元は黒留袖の扇子袋

先日四十九日の法要が済んで、母の古い桐箪笥を開けた。
以前から少しばかり整理してあったので、状態の良いものの中から
いくばくかの着物や帯を、叔母用にまとめたり
お嫁さんとして我が家に来た義姉に形見分けとして譲ったりした。

その中で、岡田の家紋がついた一つ紋色無地と長襦袢類と黒留袖は
さすがに他家へまわしようがないので私が引き取ることにしたものの、
はて、まだしつけもついたままの新しい黒留袖はどうしたものだろうか。
身丈は小さすぎて、私には着られないし
もし直したとしても、私が今後黒留袖に袖を通すことはもはやない。

元は黒留袖の扇子袋_f0229926_817025.jpg

丘の上へ帰る前の日になって、とある鍵をさがしていて
母の普段使いの箪笥の中にヒョイとこの扇子袋が置いてあるのを見つけた。
おお、懐かしい・・・♫

これは母が嫁いできたときに誂えたという古い黒留袖を
当時古裂を探していた私の友人のママのキクコさんに
差し上げるつもりで預けたところ、
(キクコさんの巾着 http://okakara.exblog.jp/18487743/)
キクコさんは必要なところだけちょこっと取って
のこりはクッションカバーや家紋入り黒巾着にして返してくれたのだけれど、
この扇子袋はその生まれ変わった黒留袖小物のひとつだった。

元は黒留袖の扇子袋_f0229926_824286.jpg

普段から扇子を持たなかった母は
結局これを使うこともなく終わってしまったけれど
(かわりに家紋入りの黒巾着をお数珠入れにして愛用していたっけ)
この夏ひとつ新しく買い足した扇子を入れる袋がちょうど欲しかったところだ。
手頃な形見としてもこれはいいや、と私がちょうだいすることにした。

こんな活かし方もいいものだなあ〜と思いつつも
さすがにキクコさんのような手まめさは私にはないので、
さて、新しい黒留袖、どう活かしたらいいのか、
これからゆっくり考えることにしよう。
Commented by sogno-3080 at 2014-09-17 18:24
キクコさんの記事には前にもコメント差し上げました。
今回もまたピピピッときました。

キクコさんってホント器用ですね。こちらの扇子入れを
写真で拝見させて頂いてもその丁寧さを伺い知ること
ができます。
数珠入れ!!わ、作ってみたいなあ。
Commented by しだっち at 2014-09-17 20:55 x
こんばんは

私も義母の形見分けを義姉と従姉妹達で致しました
義母の思いが、遺された物にこめられているようで 皆で涙ぐみながら思い出話に盛り上がった事 おもいだしました
(*^^*)

私は留袖を封筒型の「ふくさ」を作ってもらいました

慶事用には模様の箇所で、弔用には黒地で、
とても重宝しております

時々、月謝袋を入れたり  (^_^)v

お母様の扇子袋 素敵ですね

形見のお着物 素敵に変身されますように
Commented by 香子 at 2014-09-17 21:32 x
紐の先の玉まで残り布で作ってあって
温かさが伝わって来ますね。
知り合いは黒留を羽織にしたり(柄は後ろ、前は黒のまま)
別の方は柄を生かして着物用のショールにしてました。
Commented by team-osubachi2 at 2014-09-18 11:47
sognoさん
キクコさんはsognoさんみたいなところがあるかもです。
しょっちゅう図書館へ行ってはいろんな本をいっぱい読んでいて、お針もお手玉から巾着からクッション、こんな扇子袋までチクチク。いったいいつ寝てるんだろう?っていうくらいいつも何かしていて。笑
もう80歳くらいのお年頃と思うのですけど、60代からだったかジムに通ってるせいもあってか、いまも溌剌としています。(やっぱり筋トレしてると格段の違いがでてきますね〜)
そうそう個展のときに、いただきものだというバラの小紋とお襦袢をお召しでしたけど(http://okakara.exblog.jp/21380403/)、これがまたよくお似合いで。いつだったか銀座で着物モデル(シニア)やりませんか?と声もかけられたそうですよ。
まだまだお元気でいて欲しい年上のお友達の一人です。
Commented by team-osubachi2 at 2014-09-18 11:56
しだっちさん
故人の着物を身内で形見分けするのってなんかいいですよねえ。
ものによっては、それは故人との思い出も共有して分け合うものなのだなあ〜と今ごろになって初めて気付きました。
さいわい私の義姉も着付けをしていて自分で着られますし、娘も民謡踊りなんか習っていて、母が誂えた若向きの帯や浴衣もお嫁さんと孫に譲ることができて、本人も草葉の陰で喜んでることでしょう。
さて、この黒留袖、何になりますやら。うかうかしてるとそのまんま箪笥に仕舞いっぱなし・・・なんて。まあ、それもアリですかね。
Commented by team-osubachi2 at 2014-09-18 12:04
香子さん
そうなんですよ〜、玉には蹴鞠みたいな形になってて、細い銀糸みたいなので掛け違いに塗ってとめてあります〜。そんな細かいこともわざわざねえ〜。
私は自分でジャム便だとかを茶入れ振出しに見立てて、お遊び用の野点セットを用意したときに、それぞれをキクコさんに巾着の縫い方を教わって入れ物にしました。あ、いつかそれもネタにしようかな?笑
黒留ねえ、よくまだ実家においてあってよく見てないんですけど、たしか大名行列か、御所車のお供の列だったか、人物がズラズラズラ〜っと。
そんな柄なので、リサイクルで匹田絞りとか用意してはぎあわせて名古屋帯にしようかなあ〜、と、そんなことも妄想中です。匹田絞りと直線で接ぎ合わすのって難しいですかね?
Commented by 香子 at 2014-09-19 18:58 x
疋田絞りとの接ぎって面白そうですね♪
ただ、絞りは生地が伸びないよう裏打ちしてある場合があるので厚みがあります。
染め疋田とか摺り疋田の方が生地の厚みが均等でいいかもしれませんねえ。
あ、リバーシブルにするなら無問題かと。。。(S子さんが持ってた)
Commented by team-osubachi2 at 2014-09-20 11:08
香子さん
うん、やっぱり厚みの問題ですかね。
どうしようかなあ、絵羽ってズバリお太鼓にいい柄を持ってこようとすると、はぎあわせないとむつかしいですよね?
黒無地部分に匹田とか波とかを箔押ししてもらってバランスとるって手もありますかね。ま、今すぐでなし、いろいろ調べてみますー。またご相談するかもです。感謝。
by team-osubachi2 | 2014-09-17 08:38 | 着物のこと | Comments(8)

イラストレーター岡田知子の、暮らしと、着物と、お絵描きの日々


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