五島美術館での茶会へ

*11月23日(祝・木)雨のち晴れ

今年も香和会茶道教室のS先生の茶会へ美味しい一服をいただきに
朝からいそいそと着物に着替えて出かける。

着た着物は金茶色の縮緬の無地。
雨天でも平気で着ようと思えるのは撥水ガードを施してあるから。
厄年に誂えたので、「厄難去る」にちなみ紋がわりにちいさな猿んぼがふたつ提がっている。

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天気予報では午後から晴れるというけれど、朝はずいぶんな雨降りだ。
足袋カバーをはき、カレンブロッソには爪革をかけ、
化繊のアップルコート(撥水力があってシワも気にならない)に防寒ショールを巻いて
ガッチリと雨拵えしてむかった先は五島美術館。

この美術館の奥にある起伏に富んだ土地を活かして作られた庭園には
「古経楼」と「冨士見亭」という茶室がある。
この日参加した着物仲間と入り口で合流し、指定場所の待合いで支度をし、
まだそぼふる雨の中傘をさしてまずは「古経楼」の広間の薄茶席へ。

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お軸は『白珪尚可磨』(参考:http://www.kakejikuclub.com/hpgen/HPB/entries/150.html)とある。
白い玉でもそりゃあ放ったらかしでいいわけがない、より輝きを放つためには尚も磨くべし。
磨き続ける努力も要るわけね。そうか、うん。そうだね。自分もそうありたいものだと思う。

お点前よりもついつい見事な室内の建築や建具に目がいってしまった。
でもって、照葉を模したお菓子も美味しかったけど、
冷たい外でしばし並んで順番を待ったあとだったせいか、
お茶の熱さがちょうどよく、冷えた身体に沁みるように美味しかった〜♪

自分の楽しむ「お茶」はしょせんそんなレベルだ。
美しいものを見て、感じて、美味しい茶を喫する。いいんだ、それで。

その一席目を退出するころには雨はあがって、雲がきれてきたかも?!

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待合いになってる会場にいったん戻って、お昼に点心をいただく。
わ〜〜い!地雷也の「天むす」だわん!!好きなんだ〜、天むすぅ〜〜♡

連れのお仲間とお喋りしながらほおばってる間に空はすっかり青空になっていた。
さっきまでの寒さもどこへやら。
お日さまのチカラってすごいのね、日差しのあるところはあったかい。

ってことで、しばし撮影タイム。はーい、撮りますよ〜!

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続いてS先生のお席である「冨士見亭」に入る。

実は二十代のころに一度この五島美術館での茶会に訪れたことがあって、
はじめて冨士見亭(立礼席)からの眺めに感動して、ぜひまた体験したいと思っていたら
はからずもS先生のお席でまた体験することができた。
それも紅葉シーズンで雨上がりのこんなピッカピカのお天気に恵まれて・・・運がいいわあ♡

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開け放たれた窓の向こうには、雨に洗われて澄んだ青空と紅葉しはじめた木々。
小鳥たちがさえずり、吹く風に木の葉が舞い散る様子が眺められる景色こそは
席主であるS先生がお客さま方への最上のもてなしに違いなく、この日一番のご馳走であった♪

お軸は「松風」。美味しいお菓子は偶然ながら私の郷里富山の銘菓「鹿の子餅」。
風光明媚な景色を愛でながら、和製マシュマロといった食感の白いお菓子をほおばり、
窓から差し込む光線越しにゆらぐ湯気とともに点てられた一服をいただく幸せってば、もう・・・♡

こういう喜びをいただきたくて、私はこの先生の茶会に参加したいと思うのかも♪

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満足感と余韻たぷたぷで「冨士見亭」を退席し、続いて「古経楼」の小間での濃茶席へ。
しばし待ったあと、寄り付きでお菓子を先にいただいてから移動し、にじり口から小間へ入る。

たまたま空いた場所めがけて座った位置はお詰めの位置。
席主の大先生(S先生のお母様)と膝を並べて座らせていただく。
こちらの大先生も気取りがなくて、おおらかさと優しみを感じられるお席で、
偶然ながらS先生の娘さんの濃茶点前を柱越しに拝見。

