カテゴリ:らくがき帖( 54 )

和楽器を奏でる姿かたち

20代に日本の文化に興味を持ちはじめて、
伝統芸能の舞台だけならいっぱい観てきたつもりだけれど、
でも、それを絵に描いてみろと云われれば、
実体験のない身には、しょせん“ 知ってるつもり”の事 でしかなく、
「どんなものかはよくは知りません」と答えるよりほかない。

今時はネットで資料写真を探すのは一見たやすいように思えるけれど、
いざ自分が知りたい部分々々要所々々の写真となると、
実はほとんど無いに等しい。

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そんなこともあってずっと以前から、いつか機会があれば
見たり聞いたりして取材したいと思っているものがいくつもある。
たとえば剣術のための剣道や古武道といったものから、
様々な古典芸能、またそれに伴う和楽器の演奏など・・・。

もっとも、普段はそういう願いも忘れたまま時間に追われる日々なのだが、
ふと今月になって「和楽器を奏でる人を描きたい!」と思いたち、
友人知人らのつてにすがってお稽古場の見学をお願いしたところ、
ありがたいことに、笛、箏、小鼓の師匠お三方が快く引き受けてくださり、
今週あちらこちらへ見学取材させて貰いにうかがった。

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笛も、箏も、そして小鼓も、舞台で演奏されているのを見聴きしてはいても
それぞれ構えや奏でる姿勢、体の向きや楽器の持ち方、手指の位置など
自分がまったく知らなかったところを、普段通りのお稽古をしながら見せて貰い、
好きな位置からスケッチさせていただいた。

生徒さん方にしてみれば、お稽古場に見知らぬ人間がいて
自分が稽古をつけてもらっている姿を
ジーッと見られもしスケッチもされているのだから
はじめは緊張もされていたが、じきご自分の稽古に集中されていた。

スケッチしながら生徒さんたちの奏でる音を聴いていると、
見ると演るとではまるで違うのだろうなあ〜・・・と
頭で想像はしていたけれど、生徒さん方のお稽古のあと、
S先生には笛を、N先生には小鼓を、ほんのさわりだけ体験させていただいた時には
自分も絵のモデルになるのと同じくらい緊張した。

f0229926_18221329.jpg←プロの方の
お稽古姿も
拝見できて嬉し ♪

生まれてはじめて持つ笛や小鼓、へえ、こう持つのか、こう構えるのか。
さあ、それでは・・・と、先生にうながされていざやってみると、
まあこれが、なんて難しいんだ!?
と同時に強い衝動も起きる。なんて面白いんだ!!・・・と。
楽器を奏でるというのは、とても刺激的で、
自然と人の心を弾ませる何か強いものがあるようだ。

さて、今回先生方のご厚意で三つの楽器のお稽古を見せていただき、
教えてもいただいた事を自分の中でどこまで咀嚼できるかは分からない。
今すぐにはうまくアウトプットは出来ないかもしれない。
それでも、自分の引出しの中で、
この経験をこれからも大事に発酵させていきたいものだと思っている。

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S先生、K先生、N先生、このたびは大変お世話になりました。
心から御礼申し上げます。
生徒の皆さん方もモデルにご協力いただき、ありがとうございました。
また、ご紹介の労をとってくださったTさんとNさんにも深く感謝。
本当にどうもありがとうございました。
by team-osubachi2 | 2013-10-26 00:37 | らくがき帖 | Comments(14)

黒猫が教えてくれたこと

台風18号が近づいて、今日明日の太平洋側は大荒れになりそうだ。
大災害にならないよう祈るばかりである。
(お出かけの方は、どうぞくれぐれもお気をつけていらしてください)

一昨日潜ったときには穏やかだった岩海岸も、今日は早朝から荒れ荒れの模様。
ちいさな港にうろついていた野良猫たちは、
今ごろはどこで雨風を除けて過ごしているのかな?

中に一匹、ガリンボに痩せた一匹の黒猫がいた。
こんな痩せてみすぼらしい野良猫を見たのって、いつ以来だろう?
毛には艶がなくて、黒というよりは色あせたまだら焦茶色で
ところどころガビガビに固まってる様子。
あごから首にかけてことにやせ細って、ポッキリ折れてしまいそうな風情。
ほっぺも削げ落ちたちっちゃな顔には、老いてはいるけれど澄んだ金色の目。

陸にあげてある船の脇からヨタヨタと現れて、
車通りに出てごろんとヨコになってみたり、また船の影に隠れてみたり・・・。
飄々とうろつく様を見ていたら、誰に遠慮が要るものか、
いまを自由に生きている・・・というカンジが伝わってきた。
その姿そのものがどこか聖めいていて、ああ、尊いな・・・と、
こちらのハートにくっきりと焼きつくようだった。
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独身時代のある日、今日のような強い雨風の中、
近所の家に飼われていた老いたメスの黒猫が
その家の軒下に止めてあった車の上、
かろうじて雨がかからないところで四肢をキチンとそろえ、
顔をまっすぐにあげて座っていた。

