『和服女性』十一月の展示@ゑり華

*この展示は終了しました
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青山・骨董通りわきにある「青山ゑり華」さんで、
思いつくままに描いたいろんな着物姿の人物画を
今年一年の間、月替わりで展示させていただいています。

今月は、この間取材させていただいた笛、箏、小鼓の
お稽古の様子をスケッチしたものから想像をふくらませて
音を奏でる三人の女性を描いてみました。

すでに嫁した青眉の人、年増、そして娘。
自分勝手に、まつ、たけ、うめ、とそれぞれ名前をつけて
どんな時代の人にしようか、どんな着物を着せようか、
奏でる曲は何がいいだろうか・・・と
ひとりで想像をめぐらす時間は愉しいものでした。

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明治、大正のころまでさかんに結われてきた日本髪で
好きな髪型がいくつかあるのですが、ことに好きな型のひとつが、
前髪はあまりたてず、後ろ首の髱(つと)を長くせり出す形の型で
鶺鴒髱(せきれいづと)と云う型です。
(主に西で髱のことを「つと」、東で「たぼ」と云っていたようですね)

それから、古の既婚女性の眉を落として鉄漿(かね)をつける風習も
いったい本当にあれを美しいと思っていたんだろうか?・・・と
不思議に思いつつも、いつか青眉の人を描いてみたいと思っていたのでした。

『黒塚』 まつ女

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おまつさんを西方の女性に仕立てたので、
おたけさんはスッキリと江戸の年増にしようと思いました。
それにはちょうど先日スケッチさせていただいた
プロの囃子方としてご活躍されているSさんの姿がとても美しかったので、
そのままモデルになっていただきました。

髪はつぶし島田に、青竹の着物、帯には江戸紫・・・かなあ〜と
自分好みに着付けして遊んでみました。

『井筒』 たけ女

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おそらく映画や時代劇の見過ぎのせいと思いますが
まだ嫁入り前も娘さんが箏を奏でる姿というのは、
なんとなく華やぎのある絵になるように思います。

以前、向田邦子さんの作品でひとり挿し絵ごっこで描いた
「あ・うん」のさと子もお箏の前に座らせてみたのですが、
さすがに知らないことだらけで
(取材してみて、はじめて描いた絵の間違いも発見したりして)
絵とはいえ、奏でている姿を描くことが出来ませんでしたが、
先日、K先生のお稽古場に伺いいくつもの事柄を教えていただいたおかげで、
今回ようやくお箏を弾く姿を描くことができました。

『小督』 うめ女

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11月の展示なのに、紅葉がひとつも出てきませんが
三人が奏でる曲に秋を忍ばせてみました。

もしかしたら、絵やタイトルにどこか間違いやそぐわないものがあるかもしれません。
日本の事は奥が深くて、やってみるほどに
まだまだ勉強不足を思い知るばかりです。いやはや・・・。

*イラストレーションの無断使用及び複製・転載をかたく禁じます

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スキャニングがあまりよくなくてすいません。
もしもお近くにいらっしゃることがありましたら、
ぜひ「ゑり華」さんの店頭で、額絵としてご覧いただけましたらさいわいです。

青山ゑり華(水曜定休)
http://www.erihana.co.jp
Commented by 神奈川絵美 at 2013-11-07 22:18 x
こんにちは! 芸術の秋、文化の秋。取材がこんな風にすぐ
絵に生きるなんて、さすがー!と思いながら拝見しました。
せきれいって鳥のせきれいですか(すみません、調べもせず)。
描かれている女性の髪や姿と、奏でている楽器のイメージが
ぴったり合っているなあ、と感心しています。

