2017年 09月 16日
はがき絵を描く−3
季節はもうすっかり秋ですが、こちらは仕事の上ではまだ夏を引きずって
水にちなむものなどを描いています。
以前子供向けの電子版紙芝居のお仕事で、
鎌倉時代あたりの天秤桶を描こうと資料絵を集めたところ、
いずれも薄い板木を用いる曲げ物に底板をつけたものしか見つけることができず、
ハタ!と、この時代は木をくりぬくか曲げ物が桶の中心だったのかと思い至りました。
江戸時代の浮世絵などにも登場し、いまや主流になった片木(へぎ)を寄せて
箍(たが)で締める結桶は、いったいどの時代に普及したのでしょう?
結桶でなら大物も作れますし、味噌や醤油、酒造りなど、その恩恵はとても大きかったに違いなく、
当時としては相当な技術革新だったのではないでしょうか。
現代でも柄杓や弁当箱などほんの一部に曲げ物としての造りがまだ残されてはいますが、
大物は見かけないように思います。
桶ひとつとっても、まだまだ知らないことってたくさんあるものですね。
この絵の柄杓は少し柄の先が上向きになってしまいました。
実物の柄杓の柄はもっと底板に近い位置に抜けています。
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by team-osubachi2
| 2017-09-16 13:15
| 仕事をする