藤川幸之助著・詩集『徘徊と笑うなかれ』

つい数日前、ニュースで知ったことですが
厚生労働省研究班による報告では、
この国の認知症患者は推定462万人だそうです。
これが、超高齢化社会のこの国の現実のようです。

一人暮らしの認知症患者もたくさんいるようですが、
認知症患者にはたいがい連れ合いや家族といった介護する人たちがいるでしょうから
患者で462万人とすれば、同じ数くらい介護する人がいるのだなあと
ニュースを見ていて思ったのでした。


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詩人の藤川幸之助さんは、若くして認知症になったお母さんの介護を
20代のときからされてきて、その有り様を言葉に綴ってこられた方です。
昨年亡くなられたお母さんとの、
その24年間を総まとめした詩集がこのたび上梓されました。

深い闇を経験した人の中から生まれる言葉というのは
本当に強いものだなあとつくづく思います。
詩というカタチではあっても、場面のひとつひとつはリアルで、
認知症の患者と介護者の現実があるがままに表現されています。
読み進むのがつらいと思う方もいらっしゃるかもしれません。
けれども、最後まで読んでいただければ、
この親子に通った「こころ」というよりも「たましい」に
尊い何かが生まれるのをきっと感じられることと思います。

今回、私はこの詩集のカバー絵と挿し絵を担当させていただきました。
私自身には自分の絵については正直どんなものか判断がつきませんが
藤川さんの詩の邪魔にならず、読み手のキモチがわずかでも静かに、
平らかになってくれたらいいなあ〜・・・と思っています。

今この詩と同様の現実に生きる人たちや、
遠からず関わることになるかもしれない人たちだけでなく
人間の心ってどうなるんだろう?と疑問を持つ人たちなど、
一人でも多くの方に読んでいただければと思います。

藤川幸之助 web
http://www.k-fujikawa.net

藤川幸之助『徘徊と笑うなかれ』/中央法規出版
http://bit.ly/197OObq

藤川幸之助『徘徊と笑うなかれ』/Amazon
http://amzn.to/1fS168Y
Commented by セージグリーン at 2013-09-29 23:00 x
24年間も、,,気の遠くなるような献身の日々、その中から
>この親子に通った「こころ」というよりも「たましい」に
尊い何かが生まれるのを

が生まれ出たのですね、、、。
実は親しい友が、10年ほど前から若年性認知症のお連れ合いを介護してらして、最終段階を迎えています。ここでTomoko様の御本をご紹介頂いたことを、何かのご縁と感じています。
Commented by team-osubachi2 at 2013-09-30 11:14
セージグリーンさん
たとえば中年期からの24年の時間の流れとは違って、若い20代ど真ん中からの24年間だったのを思うと、藤川さんの50年間はハンパない時間の濃さだなあ〜と思いました。お母さんが亡くなられて、これからの人生はどんな時間をお過ごしになられるのでしょうね?
お友達の方、大事な時期をお迎えなのですね。今年は秋山正子さんとおっしゃる終末ケアの先生のエッセイでもお仕事をいただき、考えさせられることがいろいろありました。人それぞれ人生を生き抜くというのは、もうそれだけで尊いことだなあと思うようになりました。
Commented by fuko346 at 2013-09-30 17:12
夫の両親が10年近く、今は私の両親が少しずつ、、、。
人ってなんなんだろう 何が その人をその人たらしてめいるのだろうか 命って何だろうって 感じることが多くありました。
がん、の終末期とは また違う 深遠を見てしまいますね。
たぶん 経験しても 見るものは違うのかも知れませんか。

