嬉しい便り

先日、剱岳のふもとに住み暮らす叔母のKちゃんから
柿の実などの里頼りとお礼のハガキが届いたと思ったら、
昨日またKちゃんから封書が一通届いた。

はて、何だろう?と思って封を切ったら、
中から書店の売り場の写真が二枚と、短くしたためられた便箋が一枚。

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所用で東京を訪れたKちゃんの連れ合いであるFおじさんが
神田にあるU書店に立ち寄ったらば、
中国版の『泣き虫ハァちゃん』を逆輸入して店頭で売っていたとのことで
FおじさんがKちゃんへの土産に買って帰ったそうである。

中国版の書物を多く扱っているらしいそのU書店でも
ハァちゃんは今一番の売れ行き(?)だそうで、Fおじさん曰く
「村上春樹(中国版)が寝とって、知子のが立っとったぞ(笑)」とのこと。
(いやいや、正確には私のぢゃなくて河合隼雄さんの本だってば)
Kちゃんの手紙には「じいちゃんが聞いたら、
泣いて喜ぶかもしれませんね」と嬉しそうに書いてあった。

母方のじいちゃんは、日中戦争の最中、
昭和18年から3年ほど農業技術指導で中国にいたことがある人で、
じいちゃんが亡くなったあと、叔母Kちゃんの手元に残された
『沢沛農田(たくはいのうでん)』と見事な隷書を絹糸で刺繍された
一枚の旗を頼りに、Kちゃんは敬愛してやまなかったこの父の足跡を、
中国と所縁の深い連れ合いFおじと共に中国各地へ尋ねてまわり、
たくさんの人の協力のもと、3年前、
かつて父がいた村(中国江蘇省の丹陽)をついに探し当て、
彼が残した農業用揚水ポンプがいまも一基だけ残っている村を訪問し
Kちゃんは長年の夢だった亡き父母への供養を現地で果たしたのだった。

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自分としては連載当時ただ懸命に描いた仕事が
幸運にものちに書籍というカタチになって、しかも中国版にもなり、
じいちゃんの中国への熱い想いで繋がっている叔母の手元に行くことになろうとは
思いもしない出来事だったけれど、Kちゃんの嬉しそうな手紙を読んで
こちらまでがほんわかと嬉しいキモチになった。

じいちゃんが農業指導した村人から送られた旗に記してある
『沢沛農田(たくはいのうでん)』に込められた意味とは
「あなたの御恩は豊かな水のように田畑を潤す」という意味だそうである。
なにやら私までじいちゃんの恩恵に与ったような気がしてきた。
Kちゃん、嬉しい便りをありがとうございました!
Commented by いととて at 2013-11-22 10:49 x
いいおはなしですねエ。
Commented by team-osubachi2 at 2013-11-22 22:22
いととてさん
恐縮です。読んでくださって感謝。
by team-osubachi2 | 2013-11-21 12:06 | 日々いろいろ | Comments(2)