浜松の松の音は颯々、ざざんざ織

*10月6日(月)台風18号一過のち晴れ

明け方、台風18号が浜松を直撃したせいで
静岡県内はずいぶんな雨嵐だったようだけど
浜松市内のホテルを出るころには空は青空になっていた。

帰りの道が通行止めというハプニングのおかげで
急に思い出したのが前々から訪れてみたかった「あかね屋」さんのこと。
チェックアウトの前におそるおそる電話してみたらば
懸念していた水害もなく「どうぞ、どうぞ」というコトで喜び勇んで伺った。

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ざざんざ織の由来や歴史については
ネットでもいろいろと検索できるのでここでは端折るけど
2年前のこの記事が分かりやすいかも。

浜松が生んだ伝統工芸「ざざんざ織」/しずふぁん!!
http://shizufan.jp/netamap/seibu/58158/

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ざざんざ織のことを知ったのは何年前のことか覚えていない。
紬が好きな人間にはどうしてだか心惹かれるクセの強い織物で、
いつか欲しい欲しいと思いながら、
後になって私が手に出来たのは2枚のリサイクル品。
http://okakara.exblog.jp/15075388/
http://okakara.exblog.jp/16735836/
実際に着てみたらば、この織物の持つアクの強さにすっかり魅了されてしまい
「好き好きだい好き、ざざんざ織ィ〜♡」という有り様に。

いつか機会があればお訪ねしてみたいと思っていた
ざざんざ織の平松久子さんは現在御歳81。
創始の舅どの、二代目のご主人、
三代目になるハズだった長男さんもみな故人になられ、
現在はお一人で家の隣の工房で仕事をされている。
染めや展示会の準備片付けなどは他の生業をなさっている
次男さんが手伝っていらっしゃるそうな。

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亡くなったうちの両親とほとんど同世代ながら
お肌の色つやもとても良くて言葉もハキハキしていらっしゃるのは、
織りをなさってるというコトと、こうしていろんな人間が
ここへ訪ねてくるのに対応していらっしゃるからかもしれない。

染め織りをするから「手はとても(人に)見せらんない」と言われるが
職人としてかくありたしと思うその手こそ
この個性豊かな布を織り出す手なのであ〜る。

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「展示会の前で、みんな(次男が)持ってっちゃったから」と
今お見せできるものがあまりないと言いつつも
いくつかの小物や展示用の反物を見せていただいた。

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帯や着物の反物はオーダーで受けつけているけれど
いつどうなるかわからないし、オーダーする人も今そうはいないとのことで
ゆるゆると仕事をしているとおっしゃる。

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でも、平松さんとお話していて感じられたのは強い職人魂だ。
若い頃にくらべて少しペースを落としはしても
その織り上がりは半世紀もこの仕事をしてきた今の平松さんが
十分に納得したものには違いない。
もしかしたら、平松さんご自身が若い頃の織物よりも
優しい手触りなのではないかしらん?
・・・と、一人勝手にそんなことまで想像してみた。

ああ、これを手にすることが出来たお客さまがうらやますぃ〜い。
・・・って、いやいや、私には今持ってる二枚でもう十分!
もっと着て、もっとツヤツヤにしてあげることを優先しようヨ。

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(着尺は逆立ちしても無理だけど w)
小物ならなんとかお小遣いで買えるから・・・と
玄関横のちいさな商品ケースを見て目が釘付けになったのは
くっきりとした色の細長いポーチ。

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もとは八寸の帯だったという棒縞四色の配色のなんとモダンなこと!
こんな色の組み合わせがだ〜い好き。
もしかしたらお札入れかもしれないけど
来年の手帳を入れるのにちょうどいい大きさでうれすぃ〜♡

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ざざんざ織は平松久子さんでおしまいになってしまうのかな?
残念なような気もするけれど、
昭和と平成のひとときだけ花咲いた織物として
時代の流れにのみ込まれてゆくのをただ眺めるしかないのかな?

次の目的地に移動しようと車に乗り込んだあと、
振り返ると玄関外まで見送ってくださったお姿がだんだんちいさくなっていった。
これからもどうぞお元気で織り続けてください。

