2016年 10月 21日 ( 1 )

母の加賀小紋

昭和のひところ、子供の入学式や卒業式に、世のお母さんたちは
色無地や小紋の着物に黒羽織を羽織って付き添った時代があった。
うちのおふくろさまが袖を通したのは薄紫色の加賀小紋だった。
(江戸小紋と似てるけど、ちょっと違うんだ)
ある意味、彼女にとって一番誂えた甲斐があった着物だったのではないだろうか。

この夏そのおふくろさまの三回忌を終え、洋服箪笥の中をすべて処分したけれど
それより先に片付けた着物箪笥から丘の上に持ち帰った中で、
唯一どうしたものかと考えあぐねていた加賀小紋である。

着物や羽織として着るには致命的なシミや寸法違い。
それ以上に思うのは「私の顔に似合う色じゃない」ということ。
直しても着ないままでは意味がないし余分な保管場所もない。
また、得意の二部式襦袢にしようにも、いまお襦袢は充分すぎるほどある。

はて、どうしたもんかなあ〜?・・・とかんがえあぐねていたら、
ふと「帯揚げにしたらどうかしら?」と思いついた。
いま持っているのは飛び絞りか無地の帯揚げばかりで、
たまにはこういう小紋柄の帯揚げもいいんじゃない?
それに、着物では着ない色でも、半襟でなら使えるかも。
年齢だし、こんな色半襟も若いころよりは似合うようになるかもしれないし・・・。
そんなわけで、解いて帯揚げなどの小物として使うことにした。

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捨て魔の常で、物にはとくに執着しない方だ。
物とつきあった経験と思い出が自分の中に在ればそれで充分なのである。

さあ、これで両親の箪笥の中身の整理はすべて完了!
草葉の陰でおふくろさまもせいせいしていることだろう(?)。

by team-osubachi2 | 2016-10-21 13:15 | 着物のこと | Comments(4)