけにしておこう。
マジで怖かった。ブルッ・・・。

(*虫がダメな方は見ないでください)
シャチホコガ
http://www.google.com/images?client=safari&rls=en&q=シャチホコガ&oe=UTF-8&um=1&ie=UTF-8&source=univ&ei=dA5FTJuWJ42KvQPMrPnGDA&sa=X&oi=image_result_group&ct=title&resnum=1&ved=0CCAQsAQwAA
キモカッコイイ!?怪虫シャッチー
http://blogs.yahoo.co.jp/ho4ta214/8768207.html
by team-osubachi2 | 2010-07-20 12:20 | 生きものの世界 | Comments(0)

花ざんげ

すみません。
ゴミ捨て場の横丁に咲いていたネジバナが、あんまり愛らしいので
つい数本ばかし、引っこ抜いてきてしまいました。
はじめはその花つきもまっすぐだったのが、
可憐なピンク色の花が開いてゆくごとに、
ねじれながら伸びていくということを初めて知りました。

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すみません。
公園に咲いていたムラサキツユクサがあんまり綺麗なので
つい一本だけ、引っこ抜いてきてしまいました。
鮮やかな紫色の花がちゃんと咲いてくれましたが
花の真ん中がこんなにキレイだということを初めて知りました。

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・・・とまあ、ときどき花どろぼうをしてしまうので
誰に言うともなく、花ざんげ。
by team-osubachi2 | 2010-06-25 16:11 | 生きものの世界 | Comments(2)