いりゃ〜せ名古屋、いきゃ〜せ名古屋(月日荘篇)

*3月15日(月)くもり一時小雨

昨日のうちに荷造りは終えておいて、朝、着物に着替えて家を出る。

久しぶりの着物旅。着物は本場結城紬一枚きり。
初日と二日目は名古屋帯、帰りは半幅帯、小物もひと組という段取りで組む。
部屋着以外は着物だけで通す方が荷物が少なくて済むからネ。

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前回名古屋へ行ったのは・・・一昨年の夏に義姉ママのご葬儀のとき以来。

我が家とお義姉さんところとで、ずっと不祝儀続きだったんだけど、
ようやく喪もあけてこの日ははじめて義姉と二人で着物deデート♡

いつかできるといいね〜って思ってたけど、やっと叶ったね。

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私にはなぜか母方にも父方にも名古屋の親戚がいて、
いまや兄貴も名古屋人になったけれど、私はもちろん土地鑑まったくナシ。

今回はじめてこちらの住宅街を散策してみて
案外古い門構えと庭付きの木造家屋が多いことに妙に感心しちゃった。

そんな古民家のフレンチでお昼ご飯を食したあと、月日荘さんへ到着ぅ〜♪

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先週の初日から週末にかけての怒濤もどこへやら(見てないけど)。
しずかに、おだやかに時間が流れる月日荘さん。
ああ〜、いい雰囲気ですね〜。家の造りや建具もいっぱい見ちゃうよ〜♪

お!襖の前に置かれたiPadでは、制作風景を映した動画が再生中だった。

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まだお嫁にいかずに待機してくれていた(?)バッグやら、小物やら
洋服とかアクセサリーとか見て、帯地もゆっくりと拝見してまわった。

と、帯地のすみに、どうしても視線がここに惹きよせられてしまう見事な段染めの着尺♡

今回唯一の着尺は、御大が以前個展に絵羽にして出したことがあったというもので
Facebookで写真をあげて、素敵だ素敵だと騒いでいたら、
TG黒幕の染織家・津田千枝子さんから解説を頂戴した。

「この着物は、秩父太織(ちちぶふとり)の生地に染められています。
生地の作者石塚賢一さんはもうお亡くなりになっていますが、田中御大とは仲良く、
着尺は石塚さんの織ったものをよく使っていました。
野趣のある玉糸の紬糸の節がとても良い風合いです。
これは田中紺屋に残っている最後の着物です。
弁柄と渋木と墨の色差しと渋木に藍をかけての緑、そして深い藍色と、
とても凝った色出しです」とのこと。

月日荘さんのFacebookにも津田さんの解説があって、そこから引用させていただくと

「余談ですが、この太織の糸は、田島隆夫さんも好まれて、
ご自身の作品の糸にもたくさんお使いです。
以前田島隆夫さんがご存命中の個展に伺ったときに、若造の私に
田中紺屋の仕事はみんなが応援しなくてはいけないものだ、と
おっしゃっていらしたのを覚えています」・・・とも。

その、みんなの応援、この数年で
一気にミラクル花火があがったかのようじゃない?

そんな中でも田中御大にとってこの着尺はだからとっても大切なものなんだろうな。
ついてた値札はあくまで参考価格。
これはもう「みなさんにご覧いただけましたら幸い」というものなんだね。
私もこれを拝見できただけでも、名古屋へ来た甲斐があるなあ〜って思っちゃった。

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出発前に、相方から「もしもカードケースみたいなのがあったら買ってきて」と
めずらしくリクエストがあったので探してみたら、あった!あった!

ふたつあったうちから、男子でも持てそうな水玉のをゲット。

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私は相方の買い物が出来ただけでよし。もういいや〜なんて思ってたのに・・・
ああ〜、この帯素敵だなあ♡このバッグいいなあ〜、このネックレスかわいいな〜、
このパンツもおされ〜!コートも素敵ね〜・・・・・・あ?

