小津さんの映画とドラマ『青春放課後』

ご多分に漏れず、小津好きである。
20代から30代のころ、懐かし系の映画館へよく出かけつつ
六畳ひと間のちいさなアパートで、仕事机に向かいながら
BGM ならぬ BGV としてしょっちゅうビデオにかけていたのが古い邦画の数々。

なかでも映像から流れてくる空気感がのんびりしていて
仕事の邪魔にならなかったのが小津さんの映画だった。

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もうひと月ほど前のことになるけれど、
テレビで里見弴&小津安二郎二人の脚本による
テレビドラマ『青春放課後』をはじめて見た。半世紀ぶりの放送だったそうだ。

演出は違っていても、出演者も音楽も、
当然台詞の数々も相も変わらずな小津調そのもので、
たんたんと描かれているお話には
人生の奥深いものがそこいら中に散りばめられていてね。
(ただ、映像的には、やっぱり映画と違ってテレビドラマ〜な作りだけど)

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主演の小林千登勢さんのかいらしいコト!
宮口精二さんと北竜二さんのいかにも昭和なおじさん的会話も
小津さんらしいテンポのまんま。
芸達者な杉村春子さんと三宅邦子さんの、
これまたいかにも平和で安穏で昭和な奥サマの会話に
ついついそば耳をたててしまったりする。

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(前の晩に京都から来ている小林千登勢が深夜にしたたか酔っぱらって来て、
宿泊先のおばさま・杉村春子が呆れたところへ
翌日、夫同士交流のある三宅邦子が訪ねてきて・・・)

三宅:でもいいわね、お酒が飲める女の人って
杉村:でもほどほどよ。
   お嫁入り前の女の子にそんなに飲まれちゃ敵わないわ
三宅:でも私、ときどきお酒が飲めて酔っぱらえたらいいなと思うことある
杉村:そりゃあたしだってあるわよ。
   もうくさくさしてるときなんかつくづくそう思うわ。
   あんた、酔っぱらったらどうする?
三宅:ん、その辺のお皿、みんなぶっ壊しちゃう
杉村:そう。本当に亭主がお皿に見えてくるわね
三宅:うん、更年期障害ね
杉村:そう!ハッハッハ・・・!

のどかにお茶をいただきながら、こんな何でもないような会話、
(でも、奥にはコワイものも潜んでたりするんだけど)・・・好きだなあ〜。

余談だけど、小津さんの後半の映画に毎度登場する
浦野理一さんの着物の数々にも、いつも見惚れていた。
そのせいか柄のある着物に無地の帯を合わせるのが好きである。

こんなこと書いてると、またまた小津さんの映画が見たくなってきた。
小津安二郎監督の命日は12月12日。今年は病没して50年だそうである。
by team-osubachi2 | 2013-11-18 09:40 | これが好き | Comments(0)