映画『沈黙ーサイレンスー』

昨日の午後、おおよその夕飯の下拵えをしておいてから、
相方と近くのシネコンへ行き、映画『沈黙』を見てきた。

レイトショーなしで上映回数も少ないせいか席はけっこう埋まっていて
前から二列目で少々顔をあげないと見えないという席であったにもかかわらず
開始からおしまいまで実に2時間41分という長さも
まったく気にならないほど見入ることができた映画だった。

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長崎のキリシタン弾圧のことを中学教科書よりは少しだけ多めに知っていても、
その詳細はもちろん知らないから、最初は小説を読んでもドキドキしたけど、
主題はそこではないことを悟ってからは、映画を見ても拷問や刑のシーンには引っ張られずに
(目を背けたくなるよなシーンもないワケではないけど、
とはいえ必要以上に描かれることはなく)物語を俯瞰で見ていられたかも・・・。

なにせ28年もかけて準備し撮影に臨んだというだけのことはあって、
スコセッシ監督の原作への理解も洞察も深いんだろう、
監督が日本のスタッフにまかせたというセットや衣装に違和感はなく
オーディションをくぐり抜けて役をゲットした日本の俳優陣も素晴らしかった。

窪塚洋介くんってこんないい役者だったんかい?と見直しちゃったよ。
イッセー尾形さんや浅野忠信さんも言わずもがな、
塚本晋也監督も役者としてとてもいい役を演じてた。

青木崇高くんやチラッと片桐はいりさんは見てとれたけど、
え?そうだったの?と思うほどいろんな人たちが出てたんだね。
台詞がなくても、衣装をつけて撮影現場に立てたのはすごく嬉しかっただろうなあ〜。

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しかし、人間はどうして宗教を持つことにしたんだろう?
人間にとっての信仰ってなんだろう?
教義や組織にもいいところはあるかもしれないけど、
そんな枠に縛られることもなく、各々が心の中に自由に持てる信仰について考える。

『沈黙』の主人公である宣教師ロドリゴは物語のクライマックスの後も生きる。
物語の最後の最後に見てとれるある種の救いのようなもの・・・、
たとえ外側からはうかがい知ることは出来なくても
人の内面に広がる(私的にはそれは宇宙のような)無限の世界に
ずっと持ち続けられるものは何であるか、それを探すのも人生・・・か。
そこが監督ご自身も深く想うところなのかも?とは私の個人的な感想。

見終わって場内に照明が灯ってから首と肩がバリバリに凝っていることに気がついた。
前方のお席で2時間41分スクリーンを見るのはやはりキツかったらしい。
でもそんなことをいっさい忘れて物語に没中できた作品であった。

『沈黙ーサイレンスー』公式HP

Commented by fuko346 at 2017-02-08 09:54
tomokoさん
この映画の感想 あちこちで 重い、と書いてあるのを見て なんとなく 見なくても分かるような気がしていました。
でも こちらの文章を読んで 見てみたいかも、と、、、
思いなしています。
Commented by team-osubachi2 at 2017-02-08 11:38
fukoさん
たしかに、ちょー「重い」作品でした。てゆーか、そもそも軽いハズがありませんよね、これ。笑。
歌舞伎でも文楽でもそうですが、しんきくさい話好きなせいもあるのか、その重さを越えた向こう側に、自分なりの落としどころを模索するのが好きです。

予告編にあるような、いかにもハリウッド風のドカンとした音楽(BGM)は本編ではまったく流れません。人の声やものの音、潮や雨や風の音、虫の声、あとはわずかに和楽器の(琵琶とか)の演奏がシーンによってちょこっとついてるだけです。
日本人には肌で感じることが出来るとてもいい映画と思いますが、西洋の人には、さて、どうでしょうか。ことに海外の大半のクリスチャンには抵抗感は大きいかもしれません。

チラシにあるようなアカデミー賞候補云々は見事なくらいスカでしたね(撮影賞のみノミネートで)。個人的にはアカデミー賞というものに興味がないので、なんとなくそうだろうなと想像しますが、制作したスタッフの皆さんのためには残念なことだと思います。難しいかもですが、この映画の良さが人々の心に深く沁みて、静かに広がってゆくことを祈ります。
長いコメント返しで失礼しました〜。
Commented by desire_san at 2017-02-13 09:00
こんにちは、
私も映画『沈黙-サイエンス』を見てきましたので、詳しい鑑賞レポートを読ませていただき、映画『沈黙-サイエンス』の感動が甦ってきました。この映画ではポルトガル人宣教師の目を通し、信ずること、疑うこと、葛藤、懐疑心と、人間の弱さ、信ずることの意味、人間撮って大切なものは何か、生きることの意味は何かについてじっくりと描いて、色々考えさせられました。この映画の配役は絶妙で、特に弾圧される農民を演じた笈田ヨシと塚本晋也は、堂々とした風格のある演技で、気高く感動的なほど魅力があり、映画に深みを持たせていました。窪塚洋介が演じたキチジローは、つかまると踏み絵に足をかけ、聖母マリアの像にツバをかけ、裏切りを繰り返しますが、それでも信仰を捨てずあきらめない、転んでもすぐ起きて、もう一度信じたいと生き続ける、どこまで弱いのだか、強いのだかわからないキチジローという人間の心底や表裏の解釈も含めて、新鮮に演じてい他と思います。

私も『沈黙-サイエンス』を観て、この映画の魅力と現代人はこの映画から何を学べるのかを整理してみました。読んでいただけると嬉しいです。ご意見・ご感想などコメントをいただけると感謝いたします。


Commented by team-osubachi2 at 2017-02-13 15:05
desire_sanさん
コメントありがとうございました。
さっそく desire_sanさんのブログをちょっと拝見いたしましたが、いまだ原作をゆるゆると遅く読んでいる私に、
大作のような desire_sanさんのブログに何の意見がありましょうや。
まずは原作を読み終えたいと思います。
by team-osubachi2 | 2017-02-06 11:09 | 出かける・見る | Comments(4)