れれれれれ〜〜っ?!
なんだーー?このパンツはーー?!

「あ!気付いてくれました?アハ ♪」

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私ね、欲しかったんだよ〜、いまどき流行りのワイドパンツ。
デニムでお手頃なの探そうかと思ってたとこなんよ〜?
なんでアナタがここで登場するのかしら〜〜?!

「すみませーん。でもアナタ様をお待ちしてたんですから〜♪」

頭がグラグラしはじめたところへ月日荘のスタッフさんが「ご試着できますから」と。
いえいえ、そんな。できませんよ。だって〜、着物だし〜。

スタッフさん「裾を、こう・・・(あげて)」
いえいえ、え?あ、あるのね、急ごしらえの試着室?

薄藍の垂れ幕の向こうで裾をめくりあげて試着し、
こっそり鏡で確認したらもうそれまでヨ。
御大の藍のむらつき具合と、はいたときのラインの綺麗さ、
もう加藤希久代さんのパターンの巧さに完全にヤラレタ〜!て感じ。

今回も、藍、燦々と、この身に降ってきました・・・♪

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去り際に月日荘(妹)さんから口伝えに、今回カタバミの帯地を見事ゲットされた
遠くからいらしたあるお方から私へのメッセージを頂戴しました。

ほか、拙ブログを見ていらしってくださった方々、
各地から名古屋までお出かけくださったみなさま、本当にありがとうございます!

いりゃ〜せ(いらっしゃい)名古屋、いきゃ〜せ(行きなさい)名古屋。
御大ラストショーも残すところ一日のみ(16日まで)。
最後の最後まで、布と人との幸福な出会いが月日荘さんで生まれています。

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*いりゃ〜せ名古屋、いきゃ〜せ名古屋(食と観光篇)

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田中昭夫さんの藍染め/備忘録

*田中昭夫さんの藍染め/http://okakara.exblog.jp/23269853/
*総柄か無地か、それがたれの問題だ?!/http://okakara.exblog.jp/23516537/
*元気いっぱいなカタバミの帯/http://okakara.exblog.jp/23749866/
*「田中昭夫の布 頒布会」へ/http://okakara.exblog.jp/24045449/
*着物展をふたつまわった日/http://okakara.exblog.jp/24544712/
*あずま袋を縫う/http://okakara.exblog.jp/24632353/
*清々しい藍色いろいろ/http://okakara.exblog.jp/24692338/
*御大の藍染め帯で集合/http://okakara.exblog.jp/27562368/


Commented by molamola-manbow at 2017-03-15 22:10
しずかに盛り上げてくださってありがとうざいます。

試着室は天井から吊るすタイプになる筈でしたが、
TG男子に「スペース的に無理」と言われて
あんな形になりました。
あれ私が縫ったんですけど、
けろちゃんはGSSの備品にしようと企んでいます:笑
Commented by えーぽん at 2017-03-16 00:14 x
はじめまして。
初めてコメントさせていただきます。えーぽんと申します。
イラストやきれいなものが好きで、着物も好きで(主に縫うほう)どこからかこちらにたどり着きました。
しばらく前から拝読しておりましたが、
少し前からこの染師の方の記事を見て、とても見たくなってしまい、私も15日に川口市から(笑)この月日荘に伺いました。(こっそりと)
でも着尺の生地までは手が出ず。(今思えば少し後悔)
ただ、どれも素敵で、教えてくださった岡田さんのブログに感謝してます。
ありがとうございました。またこちらのブログにお邪魔させていただきます。
Commented by team-osubachi2 at 2017-03-16 09:02
molamola-manbowさん、てか、布茶さん
けろさん言うところの「TGすっからかんの日」に、ゆっくりと見学してきました。
帯はもう「うちのコが一番かわいい」ので(^ ^;;)、安心して見るだけを楽しみ、もっぱら洋物やバッグに欲が湧きました。
バッグやパンツ類はどれも好きでしたが、やっぱりこの絞り染めにドギュン!と射抜かれましてございます。
謎の試着室(?)、初日と二日目じゃとてもそんなヒマなかったかも?ですが、おかげさまでこの日は一人心ゆくまで試着できました。笑
あの試着幕、けろさんからもご報告いただいて、なに、先月末にそちらさまへパスされた、とか?
見事な連携プレー(?)GSSでまた再会できるのが楽しみです。笑
Commented by team-osubachi2 at 2017-03-16 09:18
えーぽんさん
はじめまして。コメントありがとうございます。
そうですか!名古屋へいらっしゃったのですね?!それも田中さんお住まいの川口市から・・・笑
帯地などは、まだ御大の手元で糊付され、これから播磨藍で染められるであろう帯地などがありますから、今後月日荘さんの動向をチェックなさってみてください。
(来月四月あたまには銀座松屋さんでの「七緒」さんの着物催事に月日荘さんも出店なさいますし)