視線の先に何があるのか、嵐の中の空一点を見つめるような姿には
凛としたものがあって、思わずその場に立ち止まって
しばし眺めてしまったことがあった。

その当時の私は、目には見えない暗闇の中で、
ずーっとメビウスの輪の上を歩いているような気持ちでいたせいか、
(後にどうしてそうだったのか判るときがくるのだけれど)
嵐の中に凛と佇む黒猫の姿がとても印象的で、
ああ、どんなにつらくても、どんな嵐の日であっても、
こんな風にまっすぐに顔をあげてしっかり前を見ていくしかないんだな
・・・と、一匹の猫に励まされ、教えてもらったような気がしたのだった。

台風のこの雨と、港で見かけた一匹の聖(ひじり)猫で思い出した記憶の一片。



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by team-osubachi2 | 2013-09-15 10:41 | らくがき帖 | Comments(6)

謹賀新年

                                       
*********** あけましておめでとうございます ************
                                      
         あたらしい年、2013年、平成25年の幕開けです!
        みなさまにとって、今年も愛と希望と勇気あふれる
          よき一年でありますようお祈りしています。
                                     
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           本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

                  岡田知子                 
                                        
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by team-osubachi2 | 2013-01-01 00:01 | らくがき帖 | Comments(8)

平成24年の今年もいろいろなことがありました。
楽しかったこと、苦しかったこと、嬉しかったこと、
情けなかったこと、腹立たしかったこと、
それから、ありがたかったこと、・・・等々。

そんな喜怒哀楽を、大小さまざまなビーズにして
歳月という布に縫い留めて、こう眺めてみれば、
この一年の彩りもなかなかにぎやかで(エラいしんどかったけど)、
これはこれで悪くないなあ〜と思うのでした。

加齢なる現象や少々の不調、筋力の衰えなども
記憶の端々に刻まれるようになりましたが、
おおむね健やかに過ごせた今年も、
振り返ってみれば、ありがたく、しあわせな一年間でした。

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イラストは、だいぶ以前に描いたシクラメンです。
・・・ふと、気がつきました。
シクラメンって、まるでおじぎしているような咲き方をしますね。
では、それに習って私もおじぎしながら今年最後のごあいさつ。

今年も一年間、このブログにおつきあいいただき
どうもありがとうございました。(ぺこり)
皆さまも体調万全に、どうぞよいお年をお迎えください。
来年もまた「丘の上から通信」をよろしくお願いいたします ♪

岡田知子


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by team-osubachi2 | 2012-12-28 06:05 | らくがき帖 | Comments(16)

お寒うございます。
この週末も強い寒波が来ているようですが、あたたかくして
どうぞよいクリスマスをお過ごしください ♪


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というところで、今年も「サンタを追え!」です。
すでに日本は通過しちゃいました〜ん。

*今年のサンタ追跡は終了しました

NORAD TRACKS SANTA
http://www.noradsanta.org/ja/
by team-osubachi2 | 2012-12-23 11:26 | らくがき帖 | Comments(0)

今日は冬至

え〜っ、今日はもう冬至ですか〜?!
すでに風邪はちょいやらかしました。
帳簿は滞ったままです。
大掃除、まだ何もやってません。
年賀状も書いてませ〜ん。
毎年姪っ子に贈るクリスマス菓子の用意も忘れかけてました〜。

・・・ああ、神サマ、
少しばかりのお仕事と雑事と、わずかばかりのお遊びとで、
どうして私はこんなにもオラオラなのでしょう?


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あ〜はいはい、うろたえるでない、あわてるでない、
体は急いても、心まで急くでない・・・と、
神サマからではなく、自分で自分に言い聞かせてみる。

まあ、最終的には、なんとかなるものだから。
(てゆーか、なんとかするっきゃないんだけど)

今日は冬至、ゆず湯の日。
せめてお風呂のひとときくらいは、ぼ〜〜っとお湯に浸かりましょ。
ふはあ〜〜〜・・・。


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by team-osubachi2 | 2012-12-21 00:11 | らくがき帖 | Comments(0)

泪ものの笑い

歌舞伎などの芝居で、おかしな場面で笑うことはあっても
泪がでるほど笑った覚えがないのに、
寄席漫才や落語では、なんでだろう、
それこそ腹がよじれるほど、泪がでるほど笑うことがある。

