2017年 11月 07日 ( 1 )

はがき絵を描くー11

民藝好きの人にはよく知られているもので、
江戸時代に始まったという民画に「大津絵」というものがあります。
はじめて見たときはビックリしました。上手いのか下手なのかさっぱりわからない・・・。
でも、おおらかで走る筆の勢いがある絵にはどこか強く目を引くものが感じられて
見てすぐにファンになりました。

もともとは時代背景の中で仏画からはじまった絵も、美人画、武者絵、鳥獣画などがあるようで
中でも人気があるのはやっぱり風刺の効いた鬼の絵でしょうか。
念仏を唱える鬼、行水する鬼、三味線を弾く鬼、落とした太鼓を釣ろうとする鬼、等々。
スター級は傘を背負って奉加帳に鐘叩きを手に念仏を唱える鬼と思われます。
ネットで調べてみましたら、節分にちなんだものもあるようですね。

『福は外』
ーーー我という 心の鬼が募りなば なにとて福の内にいるべきーーー

裃をつけた鬼が豆を蒔きながら大黒さんを追い払おうとする絵はことに風刺が効いています。
オレが、オレがで幸せを願って、かえって大黒さまを追っ払ってしまっているではないか
・・・ということでしょうか。

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焼いたイワシの頭を豆殻と柊の枝に刺して玄関先に提げておくという風習は
どこから発生したものかは知らないのですが、節分のころのはがき絵に
その焼い嗅がしと、巻物から逃げ出す裃をつけた鬼を描いてみましたが、
なんだか虎になり損ねた猫みたいに怖げのない顔になってしまいました。
いやあ〜、大津絵の絵が上手いのか下手なのかわからないですって?
どうしてどうして、真似て描いてみようとしても、線や表情がとても難しく、
すぐには描けない絵だということがよくわかりました。

私は鬼という恐ろしげなものに笑いを持たせ、哀しみや皮肉など風刺を効かせた世界が好きです。
子供のころに大好きだった浜田廣介さんの名作『泣いた赤鬼』の影響かもしれません。
また機会があれば、私なりの鬼を描いてみたいと思います。


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by team-osubachi2 | 2017-11-07 14:03 | 仕事をする