末の花椿

椿の花が好きだ。
日本の椿も、西洋の椿も、どちらも好きだ。
その花の形と色のあでやかさには、単衣だろうが八重咲きだろうが、
ずっと見つめていたいと思うほどだ。

薔薇も、そのなんとも言えない形の美しさに見惚れることはあるのだけど
(オールドローズの香にいたっては、
猫にまたたびのごとく、ふにゃふにゃと身も心もとろけそうになるが)
それでも、薔薇さまと椿さま、あえて双方をくらべるなら、
薔薇さまは居間止まり、私の心の奥座敷にまでお通しするなら、
それは椿さまということになるらしい。

f0229926_09183870.jpg

丘をくだってスーパーへ買い物へゆくとき、
とあるお宅の石垣の下にぼこぼこと椿の花が落ちていた。

若いときには、それはただの「終わった花」としか見えていなかったのだけれど、
それがこのごろは違ってきた。

終わりゆく姿にも美しいものが宿っているんだってこと。

ありのままの美しさって、こういう姿もすべてひっくるめて言うんだってこと。

f0229926_09185332.jpg

若いうちは分からないでいい。
でも、年をかさねたら、分からないままでいるよりは分かるようになった方がいい。

それは人さまに見せるためのものではなく、自分の中でだけ育む美としての話。

歳をとるって美に対する受容がおおきくなり豊かになれるってことなのかも。
嬉しいことだと思う。

Commented by abe-mayu at 2017-01-13 19:06
明けましておめでとうございます。

枯れた花や虫食いの葉っぱの絵は好まれないけれど
椿の虫食いの柄がありましたね。
どんな所にも美を見つける自由な心を持ちたいですね。
今年も「丘の上から」楽しみにしています。
Commented by team-osubachi2 at 2017-01-14 08:28
abeさん
心の中ではそこに美を見出しても、実際枯れゆくものを
感じる美のままに描くのつて難しいそーですよね。
加賀友禅や蒔絵なんかに虫喰いの表現がありますけど、
そういうってめずらしいことなんだなってあらためて思いました。
ん?さらにいえば日本ならではの感性でもある???

今年もよろしくお願いいたしまーす ♪
Commented by セージグリーン at 2017-01-14 09:16 x
モノトーンの路面に、たとえ枯れゆくとも鮮やかな色合いを
残した椿の花の存在感、、、。
若冲の描く病葉もしかりですが、滅びの美、窶しの美も、
日本の豊かな風土が育んだ宝物、そしてそれを感応する心も。
重ねた歳をありのままに受け入れ育み、それが表れ出でた
佇まいの諸先輩をお手本にしたいものです。
Commented by みどり at 2017-01-14 10:50 x
確か利休も虫食いの葉のある花を活けられたとか。
そういう自然の美も、日本人的感性としてありますね。
それとは別に「虫のしわざ観察ガイド」という本があって、植物にある食痕、産卵痕、巣からどういう虫がつけた痕か分かる逆引き虫ガイドです。
美ではないですが、面白いと思ってしまいます。
Commented by team-osubachi2 at 2017-01-14 20:16
セージグリーンさん
どんなに日本人の感性がこうであっても、
それを先人を同じように感じられるようになるには
やっぱりこの気候風土の中での経験って不可欠なのかもですね〜。
たまたまですが、つい先日こんな記事をみつけたところです。
長文ですが、ご興味がありましたらどうぞ ♪
http://news.livedoor.com/article/detail/12520396/
Commented by team-osubachi2 at 2017-01-14 20:22
みどりさん
若かりしころに習ったお茶の先生宅には本当にちいさな庭があって、そこに生えてきたホウチャクソウやホトトギスやノジギクをお稽古場の床に活けていらしたのですが、枝ぶりがまがっていたり、葉っぱが虫食っていたり少し枯れたりしてなんともいい風情だったせいで、私もそんな茶花を習いたいなあと思ったものでした。残念ながらいまだ生け花は習ったことがないままです。笑
「虫のしわざ観察ガイド」面白そうですね!我が家の図鑑や辞典担当の相方に知らせて、さっそく買ってもらいましょ!笑
Commented at 2017-01-15 10:45
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented at 2017-01-15 10:46
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by team-osubachi2 at 2017-01-15 14:49
鍵コメントさん
ご無沙汰しておりました。そちらのお正月もいかがでしたか?
ときおり私もそちらのちいさくて綺麗で丁寧な絵日記、拝見しています。
そしていつも何かしら忘れてたような感情を思い出させてもらったりして、感心しています。
鍵コメさんのその青臭いものって、それが良さでもあるのでしょうかね。
だって、みずみずしさが鍵コメさんの日記にはありますもん。

いやあ〜、それにしても懐かしい思い出、読みながら、
今思えば傍迷惑になりそな誘い方もしてたんじゃないかなあって・・・。
いまだに覚えていてくださって、なんだかかえってありがとうございます!ってキモチです。(^ ^)
お互い遠く離れて住み暮らしてはいても、ときおりネットで互いの便りを窺い知ることができる。時代のいい部分かもしれませんね。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。番組、楽しみにしています!
by team-osubachi2 | 2017-01-13 10:30 | 生きものの世界 | Comments(9)