衣紋道高倉流のお服上げ

昨日の午後、友だちに案内されて青山学院へ出かけた。
学院正門入ってすぐのところにある総研ビルで開かれた
「ビューティ&サイエンス」なる学会を覗き見に行って来た。

f0229926_2237496.jpgお召しになる「お方さま」には吉報の南か東を向いていただき

生まれてはじめて学会などというものを見学させてもらったけれど
徳川美術館の国宝「初音の調度」や「わび茶の美」についての説明や
「平安女性の化粧と髪型」についての学術講演はそれなりに興味深くて
知らなかった名称や単語を知ることが出来て面白かったのだけれど
私が一番見たかったのは衣紋道高倉流の「実演・十二単のお服上げ」だった。

f0229926_22405148.jpgまず単(ひとえ)

衣紋道を最初に知ったのは20代のはじめ、
おそらく円地文子版の『源氏物語』を読んでいた頃だったかもしれない。
絵巻物で見る衣装、いわゆる十二単は美しかったのだろうなあ
・・・と、想像はしてみたけれど、
本当はどんなものかはまったくわからなかった。
(云うまでもなくインターネットなどというものがなかった時代のお話)

f0229926_22411947.jpgそれから五衣(いつつぎぬ)を着せていく

当時、たまたまパルテノン多摩のホールで
高倉流の展覧会があるのを知り見に行った。

f0229926_22414972.jpgこの時は「萌黄」といって濃緑から上へ薄緑と重ねていき

はじめて目の当たりにする衣装や数々の資料は
見るだけでも綺麗で面白くて興味深かった。
そうか、冠はこういう作り、髪の飾りや扇の紐飾りはこういうもの、
直衣はこう、十二単は実際はこういう作りなんだ・・・と。

f0229926_22422466.jpgそれから打衣(うちぎぬ)と立派な織物の表着(うわぎ)、最後に裳(も)をつけ、裳の小紐で重ねた衣を全部おさえておしまい

その後も機会を得ては何度か見に出かけたけれど、でも実際に着付けて
(「お服上げ」と云うのだそうな)
いるところをなかなか見る機会がなかったので
この実演を愉しみにしていたのだった。

f0229926_22424514.jpgこちらは「紅梅の匂ひ」という重ね

着付ける前と後の衣紋者の手順の良さ、
柔装束(なえしょうぞく)とはいえ実際に人が着るとかなりなボリュームがあり
この日のひと揃いで17〜18kgという重量ぶりなど
絵や写真からはわからないところも発見できたりして面白かった♬

f0229926_2371642.jpg未婚女性の袴は濃い色、既婚女性の袴は朱色

こういう衣装や髪型、化粧のことを知るのは愉しい。
いろんな事を知るたびに、読む時代小説の登場人物たちが
いきいきとした彩りを増してゆくからだ。

f0229926_2243932.jpg小物の類い。髪を結ぶ絵元結や金元結などは小指ほどに太い

もちろん絵を描くときの参考になるのは言うまでもない。
(カメラを持参しなかったのが多少残念でもあったけれど)

f0229926_23263395.jpg昭和62年11月の図録

専門的にとかアカデミックに見知るつもりはないし、またその必要もない。
でも、とにもかくにも本当に美しいものは見たり聴いたり
五感に触れるだけでキモチがふっくらと豊かになる。

ゆっくりゆったり時間をかけて日本の文化の奥深さに触れてゆけたら
それでいいかな・・・と思っている。

Commented by 神奈川絵美 at 2014-06-22 20:55 x
こんにちは!お服上げというのですね。文字通り、粛々と衣装を「上げて」着せていく・・・こうした様子はなかなか観る機会がなく、新鮮です☆着せられる人は、すこーしずつ重くなっていくから、17-8kgになっても耐えられるのかしらん。
単色ではなく、色を重ねたワンセットに名前が付けられているのも、もしかしたら和文化特有なのでしょうか、ロマンがありますよね。
Commented by team-osubachi2 at 2014-06-23 00:17
絵美さん
お服上げというのだそうですよ。実際立ち上がって着付けることはなく、
膝をついたまま着せあげていってました。
モデルの「お方さま」は髪からして重くて大変ですよね。
衣装映えもお化粧もですが、若くないとモデルは務まりませんですねえ。
重ねの色目の名称、たとえば英国のチェックとも
通じるものがありそうですね。
by team-osubachi2 | 2014-06-21 23:35 | 着物のこと | Comments(2)