It was a real beautiful mind.

高校2年が終わろうとする春休みのある日のこと、
数学(数 II -B)の宿題をしていて、四苦八苦しながらも
ある問題を一問解いたときの記憶がいまも鮮烈だ。
それはまるでオリエンテーリングで薄暗い森や林の中を抜け、
燦々と明るい日が射すゴールへと
自分の足でたどり着いたかのようなおおきな達成感があり、
そのときはじめて数学というものの面白さを身を以て知った気がする。

とはいえ、あいかわらず数式はチンプンカンプンのままではあるが、
高校生時代の鮮やかな感動だけは今もこの身に焼きついていて、
あの頭痛がしてきそうな数式の向こう側には、
文系の人間にも感受できる不思議で魅力的な世界があると思うようになった。
たとえば、小川洋子さんの小説『博士が愛した数式』には
そういう数物のとても豊かな世界観を文系的に感受し、
私たちの目線でわかりやすく表現されているのではないかと思う。

映画『 A BEAUTIFUL MIND 』には、
私程度の人間が想像できるような数式の世界ではなく
もっと深遠で、肉体を持つ人間の精神もが蝕まれてしまう危うい線上で
数式の真理を追求する数学者のお話だけれど、
この映画ではじめて数学者のジョン・ナッシュ氏(ノーベル経済学賞受賞)と
それを尽力して支える夫人がいらっしゃることを知った。

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つい数年前に放送された数式の世界を特集したドキュメンタリーでも
お歳をめされたナッシュ氏がインタビューに応えていらした姿を見ていた。
そして、昨夜、Facebookを流し見ていたら
CNNの報道でジョン・ナッシュ夫妻が交通事故で亡くなられたことを知った。

映画はナッシュ氏の受賞で人生がひとつ結実したカタチで終わっているけれど
(数学者なのになぜ経済学で受賞したのか、映画を観た人ならわかりますよね)
現実のナッシュ夫妻がまさかこんなラストを迎えるとは・・・!?

プラス面もマイナス面もすべて含めて、数式の奥深い豊かな世界と、
人として、夫婦として向き合い、闘い、受け容れて乗り越えてきた時間・・・。
またこの映画を見たくなった。

ご夫妻のご冥福を心よりお祈りいたします。

CNN / 'Beautiful Mind' mathematician John Nash, wife killed in car crash
http://cnnphilippines.com/world/2015/05/25/beautiful-mind-john-nash-killed-car-crash.html


Commented by 朋百香 at 2015-05-25 19:05 x
tomokoさま
ねー、驚きましたねー。まさか交通事故とは・・・
あの映画では、夫を支えるドーンとした奥様の大きさに圧倒されました。私にはとても無理だ・・・と。
変な言い方ですが、お二人、一緒に亡くなったことに私はホッとしました。

Commented by team-osubachi2 at 2015-05-25 19:40
朋百香さん
事実は、映画よりも、小説よりもさらに奇なり・・・ですよね〜。
『博士と彼女のセオリー』も見ました?あれも相当奥さまが大変ですよね。苦笑
でも、ホーキングさんはまだユーモアのセンスと色気(?)と結婚離婚を何度も経験できる図太さがありそうですけど、ナッシュさんはインタビュー見てても真面目そうでしたし、夫人の心根が深そうですよねえ。
>お二人、一緒に亡くなったことに
きっと天に召還されたんですわよね。もう十分やった、と。
by team-osubachi2 | 2015-05-25 18:14 | 日々いろいろ | Comments(2)