暗がりも味わいながら

11月2日(土)くもりのち夕刻に一時雨

昨日はとてもゆったりとしたお茶会にお招きいただいた。
川崎市にある川崎市民プラザというところに小高庵という茶室があって、
そこの小間はかの有名な如庵を模した茶室なんだって。

そんな小間でわずかな人数でお茶をいただくのなんて
いったい何年ぶりのことかしらん?

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今回お誘いくださった絵美さんは東雲色の無地一つ紋。
私も青磁色の無地一つ紋。
絵美さんは白地の有職紋、私は能衣装からの写しもんで
お互い織りの名古屋帯でお行儀よくしつつも重すぎない装いで。

(お茶会の様子は神奈川絵美さんのブログでもどうぞ)
 http://bit.ly/1bQK5Iu

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ご同席したのは、絵美さんとお社中のTさんとお友達、
あわせて五名で席入りした。
にじり口から入って、お床とお釜を拝見して
お正客の席につかせていただいた。

あらま、お正客を?・・・はい。
お茶をやめてもう何年にもなるから、無作法は覚悟の上で。

でも、気さくにお話くださる席主のS先生の説明をうかがいながら
あえて電灯を灯さずに暗い茶室の中で
寛ぎと程よい緊張感につつまれてお茶が点つのを待った。

f0229926_17164182.jpgお社中のTさんと
絵美さん

ああ、炉炭の火があたたかな色だなあ・・・。
肌寒い外気の中で、お釜から立ち上る湯気も心地よさげに見える。
明かり取りの窓から差す光が
お点前の方や半東さんの姿をほのかに浮かび上がらせていた。

如庵にゆかりの「有楽窓」というお菓子と、
火伏の亥の子型のお干菓子も美味しくいただきながら
結構なお服加減に点てられたお薄を心ゆくまでちょうだいした。

お茶銘や主茶碗のご説明はコロッと忘れてしまったけれど
(これだもの、いやしんぼのお茶なんてのはネ)、
暗がりもまたここではご馳走だ。
暗い室内だからこそ視覚以外のセンサーが働くんだ。
掌にある主茶碗の感触と軽さ、かすかに見てとれる陰翳・・・。
静かで美しいなって思った。

小高庵を退出するころから時雨だした。
あの小間でなら、雨のお茶もまた楽しからずや。
雨だれの音もきっとご馳走になるに違いないもの。
いつかそんな機会があるといいなあ。
そんな事を思い描きながら帰路についた。

この度のお招き、どうもありがとうございました。感謝♪

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Commented by sogno-3080 at 2013-11-03 10:26
茶室は小宇宙ですね。まるで別世界~
文章読ませていただいていると、まるで私もお茶室の中に座っているみたいな錯覚に陥りました。
デティールがくっきりと浮かび上がってきますよ。
お着物、おみ帯、すっきりと上品かつ優雅。
お見事です。「暗やみも味わいながら・・」、日本人
DNAの成せる技ですね♪
Commented by セージグリーン at 2013-11-03 13:52 x
よいお席が近くにあるのですね。幽玄の境地で心置きなく喫茶を楽しまれた由、何よりでしたね。その昔も、今も夜咄の茶事ではほの暗い中でのお手前ですから、その時期、その時刻の自然光を取り入れるだけのほうが、情緒があるというものですね、陰影礼賛、、、。
お二人ともご自分に似合うお色をお召しだから、しっとりと、しかも凛とした佇まい、,,ステキです。
非日常的空間で、女子力が一層磨かれるのですね。
Commented by at 2013-11-03 14:14 x
昨日はお越しいただいたうえにお正客もしていただきましてありがとうございました。
おかげさまで和やかなお席になりました。
今日みたいに陽がさしていましたら室内がよく見えたと思います。しかし昨日の暗さ、肌寒さも楽しんでいただけた由、良かったです。
室内が暗いとお釜から立ち上る湯気があんなにも綺麗だと、私も初めて気づきました。モノクロ映画を見ているようでした。(テマエミソデ スミマセン)
もしよろしければ、来年の茶会にも是非お越しくださいませ。