ざざんざ織/あかね屋
http://homepage2.nifty.com/zazanza/
Commented by 朋百香 at 2014-10-11 15:33 x
tomokoさま
未だに「ざざんざ」と「伊兵衛織」の違いの分からない
私です。 でも、伊兵衛織の工房が無くなってしまった
だけに、こちらだけでも少しでも長く生き残って欲しい
ものですね。
Commented by team-osubachi2 at 2014-10-11 17:30
朋百香さん
私も違いはまったくわかりません。分類としてはいっしょくたです、私の中では。笑
ただ伊兵衛織にはプロデューサーがつきマスコミが注目しセレブの間でも有名になり、ざざんざ織にはそういうコトは起きなかったかもしれないです。平松さんがお若いころは銀座のE屋さんで展示会をなさっていたそうですがご高齢でそれも大変になり、もう小物なども東京へわざわざお出しになることはないかも・・・とのことでした。
御歳81・・・、はい、一年でも長くお元気で、ですね。
Commented by 香子 at 2014-10-11 23:14 x
わ〜、ワタシもざざんざ織と伊兵衛織同じように見えます。
しかし将来無くなって行くというのは忍びないですねえ。

ステキなドライブだったようでよかったでしたね〜♪
今のうちですよ (^_-)-☆
ウチなどリタイアしたら近距離ドライブし放題かと思ったら
長時間の運転はツライと近場のみしか運転しなくなりました (-_-;;
Commented by sogno-3080 at 2014-10-12 08:45
以前の記事ふたつも読ませてもらってると、
その好きぶりが伝わってきますよ。
何とも言えない魅力がありますよね。
私も強く惹かれます。

記事二つめの、特に焦げ茶の方、たまんな~~い!!!
帯遊びが出来そうですもんね。
いかにもTomokoさんに似合いそうです。
Commented by team-osubachi2 at 2014-10-12 12:12
香子さん
二つの織物は同じところから派生したのでしょう、私などにはどちらが元とは言えませんが(どちらが元祖でどちらが本家って争いみたいなもので)。でも、糸も織り方やデザインも殆ど同じなんですもん、私ら素人にはわかりませんよねえ。
ドライブ、車もマシーン、エンジンですから時々動かさないと使い物にならなくなりますよね。機械も人体と同じだよなあって思ったりします。(^^;;
Commented by team-osubachi2 at 2014-10-12 12:22
sognoさん
今はあんまりやってませんが、古手でも私には思い切って手に入れたこの二枚、嬉しくて嬉しくて、独身時代、しまってあった箱からよく引っ張りだしては眺めて、そして仕事頑張っていたのでした。笑
帯合わせがちょいと難しくて、優しい染め帯なんて負けてしまいそうです。それなりにクセのある模様かインパクトのある帯、力のある帯でないと帯が着物に負けてしまいます。着物って、帯とか、帯勝りの方が装いとして安定感があるんだってこと(お値段ぢゃなくて)、この着物から教えてもらいました。モノが道理を教えてくれるって面白いものですネ(≧∇≦)
Commented by 神奈川絵美 at 2014-10-12 15:14 x
こんにちは! 私はざざんざ織は持っていないのですが、「クセがある」とか「アクが強い」という感覚、わかるような気がします。上手くいえませんが、人の手がしっかり入っているという感じ。色合いも深いし、力がありますよね。着る側も芯が通っていないとしっくりこないんだろうなーなんて考えながら、読ませていただきました。
Commented by fuko346 at 2014-10-12 22:29
いいなあ、、、、、 私の一枚 見つけるぞぅ 笑
↑の反物もいいですね~~~~ よだれが(失礼)

名前の違う二種類の織物 もとは同じ、とどこかで
読みました。
同じ織物で工房が違う、ようなものなのかしら、と
思っているけど それにしても 似たものがあるので
もっと近いのかもしれませんね。

こちらにも伺ってみたいです。
Commented by team-osubachi2 at 2014-10-12 23:59
絵美さん
実際に布を見ると皆さんそういう印象を受けるようですよね。
無骨で、ちょっと牛すじの煮込みみたいな・・・。
でも、いまふと思ったんですけど、アクの強さとかクセの強さって
何もこの織物でなくても染めにだってあることなのですよね。そうそう。
プレーンなようでも、優しい暖色でもはっきり個性の際立った染めの着物や見事な京友禅なども個性が強いものになればやっぱり着る人に芯の強さがないと負けてしまいますよね、きっと。
自分の性根とマッチする着物って人それぞれにあって、手に入れたはいいけれどやっぱり違ってた・・・と手放すことになる場合もあるのではないでしょうかね。そんな気がしませんか?
Commented by team-osubachi2 at 2014-10-13 00:07
fukoさん
見つけて、見つけて〜〜!あなただけの一枚をぜひ♡
きっとどこかであなたとの出会いを待っている、
そんな一枚との出会い、想うだにワクワクしますね♪
思い立ったが吉日。
お近いうちに一度お訪ねになってはいかがですか〜?
もう大きな団扇で思いっきり煽らせていただきたい!
崖の端まで連れていって後ろから突き落として差し上げたい!笑々
by team-osubachi2 | 2014-10-11 12:05 | 着物のこと | Comments(10)