下の記事も拝読しました。確かに私、高校のころ観たときは、大作のリアリズムに圧倒されていたかも…。今観たら違った感想を持つのかな。画家として成功をおさめたターナーですが、やはり生涯の中で、大事にしているものが少しずつ変わっていって、画風も変わっていくものなんだなーと改めて思いました。
Commented by sogno-3080 at 2013-11-08 06:39
ああ、今回の絵もいいですねえ~
特にたけさんに激しく惹かれます。うりざね顔の凛とした佇まい。名前とお着物の柄がマッチしているところなんかいいなあ♪私なんか、つい、たけさんのプロフィールまで妄想しちゃいました(笑)
いつかちゃんと、生の絵を拝見しに行きたいと
思っています。
Commented by team-osubachi2 at 2013-11-08 08:58
絵美さん
いやあ、もうこのごろはいろんな事をすぐに忘れてしまうので(苦笑)忘れないうちにいったんカタチにしておかないと、って思いまして。「鉄は熱いうちに打て」ってことでしょうか。
鶺鴒は鳥のセキレイのことですね。セキレイの尾に似せたのか、人びとが尾に似て感じたのでしょうね。着物と同様、東と西で好みが違うように髪型も違いがあって、溝口健二の「西鶴一代女」の田中絹代さんや山本嘉次郎の「藤十郎の恋」の入江たか子さんがいい感じで描かれています。

ターナーも画家としては成功しつつも当時は画壇からいろいろと揶揄されていたみたいですね、やっぱりアイロニーなお国柄でしょうか。教えていただいたコンスタブルやコローと共通した風景画の匂いは晩年には失せていて、独自性と精神性とが色になって解け合ってるなあ〜って感じでした。自分が若いころには感じられなかったものです。でも、若いころと同じ感想もまたいいものですし、違っていてもいい。観賞の愉しみは自由自在だからいいんですよねえ。もしご興味がありましたらぜひ ♪
Commented by team-osubachi2 at 2013-11-08 09:03
sognoさん
ありがとうございます。おたけさん、お好きですか?
年明け1月23〜28日にゑり華さんで一年分ぜ〜んぶまとめて展示(もち販売も)しますので、もしよかったら皆様にゆっくりとご覧いただけたらなあ〜って思っています。もしご都合よろしければどうぞお出かけください。そのときにでも、おたけさんのプロフィール、よかったらお聞かせくださいまし〜。(笑)
Commented by cello87 at 2013-11-08 10:32 x
こんにちは。
オススメの通り ふだん着の着物デビューを9月1日にはたし 着付けも となりのとなりの方に習い始めました。
義母の着物を仕立て直してきてますが、ついだり痩せたりと頑張っております。
さすがに羽織りは どうしようもなく、眺めるだけです。
今日は用事で東京に出てきたので ふと思い立ち、結城に向かってます。検索しながらですが、遠いです。
青山のお店にも寄ってみたいと思ってますが、東京は不慣れで どうなることやら。
先日のお茶事の様子も素敵で お茶も始めたくなってます。
Commented by team-osubachi2 at 2013-11-08 14:07
cello87さん
そうですか、着物デビューおめでとうございました〜♪
もう羽織ものの季節ですが、これから先、羽織もお茶も、お気に入りの一枚、いい先生とご縁があるといいですね、
で、思いつきで結城へ足を向けられるとは、おお〜!私も行ったことがないので距離感がわからないんですが、日帰り圏内とはいえ遠いでしょうからお疲れになりませんように。
Commented by 香子 at 2013-11-09 00:21 x
うふふ、みなさまミドレンジャーなお着物でうれしゅうございます♪
日本髪…ワタシは髱が控えめで斜め上に高くなる「先笄」が好きなんです。
そのうち機会があったらお願いしますです〜 (^-^)/
Commented by team-osubachi2 at 2013-11-09 00:34
香子さん
ミドリね〜、良いですよねえ〜♪洋服じゃ着ないのに、着物だと好きになっちゃうんですよねえ〜、なじぇ?(笑)
先笄も特徴ある髷の形してますよね。江戸と上方では若干膨らませ方とかに違いがあるみたいなんですけど、ついつい舞妓ちゃんが衿替え前に結う先笄を一番に思い出しちゃいます。いつか機会がありましたら〜♪
Commented by 朋百香 at 2013-11-09 09:03 x
tomokoさま
たけ女さん、好きだわ〜。
お着物の柄と帯、そしてすっとした姿勢に、彼女の
性格も垣間見えるような・・・。sognoさん同様、妄想に
入ってしまいます(笑)
うめ女は、高校生の頃を思い出しました。
うちの学校、お琴が必須科目だったんです。
もうすっかり忘れてしまいましたが・・・。
Commented by sakurako_h at 2013-11-09 15:26
私はまつ女さんの絵が好きかなぁ。
はんなりと優しそうでいて芯が強い女性って感じです。
ピンと張りつめた中に澄んだ音色が聴こえてきそう。