それにしても tomokoさんの絵は お優しい。
Commented by team-osubachi2 at 2013-09-30 23:17
fukoさん
fukoさんのところもお四人いらっしゃるのですね。こちらも私の両親が二人していまそれぞれ院に入っておりますが、みなさんそれぞれいろんな状況がありますですね。
>何が その人をその人たらしてめいるのだろうか
私もそんなようなコトを考えてみることがあります。前にも書いたかもですが、私の祖母はめちゃくちゃ気が強かったのに木瓜の花になってから大人しい女学生になり、賢明だった母方の祖父は粗暴になったのを見て、この肉体の中に住まう祖母や祖父の中身の核というか魂ってどうなっちゃってるんだろう?って思ったものでした。今でも知りたいと思ったりします。糸電話のようなもので認知症や重病患者さんのハートと言葉を交わせたなら、介護もだいぶ変わるでしょうか・・・???
Commented by 朋百香 at 2013-10-01 11:45 x
tomokoさま
私は義母を4年介護しましたが、この方は24年。
どんなにか大変だったろうかと・・・
それはもう自分との戦いですものね。
何が辛いって、自分の本質を見せつけられること、
日々、それが辛かったです。
馬鹿げた話ですが、ある人に「この方は菩薩ですよ」
と言われて、それを信じることにしてから、何かが
変わっていった気がします。
姑だと思うといろいろな感情が浮かんできますが、
菩薩さまが私を成長させる為に来てくださったんだ、
と思いこむ事で乗り越えられたような。
最後、姑が私に手を合わせてくれたことが心の
宝物になっています。あれで私は救われました。
さあ、次は夫の介護ですかね・・・修行はまだまだ
続きます(笑)
Commented by team-osubachi2 at 2013-10-01 18:12
朋百香さん
うちの母も祖母の介護をそのくらいやったでしょうか、
最期は嫁である母一人が付き添っているときにきたのですが、
嫁姑問題が激しかった二人の仲でしたが、
祖母も最後にひと言「ありがとう」と言って逝ったそうで、
朋百香さん同様、母もそのひと言で救われたと言っています。
>修行はまだまだ続きます(笑)
はい、私もこれからが本番でしょうか。四人の親と、行く末は相方と。
この五人の最期までを心して付き合っていこうと思います。
それぞれどうなるかはわかりませんので、もう出たとこ勝負でいきます!
Commented by セージグリーン at 2013-10-09 19:38 x
他の本と一緒に、今日届きました。
タンポポの綿毛を愛しそうに包む、手のイラストが目にとまりました。
大事に読ませて頂きますね。
Commented by team-osubachi2 at 2013-10-09 22:00
セージグリーンさん
ありがとうございます!
表紙の絵の展開は私が考えたものですが、
藤川さんにも気に入っていただけたようでヨカッタな〜と思います。
どうぞゆっくりとお読みいただければと思います。感謝。
Commented by marble_soup at 2013-10-27 23:07
こんばんは。「絵日記日和」のハルです。

一昨日、注文していたこの本が手元に届きました。
涙がこぼれました。
カバーの絵も、やわらかく寄りそう挿絵も、とてもいいですね。
多くの方に手にとっていただきたく、拙ブログでも紹介したいと思っています。
アルツハイマー型認知症の義父と一緒に暮らした頃のことが重なりました。
わからなくなっても優しかった義父が懐かしく思い出されました。
でも。実の親であったなら、私の心持ちもまた違っていたかもしれません。
生きるということ、魂のこと。たいせつにしたいことをひとり静かに考えながら、何度もページを繰っています。
Commented by team-osubachi2 at 2013-10-28 22:22
ハルさん
こんばんわ。本、買ってくださってありがとうございました!いただいた感想、とても嬉しかったです。またブログでもご紹介くださるとのこと、どうぞよろしくお願いいたします。
お義父さま、そうでしたか。お世話をされていろいろご苦労がおありでしたでしょうが、優しみを介護してくれた人の胸に残して逝かれるというのは、人生の温もりのだなあ〜って思ったりします。
Eテレで知ったエリザベス・マッキンレーさんのインタビューを聞いて、認知症の人の心の奥にあるものがなんなのか、(他の方のコメント返しにも書いたのですが)聞けるものなら、そっと聞いてみたいものだなあ〜と思うのでした。
ハルさん、感謝です ♪
by team-osubachi2 | 2013-09-29 16:05 | 仕事をする | Comments(10)