一緒に見に行った義姉が、御大の座布団の鯉の柄が好きだと言ってまして、お太鼓にあの鯉の柄の帯があったらなあ〜なんて言ってたのです。
それを聞いてひとつ思いついたのですが、そっか!あのお座布団一枚買って、お太鼓には鯉の柄、前幅には座布団の反対側の無地が出るようにして、あとは同じくらい濃い藍無地の木綿をはぎ合わせたら、オリジナルの御大帯が出来るなあ〜♪って思ってたところでした。

着物が縫えるだなんて、羨ましい限りです♡
よろしければどうぞまた覗きにいらしてください。今後ともよろしくお願い申します。
Commented by 神奈川絵美 at 2017-03-16 10:41 x
こんにちは! めくるめく藍染の世界、
こちらの記事で堪能させていただきました。
段染め、お写真でもはっと目を見張るほどですから、
実物はどんなに・・・と思います。
Tomokoさんのカタバミの帯も、本当に素敵&よく
お似合いで、御大の幅広い作風、懐の深さを感じます。
のれんとのツーショット(?)いい雰囲気だわー。
お義姉さまは何かお求めになったのでしょうか。
御大つながりで着物を楽しめるといいですね。
Commented by セージグリーン at 2017-03-16 11:28 x
御大最後の個展に出かけられて、手ぶらでお帰りになるはずがない、今回の収穫はいかに?と楽しみにしておりました。
着物や帯、小物だけではなく、今風のラインのパンツまで
あるなんて、懐の深いことですね。
ほっそりとしたTomokoさんは颯爽とはきこなされることで
しょう。
もう1本のカタバミ帯、前の記事で見ましたので、遠くからお出ましの方がお求めになったのですね。
のれんとお揃いで、いい感じ。御大のアイコンですね!
Commented by team-osubachi2 at 2017-03-16 11:35
絵美さん
結局自宅展、青山展、月日荘展と拝見してまわりましたが、田中昭夫さんの仕事は、藍染めとひと口に言っても布を吟味し、デザインを起し、型紙を彫り、染めまでやるって一人の作家として世に出てもおかしくない仕事ですよねえ。
これまで御大のその仕事を理解し、手をさしのべていらした故人の方々の想いも、染め上げられた布も、長く長く埋もれていたのが、ここへきて一気に花開く様子は見ていてなにやら「祝祭」の目出度さに思えて仕方ありません。それでついつい(御大を想いつつ、現場で動かれるTGの方々の)後方から応援したくなってしまったのでした。笑

