稲葉賀恵著『マイ・フェイヴァリット』

一昨日、所用で隣駅まで出かけたついでに書店に寄り、
来年度の手帳を選んだあと、ブラブラと店内を歩いて趣味ものの棚で
稲葉賀恵さんの『マイ・フェイヴァリット』という
先月下旬に出たばかりの一冊を見つけた。

手にとってみれば、この仕様とデザインですぐにそれとわかる。
着物好きにはおなじみのプロデューサーは清野恵里子さん、
ブックデザインは鈴木成一デザイン室による本だ。

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着物を着始めた20代の頃、自分はいったい何人の人に憧れたのだろう?
大女優や名脇役の女優さん方、舞の名手に美術家、
それから料理研究家さんファッションデザイナーといったお歴々。
その中のお一人がこの稲葉賀恵さんだった。

平成4年4月4日に44歳を迎えるというある京漆芸の老舗の九代目の方が
西麻布でバースデーパーティーを開くというので、
主賓と親しい京都の知人に道案内を頼まれ、
ついでにそのままパーティーに参加させていただいた事があったが、
梨園や出版業界に顔が広い主賓のために大勢の友人知人の方々が集まった中に
稲葉賀恵さんがいらした。

当時はまだナチュラルなグレー・ヘアにしていらして、
(それがまたカッコイイのなんのって)
その夜はたしか髪は結わずにプレーンな白いシャツにパールをつけただけの
いかにも稲葉さんらしいノーブルな装いで十二分に素敵だったけれど、
着物熱に侵されていた私は、グラビアに度々登場されていた
グレー髪で颯爽と着物を着こなす姿に完全にシビレていた。

その後、ある時期を境に今のお髪になられて、
ますますカッコイイ着物姿をいつも読者に見せてくださっているけれど、
こうした着姿を一冊にまとめられる事になったのも、
きっと良いご縁とタイミングが訪れ、よきスタッフが集結しての事。
みんなの力で一冊の本が出来上がる事への感慨をあとがきに記されている。

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豊富なカラー写真やお話の内容も質が高く、まるで世界が違うなあと思う。
まだ若かった自分がどうしてこんな世界に憧れたのか、背伸びもいいところだけれど
今は自分の立ち位置(てゆーか身の程ってヤツね)がハッキリとわかっているせいか、
かつてのような熱のある憧れはもはや遠い過去のものになったと感じる。

ただシンプルに素敵な着こなしを眺め、
稲葉さんの想うところを綴られた文章(聞き書き)を読む。
うっとりしながらページをめくり、ひととき違う世界を見て愉しむ・・・。
こういうのを大人の絵本というのかもしれない。

稲葉賀恵『マイ・フェイヴァリット〜きものに託して〜』/集英社インターナショナル
http://www.shueisha-int.co.jp/archives/3219