Commented by 朋百香 at 2013-11-03 14:20 x
tomokoさま
詳しくレポート、ありがとうございました。
川崎市民プラザの中にこ〜んな庵があるんですね。
お庭も素敵。のんびりゆったり、そして程よい緊張感、
「あえて灯りを灯さない」 昔はそれが普通だったんでしょうね、明るく、便利に慣れてしまった変わりに失って
しまった感覚っていろいろあるのだろうな・・・て、これを
読んで思いました。
日本人ならではの楽しみ方ですね〜。
お2人のお召し物もいつもとは、ちょっと違って素敵!
たまには柔らかものも良いなぁ〜。
Commented by 神奈川絵美 at 2013-11-03 22:15 x
昨日はとーっても楽しかったです!
ご一緒くださいまして、ありがとうございました。
寿光織の青磁色のお着物、知的で透明感があって、
お茶室の雰囲気にもとてもよく合っているように思いました☆

庵の間取り等々、イラストが嬉しいです。さすがです!
あの、自然光と影が織りなす空間でのひとときは、
小間でのお茶会が初めてだった私には、とても新鮮で
貴重なひとときでした。
拙ブログから、こちらの記事にリンク貼らせてくださいね。
Commented by 香子 at 2013-11-03 22:38 x
いいですねえ、お茶は門外漢ですが大好きです♪
(お席に正座ラックを持って行く阿呆ですが…苦笑)
色無地のこのよそ行き感も好きです (^-^)b
みなさま、ステキです♪
Commented by team-osubachi2 at 2013-11-03 22:49
sognoさん
はい、茶の湯は宇宙なのであります!
たかだか私程度の人間が云うのなんですが、以前、はじめてお茶事の亭主を務めさせていただいたときに、小間の点前座には宇宙がある!って感じましたが、今回S先生がお釜には宇宙があるとやはりおっしゃられていて、炉縁は木、炉炭は火、炉の壁が土、お釜は金(金属)、そしてお釜の湯は水、これすべて宇宙にある5つのエレメント、すなわち五行(中国など東洋の宇宙観)から成り立っている、と。うわ、ホントにそうだ!って。
こういうお茶会を催してくださる先生はありがたいです。
お菓子もお茶も美味しかったですが、日ごろの慌ただしさと隔絶されている別世界の味わいこそが馳走なのでありました。また体験したいです♪
Commented by team-osubachi2 at 2013-11-03 23:01
セージグリーンさん
夜咄の茶事もいいですよねえ〜♪ 二度ばかり体験させていただきましたが、あれももうホントにゾクゾクするくらい夢のように美しい世界がありますですね。もっとも、体験してみてわかったことですが、和蠟燭や燭台の灯から出る煤がすごくてそれもビックリ!でした〜。あれでは今回袖を通したような淡い色目の着物は「やめとこ」って思っちゃいますねえ(笑)。
川崎市民プラザって面白いところですね。川崎市のバブルの遺産?納税した方々に感謝です(笑)。上手に活用されていくといいなって思います。
Commented by team-osubachi2 at 2013-11-03 23:13
環さん
このたびはとても好いお茶会にお誘いくださって、どうもありがとうございました!
S先生、なんとありがたい先生でいらっしゃることか、いち客の私もいろんなことに感激しながら愉しませていただきました。機会がありましたら、ぜひまたお伺いしたいと思います。
あ?!しまった!環さんのお召し物、素敵なおみ帯の後ろ姿も撮らせていただけばよかったですね?!余談ですが、あれからあの落款らしきものについてずっと考えています。源氏香はたしか手習?サトイモのような藁の束のようなあれは何か、興味深々です♪
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
Commented by team-osubachi2 at 2013-11-03 23:29
朋百香さん
今回はスリー・カラーズになれなくてちょっぴり残念でした。たまにはいいものですねえ〜、ちょいとシックなやわモンも♪
川崎市民プラザというところもはじめて知りましたが、小さなエリアに大きな木々や少し深い谷地や池もあって、古がどんなところだったのか想像させてくれるなかなかよいところでした。その一角にある茶室。ほんと川崎市民の皆様の税金のおかげですよね(笑)。
亭主方にしてみれば、せめてもう少しお天気が良ければなあと思うのもわかりますが、客としてはこれも一興、逆になかなか味わえない空間ですからどんな状況でも私は愉しむだろうなって思うのでした。あの空間はしかし、炉に釜がかけられ、ともに血の通った人が集う場になってはじめて生き生きと存在感を示すのですよね。ただの数奇屋建築として見学するのとはやっぱり趣きがまるで違うのでした。いつか機会がありましたらぜひ色無地シスターズで♪
Commented by team-osubachi2 at 2013-11-03 23:42
絵美さん
こちらこそ、お声をかけていただいて感謝です!
ほんと面白かったですねえ!まさに面がほんのり白む愉快さ、でした。
小間でけっこうぎゅうぎゅう積めこまれてしまうと、たしかに「宇宙」を感じるにはほど遠いかもで(笑)、なかなかこんなゆったりとしたお茶会を催していらっしゃる先生は少ないのかもしれません。ありがたかったですよねえ。
お菓子も美味しかったですし(有楽窓みたいなあんこをはさんだ薄いのって大好きで♪)、お茶もほんとうにたっぷり美味しく頂戴しました。
スケッチ、絵美さんのコメントのあと、お棗とお茶杓、茶碗もメモっておきました。銘、うかがいましたっけ?そういうのぜんぶホゲホゲしちゃって伺うの忘れてました〜。お正客、役立たずで意味な〜し!(笑)
Commented by team-osubachi2 at 2013-11-03 23:51
香子さん
私もですね、夏場いっとき膝を傷めてましたので一応携帯用正座イス持参するんですが(笑)、広間はともかく小間ではなかなか・・・。やっぱりナシで席入りしましたん。膝、回復してて助かりました〜。
お茶は基本いただき方だけ知っておけばいいのであります。いや、いっそ何も知らなくてもいいのかも。喫茶をこころゆくまで美味しく愉しむって事の方が大事でしょうから。
ひさ〜〜しぶりの色無地、着心地もよござんした〜♪
Commented by sakurako_h at 2013-11-04 15:40
まぁ、なんて上品な奥様でしょう!