義姉は民謡踊りもする一人娘のために半幅帯を探していたのですが、やっぱりすでに跡形もなく。でも、月日荘さんがまたおいおい半幅帯を制作する予定もあるようなので、今後に期待!といったところです。
Commented by team-osubachi2 at 2017-03-16 11:48
セージグリーンさん
いやあ、今回は相方のカードケースさえ手に入れられればいいなってマジでそれだけって思ってたんですけど、このパンツと出会ったのが運のツキでした。帰宅してから、しまった!今年はパソコン買い買えねばだのに〜!・・・って後の祭り。どうするよ私?(^ ^;;
いえいえ、帯にくらべたら洋服はかわいいものですよね。これを励みにこれからがんばります!笑

藍色は大好きです。着物も帯もありますが、中でも田中御大の藍は私の波長にすこぶるマッチします。そしてTGの方々とのつながりもまたとても嬉しい出会いなのでした。ご縁って不思議なものですね。
Commented by fuko346 at 2017-03-16 11:48
「行ってはいけない」を言い聞かせ でも 見てみたくて、こちらで 拝見 楽しませてもらいました、ありがとうございます。
が しかし、、、銀座で、、、熱が出そうです 笑
Commented by team-osubachi2 at 2017-03-16 12:03
fukoさん
いかんときゃあ〜名古屋、いや、いかなかんて〜名古屋。心揺れますね〜。笑
御大の周辺にはその道のすごいお名前の方々が絡んでるのですよね。「俺はさ運がいいんだよ」のつぶやきの向こう側にいらっしゃるその方々のことを津田千枝子さんと田中敦子さんが『七緒』でも教えてくださってます。けろさんも。

来月銀座に出張っていらっしゃる月日荘さんのブースには、でもどのようなものがこっそり登場するのかは不明ですが、危機を救ってくださった(ぬぬパナ方面でも有名な)村井さんの播磨藍で染められる布も今年おいおい染め上がるでしょうから、今後も月日荘さんをチェックしてみてくださいね〜。そらいつかはいかなかんて〜名古屋ァ。笑
Commented by 香子 at 2017-03-16 17:05 x
お帰りなさい、そしてパンツゲットいいな〜♪
ワタシはあのがま口が気になってましたが
今年は我慢の年だから…へへ (^-^;;

そうですが、来月銀座・・・拝見するのが楽しみ☆
Commented by 朋百香 at 2017-03-16 21:32 x
tomokoさま
ええー、tomokoさん着物でいらしたのぉ? 確かにその方が荷物が少ないですけどね。そして名古屋、着物が似合う所がいっぱいありそう。

あの縞の着尺、最初帯だと思ってたんですよ、この帯いいな〜と。でも、着尺と聞いて、きものにしたら派手だろうな〜と。でも、良い色あいですよね。これ、着る人を選びますよね。

銀座の展示にはアジアの布が・・・とか溝口さん言っていたような。それもまた危険(笑)
Commented by team-osubachi2 at 2017-03-16 22:46
香子さん
しっかりしているけど、デニムより夏場活躍してくれそうな生地です。
これにデッキシューズでもいいし、サンダルでもいいし、夏のはきもの楽しみたいなあ、と。
今年こそは素足をもっと出せるといいなあ〜と思ってます。

来月の銀座、楽しみですね〜。だけど私はもう素っからかーん!笑
Commented by team-osubachi2 at 2017-03-16 22:58
朋百香さん
はい、お着物で。義姉と着物でおでかけしたかったですし、部屋着(寝間着)だけ洋服もっていきました。
それでも冬場の衣類なのでなんやかや荷物はかさばりますけど、名古屋では義姉か兄が運転して連れてってもらうので、着物でもへいちゃらなのです。

あの横の縞(段)の染め、あれは間違いなく着る人を選びますよね〜。個展に出されたときは仮絵羽に仕立ててあったそうです。なのですでにハサミが入ってるんですけども、現代に着るよりも、安土桃山風に垂らし髪にあわせた小袖に細帯で着せたらさぞ素敵でしょうねえ〜♡あ、またもーそーが・・・。笑
by team-osubachi2 | 2017-03-15 21:33 | 着物のこと | Comments(14)