半襟、出てます、はい。

このごろ巷に飛び交う「着物警察」なる言葉。
それ以前は「お直しおばさん」という言葉もちょいちょい聞いた。
思えばいつの時代から人の着付けのあれこれをとやかく言うようになったのかはよくは知らない。

知らないけれど、人の着付けを見て、正直をいえば私自身
「あ〜、もったいない」「あ〜、惜しい」「あ〜、あそこをこうしたらいいのに」「あ〜、直してあげたい」
・・・としばしば思った時期が若いころにはあった。

いまでもそう思う瞬間がまったくないワケではない。
でも、もしも人さまの着付けが目に留まったとしても、今はやりすごすか、そっと見守ることにしている。
「着物着てくれるだけでありがたい」と思うから・・・。

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振り返ってみれば、私自身20代の半ばから着物を着はじめて、
今まで見知らぬ人から着付けの失敗で何か言われた事が一度もないのであるが、
身近に知ってる友達や知人から写真を撮るときなど「直して貰った」ことはある。

着物ビギナーのうちは髪を伸ばしてみたものの、30歳になるのを境にショートに戻し、
以来衣紋はあまり抜かない方が好みになり、どうもそのあたりから、
私の半襟は少しばかり着物襟から出てしまうようになった。

はじめのうちは着物から襟が出てしまうことを自分で気にしていた。
腰かけたときなど、襟首と髪の生え際の皮脂の汚れはつきやすいものであるが、
僅かながらも半襟が出ていることで、着物の襟が汚れにくくなるのか、
ある時この方が「着物の襟が汚れない」ことに気がついてからというもの、
ベンジンでいちいち拭く手間もはぶけるし、これをよしと思うようになった。

そう、友だちや知人から「襟出てるよ」と言われても、そこは素直に
「うん、出ちゃうの。でも着物の襟が汚れないからこれでオッケーなの」と言う。
以来友だちも理解してくれて、それ以上は言わなくなった。

もっとも、自分のクセをよしとしつつも、胸のうちでは
「出てない方がきれいに見えるかもしれないこともある」というキモチがどこかにあって揺れることもある。
たとえば、普段着のかたものは良しとしても、
小紋だとか色無地だとか、たれもののお出かけ着物にはどうかな?と思わないでもない。

おそらく知らない人が見たら「あら、半襟が出ちゃってるわ」と思われるだろう。
もしもひとこと言われたら、「ありがとうございます」とだけ言っておこうか。
「お直しおばさん」には、嫌味を言う人もいれば、本当に親切で言ってくれる人もいるが、
「着物警察」には、なにやらおっかない響きがあって、できれば遭遇しないことを願いたい。
面と向かって言われたことはないが、「ええ、半襟が出てますが、なにか?」とすっぱり言い返せるほど
こちらも肚がどっしり座っているわけでもない。w

自分でよしとしつつも、わずかに心揺れる着付けのクセ・・・。
じゃあ一分の隙もない完璧な着付けがいいかといえば、それはイヤなのである。
全体的にはきちんとしていながら、どこかに余情というか、布の遊びのようなゆるみがある方が好きだ。
自分にとって心身ともに具合のいい着方は人それぞれ。
個人的な趣味嗜好といえばそれまでなのだが、そういうどこか定まらないところも含め、
つくづく着物は不思議な衣服、面白い衣服だなあ〜と思う。

Commented by セージグリーン at 2017-10-16 11:55 x
以前お目にかかった際に、「耳の下の半襟、出しますよ。
だって、襟が汚れるもの」と仰ったのを伺って以来、
私も意識して、ちょっぴり出すようにしています。
浮世絵などみると、半襟はたっぷり出していますよね。
一分の隙もない完璧な着付けは、あくまで「撮影用」の
ように思えてきます。
年齢に従って、着付けも、緩く楽にするのが自然ではないかと、そのフレキシビリティがまた、着物の魅力でもあると
思います。
Commented by 別府美人 at 2017-10-16 16:56 x
こんにちは♪ (^o^)丿
「お直しオバサン」・・・数年前までは結構頻繁に遭遇していました!(笑) (^o^;)
当時は、それぐらい“ 目に余る ”着付けだったんだという自覚アリ★
何しろ『帰宅するまでに脱げなければOK♪』ぐらいの気持ちで平気で出かけていましたから!(笑)
出先で他人の汚れた手で容赦なく「キレイなおベベ」を触られるのはちょっとイヤでしたが、
そんな方々の気持ちも十分に分かっていたので
★思う存分★直していただきました♪
やや着馴れた今でも『私は“ 着付け ”が趣味なのではなく、とにかくキモノを身に着けて出歩くことが好きなのだから♪』と、
多少のヘンテコには目をつぶって(笑)堂々と出かけています! (^_-)-☆
もっと気軽にキモノでお出かけする人が増えるとイイのにネ~★
Commented by team-osubachi2 at 2017-10-16 17:38
セージグリーンさん
そうなんです、耳の下あたりでも半衿出す方が着物の襟汚れないんですもん。
もっとも、これは首の太さと長さにより個体差があるので一概に言えないかもですが、
ちょいちょい着る人間には毎回(袖口はともかく)襟をしっかり拭いていたらすぐにヤケちゃいますので、それは避けたいのでありました。
年齢とともにゆったりと着たいですねえ。そして年齢とともに人に、着付けのことをとやかく言われることもなくなっていくのでしょうね〜きっと。おなじカタチだのに、こんなに着る人によって振り幅のある着物ってやっぱり面白いですねえ。
Commented by team-osubachi2 at 2017-10-16 17:46
別府美人さん
こんにちは。お着物お召しになっていらっしゃるとのこと、嬉しいですね〜♪
コメントを読んで想像するに、別府さんの着姿にお直しおばさんたちの「おばちゃんのキモチ」が刺激されたのか、自然と手を差し伸べたくなったものでしょうか。笑
そうそう、着物は着付けよりも着ること優先になるといいなって思います。
どうぞこれからも愉しみながらどんどんお召しくださいね♡
Commented by 神奈川絵美 at 2017-10-16 23:03 x
こんにちは! 私も半衿の出具合には無頓着でして、
ときどき半衿を二重にかけたりしているものですから(笑)
思い切り出ていることもしばしば…。
思うのですが、特にこちらのお写真のような、カジュアルな
木綿とか紬だったらちょっと白がのぞいていても
気にならないし、見ようによってはオシャレかも。

