Rehabilitation-13『孤独を描く』

それはどこか見知らぬ海辺の岬のはしっこ、、、といった景色でした。
よく晴れていて、春めいた淡い空色に雲がいくつも流れていきます。
心地よい海風に足もとの草がそよぎ、そこにポツンと座る自分の後ろ姿がありました。

あるとき、いつまで海の向こうばかり見てるんだろう?・・・と不思議に思いました。
以前のように崖から暗闇の谷底へ転落した時期とは違い、
まわりの景色はおだやかで明るくのんびりしているのに、
自分の後ろ姿はひとりぽっちで水平線のはるか向こうを見てばかり。
そんな心象風景が何日も何日も続くうちに、そうか、
今の自分は静かにしみじみと孤独なんだ・・・と気がついたのでした。

そうこうするうちに、巡り巡っていまの相方に出会ったのちのある日のこと。
いつものように岬の端っこに孤独そうな後ろ姿が見えているなあと思った次の瞬間、
私自身がその孤独そうな自分にむかってズンズン歩いていき、
手をかけたと思ったら、その後ろ姿を軽々と持ち上げ去っていったではありませんか!?
えー?どゆこと?
今まで見ていた孤独な後ろ姿は、なんとただの「書き割り」でした。
なんだ、この孤独な姿って自分で描いていたのか?!
自分の中の心象風景といえども、その展開に思わずポカーンとしてしまいました。

そこで思ったことは、孤独とは、他によってではなく
“自分で自分をそのように描いている”だけなのかもしれないなあ〜ということでした。
もちろんケース・バイ・ケースでいろんなパターンがあるのだろうと思いますが、
そう、自分の孤独なんて、まわりの人間には関わりのないことですし
近しい家族や親しい友人たちでもときには手に余る代物ですから、
出来ることなら、自分で描いた孤独は(もちろん周りの手助けを受けながらも)、
いつか自分自身で片付ける方がいいのですよね。
、、、なんて、十年ほど前、そんなことを実感した時期がありました。


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『孤独を描く』© tomoko okada

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by team-osubachi2 | 2017-04-23 09:59 | らくがき帖