2017年 11月 02日 ( 1 )

はがき絵を描くー9

若いころ京都へちょくちょく見物に出かけた時期がありました。
もちろんお金はろくにありませんから、現地のお友だちにお世話になったり、公共交通機関を利用し、
お寺さんや博物館や庭園などの間をたくさん歩いて見てまわりました。

街中のなんでもない路地小路や、緑ゆたかな山の裾野の家々をぬうように歩くのも楽しく、
そこここに見るものがたくさんありました。
冬、そういう小路を歩いていると、家々の軒先にそれは見事な実をたわわにつけた
南天の木々がたくさんあるのを見て驚いたものでした。

関東ではさほど実っている姿を見ないのに、なぜ京都の南天はこんなたわわに実をつけるのでしょう?
鳥たちはついばむことをしないのでしょうか?土と気候が違うからでしょうか?
いまもその理由がわからずにいます。

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有名な清少納言の『枕草子』。
「冬はつとめて 雪の降りたるはいふべきにもあらず 霜などのいとしろく
またさらでもいと寒きに 火などいそぎおこして 炭もて渡るもいとつきづきし
晝(昼)になりて ぬるくゆるびもてゆけば 炭櫃火桶の火も白き灰がちになりぬるはわるし」

先日平安時代の貴族の暮らしぶりを少し調べてみましたが、なかなかに面白く興味は尽きないものの
あの京都の寒さの中、(夏の涼しさ優先で)寒気抜けぬけの建家の中で
火桶なぞどれほどの温もりを得られたものか、絹の衣を幾重にも纏ったところで、
ジッとして動かずにいたらさぞ寒かったろうなあと想像してしまいます。

冬の季節に使っていただけるよう、そんな『枕草子』の冬の文章に
赤い実りの南天を組みあわせて描いてみました。


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by team-osubachi2 | 2017-11-02 15:13 | 仕事をする