正座が苦手なので、お茶は無理…と諦めておりますが、
その美意識は本当にスゴイと思います。
すべてに目の行き届いた正におもてなしですよね。
饅頭を膝でワンバウンドさせて、
畳にコロコロと落としたことあり(^^;;;
Commented by yukiko at 2013-11-04 20:15 x
↓の記事を拝見してから着姿アップ楽しみにしておりました^_^
素敵なお色のお着物、そしてこういう帯も今ではもう手に入らないでしようね。いいわ〜♪
お茶を習っていても小間でもぎゅうぎゅう詰めの大寄せのお茶会ばかりで「宇宙」に想いを馳せるこういう空間は未経験、憧れです。
Commented by team-osubachi2 at 2013-11-04 23:46
sakurakoさん
>なんて上品な奥様でしょう!
うわ〜〜、こんなコメントをいただいた日にゃ急いで木に登らなくっちゃ〜!ですよ(笑)。
大寄席のお茶会はまだ立ったり座ったりお席の時間も短いから、機会がありましたら正座イス持参で行かれても良いのでは?と思います〜。
でも小人数で正式なお茶事はそれこそ一度座ったら仲立ちのとき以外は4〜5時間ほどは座りっぱなしなので、コーネン期の膝にはもはやご縁がなくて幸いかもです。
>饅頭を膝でワンバウンドさせて、
それもいい思い出ではありませぬか〜♪気の置けないお席でそういうハプニングも楽しいですよ。って、ご本人はどうかわかりませんけど〜(笑)
Commented by team-osubachi2 at 2013-11-05 00:01
yukikoさん
絵美さんとも話してたんですが、程よく格もあって品の良い名古屋帯ってありそうでなかなかないですよねえ〜。そうたいした織りではないんですが、締めたときに映えてくれる帯でお茶のときに活躍してくれるお利口帯です♪
私の茶道の先生方(お二人いらっしゃいました。江戸千家と裏千家)はいずれも大寄席のお茶会よりも、せいぜい社中とお友達だけお招きする茶会か研究会、それとお茶事の方を大事にされて実践なさる先生方でしたので(お免状も欲しい人だけどうぞって感じで)、まだ経験したことがなかった私は大寄席のお茶会がどんなものか行ってみたかった時代もありました。今は?ときかれれば、まあ、ケースバイケースで、でしょうか(笑)
茶室の宇宙・・・いつか良い機会がめぐってくるといいですね ♪
by team-osubachi2 | 2013-11-03 00:59 | 着物のこと | Comments(16)