2016年 09月 06日 ( 1 )

この夏身罷られた師匠・灘本唯人先生の最後の作品集
『にんげんもよう』が先日手元に届いた。

子供のころ、知らず知らずに、さまざまな広告やオトナの雑誌などで目にしたイラストが
やがて灘本唯人さんというイラストレーターさんの描いたものと知り、
そして、後のある日、そのお人に出会った喜びと緊張感。

仕事上小器用に筆を走らせ、でも、その実
お人形のような人物しか描けずに尻込みしていた私は
縁あって最晩年の私塾に参加させていただき、
灘本先生から“人間”を描くご指導をいただいたのだけれど、
不肖の生徒はいつまでたっても中味の薄い“人型”を描くばかり。

「岡田さんは描けるんだけど、(絵に)岡田さんの“匂い”がない。
誰が見ても、あ、これは岡田さんの絵だなと伝わる匂い。・・・でも、匂いって難しい」


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ページを開くと、先生の懐かしい声が聞こえてきそうだ。
塾のあと、毎度ビールとつまみでお茶をしながら
問わず語りに聞いた先生の思い出話の数々も、
このご本をみれば、お若いころの写真とともに蘇る。

作品を管理するSTUDIO NADAのスタッフさんが、Twitterで
「ある方は、“最後に先生から自身を題材にした
教科書をいただいたような気持ちになった”と仰っていました。
灘本先生からのメッセージが、この作品集を通してお伝え出来れば幸いです」
・・・とコメントをくださった。
まあ!なんと上手い感想を仰る人がいらっしゃるのだろう!?

私が家で描いて塾へ持参した絵にサッと手をかざして
「(人物のバックの)これ、要らないでしょ。余白恐怖症」という声が頭をかすめる。
あ、あいたたたたた・・・(^ ^;;
不肖の生徒は、これからも迷い道の途中途中でこの本を開いてみようと思います。
先生、最後までどうもありがとうございました。


灘本唯人『にんげんもよう』/玄光社MOOK

by team-osubachi2 | 2016-09-06 16:59 | 買う | Comments(4)