さようなら、原節子さん

寒かった昨晩、遅くに帰宅してすぐに目にした
原節子さんの訃報。御歳95。

銀幕をあとにされて、もう随分になるそうだけれど、
むしろ私は、その引退後にブラウン管や名画座などで出会った原節子さんだった。
何十本と見た出演作の中でも、くり返しいちばんたくさん見ているのは
小津安二郎監督の『麦秋』。

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鎌倉に住まう一家ののどかな空気感がいい。
そこへ娘紀子の結婚話で巻き起こるちょっとした騒ぎ。
最終的にいちばん身近でよく知っている相手を自ら選び、
家族の思惑よりも自分の意思を静かにしっかりと貫く姿や考え方に
長く独身だった自分もどこか参考にしていたかもしれない。

そして国語が大の苦手だった当時の私が
この女優さんからいちばん学んだものは、
丁寧な言葉遣いときちんと話す日本語の美しさだったと思う。

家族やご近所、そして気の置けない女友達との会話や
義姉と深夜に食べる銀座のケーキや一人台所で食べるお茶漬けなど
お家の中や料亭といった場面で登場する食卓の風景や食べものから、
鎌倉の風景や登場人物の着物や服装・・・どんなシーンも大好きな映画だ。

持っているDVDはそう多くはないけれど、お家で追悼のつもりでまた見よう。
昭和日本の永遠のマドンナ・原節子さん。
心からご冥福をお祈りいたします。


Commented by enjoy-wales at 2015-11-26 21:02
そうですか、原節子さんが他界されたのですね・・・。
私も小津安二郎監督の作品は大好きで、ちゃんと覚えていないけどこの作品も観たと思います。
この頃の映画は皆さん背筋がピッと伸びていて、男女とも服もキッチリと着こなされていて素敵です。
私も昭和のマドンナのご冥福をお祈りしています。
Commented by team-osubachi2 at 2015-11-27 23:24
enjoy-walesさん
すでに9月に亡くなられていらっしゃったようですから、49日もすぎての発表だったのかもですね。
女優を引退されてからの方が年月が長いですけど、私たちのようなのちの邦画ファンにはある意味もうすでに永遠のマドンナという存在だったなあ〜という感じがします。
小津監督やおなじみの方々と彼岸の向こうで再会を果たされたことでしょうねえ。
by team-osubachi2 | 2015-11-26 15:42 | 日々いろいろ | Comments(2)