色無地に絽綴れの帯で

ちょっとした都合でつい一昨日までリビングのエアコンを使わずにいたせいか
カラダがようやくこの暑さに慣れてきた感じがする。
おかげで絽の着物を着るなどという、ちょっと前まで気が萎えそうなシチュエーションも
案外すんなりと受け容れて、昨日のお昼前には着替えて家を出た。

盛夏に着るのは、まず麻縮の晒を素肌に巻きつける。脇と背中の汗対策にもなるしね。
自分で縫った白い絽の袖をつけた(内側にはレースの筒袖つき)二部式襦袢を上半身に着て、
裾よけは白い麻縮(ペチコート風にウエストにゴムを通したもの)をつける。
それから絽の一つ紋色無地に袖を通す。つまり肌襦袢は省略。

そして帯芯のない、軽くて風通しのいい絽綴れの帯を締めて・・・っと♪

f0229926_21434857.jpg

夏場はヘチマをかまぼこ状に縦半分に切って、自分でこしらえた帯枕を愛用。
せっかく絽綴れという風通しのいい帯を締めるのに、
ウレタンなどの帯枕じゃ背中の汗もハンパない気がしてネ。

f0229926_21440067.jpg

人さまからいただいた玉虫の帯留はこの日がようやくデビュー♪

で、向かった先は国立能楽堂。
切符を一枚、ピンチヒッターで私が引き受け観賞させていただいた。

f0229926_21441656.jpg

席は違えど、ご一緒した着物友だち二人も、この日は絽の盛装に絽綴れといういでたち♡

f0229926_21471157.jpg

黒地に銀色の萩などの夏草の葉の模様を織り出した絽綴れを締めたKさんは
やさしみのある大人ピンクの地の訪問着。

教えてもらって、おや?とみれば、裾模様の枝にとまる蝉が二匹ばかり・・・。
わ〜、蝉が描いてあるなんて珍しいね〜?!

f0229926_22390189.jpg

実は私の玉虫の帯留はKさんからのいただきものだったので
「虫つながり」の装いにしてくれたもよう。w

かたや明るいシルバーグレイに刷毛で霞のような染め分けの付下げをお召しのEさんは
白と黒とが交互に織られているのかな?面白い地に
さらりと波があらわれている絽綴れの帯に、蓮の花びらかしらん?
その花びらの中に、ひと粒水滴のようにパールがあしらわれた帯留・・・といった装い。

f0229926_21473011.jpg

お能って、着物でいらっしゃるお客さま方を見ていて、
(落語はもちろん)文楽、歌舞伎ともぜーんぜん違う雰囲気のお召し物の方が
多くいらっしゃってなかなか拝見していて楽しい。

この日のお能は「第四十回 納涼能」っていう催しで
ご挨拶、ミニ講座、『枕慈童』『文荷』、お仕舞がみっつに、最後は『安宅』。

個人的には座席においてあったこの演し物の紹介リーフレットのデザインに目がいく。
どこか懐かしいような感じすら覚える写真のレイアウト♪

f0229926_21480074.jpg

最初の『枕慈童』・・・舞台に置かれる台の菊まがきが綺麗で、
藁屋だのといった舞台上で見立てられた屋根と仕切りのある空間を見るとわくわくする♪
(被衣だの虫垂れ衣の市女笠みたいなのも好きでして♪)
でも、題名にも枕とあるように、なんともいい心地で船を漕ぐ。

私が一番興味が湧いたのは、おしまいの『安宅』。
歌舞伎などの『勧進帳』は何度も拝見してはいても、その源を拝見したのはこれが初めて。
舞台いっぱいに人がいて、その舞台からどんどん客席に押し寄せるような気迫がすごくて、
終演直後、緊張から解放されたかのように私の席の前や後ろから男性客から
「ふう〜・・・」とか「やっぱり大曲だな」という声が漏れ聞こえてきた。

本当ですね。いやあ〜面白かったです!!
・・・面白いという表現がふさわしいのかはわからないけど、
見ていてこちらが気圧されるっていう感じがとてもよかった。

もしも本当に、事実として義経一行が都から奥州へと日本海側沿いに逃れていったなら
義経主従は私の郷里の町も歩いて通っていったことになる。
今回の『安宅』や歌舞伎の『勧進帳』や時代劇を観るたび、そのことに想いを馳せてしまう・・・。
(ちなみに吉川英治さんの『新平家物語』には、うちの町の地域名を名乗った
「入善太郎」なる人物の名もチラリと出てきて、はじめて読んだときはびっくりした)

お能を観終えて、日もかげりだしたころ家に帰り着いた。
夕飯の支度よりも先に、ワーッと着替えてまずはシャワーを浴びる。
いつも思うのは、夏着物の醍醐味のしめくくりは、
この着替えたあとのシャワーである・・・ということ。
きっと夏に着物をお召しの方には共通の感想じゃないのかな?