昨日は我らが(?)小三治師匠の一門会へ出かけた。
ひさしぶりに泪をだしながら笑った。

開口一番はろべえさんの「初天神」、続いて三三師匠の「錦の袈裟」。
ずっと以前、扇遊さんでだったか、この「錦の袈裟」をはじめて聴いたとき、
あの与太におかみさんがいる(所帯を持ってる)というだけで
ビックリしたものだけど、それもよく出来たおかみさんぶりに感動(?)し、
当時まだ独身だった私や友だちは、所帯持ちであるこの与太に
にわかに自分の未来への希望すら覚えた(?)のだった。
以来、好きな話のひとつになった。
三三さんの話も(また違うおかみさんぶりだけど)、
いやあ〜、泪がでました。

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お仲のあとは、出囃子のそのじさんがいい喉を聴かせてくれたところへ
仕舞いに思いがけず小三治さんが高座に並んで座り、
そのじさんの三味線でなんと都々逸をひとつ聴かせてくれたのには驚いた。

とおくはなれて きれるとみせて
たぐりゃまたくる たこのいと ♬

ちなみに、小三治さんは
ピアニストの岡田知子さん(私じゃありません)のもとで
歌を習うほどの歌好きである。

切りはその小三治師匠の「禁酒番屋」で会場中が大笑い。
でてくる泪を手ぬぐいでふきふき話を聴かせてもらい、
ゆうべは布団に入るまで、一晩中い〜い心持ちだった。

肚の底から笑うって、なんだろう、
何かいいものが体中をめぐるカンジがする。


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by team-osubachi2 | 2012-10-29 07:48 | らくがき帖 | Comments(8)

銀座の夕暮れ

秋の陽はつるべ落とし・・・とはよく言ったもので、
暑さに気を取られてうかうかしていたら、
あっという間に日が暮れる季節になった。

独身時代、「東京で好きな場所はどこ?」と訊かれたら
「夕暮れどきの銀座」と答えていた。
富山の田舎から東京に出てきて、はじめて銀座に足を踏み入れたのは、
ようやく複雑な交通網に慣れ始めた5月の夕暮れどきだったと思う。
「これが銀座かあ〜!!」
カルチャーショックというものだろう。
片田舎のちいさな町の銀座と名のつく通りとはまるで違った。
時代はバブル直前で、街中にはネオンがにぎやかに灯り、
高いビルに挟まれた通りの細い空に夕暮れどきのきれいな色が見えた。
お金がないデザイン学生には入れるお店も限られていたけれど、
夢と憧れだけは財布やポケットからはみ出すくらいいっぱいあった。

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でも、懐に入りきらないくらいあった夢と憧れも
そのうち現実に見合うだけのものになり、
いつしか自分で自分を支えることにただ一所懸命だった頃も
暮れなずむ銀座の街中を、ひとり孤独を抱いて歩くのが好きだった。

今ではほかにも好きな場所があるから、
ことさら銀座という街に固執しなくなったけれど、
大自然の中とはまた違い、都会には都会の風景の良さがあると思う。
夕暮れどきの空と街の灯りの色が刻々と変化しながら
どんな人間も建物も溶かしてその色の中に包み込んでゆく・・・。
そんな感じが今でも好きだ。


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by team-osubachi2 | 2012-10-04 12:44 | らくがき帖 | Comments(9)

天敬愛人

ついこの間まで暑い暑いと言っていたのに、
いつの間にか九月も今日でおしまいだ。
先日浅草の神社をふたつみっつ取材してまわったときに
いずれの境内にも「今月のことば」とかなんとかで
こんな言葉が掲示板に掲げられていた。

『天敬愛人』

天ヲ敬ヒ、人ヲ愛ス・・・とでも読めばいいのかな?
どこかの聖書にありそうな言葉だな〜と思ったら
西郷隆盛の言葉だと書いてあった。へえ〜、そうなんだ。

こういう言葉は、私たち庶民はもとより、
国の内外を問わず、政をする人たちにこそ届いて欲しい気がするけどね。

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明日10月1日(月)から6日(土)まで
ギャラリーハウスMAYAの「マヤ2」にてピース・カード展があるので
郵送参加するポストカードにこんな絵を描いてみた。

これ、西郷隆盛の言葉だそうだけど、
絵面はなぜか奈良時代の女の人になっちゃった。


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PEACE CARD 2012 TOKYO 展/ギャラリーハウスMAYA2にて
10/01(Mon)〜06(Sat)

http://www.gallery-h-maya.com/schedule/8519/
by team-osubachi2 | 2012-09-30 00:43 | らくがき帖 | Comments(2)

暑中お見舞い

                             
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 暑中お見舞い申し上げます 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

        八月に入ってまだまだ厳しい暑さが続きますが、
   水分と休息を十分に摂りながら、どうぞ元気に夏をお過ごしください ♬



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by team-osubachi2 | 2012-08-03 09:37 | らくがき帖 | Comments(5)