『ミャオ族の刺繍と暮らし展』へ

ドキュメンタリー好きのせいもあって、若いころにテレビ番組で見た
アジア各地の少数民族にキモチが動かされた。

ある番組では怒江という河の流域に住まう人々の暮らしぶりだったり、
またある番組では広西チワン自治区やシャングリラ地方の
村々の生活の様子などを見るのが私にはとても面白かった。

いつだったか、雲南省だか貴州省だか、農耕するある部族で、
女子は子供のうちから黒髪を長く伸ばし(日本髪とは違うカタチに)結う部族がいるのを知った。

少女たちた母親たち、さらにはお祖母さんらも農耕や家事の合間に
民俗衣装のための刺繍布を手芸する。
そうして出来上がったハレがましい衣装を身に纏い
年に一度の大きな祭りのときなど歌垣に集い、若い男女が出会い結ばれる。

いまの世の中にもこういう人たちがいるのかあ〜!すごいなあ!見てみたいなあ!

・・・でもその当時自分が旅したのはムスリム文化圏。
その旅のあとでアジアの少数民族を見てまわろうと思ってみても、なかなか予算と時期はあわず、
そのうち四十代も半ばでついに独身時代もおしまいにすることになってバタバタしつつ今にいたる。

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そんなワケで少数民族的地域への旅は叶わぬままだけど、
こういう衣装展は、でも、見に行けるわ〜♪しかも無料!行かない手はないじゃない?
で、なんとか間に合った『ミャオ族の刺繍と暮らし』展@キャロットタワー。

もうのっけからシビレるような素敵な服が展示されてた。

ま〜!素敵!これ着てみたい!!

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身頃の藍地の染め布にも惚れ惚れしたけど、
別布で付けられたお袖も震えがくるくらい素敵で、
この日はローガン鏡ではなく持参した20倍のルーペでさっそく覗いてみると・・・

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ひゃあ〜〜!わずか4センチ四方くらいの大きさの布に
びっしりと刺された刺繍の細かさに息を飲んじゃった・・・!

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もう出だしからそんなで、あとはもう何を見ても嘆息しては息を吸い、
ルーペで覗いてはグッ!っと息をとめて見入るばかり。

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刺繍ってやったことがないのだけど、ミシンの縫い目よりも短く刺してある細い色糸も
ルーペで見ると、ぜーんぜんよじれてないからどんなに小さい箇所でも糸目の光沢がそろってる。
きっと針を持つ手がちゃんとまっすぐに刺して、まっすぐに抜いて・・・
延々それのくり返しなんだろうなあ〜、なんて思ってみたり。
出来上がったときの喜びっていかばかり。

このスカートのひだもすごかった〜!

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部族によって模様や技法にそれぞれ特徴があって、どれが好きかは訊かれても困〜る。

あ、でも、着てみたいってゆーのだったらハッキリしてる。
これも着てみたい!って思った一枚。

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パーツ、パーツによってユニークな模様を見つけると、お?!って目が喜ぶ。

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刺繍だけでなく、臈纈などの染めの模様もユニークで面白かったなあ〜♪
それぞれに独特で力強いの。

いったいどんな風にしてこれだけの衣装を集められたのかなあって思う。

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これらを所蔵なさってる常滑の苗族刺繍博物館ってなんてスゴイのかしら。
貴州省へは果たしてこの先も旅に行けるかはわかんないけど、常滑市へなら行けるわ!w
またいつかぜひじっくりと拝見しに行ってみたいな♪
そう思いながら会場をあとにした。

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*この展示は終了しました
クライム・エブリ・マウンテンvol.1「ミャオ族の刺繍と暮らし展」

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備忘録
なんといっても布のことならこの方、“布茶”さんのこの展示の日記を貼っておこうと思います。

Blog「布とお茶をめぐる旅」
*ミャオ族の刺繍と暮らし/http://nunocha.exblog.jp/28243913/
*佐藤夫妻、ミャオ族の刺繍と出会う/http://nunocha.exblog.jp/28247291/

Commented by sogno-3080 at 2017-12-11 06:36
Tomokoさんのルーペ、良い仕事しています。
もうもう驚異の世界ですね。そして美しい~!
実物を見たらどんなにか素晴らしかっただろうなあと、溜息❤
しかーし、民族衣装の女性は世界中どこでも美しいものですね。
Commented by team-osubachi2 at 2017-12-11 09:00
sognoさん
ねえ、世界中のその地方や部族民族それぞれの伝統衣装って、ほんとに、ほんとに美しいです♡
鈍く銀色に光るビーズ刺繍があるなあなんて思ってルーペを覗いてみると
それは極薄の極細の錫板が糸に巻きついていたり、
折り畳むように糸を挟み込んでいたり、と、のけぞるような細かさでした。
女の人たちの手芸の見事さにため息どころか胸いっぱいってキモチになりました。
こんな手芸が不得手な人もいるのかもしれませんが、
これからも代々受け継がれてゆきますように。日本の着物も。。。
Commented by fuko346 at 2017-12-12 11:54
美しい手仕事ですね。
見てみたいなあ 機会があったら 常滑のほうへ行ってみたいです。

以前 NHKで 中国の少数民族の歌垣を見ました。
画像もですが その歌声が なんともいえず伸びやかで魅力的で、ふと万葉の頃の日本でも こんなことが行われていたのだろうか、と感じました。

行ってみたい、と私も思いました です。
Commented by team-osubachi2 at 2017-12-12 15:39
fukoさん
私も中国少数民族の歌垣を見ると、いつも日本の万葉の時代のことが想像されます♪
春夏秋冬、大和の國などの野辺で、川辺で、山辺で、男女が歌い交わす想いってどんな風だったでしょうね〜?
常滑、お近いですね。車でひとっ走り?
いつか私も再見しに訪れてみたいです。
by team-osubachi2 | 2017-12-10 16:22 | 出かける・見る | Comments(4)

イラストレーター岡田知子の、暮らしと、着物と、お絵描きの日々


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