このたびのお誘い、どうもありがとうございました♪

Commented by 朋百香 at 2017-07-23 09:54 x
tomokoさま
おおー、盛夏の盛装、皆様素敵ですね!
絽なんて着たの何年前だったか・・・。でもこういう時の為に(?)1枚は必要ですね(笑)
tomokoさんの絽のおきもの、お若い時に誂えたにしては本当にお地味。でもそのお陰でずーっと着れそうだから結果、OKですね。お能、いつかは拝見してみたいです。(でも、お船漕ぎっぱなしだったらどうしよう)
Commented by 香子 at 2017-07-23 10:56 x
この度はありがとうございました m(__)m
そういう年代なのでしょうか、不意な事が続きますの。

お陰さまでお席はバラバラでしたが楽しかったですね♪
帰宅後、速攻シャワーを浴びるのはお約束 (^m^)v
この開放感たるや!(笑)

Commented by team-osubachi2 at 2017-07-23 14:45
朋百香さん
歌舞伎座へはこんな一つ紋の色無地なんて着ていったこともないくせに
なぜか文楽はちょっと格をあげて装う方に気持ちがいっちゃいます。
お武家の文化・・・だからなのかなあ?
ごく庶民の自分にはちょっと着物の衿を正したくなるような雰囲気を感じます。
そのくせ、船、漕いでても平気なんですけどね〜(^ ^;;
Commented by team-osubachi2 at 2017-07-23 14:48
香子さん
こちらこそ、ありがとうございました〜。
おかげさまではじめて『安宅』拝見できました。
現実の源平時代がどんなものであったかは知るよしもありませんが
『安宅』に込められた人間ドラマ、やっぱり痺れます♡

この絽の色無地・・・この夏はもう着ない・・・だろうなあ〜。笑
秋まで待ってお手入れに出しておこうと思います。
Commented by 神奈川絵美 at 2017-07-23 23:02 x
先日はご一緒できて嬉しかったです!
爽やか、かつソフトな印象の色無地、とてもお似合いでした~帯も、玉虫の帯留めも夏らしくて眼福。ホント、能楽堂は柔らか物の人が多くて、目が♡になってしまいました(笑)。
パンフ…言われてみればホント懐かしい感じのするデザインですよね。
Commented by team-osubachi2 at 2017-07-24 09:35
絵美さん
ちょっとの間でもご一緒できてよかったですね。
久しぶりにお会いしたら、髪がもうまとめられるようになって!
私も20代の着始めから伸ばしてみましたが、そのときの達成感のおかげで「もうい〜」と。笑
でも、ご本人にはわからないものですが、着物姿の後ろ衿は、やっぱり髪をあげた方が断然よろしいです♪
お召し物、大人びた雰囲気でとても素敵でした♡帯もちょうどいい色あわせでしたね。

そうそう、パンフのレイアウト、なんだか昭和の催し物など思い出させてくれるデザインだなあ〜と思って。懐かしいでしょ?笑
お能は演目の出演の方々についてはとんと不明なので、もっぱら舞台上の美とお能の世界観を観賞するばかりなんですが、たいそうよい心持ちで船を漕ぎました♡

Commented by fuko346 at 2017-07-24 11:15
皆様の 盛夏の柔らかもの 拝見しているだけで素敵~っとなります。
それも能楽堂で。
きものって 洋服よりも その歳、というか その人のその時代で 似合うものが違うように感じます。
この日のtomokoさんは この取り合わせがぴったりですね。それに タマムシさんが 羨まし~ 笑
Commented by team-osubachi2 at 2017-07-25 00:35
fukoさん
朋百香さんがコメントしてくださったみたいに、さすがにこれ、若いときには地味すぎますよね。
おふくろさまの好きな色目だったのと、あと、法事にも着られる色を考えてこの色にしたのだろうなって思われます。
いまようやっと似合うようになって、誂えた本人も草葉の陰で安堵してるかもです。笑

浄瑠璃や歌舞伎は町人ら庶民の視線がまだ想像つくのですが
ふと、お能を見ながら、古の戦国武将らはどんな思いで眺めていたのかなあ?なんて思ったりしました。
それは茶の湯でも思うところであります。
いつかご一緒できる機会があるといいなあ。
Commented by sogno-3080 at 2017-07-29 07:55
皆さま、お美しいこと❤
夏着物の醍醐味、私も味わいたいものです。
暑くたって着たいもんねえ~
それにしても、夏着物の工夫・知恵、参考になります。
夏ならではの、下準備、とても興味あります。
Commented by team-osubachi2 at 2017-07-30 13:25
sognoさん
今どきは本当に小紋が、それも絽の小紋を着る人は少ないのでしょうかね、
ネット上のリサイクル店などとても安く出てたりします。
(もちろんその安さも今は我慢の私ですが(^^;;)
そのうちいいのがあったら、絽の小紋一枚欲しいなあなんて思っているところです。

日記には記してませんが、下着の透けやラインの浮き上がりには要注意ですよね。
私は歩きやすいこともあり、太ももまである長丈のパンツなのです。
ステテコをはく(経験済)よりもかさばらなくて楽チンなんです。
着物を着るときには下着はかないって友達も二、三います。パンツなしで湯文字だけって人もいますしね。
上半身はまたさらに人それぞれで、スポーツ用の吸湿速乾性肌着着ると人もいれば、
(キャミソールの紐が透けて見えてるのを良しとするか否かも人それぞれ)
あしべ肌着も試しましたが、どっしり重くなるので私はやめました。
和装用でない肌着をつけるときは、肌色ベージュがオススメ。笑
いずれにしても、その年その夏の暑さ加減で試しながらやってみるしかありませんよね〜。








by team-osubachi2 | 2017-07-22 23:13 | 着物のこと | Comments(10)