Commented by 香子 at 2014-10-04 19:59 x
> きっと良いご縁とタイミングが訪れ、よきスタッフが集結しての事。

よい本と言うのはそういう事↑なんですよね。
図書館に入荷するまで我慢して待ちます (^-^)b
Commented by セージグリーン at 2014-10-05 08:27 x
お、このお召し物はもしやS子様のと同じ伊兵衛織では?
Tomokoさんをして「内容も質が高く、まるで世界が違う」と語らしむのですから、早速手に入れなくては、、、。
ご自分の着物ブランドもお持ちで、「着物の時間」で夏物をサラリとお召しになった姿がこれまた、素敵でした。
素敵すぎて憧れはしますが、容姿やその他、あまりに違いすぎるのでそのままお手本にはできないなぁと、そう言う意味でため息が出そうです。
Commented by cello87 at 2014-10-05 10:01 x
私もこの本を大事に眺めてます。
いつもお世話になってる方が5冊目の本を出されることになり 表紙の撮影がありました。いつも鈴木成一先生が福岡のスタジオに見えます。誘っていただきましたので 私は清野恵里子さんのきもの熱を持参しました。撮影後、清野さんとは飲み仲間であること、きもの熱の表紙は帯締めをギューっと押し付けて撮影したこと、清野さんはそんなにお金を使う訳でないのに 不思議と素晴らしい着物が集まってくることなど伺いました。そのときにああ!いつもブログで勉強させていただいてるtomoko様と一緒だ‼︎と思いました。先日オークションでみつけられた帯もとても素敵です。
稲葉さんの本も手がけてます。と言われてましたので 心待ちにしており、出版と同時に購入しました。また一冊大切な一冊ができました。
きもの熱にはサインもちゃっかりいただきました。
Commented by team-osubachi2 at 2014-10-05 23:10
香子さん
はい、本一冊が、それもクオリティ高くよい本にするには、それなりの力の結集が成って始めてできますよねえ。
図書館が近くにないって、いいんだか悪いんだか。でもいい本を借りてしまうと返すのが辛くなる私です。見て読んでから買える本ならいいんですけど、絶版の本なんかに出会ったら大変です。笑
Commented by team-osubachi2 at 2014-10-05 23:15
セージグリーンさん
若々しい時代、妄想の中の自分は自分ではありませんでした。自分は常に物語のヒロインです。好きで憧れの姿にいとも簡単になれるのです。現実はまるで月とスッポンなのに、です。笑
そんな妄想癖、崩壊して本当にヨカッたです。笑々
ご本、お楽しみください。
Commented by team-osubachi2 at 2014-10-05 23:28
cello87さん
それはいい機会に恵まれてよかったですね。
一般の方々はもちろん、このギョーカイのとの接点がなければ、本一冊にしても、どのようにして出来るかわからないものですから、制作の一端や裏話を見聞きするのはとても刺激的だったのではないでしょうか。
私自身も、もっともっといい本や物語とのお仕事を増やしたい、もっと増えてほしいそんな願いがあります。いい本との出会いはいい刺激の素ですね。♡
Commented by 朋百香 at 2014-10-06 17:18 x
tomokoさま
稲葉さん、昔、私も憧れたな〜。当時はまだ、きものに
目覚めておらず、彼女のデザインする洋服にでしたけど。
目黒に住んでいた頃、向かい側のマンションに住んで
らしたのですよ。1度くらいしかお姿、拝見しませんでした
けど・・・。
ああいう大人の女性になりたいな〜と、思いました。
Commented by fuko346 at 2014-10-07 00:40
稲葉さんは ほんとに素敵。
(って実際を存じ上げているわけではないけれど)
だけど憧れるっていうのが 私には無いなあと
気がついています。
素敵だなあっていうのと 憧れるって ちょっと
違う、、なんて また屁理屈かしらん 笑

ヨシエイナバのお洋服はすき♪
そろえられたらいいけど、、、無理だわあ。
Commented by team-osubachi2 at 2014-10-07 08:42
朋百香さん
今もそうですけど、やっぱりカッコイイですもんねえ〜♪
その後、お誕生会の主賓の方のお誘いで歌舞伎見物でも
同席させていただきましたけど、
残念ながらお着物姿は生で見かけたことがないので、
グラビアでしか知らない着姿はやっぱり憧れでした。
>ああいう大人の女性になりたいな〜と、
もうなっていらっしゃいます。・・・と、思いますデス。笑
Commented by team-osubachi2 at 2014-10-07 08:52
fukoさん
>素敵だなあっていうのと 憧れるって ちょっと違う、
そうですよね。それは屁理屈ってことではなく、
自己とか自立性ってコトと関係あるのかなあって思います。
素敵って思うのと、(なりたいっていうような)憧れは別モノ
・・・と、今でこそわかるようになりましたが、
自己愛だらけの阿呆ムスメには、そんな違いがあるってことすら
考えたこともなかったのでした。笑
あいたたた〜な時代、長かったですけど、
それがあったから今の自分があるんだって思うコトにしてます〜。苦笑
レ・キップ ヨシエイナバ、お似合いになりそう♪
by team-osubachi2 | 2014-10-04 00:45 | 着物のこと | Comments(10)