点前座に窓からかすかに外の明かりがさして、釜の湯気のたちのぼるのが見える。
さっきの「冨士見亭」とはまた全然違う風情だ。

(帰宅してからの記憶スケッチ↓ご本人と似てないのですけど・・・(^ ^;;)
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お茶の世界は長年好まれ支持されてきたように侘びてて寂びてて老成したような文化だと思うけど、
お正客ほか皆さんがいっせいに視線を注ぐ中、ものおじせず真剣に茶を点てる若い人の姿って、
いろんな意味での青さが感じられていいものだなあと思った。

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無事に三席まわり終えて、ついでに美術館での展示もさっと見終えて、
素晴らしかった今日一日の余韻でふくふくになりながら家路についた。

今年も嬉しさいっぱいの美味しいお茶をありがとうございました♡


香和会 茶道教室(Blog)

Commented by sogno-3080 at 2017-11-25 06:49
いいなあ、っていう言葉しか見つかりません。ひたすら溜息&眼福❤
すべてが素晴らしいけど、一番羨ましいのはTomokoさんの感性よ。
美意識、洞察力、培ってきた時間が今、輝いていますよ!

参加した訳ではないのに、自分がその場にいたような錯覚、どうも
ありがとうございました(笑)大センセイの包容力が懐かしいです。
Commented by かぽりん at 2017-11-25 16:04 x
今年も、お茶会にお寄りいただきありがとうございました。
今回の茶会は、お客様の人数も多かったので社中の者はお席に回ることができませんでした。
岡田さんのブログで、一緒に茶会を回ったような気分です。
いつも、私の茶会に寄り添う気持ちでお出かけくださっていることに感謝します。
Commented by team-osubachi2 at 2017-11-25 18:31
sognoさん
まあ!sognoさん、なんとハレがましい賛辞をいただくものかな。恐縮です。
自分なりに感じたものをスケッチするように綴っているだけなのに
そんな風に見えますでしょうか。ありがとうございます。
香和会のお茶の場はほんになごみますですねえ。
sognoさんもまた機会を得て一服できる時間がやってきますよう。
いつかどこかでご一緒したいですね〜♪

Commented by team-osubachi2 at 2017-11-25 18:39
かぽりんさん
今年もちょうだいしに伺えて本当によかったです。
お濃茶席にいらしたベテランそうなお客さまが「わたくしは五島美術館ははじめてでしたので」とおっしゃって感激していらっしゃいました。長くお茶をやっていらっしゃる方でも、なかなか機会が得られないことってあるのですね。
(雨には雨の美しさもあるのはよく知っていますが)おかげさまで素晴らしいお席を堪能いたしました!
私からも感謝申します。ありがとうございました。
Commented by 神奈川絵美 at 2017-11-25 21:05 x
こんにちは! 先日はご一緒できて嬉しかったです。
「ふくふく」になる気持ち、わかります~。心置きなく、
静謐な空間、時間の中に身を預けられる幸せが、
S先生のお茶会にはありますよね。
富士見亭は本当に素晴らしくて、一生想い出に残る
席入りになりました。
Commented by team-osubachi2 at 2017-11-25 22:36
絵美さん
はい、今年もご一緒に愉しめて何よりでした。
それに結局はお天気にも恵まれていたということになりますでしょうか。
S先生の茶席はほんとに毎回楽しみですが、今回の冨士見亭、ね?ね?一回経験するとちょっと忘れられない茶室ですよね。
私ははじめてのときよりも、もっとゆっくり造りも拝見できたように思います。まこと、いい一日でした♪
Commented by at 2017-11-26 21:23 x
今年もお越しいただきありがとうございました。
お久しぶりにお会いできて嬉しかったです。
お三方がいらしたら周囲の空気がぱあっと華やかになりました。
まるで青空を連れて来てくれたようでした。
茶会はお天気をセットで、より忘れられないものになりますね。
年齢とともにいろいろ体調の変化がありますが、
今からメンテすることで健康年齢が延びるかなーと前向きに考えたいです。
Commented by team-osubachi2 at 2017-11-27 10:59
環さん
こちらこそ、今年もお会いできてよかったです。
思えば絵美さんと環さんのおかげで今こうして暢気にしてお茶会へ参加できるようになったのでした。
朝の氷雨の中、大勢のお客様をアテンドするのも大変なことでしたね。
お席をお願いしてからの時間配分の読みもバッチリでありがたかったです。
これからもメンテしながら楽しみに出来るコトや時間を持ちましょうね♪お互いに・・・。
by team-osubachi2 | 2017-11-25 01:35 | 出かける・見る | Comments(8)

イラストレーター岡田知子の、暮らしと、着物と、お絵描きの日々


by team-osubachi2
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