日本髪が似合わない人っていなかったのかなぁと
変なことを考えてしまいました(笑)
Commented by team-osubachi2 at 2013-11-09 16:21
朋百香さん
そうですか、朋百香さんもおたけさんお好きですか。
おたけさんはなんといってもモデルがよかったからかもしれないですねえ(笑)。
で、なんとお琴、高校で必須ってへええ〜〜!です。お嬢さん方が通う学校でいらしたとか?いまありますかね?案外覚えていることけっこうあるかもですよ。なにせ今の年齢で始めるのとは比べ物にならないくらい覚えのいい年代ですもん。私の潜りのお稽古とはやっぱり違いますですよ、きっと(笑)
Commented by team-osubachi2 at 2013-11-09 16:29
sakurakoさん
富山はギリギリ西日本文化圏ですけど、sakurakoさんも西方ですもんねえ。江戸に住まう方が長くなって、関西も関東もどっちも好きってなコウモリな私ですけども、そう、それぞれの良いところがあってどちらも捨て難いのですよねえ〜。
日本髪以外なかったから、みんな何かしら似合ってたのでは?でも髪の悩みってきっとず^っと昔からありましたよね。縮れッ毛の人の悩みは相当だったみたいですし、髪の色が明るいのも悩みだったみたいですし〜。形も「アタシはこうしたいのにそれぢゃあ似合わないって髪結いがやってくれなくてねえ・・・」なんて不満もあったかもですね〜。(笑)
Commented by 風子 at 2013-11-11 23:04 x
早速 成果が、、、、素晴らしいです。
私 おまつさんが好き。
この髪型も好きです。

眉を剃ってお歯黒って 昔の映画で見ると 壮絶に色気が
でてることありますね、ぞくっとするくらい。
そういう意味でしていた習慣ではないと思いますけれども。
Commented by team-osubachi2 at 2013-11-12 09:43
風子さ〜ん
はい、もうね、取材させていただいたときのイメージを忘れないうちに描いてみたのであります〜♪おまつさん、お好きですか?ありがとうございます。
>壮絶に色気がでてることありますね、ぞくっとするくらい。
ホント、映画や芝居に絵画でそう見えること感じること、ありますよね。
だいぶ以前にテレビで紹介していましたが、たしか室町時代の頃に日本にきた外国人(南蛮?)だかの日記に、とあるお寺の階段のところで、既婚と思われる婦人とすれ違いざま、被衣の下からチラと微笑んだ顔を見たら、眉毛がなくて口が黒くて恐ろしかったという印象のようなことが記してあるそうで・・・うん、うっそうとしたお寺の石段で実際に遭遇したらちょとコワイかも・・・って思っちゃいました。
青眉・鉄漿って、やっぱり夜化粧として見る方が綺麗なんでしょうね。でも、大殿油の灯る空間に長い黒髪とあの夜化粧は・・・現代人には妖しすぎるかもですねえ〜。(笑)
by team-osubachi2 | 2013-11-07 16:53 | 時代もの画 | Comments(14)