『和服女性』四月の展示@ゑり華

*この展示は終了しました
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今年から、青山・骨董通りわきにある「青山ゑり華」さんで、
思いつくままに描いたいろんな着物姿の人物画を
月替わりで展示させていただいています。

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毎年四月になると、京都祇園甲部歌舞練場で
朔日から末まで一ヶ月間催される『都をどり』。今年もすでに始まっていますね。

「み〜や〜こ〜を〜ど〜り〜はァ・・・ヨ〜イヤサァ〜〜〜」
幕開け、あのおなじみの節まわしが響くと
両脇から揃いの衣装に身を包んだ芸妓らが登場するところは
何回観てもワクワクします♪

若いころ、祇園甲部だけでなく、他の花街の踊りも観てまわりました。
芸妓らの踊りはもとより、花街それぞれにある歌舞練場の古い建物そのものが
なかなかに味わい深くて、それを見てまわるのも好きでしたし、
またお茶席でいただくお饅頭がのっかったお皿をいただいて帰るのも
楽しみのひとつでした。

もう何年も観てはいませんが、こう書いていると、またひさしぶりに
観に行きたいなあ〜とウズウズしてきます。


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今年の首都圏の桜は勇み足で、もうすっかり終わってしまいましたが、
これから咲くのは、以前であれば五月ごろという印象があった藤の花。

学生のころ、調布界わいにあるちいさなお寺を通りかかったとき、
その境内にあった見事な藤棚に吸い寄せられ、
棚の下に立ったときの感動が今も忘れられません。
誰もいないフサフサとした藤の花の下は、紫色の光のかけらがこぼれ落ちてきて
ほんのり甘い香りがして・・・夢のようなひとときでした。

「瓶にさす 藤の花ぶさみじかければ たたみの上に とどかざりけり」
                            正岡子規


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江戸城築城の基礎となった太田道灌の名前を知ったのは、
もちろん東京に出てきてからのことでしたが、
その太田道灌についてまわる山吹の花の伝説を知ったのは
もうちょっと後になってからでした。

徳川以前の古い江戸や武蔵野のあたりの草深い様子は
さすがに想像のほかですが、この伝説が人びとに親しまれてきたのには
きっと素直にわかりやすい優しみと、ほんのりした哀しみとが
感じられるからかもしれないと思っています。

「七重八重 花は咲けども山吹の みのひとつだに なきぞかなしき」
                        中務卿兼明親王


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春の万葉歌を探していたら、こんな恋歌に出会いました。

「風吹けば 峰にわかるる 白雲の 絶えてつれなき 君が心か」
                         壬生忠岑

九世紀もおしまいの人だったらしい壬生忠岑(みぶのただみね)。
万葉の時代も、現代も、相手からの連絡がぷっつり途絶えると深く落ち込んで
ああだろうか、こうだろうかと思い悩むのはまったく同じ。
どんなに文明が進もうとも、太古から現代まで
人間の悩みは何も変わっていない・・・と、何かで読んだことを思い出しました。
そんなものかもしれないなあと思います。


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*イラストレーションの無断使用及び複製・転載をかたく禁じます

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スキャニングがあまりよくなくてすいません。
もしもお近くにいらっしゃることがありましたら、
ぜひ「ゑり華」さんの店頭で、額絵としてご覧いただけましたらさいわいです。

青山ゑり華
http://www.erihana.co.jp
Commented by 朋百香 at 2013-04-07 10:48 x
tomokoさま
ああ〜、都をどりの季節なんですね〜。
初めて見たのは、中学生の頃だったかな・・・?
この絵の提灯、舞子さんの衣装、あの時の空気が
蘇ります。ところで、「都をどりは、よ〜いやさ〜」の
さ〜のところ、想う人の名前を入れるというの、本当
かな? 「としお」さんだったら、「よ〜いやと〜」に
なる訳ですが・・・。昔、聞いた話なので定かでは
ありませんが。
Commented by 神奈川絵美 at 2013-04-07 11:35 x
こんにちは!
壬生忠岑といえば、小倉百人一首にある
「ありあけのつれなく見えし別れより あかつきばかりうきものはなし」(←小筆で練習 笑)。記事中の歌といい、恋の悩み多き人だったのでしょうか。

藤の花は香りがあっていいですよね。私の故郷ではツツジと藤がほぼ同じ時期に咲くのですが、ツツジは香りがないので、艶やかさでは藤に軍配が上がるかなあ。おっしゃる通り、さんさんと光が降り注ぐような藤棚の藤も美しいですが、イラストのように花器に二房三房、生けた藤というのもつつましやかでいいですね。
Commented by team-osubachi2 at 2013-04-07 11:46
朋百香さん
なんだか華やかですよねえ〜やっぱり。羨ましいなあ。(お江戸には東をどりと赤坂をどりもありますけどねえ・・・)

>都をどりは、よ〜いやさ〜」のさ〜のところ、想う人の名前を入れる
へええ〜〜〜!知りませんでした。でも、いつもあの「よ〜いやサ〜」がどうしてだか「よ〜いやピャア〜〜♪」とか「シャア〜♬」とか「ヒャア〜♪」に聞こえてしまうんですが、もしかしたら、そう言ってる妓もいたりして?
Commented by team-osubachi2 at 2013-04-07 11:59
絵美さん
壬生忠岑って、いまでいえばもしかして恋愛相談者みたいなものだったりして・・・?な〜んて思ったりしました。さすがに当時の人の男女事情はどんなもんか細かいところはわかりませんが、歌に詠んで何百年も残るなんえいうのは、やっぱり昔も今も心情には変わりないってことかもなって思います。でも、歌の詠めるような自然風景はすっごく変わってしまいましたよねえ、きっと。
子規のこの短歌も、今ごろになって(勝手な解釈ですけども)、ああ、もしかして、これって、長く臥せって横になっていた彼の目線の高さだったのかなあ・・・なんて思うようになりました。山間に咲く藤の花にも強く惹かれるものがありますよね。5月の群馬県、友だちの実家を訪ねていったときに見事なつつじの咲く公園に連れていってもらいました。絵美さんのコメントで、今突然思い出しました!懐かし〜・・・!
Commented by 香子 at 2013-04-08 10:31 x
行こうと思っていても、なかなかえり華さんに行けてません。
今月こそ!…行けたらいいなあ。。。
以前は「山吹の里」の碑がある近くに住んでおりましたから
太田道灌関連の句は懐かしいです。
山吹も好きな花です♪
Commented by team-osubachi2 at 2013-04-08 11:23
香子さん
そういう私も、一日には額を入れ替えようと思いつつ、なんだかんだ日にちがずれ込んでからえり華さんへ行く有り様です。大人ッて、どしてこんなに忙しないの〜〜???

>以前は「山吹の里」の碑がある近くに住んでおりましたから
ああ、へええ〜〜そうなんですね!
山吹の色も、まわりの花の色の中ではひときわ目立ちますよね。花の名前が色名として残るだけのことはあるなあ〜って、いつも感心する個性的な花の色です。
by team-osubachi2 | 2013-04-05 14:19 | 時代もの画 | Comments(6)