それにしても「着物警察」ってエレガントでない言葉ですよね。きのおけない友人同士で冗談交じりにいうのでしたらまだしも、見知らぬ人といきなり上下関係ができてしまいかねない言葉は、人付き合いがぎすぎすしますよね。
Commented by fuko346 at 2017-10-16 23:04
はい~ いろいろ同感でありまする。
なぜか 私は 言われたのは一度だけ、それもかなり ? な
直し方で お太鼓にいきなり手を入れられたので びっくり
しました。
きものって ほんと もろもろ 不思議がついてまわりますね。

皺ひとつないのは気持ち悪く、理想はぐさっとしているけど、きりっとしていること 笑
Commented by team-osubachi2 at 2017-10-17 06:58
絵美さん
半衿のダブル掛け、夏以外は私もよくやってました。
でも、そうですね!男性のスーツの後ろ姿、襟元にシャツの白い一線が見えてて素敵♡ってことあります。
わずかに見せるシャツ襟の分量も人によってこだわりがありそうな世界ですし。
そんな感じで衣紋にちらりと見える半衿も(昔の重ね着のころみたいに)お洒落の類いにできたらいいなあ〜♡

「着物警察」って言葉からは、目をつりあげた女の人の顔が浮かんできちゃうんですよ(^ ^;; ドラマなんかでも戦時中に華美な服装をキツく戒めて歩いてた婦人会の面々・・・みたいな、ね。そうイメージしちゃうくらい言葉が先行してる感もありますね。
実際ウワサにあるような現場に遭遇したことは私はないんですけど、でも、それくらい嫌な思いをしたことがある人にとってはリアルな表現に思えるかもしれないですが。
Commented by team-osubachi2 at 2017-10-17 07:04
fukoさん
ほおお、fukoさん、一度経験ありなのですね。
いきなりお太鼓に手をいれて・・・どんなお直しだったんでしょう?今度会ったときにでもお話ください。参考にいたします。笑
まあ、とかく着付けがどうのこうの言われるのは、若い方が多いように思うんですが、
歳をそるとそうそううるさく言われなくなるような気もします。苦笑
ゆったりと着ているのに、でもどこかきりりとして見える・・・大人の着こなしの理想型ですね♡
Commented by phenix at 2017-10-17 09:21 x
こんにちは
着物警察のエピソード、友人達と着物で集まると
1人は必ず被害者がいます。近頃特に、着物の人が少なくて目立つからでしょうかしら
着付け云々でなくても、着物ってだけで「あら、何事?」みたいな目で見られたり、私なぞ ご近所で何を言われておるやら・・・負けんぞ!
Commented by team-osubachi2 at 2017-10-17 13:06
phenixさん
私の郷里でも、ひょっとして着物で出かけるとやぱり人目を引くのだろうとは思います。
羨望と憧れと妬みは表裏一体のところがありますね。お仲間のみなさん、お気の毒ですねえ。着物警察になってしまう人は、その人の「心の問題」なんだろうって思ってるんですけど、それと同じステージ、と言いますか、同じ土俵に立ってもいいことは何もないので、くわばらくわばら、着物警察には負けずとも、とっととその土俵から降りた方がいいです、とは私個人の考え方ですが、違う土俵で横綱目指して頑張ってください!応援しています♪
by team-osubachi2 | 2017-10-16 08:30 | 着物のこと | Comments(10)