田中敦子 編著『更紗』

ふと、花を描きたいなと思う時があって、
現実に咲く花のカタチを描くのもいいけれど、
心にあるイメージ化された花はどう描いたらいいのかなあ〜・・・と
まだ紙に向かうでもなくうすらぼんやりと想い続けているのだが、
そんなときにこの本が上梓されたことを知った。

ついでながら、この本の著者である田中敦子さんが
銀座の教文館で講演されるとうかがい、先週末の土曜にちょいと行ってきた。

田中敦子 編著『更紗』_f0229926_18122474.jpg


着物をはじめ、日本のさまざまな工芸について執筆され、
またそれら工芸品を紹介もなさったりとお忙しくご活躍されている田中敦子さんが
更紗についてわかりやすくまとめあげられたご本である。

中は綺麗なカラー写真がいっぱいで、花だけでなく鳥や動物や抽象パターン、
制作の過程なども紹介されているので
私にはとてもいい資料になりそうな一冊だ♡

お話をうかがったこの日、田中さんが締めていらした帯も和更紗で
じかに工房にあれこれ相談して誂えたものだそうだ。
ブルーグレイの地色にちょいちょい見えているムラも
あえてそうなるように型紙をこしらえてあるものだそうで、
手仕事の味わいというのか、温もりが感じられる更紗帯でステキだった♪

田中敦子 編著『更紗』_f0229926_18125187.jpg

そういえば、田中さんのお話をうかがっていて、
今まで考えたこともなかったコトだけれど、
人間はいったいいつから「模様を身につけたい」と思うようになったのだろう?
古代人が肌身にじかに模様や飾りをつけていたであろう時代から、
やがて布というものを生み出し、そこに模様をつけて
身にまとうようになるまでのことなどもお話されていたが、
その時間の流れだとか、布の誕生からこれまでの変遷を想うと、
この本に紹介されている更紗模様の数々も
今までよりもグッと面白く興味深〜く思えてくるのだった。


田中敦子 編著『更紗』/誠文堂新光社
http://www.seibundo-shinkosha.net/products/detail.php?product_id=4440


Commented by cello87 at 2015-02-17 08:06 x
更紗の帯はいつか欲しいものの一つです。
努力目標としてます。努力目標が増え続けていくのが悩みの種ですが。
福岡美術館でも更紗展があり お友達とこの辺だけちょっといただけたらねえ。とため息つきながら眺めてきました。
その時も更紗って雰囲気でなんとなくわかるけど 結局なんなんだろうか?と思いましたので この本早速取り寄せてみようと思います。
先週末は上京して 日本橋三越を覗いたら 娘に買ったつまみ簪の作者の方の実演があってました。気の遠くなるような細かな仕事に対して この値段。買う時に高いなあ。と思った自分を反省しました。後継者はいないそうです。
Commented by team-osubachi2 at 2015-02-17 15:53
cello87
更紗とは何か・・・その言葉は田中さんもおっしゃってました。これが、これこそが更紗である、と言えるものはあるような、ないような。でもこの本に載っている類いの染めは確実にあるワケで、いま現在はこれらを総称して更紗とよぶことにするのが分かりやすいのかもしれませんね。
お好きなバティックが手に入ったときなど、帯になさってみては?私も一本そんな風にして仕立てたものを愛用しています。

つまみ簪だけでなく、すべての工芸の世界、またさらにそういう工芸のための道具を作る職人さん方も静かにどんどんいなくなっていってるみたいですね。この先どうなってゆくのか、どうしたらいいのか、考えあぐねるばかりです。
Commented by fuko346 at 2015-02-18 11:33
更紗 大好きです。
何が更紗か、といわれると あれ? ですが、
すう~~~っと引き寄せられると更紗柄、って
ことが多いです。
その規定を知らなくても これは更紗、とわかる
のは 何を根拠にしているのでしょうね。
と 不思議に思いました。
Commented by team-osubachi2 at 2015-02-18 13:41
fukoさん
たとえば着物は無地、縞、格子。
そこに更紗の帯、または更紗の襦袢がチラを見えるだけで
装いがふわ〜っと和らぐようなキモチになりますね〜。
不思議な魅力です。本当に。
さらさらさらさ・・・何を更紗を云うのやら。
Commented by 朋百香 at 2015-02-19 06:22 x
tomokoさま
私も更紗好き、のわりには更紗の帯って1本しかないかも。
なぜか惹かれますよね〜。
更紗に襦袢、良いかも・・・。
次に襦袢を作る時には、コレかな?
確かに更紗って見てると、懐かしいような優しい気持ちに
なれる・・・不思議ですね。
Commented by team-osubachi2 at 2015-02-19 10:04
朋百香さん
私もですよ〜、バティックの帯が一本あるだけ。
ま、一本で十分といえば十分なのかもしれません。
もう一枚バティックの布があるんですけど、
自分で二部式襦袢にしようかと思いつつ、木綿なので
裾がゴロつかないかそのあたり気にして何もしないまんま。笑
灯屋さんに絹地のバティックで二部式お襦袢ありますよね。
それも気になりつつ見送ってばっかりですけど。笑々
by team-osubachi2 | 2015-02-16 21:59 | 着物のこと | Comments(6)

イラストレーター岡田知子の、暮らしと、着物と、お絵描きの日々


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